依り代に選ばれた子

七々虹海

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二人の高校生活

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 あの地獄のような夜から8年。
  
 僕と月希は高校二年生として高校に通っていた。二人での時間割も数年もすると飽きてきたり、レパートリーが無くなってきた。
 それならいっそ、勉強して学校生活送ってみようかって話になった。

 この頃には僕も、体内にある久耶の血を使い、人間が出来ないような事を出来るようになっていたから不正して入学も出来なくはなかったけど、ボロが出ると困るから、ちゃんと二人で勉強して受験して入学した。
 樹さんに手伝ってもらっての身分詐称は仕方ない。おまけにその学校に樹さんが保険医として勤め始めたのは、まぁ僕らのサポートだろう。

 ちなみに桜さんは近くでピアノ講師として働いている。人間社会で暮らすには、吸血鬼だって、人に混じって働かないとね。そんな姿見てると、普通の人と変わらない。血を吸って生きる以外は。

 出逢った時、僕と同じくらいの年に見えていた久耶も実は自分でも覚えてないくらいの年月を生きていたなんてね……。そんな風に思えないくらい久耶は人間らしい。


-・-・-・-


「お前らまた喧嘩してんの?」
 昼休み、僕の隣に久耶がいないのに気づいた悠太が話しかけてきた。
 悠太は、僕とも久耶とも仲の良い同級生でクラスメイトだ。一年の入学式で近くの席に座ってて、初対面なのにめちゃくちゃフレンドリーに話しかけてきて仲良くなった。

「別に…。なんで僕らが一緒にいないイコール喧嘩になるんだよ」

「いやだってさ、購買行くとき見かけた久耶、また顔色悪かったぜ?なんか分からんけど、お前ら喧嘩してると久耶の顔色最悪になるじゃん」
 悠太は、いつも久耶が座ってる席に座って焼きそばパンを食べ始めた。
「やっぱ購買の焼きそばパンはボリュームあって安くて俺らの味方だよな~」

 久耶が顔色悪いって心配してるのかと思いきや、焼きそばパンに大口でかぶりついてる。
 全く、飾らなくていい友達だと言えばいい友達だ。

 と、ともに余計な事に気がついてしまう友達だなと思ってしまう。
 週に一度は僕の血を飲まないと具合が悪くなるようになってしまった久耶。
 喧嘩した昨日は1週間もった日だったから、昨日の夜には行為があるはずだった。  
 が、ちょっとしたいざこざがあって、夜飲まずにいて今日顔色が悪くなってしまった。それは朝から気づいてた。きっと体調も良くないだろう。
 悠太が購買行く途中に見かけたってことは保健室に寝に行ったんだな。
  
 

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