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第60話 修学旅行20
しおりを挟むほっとした空気が流れる俺と麗華。しかし、俺たちの背後から冷たい殺気が流れ込んできた。
「麗華……」
低く、凍るような声が響く。振り返ると、そこにはアカマターが全身から邪気を放ち、凄まじい形相でこちらを睨んでいた。
「麗華、どういうことだ……?お前は私の番だぞ。私に忠誠を誓ったはずだ!!」
アカマターは怒りで震え、蛇のような目がギラギラと光り、今にも襲いかかりそうな勢いだった。あれ、これってやばくないか?
「アカマター様……いいえ、アカマター。私はもう、貴方の番ではないわ。」
麗華は静かで毅然とした態度で言い放つ。その声には、もう迷いは感じられなかった。
俺はすかさずフォローに入る。
「おいおい、アカマター、落ち着けよ。俺たちは排便とオナラの話で和解したんだ。麗華はもう俺の元に戻ったんだよ!」
その瞬間、アカマターの表情が一変。怒りで眉間にシワが寄り、地面を激しく叩きつけながら叫んだ。
「排便とオナラ!?何を言っている!!麗華はそんな低俗な話で正気に戻るべきではない!彼女は神聖なる私の妻となるはずだったのだ!!」
大地が揺れ、アカマターの怒りが周囲を震わせる。彼の姿はまるで巨大な蛇が怒り狂って暴れるかのよう。さらに、体を膨らませてその威圧感を増してくる。
「アカマター、落ち着け!俺たちは恋愛も排便も全部ひっくるめて乗り越えていくんだよ!それが家族ってもんだ!!」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
アカマターの咆哮とともに、巨大な蛇の体が地響きを立てながら猛然とこちらに迫ってきた。怒りに任せて全力で突進してくるその姿は、まるで暴走する列車のようだった。
「麗華は、お前なんかのものじゃない!俺たちの絆は、排便の話すら越えて強くなったんだ!!」
アカマターの巨体が目前に迫る。しかし、俺はその場から一歩も動かず、逆にポケットに手を突っ込んで、わざと肩の力を抜いてみせた。
「――――闇の盾!!」
麗華の冷静な声と共に、彼女が呪術を発動させた。
闇のエネルギーが形を取り、巨大な盾となって俺とアカマターの間に立ちはだかる。
「ぐぉっ……!」
アカマターの巨体が盾に直撃した瞬間、凄まじい衝突音が辺り一帯に響き渡った。盾とアカマターの体がぶつかり合い、その衝撃で大地が揺れ、砂埃が舞い上がる。
麗華は毅然とした表情を浮かべ、アカマターをまっすぐに見据えている。微塵も動じる気配はない。
アカマターの巨体が一瞬揺らぎ、彼の鋭い目が麗華に向けられる。
「貴様……麗華!なぜ私に逆らう!?」
怒りに燃えるアカマターの視線を受けながらも、麗華は静かに口を開いた。
「私は、貴方に従うつもりはもうないから。」
「麗華、お前は私のものだ!こんな愚かな人間の男に戻る必要などない!」
その言葉に、俺は怒りが込み上げたが、麗華が一歩前に出て毅然とした態度で言い放った。
「私は貴方の所有物じゃないわ、アカマター。勝手に『もの』扱いしないで。」
その一言で、アカマターの目が完全に怒りで燃え上がる。彼の怒気が渦巻き、周囲の空気がさらに重くなる。
「なんだと!?私を捨てて、こんな低俗な話ばかりする愚かな男を選ぶのか!?麗華、私を裏切る気か!!」
その問いに、麗華は冷静な声で応えた。
「――――そうね。都合の良い甘い幻想しか見せない貴方より、私は飯田君を選ぶわ」
その瞬間、俺の心の中で何かが弾けた。
――え?今なんて言った?俺、選ばれた?飯田君って、俺??
