Strawberry Film

橋本健太

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第33話 Sexy chaos fever of CHINA

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 初夏になり、この夏のビッグプロジェクトに向けて、最終段階の準備を進める。各々で企画したプロジェクトを、既に始めている者もおり、薫は俄然気合いが入った。
「よし、俺も乗り込むぜ!!」
プランは、7/18~8/8。上海・広州・香港の芸能事務所と提携し、アジアカップと並行しながら撮影を行う。

2004プロジェクト 「中国&香港 グラビア&アジアカップ撮影」
7/18 大阪→上海
7/19 上海
7/20 13th2004AFCアジアカップ 中国 GS 第1戦 日本VSオマーン@重慶
7/21~7/23 上海
7/24 13th2004AFCアジアカップ 中国 GS
第2戦 日本VSタイ@重慶
7/25~7/27 広州
7/28 13th2004AFCアジアカップ 中国 GS
第3戦 日本VSイラン@重慶
7/29 7/30 香港

アジアカップに関しては、決勝トーナメント進出次第となるが、日本からすれば、この相手なら突破は当然と考えている。

グラビア撮影
8/1 8/2 広州・香港
8/4~8/6 上海
8/8 帰国

帯同するグラビアモデルは、神山紗良・御堂里沙。他スタッフ4人が同行。今回、提携する会社はここ。

上海 アイドル集団
上海市浦東新区

広州 朱雀偶像
広州市天河区

香港 フルーツパラダイス
香港湾仔区湾仔

上海
中国の直轄市。商業・ITの中心で浦東地区を中心に経済発展し、世界的な金融都市である。欧米列強の中国侵略時に、列強国の租界地が作られ、その当時の街並みが残っている。中国料理の一つ 上海料理が有名で、代表的なものには小籠包や上海蟹がある。

広州
中国南部広東省の最大都市。南部の教育・経済・文化の中心地。不動産の恒大集団が有名。広東料理が有名で、「食は広州にあり」と言われている。

香港
イギリスの旧植民地。1997年に中国へ返還された。一国二制度の下、資本主義で発展し、世界的金融センターとなっている。
映画産業が有名で、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、チャウ・シンチーなどスーパースターを輩出している。

6月になり、スタッフとグラビアアイドル達に、入念に説明して打ち合わせを行い、、現地の会社とも連絡を交わすなど、薫は忙しい日々を送っていた。
「韓国と香港は行ったけど、中国は行ってへんからな…アジアカップの場所が重慶、重慶って奥の方やな…」
7月になり、宿泊の準備と全員のパスポートと航空券が揃い、準備は整った。迎えた7月18日 午前7時。関西国際空港に集合し、点呼を取って、全員いることを確認して搭乗する。

メンバー
香塚薫
神山紗良
御堂里沙
スタッフ4人 男性 2人
女性 2人

「今回の航空機は、チャイナエアラインです!!」
「薫さん!あれ、『空飛ぶ棺桶』っすよ!!」
「あれしか取れへんかったから!!大丈夫やと思うで!!」
チャイナエアラインの大阪発上海行きの便で、中国へ向かった。

3時間後、飛行機は無事に上海に到着した。入国審査と手荷物受け取りを済ませ、上海の街に出る。
「あっつ~!!!」
真夏の中国は、コンクリートジャングルの影響もあって、うだるような猛暑だった。昨年、広州や香港で発生したSARSは終息したため、その心配は無いが、問題は猛暑と反日ムードである。
「もうすぐ迎えに来ますよね?」
スタッフは4人で、男性2人、女性2人である。

スタッフ 男性 宮原敏夫
谷田部和之
女性 坂下結実
芹沢京香
「この後、向こうのスタッフがお迎えに来てくれて、みんなで昼食。それからホテルにチェックインという流れですね。」
黒髪を結った若い女性、今回のスタッフで最年少の23歳。しっかり者で、スケジュールを担当。
「もう既に、アジアカップは始まっとるな。」
最年長の白髭を蓄えた白髪混じりのオジサン、宮原敏夫 54歳。サッカー通で、今回のアジアカップを徹底的に分析している。この時、開幕戦の中国VSバーレーン(△2-2)が終わり、大会は始まっていた。しばらくすると、赤色の小さなバスが来た。上海の偶像集団が手配したバスで、これに乗って、彼らのもとへ向かう。

道中で食事を済ませ、アイドル集団に到着した。ここで薫は代表者として、プロデューサーに挨拶し、交流を図る。
「ニーハオ!!」
「ニーハオ!!歓迎光臨!!」

偶像集団
プロデューサー 韓 漢人(中国語:ハン・ハンレン 日本語:かん・かんじん)
グラビアモデル 王 麗(中国語:ワン・リー 日本語:おう・れい)
       張 青花(中国語:チャン・チンファ 日本語:ちょう・せいか)

プロデューサーは40代のサングラスをかけた小太りのオジサン。王麗は22歳、張青花は20歳と紗良と里沙より年上。1日目は打ち合わせを行い、スケジュール確認&親睦会を行った。18日から24日までは上海を拠点とし、25日から28日は広州、29日から8月3日は香港に移動し、4日に上海に戻る。

