Strawberry Film

橋本健太

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第10話 1994ラブ

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   白いビキニが、豊満な身体をより一層引き立てる。去年まで高校生で18歳、つまり今年高校を卒業したばかりの少女で、まだ性交も経験していてないウブな子である。
(去年まで高校生、可愛いパンツ履いて、学校行ってたんやな。)
台の上で四つん這いになって谷間を強調したり、お尻をアピールする時に顔を赤らめるなど、まだ純真無垢な所が窺える。薫は、夢中でシャッターを切り、その身体をカメラに収める。撮影後は、個室でトーク&2ショット。個室で改めて対面した時、薫はドキドキしていた。
「こんにちは。京都芸術大学に通ってます香塚薫と申します。」
「大原茉莉奈です。去年まで高校生でした。」
薫は、まじまじと彼女のその豊満な身体を見つめる。大きな乳房と尻、プニプニしたいという欲望に駆られそうになるのを抑えて、時間の許す限り、当たり障りのない内容で会話を進める。
「茉莉奈ちゃんは、好きな人とかいた?」
「高校生の頃は、内気であまり友達も少なかったんです。でも、去年の夏に神戸の須磨で遊んでたら、たまたま事務所の人にスカウトされて、こんな私も芸能界イケるんや、って自信が付いて、それから好きだった人に告白しました。まぁ、フラれちゃったんですけど…。」
「大人になったら何がしたい?」
「ちょっと恥ずかしい話ですけど、Hっていうか…。道端に落ちていたエッチな本で見たんですよ。男の子と女の子が裸になって、イチャイチャしたりしてて、男の子のお股に跨ったりして、私もやってみたいな、って思うようになって…。」
顔を赤らめながら、セックスへの興味を示す茉莉奈。豊満な乳房と尻がプルプルと揺れ、甘い喘ぎ声を出して、快楽に溺れる様が目に浮かび、薫は赤面して俯く。この初心な少女が、禁断の快楽を知ってしまったら、一気に大人のオンナへと成長し、今度は逆に初心な少年を誘惑するかもしれない。そうなったら、カメラマンとして、彼女のその裸体をカメラに収めたい。しかし、少女としての純真さは、もう撮れなくなってしまう。妄想ともとれる考えが、頭の中をよぎった。
「薫さん、顔赤いですよ。」
「あ、あぁ…。ちょっと妄想しちゃったよ…。」
「フフ、いつか私の裸も撮ります?」
「あぁ、撮るよ。」
こうして撮影会は終了。2ショットは後日、自宅に郵送される。満足気な様子で、会場を後にした。

 上機嫌な様子で、会場から出た時、1人の女の子が話しかけてきた。
「あ、薫君!久しぶり!」
声のする方を見ると、黒髪ボブの眼鏡をかけた子がいた。その子は、高校時代のクラスメイトである美香だった。
「美香ちゃん!久しぶり!」
高校卒業後、美香は大阪芸術大学に進学し、写真や芸術について学んでいるという。大阪の大学に通っているため、よく難波に遊びに行っているらしい。大阪に馴染みのない薫のために、今日は案内役を買って出てくれる。
「しかし、難波はゴチャゴチャしとるな。」
「せやろ?美香も最初はよう分からんかった。でも、大体の場所は分かるようになった。」
案内してくれたのは、難波のトレードマークとも言える場所 道頓堀である。夜にはネオンがきらめく。
「看板がようけあるなぁ…。」
それから、道頓堀くくるで大阪名物のタコ焼きを食べる。薫にとっては初めてである。
「この中に、タコが入ってんの?」
「せやで。1口でいったら熱いで。」
恐る恐る齧ると、トロトロの中身とタコが出て来て、ソースの味と合わさり、旨味が口いっぱいに広がる。
「美味い!」
初めてのタコ焼きに薫は大満足した。他にも、様々な名所を観光し、美香と色々語り明かした。
「今日はありがとう!美香、頑張れよ!」
「薫君も、グラビアカメラマンになってね!」

   夏が終わり、勉強と仕事に励む薫。友子とは友達以上恋人未満の関係が続いていた。昨年の夏に一緒に、沖縄に行ったことで恋仲が出来たが、まだ友達のままで、一歩先に中々踏み出せなかった。
「告白しようかな…。って思ってるんやけどね…。」
「何や、しよう思うてたらしたらええやん。」
「えっ、ええの?」
博信に励まされ、薫は勇気が湧いた。
「あぁ、サッカーと同じくチャンスが来たら、それをしっかりモノにするんや。それしかないで。」
「ありがとう。」
博信はよき相談役で、アドバイスをしてくれる。週末には、一緒にJリーグの試合を観に行っている仲で、親友とも言える関係になった。
「中々勝てへんなぁ…。隣の大阪のチームに抜かれたし…。」
「セレッソ大阪とかいうピンクのとこな…。」
秋になり、写真館のバイトが終わった頃、家に帰ると、靴がもう一つあった。
「ん?えっ?もしかして?」
そう思いながら、シャワーを浴びた後、服に着替えて居間に向かうと、両親と友子がいた。
「えっ、友子ちゃん?何で!?」
「薫君、今日誕生日やって言うから。あと、友子も誕生日同じやから。」
今日は1994年11月15日、薫と友子の20歳の誕生日である。テーブルには、盛大なご馳走が並び、グラスまで用意されていた。そこにファンタを注いでもらう。
「どうぞ、薫君。」
「あ、ありがとう。」
照れ臭い様子の薫とそれを見つめる友子。頭の中では「愛が生まれた日」が流れていた。
「じゃあ、2人の20歳のお祝いに、乾杯!」
ファンタで乾杯し、ゴクゴク飲んだ。手巻き寿司・唐揚げ・春巻き・ポテトサラダなどのご馳走に舌鼓を打ち、楽しい時間はあっという間に過ぎた。そして、お待ちかねのバースデーケーキ。蝋燭が灯され、ハッピーバースデーの歌を歌う。暗闇の中で見つめ合う薫と友子。
「一緒に。」
「うん。」
2人同時に蠟燭の火を吹き消し、両親の拍手の中、暗闇の中で友子は薫の頬を両手で挟み、顔を近づけキスをした。
(えっ?)
明るくなった時に、友子はウィンクした。ケーキを互いに食べさせあったりするなど、終始ラブラブな様子で誕生日会は終了した。部屋に上がると、友子から誕生日プレゼントとして、グラビアアイドルの写真集を貰った。
「え、ええの!」
「うん。薫君。お互いに大人になった訳やから。」
ここで、薫は友子に告白した。
「友子ちゃん。好きです!」
「うん。私も薫君のこと好きだよ。」
すると、友子はリュックからタオルとビキニを取り出した。
「ちょっと着替えるから、向こう向いてて。」
「えっ、何?」
突然の一言に赤面する薫。言われるままに向こうを向く。振り向くと、友子は純白のハイレグ水着に着替えていた。
「まだ、私は処女やけど、大人になった訳やから。大人のオンナとしての私を撮って。」
「あぁ、撮るよ。」
この時、薫は夢心地でシャッターを切り、写真に収めた。後日、写真を現像し、何枚か友子にプレゼントした。
「ありがとう。」
「あぁ。」
1994年秋、2人は大人になった…。
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