「俺!?お、俺を選んだ!?マジで!?俺が!?お前、俺を!?選んだ!?」
頭の中は完全にお祭り状態だった。まさか麗華が、俺を選ぶなんて。俺は正直夢の中かと思った。いや、実は今も夢見てるんじゃないかって思って、ほっぺたを軽くつねったくらいだ。
――痛てぇ!本物だ!!
「やったぁぁぁぁ!!麗華が俺を選んだぞぉぉぉ!!」
俺はもう、完全に調子に乗りまくってガッツポーズを決めた。周りの景色も見えないくらい、頭の中は麗華の言葉でいっぱいだった。
「ハーレム王、ここに誕生だぁぁぁ!見たかアカマター!!俺、選ばれたんだぞ!!お前は甘い幻想ばっか見せてたけど、麗華は俺のリアルさに惚れたんだよ!!」
アカマターはめっちゃキレてるけど、俺はもうそんなのどうでもいい。だって、麗華が俺を選んだんだぜ!?勝者は俺、雷丸だ!
「飯田君、落ち着いて。調子に乗りすぎないで」
麗華がクールに言ってるけど、そんなの聞こえない。もう俺のテンションは宇宙までぶっ飛んでる。
「いやいや、麗華!お前が俺を選んだんだぞ!?俺を!!すごいよな!?まさか俺が、お前のナイトになるなんて!」
「ナイトって……いや、もう……」
麗華がため息をついてるのは分かる。でも、全然気にしない。だって、俺は今、世界で一番幸せな男なんだからな!
「アカマター、お前はもう負け犬だ!麗華は俺のもんだぞ!俺たち、これからラブラブな未来が待ってんだよ!」
俺は完全に天にも昇る勢いで、アカマターに向かって挑発した。アカマターが今にも爆発しそうな顔をしてるけど、もうそんなの関係ない。
「麗華ぁぁぁぁ!!俺を選んでくれてありがとう!!俺たち、最高のカップルだぜぇぇぇ!!」
麗華はため息をつきながら、でもほんの少し微笑んでいた。その笑顔が、俺の中で一番の勝利の証だった。
「……本当にどうかしてるわね、飯田君。でも、まあ……悪くはないわ」
――――――そして。
「お、おおおお!!??」
その瞬間だった。俺の体の奥底から何かが湧き上がるような感覚がした。力が――いや、エネルギーが、身体中を駆け巡る。これまで感じたことのないほどの熱量が俺を包み込んでいた。
俺の体が震える。だが、それは恐怖や緊張ではない。興奮だ。内側から溢れ出す力が、俺を完全に支配していく。
「こ、これは……俺力!?」
全身が発光しているような錯覚を覚える。体中に青白い稲妻のような光が走り、それが俺の周りにオーラとなって広がっていく。気持ちが高ぶるにつれ、その光はさらに強く輝き始めた。
――俺力だ!あの異世界で目覚めた、俺だけの根源の力が、戻ってきた!
「うおおおおおおおおお!!!」
全身にみなぎる力が止まらない。拳を握ると、その感触さえも圧倒的な力の存在を証明している。これまで失っていた超人的な力が、今まさに完全復活を遂げた。
地面が俺の足元から軽く揺れる。それは俺の周囲に満ち溢れるエネルギーの影響だ。空気がビリビリと震え、俺の存在そのものが周囲に影響を及ぼしているのが分かる。
「体が……軽い!いや、軽いどころじゃねぇ!俺なら、今なら、何だってできる気がする!!」
両腕を大きく振り回すと、それだけで周囲の空気が渦を巻き、砂埃が舞い上がった。拳を軽く振り下ろすと、その衝撃で地面にひびが入る。
「これだ!この感覚だよ!!」
俺の声が自然と高ぶる。これが俺力――俺が自分自身を信じることで解放される、唯一無二の力。麗華が俺を選んでくれたことで、俺の自信が頂点に達し、この力を呼び覚ましたんだ!
