天然天使にご用心♡

七々虹海

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 さて、夕暮れ時。

 一度天界に帰ってまた来るのはめんどくさいから近くをうろうろしていたよ。涼くんの学校の場所分かってるから、近くに迎えに行ってもいいんだけど、ここでって言ってたからなぁ。これから好きになってもらって恋人になるんだから、ここは大人しくきちんと言うこと聞いて待ってた方がいいよね。

 今日は沢山人に道を聞かれて、分からないから案内してあげられなかったけど、色んな人間と話せて楽しかったな。 
 これから涼くんとまた話せるんだ。
 朝みたいに勢いにまかせて話さないでちゃんと考えて話さなくちゃ。何から話そう。
会えたらって色々シミュレーションしてたはずなのに実物見たら全部頭から飛んでいっちゃうものなんだね。好きな人と話すって難しいや。

 それにしても、こうしていると待ち合わせしてるカップルみたい!
 そんな事言ったら嫌がるのかな。
 こっそり思ってるだけならいいよね。
 それにこれから両思いになるんだから大丈夫。
 頑張れルヒエル。

 あっ、涼くんの気配だ!

「……お待たせ」
「大丈夫!そんなに待ってないよ!」
「いや朝から待たせたんだから、大分待ったよね。いないかもって思ったんだけど、スゴいね、ずっと待っててくれたんだ…」
「本当に、長時間待った。って感じないんだよ?ずっとずっと天界から涼くんを見てた時間から比べたら大した時間じゃないから」

「今朝もそうだったけど、声大きいよね。俺んちで話そう」
涼くんち!何回も見たことあるよ!ちょっとね、男の子らしく少し散らかってるんだ。知ってる知ってる。
 今朝も人間界に来る前に朝元気か確認で見たしね。
「そうだ、名前、なんて言うの?」
「ルヒエルだよ。涼くん、よろしくね!」





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