天然天使にご用心♡

七々虹海

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 夕飯を食べ終えて、俺の部屋のベッドで転がって寛いでいたルヒエルくんが答えた。
 恥ずかしいって。初対面であんな事してきた癖に。天使の恥ずかしいの基準が分からない。ん?ルヒエルくんて俺より年上?

「ルヒエルくん。いくつなの?」
「年?さぁ、死んだ時の年齢のままなんじゃない?この見た目通り涼くんと同じくらいだと思うよ」

 死んだ時の年齢…本当なら年上。だけど、死んで天使になったルヒエルくんはその時の当時の姿のままなんだ。


 ……なんか、複雑な気分。


 この容姿で年上…複雑なんだけど、ベッドでうつ伏せで漫画を読みながら足をバタバタしてるルヒエルくんは可愛らしいし、ショートパンツから出てる色白の生足は誘ってるようにしか見えなくなってる。
 天使に手を出していいのかなぁ。今さら?違った、俺が手出されてるんだっけ。

 持ってく荷物は出来るだけ少なくしようって、最低限しか持ってこさせなかった。パジャマは俺の実家に置いてあるTシャツでいいよねって貸したからさ、そのぉ、俺のだとサイズデカイみたいで襟元ゆるゆるで位置によっては乳首見えるんだよ。そこまでの身長差があるわけじゃなくて、俺がオーバーサイズ好んで買うから細身のルヒエルくんには大分大きいみたいなんだ。
 見てたらスケベ心が出てしまって「何読んでるの?」ってルヒエルくんの頭側に腰かけた。
 うわっ、やっぱりだよ。見上げたルヒエルくんの顔と乳首がこんにちはしてる…。自分にもついてるし、男の胸だからぺったらしてるのに何でこんなに触ってみたいんだろう。
触ったら可愛い声出すのかな。舐めて転がしてみたら…。
 ヤバい。そんな欲求に支配されたら頭ん中そのことだらけで、初恋の天使とか関係なく、俺、今目の前にいてくれてるルヒエルくんの事抱いてみたいんだけど!って気持ちが出てきた。

 いやいや実家だし。ここは俺の実家で下の階のは俺の母親がいて、俺は友達って言ってルヒエルくんを連れてきてて、あぁぁ~!ルヒエルくんから目を逸らさないまま俺がずっと考え込んでるとこ見、ら、れ、て、た。乳首と、扇情的な唇と可愛い目が、どうしたの?って訊いてきてる気がする!

「涼くん大丈夫?さっきから1人でにらめっこの練習でもしてるの?」
コロコロと可愛い声で笑うルヒエルくんのおかげで理性とさようならしかけてるけれど、ここは実家なのだよ涼くん。

「ルヒエルくん、声出さない事できる?」
「えっ、声?」
喋っちゃダメって勘違いしたルヒエルくんは両掌で口を押さえた。可愛い勘違い、それじゃキスできないよルヒエルくん。


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