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!俺、最高ぉぉぉぉぉぉ!!!」
その俺の宣言に対し、アカマターの表情がみるみる険しくなり、怒りのオーラを周囲に放ち始める。彼の蛇の瞳は、燃えるような怒りでギラついている。
「貴様……!!!麗華は、我がものだ!!どうして……こんな下賤な人間風情が……!!!」
その怒りの声は空気を震わせ、大地さえ揺らした。俺の周りの木々がザワザワと音を立てる。だが、俺はまったく動じない。むしろ、彼を煽り倒す態度を見せつける。
「おいおい、アカマターさんよ。そんなにキレちゃ、血圧上がっちゃうぞ?蛇って血圧高いとヤバいんじゃねぇのか?」
わざとらしく心配するふりをしながら、俺は余裕の笑みを浮かべた。さらに、あえて言葉を重ねる。
「まぁ、麗華が俺を選んだんだから仕方ねぇよな!お前が甘い言葉で騙そうとしても、結局は俺のリアルな魅力が勝ったんだよ!やっぱり、ラブはファンタジーじゃなくて、現実的な部分が大事ってことだ!」
アカマターの顔がますます歪んでいくのが見て取れる。彼の怒りは頂点に達し、まるでその巨大な蛇の体が爆発しそうなほどだ。
「この……小癪な人間めぇぇぇぇぇぇ!!」
アカマターが叫び、巨大な体を震わせながら地面を踏み鳴らす。大地が揺れ、まるで地震のように周囲が揺れるが俺はまったくひるむことなく、さらに煽り倒しにかかる。
「おー、怖い怖い!でも、そんなに怒っても俺には通じねぇぞ。だってさ、俺、勝ったんだから!!」
俺は勝ち誇ったように胸を張り、アカマターを指さして嘲笑う。
「お前はただの蛇野郎!いくら偉そうなこと言っても、結局は麗華に選ばれなかったんだから、もう終わりだよ!俺たち、ラブラブなんだからさ!」
「貴様あああああ!!!」
アカマターが今にも襲いかかろうとするが、俺は動じるどころか、さらなる挑発を重ねる。
「ほらほら、そんなに怒ってるとシワが増えるぞ!せっかくのイケメン蛇が台無しになっちゃうんじゃねぇの?」
煽りが止まらない。アカマターの怒りは頂点に達し、もう理性を失ったように狂気に満ちた目で俺を睨み続けるが、全くお構いなしだ。
「おー、さっさと諦めろよ!俺たち、これから最高の未来が待ってるんだからさ!お前は、その辺で一人でうねうね泣いてろ!」
目の前には、超激おこのアカマターが仁王立ちしてる。全身がウネウネしてて、マジでムカついてるってのが丸わかりだ。巨大な蛇の体が地面を叩きつけるたびに、大地が揺れる。めちゃくちゃ怒ってんじゃん。
「貴様らあああああ!絶対に許さぬ!この屈辱、地獄の底で思い知るがよい!!!」
アカマターの声がビリビリと空気を震わせる。周りの木々がバサバサ揺れて、まるで俺たちを飲み込もうとしているかのような雰囲気だ。
でも――俺たちはもう引かねぇ。
「お前、そんなに怒ったって無駄だぜ!俺たちの絆はお前みたいな蛇野郎には壊せねぇんだよ!」
俺が叫ぶと、麗華が静かに頷いた。そのクールな表情には、迷いが一切ない。
「麗華、準備はいいか!?俺たちでアイツをぶっ倒して、最高の修学旅行の締めくくりにしてやろうぜ!」
麗華は、目を細めながら静かに頷いた。そのクールな表情が、まるで戦闘モードに切り替わった証拠だ。麗華がこうなったら、マジで強ぇんだよな。
「えぇ、飯田君。アカマターは私たちであの世に送ってやりましょう」
――おっ、カッコいいじゃねぇか!これぞ俺たちのコンビプレイだな!
「来い、蛇野郎!俺たちの愛と絆で、お前を地獄に送り返してやるぜぇぇぇ!!!」
修学旅行最後の大仕事――いよいよ、決着の時だ!!
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