異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴

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第86話 呪術師界隈3

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「そして最後が中立派ね。彼らは妖怪を善とも悪とも見なさない。むしろ、人間と妖怪の共存を探る立場。無闇に妖怪を殲滅するわけでもなく、崇拝もしない。冷静にバランスを取ろうとしているのよ。」

「それが……伊集院家、ってわけか。」



 静香さんは満足げに頷き、穏やかな笑みを浮かべた。


 
「ええ、そう。中立派である私たちは、どちらの陣営にも与せず、どちらにも正当な立場で意見を述べることができる。それが私たちの強みよ。でも、同時に時には敵視されることもあるわ。それでも、私たちの目的はあくまで共存と調和。それを貫いてきたの。」



 その時、焔華がニヤリと笑い、からかうような口調で口を挟んできた。

 

「ふむ、中立派ってのは要するに『喧嘩両成敗』みたいなもんかのう?」

「ちょっと違うわね、焔華。」



 静香さんはクスリと笑みを浮かべながらも、その言葉を優しく訂正する。


 
「私たちは、ただ中間にいるだけではないの。ただ見守るだけじゃなく、積極的に解決策を探り、行動することで、人間と妖怪が共存できる道を模索しているわ。」



 その言葉には、静香さん自身の信念と誇りが込められているのがはっきりと伝わってきた。その姿は、まさに中立派の象徴そのものだった。


 俺はその説明を聞いて、妙に納得したような気がした。なるほど、だからこそ静香さんはこんなに優雅で、品があって、かつ厳しさも持ち合わせているんだな。中立派としての覚悟が彼女の存在そのものに刻まれているんだ。


 俺は、ようやくこの世界の構図が見えてきた気がした。殲滅派、崇拝派、中立派――まるで戦国時代みたいな派閥が入り乱れる中、俺はそのど真ん中に巻き込まれている――いや、むしろ引きずり込まれてるって感じだ。


 静香さんがさらに真剣な目で俺を見つめ、強く言葉を放った。


 
「覚えておきなさい、雷丸君。これからの戦いで、どの派閥が敵で、どの派閥が味方になるかは分からない。でも、どれも強力で厄介な相手よ。貴方が取る立場によって、すべてが変わるの。」



 俺はその言葉の重みを感じ、ゴクリと唾を飲み込んだ。

 
「そして、何よりも――」静香さんは俺をじっと見つめ、静かに言葉を続けた。

 

「貴方がどの立場を取るかで、この世界の運命は大きく左右するわ。」



 その言葉に、俺は改めて自分の立場を考えた。ハーレム王として楽しい毎日を送りたかったはずが、いつの間にか世界の運命まで背負わされることになっているなんて……。


 
「運命……って、俺、ただハーレム王になりたいだけだったのに……」



 俺が小さく呟くと、隣にいた焔華が豪快に笑いながら肩を叩いてきた。


 
「ふむ、雷丸。これからお主が呪術師の連中と戦うことになるなら、ますますお主のハーレムも守りが必要じゃの。わしが力を貸してやるぞ!」

「おぉ!頼むわ、焔華!」



 焔華の頼もしい言葉に、俺はテンションを一気に上げた。焔華がいれば、どんな困難もぶち破れる気がする。やっぱり、こういう頼れる仲間がいると心強いよな!


 その時、隣で雪華がキラリと冷たい微笑を浮かべながら静かに言った。


 
「じゃあ、私も呪術師を氷漬けにしますね。雷丸様のためなら、全員を氷の檻に閉じ込めます!」

「お、おう、頼もしいな雪華……氷漬けって、なんかすげぇ物騒だけど……まぁ、いいか!」



 雪華の物騒な頼もしさに苦笑しながらも安心していると、その隣で貴音がもじもじしながら手を挙げた。


 
「じゃあ……私は……うーんと……うーんと……肩揉み?」



 その発言に、一瞬、食卓が静まり返った。

 

「……肩揉み?」



 俺は驚いて貴音の顔を見た。呪術師との戦いに肩揉みって……いや、まさか新たな秘技か?肩を揉んで敵を油断させる作戦とか?


 焔華が腹を抱えて笑い出した。


 
「ははは!貴音、お主の肩揉みは確かに癒しの技じゃが、それで呪術師たちを倒すのは無理じゃろう!じゃが、雷丸の戦い後に揉んでやるのは良い案じゃの!」



 雪華もクスリと笑いを浮かべながら、「ふふ、貴音さん、優しいですね。でも、肩揉みは雷丸様にとって一番効果的かもしれませんよ?」とフォローしてくれたが、明らかに笑いをこらえている。


 貴音は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、「ご、ごめんなさい!だって、他にできることが……!」と縮こまってしまった。


 俺はそんな彼女を見て、優しく微笑みながら言った。


 
「いいんだ、貴音。お前の肩揉みも俺には最高の癒しだぜ!戦いの後はバッチリ頼むよ!」



 そう言うと、貴音はホッとした表情になり、微笑み返してくれた。


 その瞬間、食卓に温かな笑い声が広がった。俺はこのハーレムチームがいれば、どんな呪術師が相手でも怖くねぇかも――そう思えるようになっていた。
 
 
 麗華は、そんな俺たちのやり取りを微笑みながら静かに見守っていた。そして、優しくも力強い声で語りかけてくれる。


 
「みんながいるから、飯田君ならきっと乗り越えられるわよ。」



 その言葉に背中を押されるような気持ちになった俺は、力強く頷く。そして周りのみんなに視線を向けた。


 
「そうだな……お前らがいれば、俺は最強な気がする!」



 雪華は控えめな微笑みを浮かべながら、静かな声で応じた。


 
「そうです、雷丸様。私たちも貴方をお守りしますから……ね?」



 その言葉に、貴音も明るく声を上げた。


 
「そうだよ、お兄ちゃん!私がついてるから、絶対に大丈夫だよ!」



 焔華はというと、豪快に肉を頬張りながら、勢いよく拳を叩きつけた。


 
「うむ、雷丸、怖がってばかりではつまらぬぞ。むしろ、わしらがやつらを叩きのめしてやる番じゃ!ハーレム王として強き心で挑むがよい!」

 

 彼女の言葉に、俺は思わず笑みを浮かべた。みんなの頼もしい言葉が、俺の心をどんどん軽くしてくれる。


 
「よし……わかった!黒瀬禍月だろうが、烏丸天道だろうが、俺がハーレム王として絶対に乗り越えてみせる!」



 そう宣言する俺の声に、みんなが小さく笑いながらうなずく。その中で静香さんだけは、改めて真剣な表情で俺を見つめていた。


 
「雷丸君、貴方には大きな可能性があるわ。それはこの世界を変えるきっかけになるかもしれない。そのことを忘れないでね。」



 その静香さんの言葉に、俺は胸の奥にじんわりと広がる熱い感情を感じた。この複雑で厳しい状況に巻き込まれた以上、ハーレム王としてだけではなく、この世界に生きる者として責任を果たさなきゃならない。


 
「よし、任せとけ!俺の影響力ってやつ、存分に使ってみせるからよ!」



 みんなの励ましを受けて、俺はより深い覚悟を持ちながら、次のステージに向けた決意を固めた。このハーレムファミリーと一緒なら、どんな困難も怖くない――そんな確信を胸に。

 
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