召喚?それでは第2の人生はじめます!私、ブラック魔力の持主ですって。

牡丹

文字の大きさ
6 / 22

6.魔力の先生

しおりを挟む

私の異世界にライフが始まった。
アレクセイに呼ばれ書斎は行くと魔力の使い方を教えてくれる先生を紹介された。

「アンリ・ウッドリーと申します。」

30代のアンリ先生は、はつらつとしエメラルドのような目と髪をした女性だった。私のブラック魔力を知る数少ない一人らしい。

「彼女は魔法防御術に長けている。こう見えて腕は確かだ。」

「まぁ、何?こう見えないって事?」

アンリ先生はケタケタと屈託なく笑った。
明るい人だなぁ。

「魔法を見るの初めてでどうしたらよいのかわかりません。宜しくお願いします。」

いつもの癖でお辞儀をすると笑われた。

「変わった風習ね。ま、いいけど。
それより、コレ。付けてみて。」

渡されたのは長めのネックレスでペンダンに緑色の石の指輪が通されていた。
身につけると服で隠れて見えない。

「うん。いいんじゃない?ね、アレク?」

親しく愛称で呼びながら私の手を握った。
同意を求められたアレクセイも「失礼」と断りを入れ私の手を取り確認をすると頷いた。

「指輪がブラック魔力を隠してくれるから決して外さないように。絶対に色の事は秘密だぞ。」

「はい。でも聞かれたら?」

「そうねぇ、あなた何色が好き?」

「えっーと、オレンジかな。」

「じゃーその色ね。」

そ、こんなに簡単に決めちゃって良いの?

「ねぇ、ちゃっと気分転換しない?この堅物と一緒に居たら気が滅入るでしょ?」

「何を言っ、」

アレクセイが次の言葉を繋ぐ前にアンリ先生が口を開いた。

「はいはーい。そこまで。ちょっと私の執務室まで連れて行くわ~。」

強引にひっぱられアンリ先生に連れ去られてしまった。


連れて行かれてのは、アンリ先生の職場だった。

「あのカビくさい屋敷と仏頂面のアレクも居たら気分も滅入るでしょ?」

そう言うと着くなりグイグイと建物の奥へ進んで行く。
ハァハァ、何でこんなに早歩きなんだろう?息があがってしまう。

深緑の扉にエメラルドグリーンの縁取りの扉を勢いよく開けるとそこには深緑のケープを着けた男女が整列していた。

「点呼!」

アンリ先生が大声で指令すると番号順に数が数えられた。

「はい、マリノ!」

突然、指差をさされた。

「11?」

疑問系で答えるとニッコリと頷かれた。

「今日からアシスタントに加わるマリノ・ハラダよ。当分はマリリンと行動して面倒を見るように。魔法はまだ使えないから教えてあげるように。」

え~~!何んにも聞いてないんですけど?
アンリ先生に声をかける前にマリリンが私の手を引いた。

「こっちよ。私はマリリン。隣からジョイ、フランク、ケイトよ。早速だけど、現場に向かうわよ。」

「えっ?えっ?ちょっと待って。」

アンリ先生を見ると行ってこいと手を振って自分の仕事を始めている。
ここの人達はテンポが良いというかせっかちなのか。
さっきからまともに話を聞いてもらってないのは気のせい?






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...