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6.魔力の先生
しおりを挟む私の異世界にライフが始まった。
アレクセイに呼ばれ書斎は行くと魔力の使い方を教えてくれる先生を紹介された。
「アンリ・ウッドリーと申します。」
30代のアンリ先生は、はつらつとしエメラルドのような目と髪をした女性だった。私のブラック魔力を知る数少ない一人らしい。
「彼女は魔法防御術に長けている。こう見えて腕は確かだ。」
「まぁ、何?こう見えないって事?」
アンリ先生はケタケタと屈託なく笑った。
明るい人だなぁ。
「魔法を見るの初めてでどうしたらよいのかわかりません。宜しくお願いします。」
いつもの癖でお辞儀をすると笑われた。
「変わった風習ね。ま、いいけど。
それより、コレ。付けてみて。」
渡されたのは長めのネックレスでペンダンに緑色の石の指輪が通されていた。
身につけると服で隠れて見えない。
「うん。いいんじゃない?ね、アレク?」
親しく愛称で呼びながら私の手を握った。
同意を求められたアレクセイも「失礼」と断りを入れ私の手を取り確認をすると頷いた。
「指輪がブラック魔力を隠してくれるから決して外さないように。絶対に色の事は秘密だぞ。」
「はい。でも聞かれたら?」
「そうねぇ、あなた何色が好き?」
「えっーと、オレンジかな。」
「じゃーその色ね。」
そ、こんなに簡単に決めちゃって良いの?
「ねぇ、ちゃっと気分転換しない?この堅物と一緒に居たら気が滅入るでしょ?」
「何を言っ、」
アレクセイが次の言葉を繋ぐ前にアンリ先生が口を開いた。
「はいはーい。そこまで。ちょっと私の執務室まで連れて行くわ~。」
強引にひっぱられアンリ先生に連れ去られてしまった。
連れて行かれてのは、アンリ先生の職場だった。
「あのカビくさい屋敷と仏頂面のアレクも居たら気分も滅入るでしょ?」
そう言うと着くなりグイグイと建物の奥へ進んで行く。
ハァハァ、何でこんなに早歩きなんだろう?息があがってしまう。
深緑の扉にエメラルドグリーンの縁取りの扉を勢いよく開けるとそこには深緑のケープを着けた男女が整列していた。
「点呼!」
アンリ先生が大声で指令すると番号順に数が数えられた。
「はい、マリノ!」
突然、指差をさされた。
「11?」
疑問系で答えるとニッコリと頷かれた。
「今日からアシスタントに加わるマリノ・ハラダよ。当分はマリリンと行動して面倒を見るように。魔法はまだ使えないから教えてあげるように。」
え~~!何んにも聞いてないんですけど?
アンリ先生に声をかける前にマリリンが私の手を引いた。
「こっちよ。私はマリリン。隣からジョイ、フランク、ケイトよ。早速だけど、現場に向かうわよ。」
「えっ?えっ?ちょっと待って。」
アンリ先生を見ると行ってこいと手を振って自分の仕事を始めている。
ここの人達はテンポが良いというかせっかちなのか。
さっきからまともに話を聞いてもらってないのは気のせい?
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