7月19日、薫にとって初の海外でのグラビア撮影が始まった。韓と協力し、撮影を行う。王と張は髪を結び、ベージュのビキニで大人の色気を出している。
「很美女…。」(とてもキレイ…。)
撮影している薫は、思わず見とれてしまった。王 麗はしっかり者で、色気たっぷり。張 青花は我が強い。上海の古い町並みが残る豫園で撮影。中国王朝の頃に、タイムスリップしたような雰囲気を、コスプレで再現。翌日は、アジアカップ撮影のため、正午に飛行機で上海から重慶へ向かった。
重慶は、中国の直轄市の1つで内陸部に位置する。日中戦争の時に、日本軍が重慶を爆撃したことがあった。
「熱い…。京都の比じゃないで…。」
重慶は盆地なので、夏は非常に蒸し暑い。暑さに悶えながら、会場の重慶オリンピックスポーツセンターに到着した。カメラマンとして名札をぶら下げて、スタジアムの客席に入る。

2004年7月20日 第1戦 VSオマーン
連覇を狙う日本の初戦、相手は初出場のオマーン。手堅いサッカーを見せるオマーンに、日本は34分 中村俊輔のゴールで先制。
「よっしゃ!!俊輔決めた!!」
最前列で撮影しているが、後方から中国人達の大ブーイングが耳をつんざく。当時、尖閣諸島問題や小泉純一郎総理大臣の靖国参拝で対日感情が悪化、更に重慶は日中戦争で日本が空襲し、多数の死者を出したことから、反日ムードが高まっていた。日本はそのまま守りきり、1-0で勝利を挙げた。

夜の直行便で上海に帰り、ホテルに着いて爆睡。21日、アジアカップで撮影した写真を編集。午後からグラビア撮影。
「小薫、お疲れのようだね。」
「はい…。物凄いブーイングだったから…。」
反日ムードの中でも、この状況を憂いている中国人もいる。
「小薫、小紗良、小里沙、そしてスタッフ達。皆が皆ああいう反日ではないから。ああいう連中は、言わせておけばいいから。」
漢が励ましたことで、少し気持ちが落ち着いた。気を取り直し、セクシーショットを撮る。
「日本の女の子も、中々可愛いわね…。」
「麗さん、オッパイ大きい…。」
グラビア撮影で元気を取り戻し、24日に再び重慶へ向かった。

2004年7月24日 第2戦 VSタイ
勝てば決勝トーナメントに近づく日本。相手は、東南アジアの雄 タイ。相変わらず中国人の大ブーイングが凄まじい。
「完全にアウェイですね。」
「コイツら黙らせるには、勝つしかないで。」
反日ムードにおびえながらも、薫はカメラを向けて撮影する。試合は、11分にタイのステー・スクサムキットに先制点を許し、苦しい展開となったが、21分に中村俊輔のゴールで同点に追い付くと、56分と89分に中澤佑二、68分に福西崇史のゴールで突き放し、4-1と逆転勝利を挙げた。

翌日、上海を後にし、次の撮影地の広州へ向かった。広州は広東省最大都市で、華南の文化・経済の中心地。広東料理が有名で、「食は広州にあり」と言われている。
「暑い~!!!」
「ビルばかりやから、風が遮られているな。」
広州白雲国際空港からの送迎で、次の目的地へ向かう。広州市天河区にある朱雀偶像に到着。そこでプロデューサーとグラビアアイドルと交流。

朱雀偶像
プロデューサー 李 虎(中国語 リー・フー 日本語 り・こ)
グラビアモデル 陳 楊(中国語 チェン・ヤン 日本語 ちん・よう)
       黄 凛衣(中国語 ホアン・リンイー 日本語 おう・りんい)
プロデューサーの李虎は、30代の男性で、スラリとした落ち着いた雰囲気がある。陳楊と黄凛衣は19歳で、紗良と里沙と同い年である。この日は打ち合わせとスケジュール確認。ホテルに到着してから、夜は熟睡した。

7月26日、広州での撮影が始まった。陳楊と黄凛衣は程よく豊満な身体で、童顔で可愛らしかった。凛衣は、広西チワン族の子で容姿端麗で、髪を団子状に2つ左右に結った姿が愛らしい。日本でお馴染みのスクール水着に着替えて撮影。2人抱き合う様子やビニールプールではしゃぐ姿に、薫も照れていた。
「很好~!快楽~!」(楽しい~!気持ちいい~!)
「中国も可愛い子おるな~。」
夏らしいグラビアを撮り、写真を編集した。28日に重慶へ向かう。

2004年7月28日 第3戦 VSイラン
2連勝で決勝トーナメント進出が決まった日本。相手は中東の強豪 イラン。中国人からのブーイングには、すっかり慣れ、どっしり構えて撮影する薫。
「この試合が、決勝トーナメントの展開を左右する。」
重慶の猛暑が、容赦なく撮影している薫達を苦しめる。日本もイランの堅守を崩せず、それでも攻撃を耐え忍び、試合は0-0で引き分け、日本は2勝1分 勝ち点7 5得点1失点で1位通過を果たした。

 翌日、広州から香港へ移動、薫は7年ぶりに香港を訪れた。1997年に中国へ返還されたが、一国二制度が保障され、経済発展していた。香港島に聳え立つ高層ビル群、九龍半島の太子から尖沙咀までを結ぶネイザンロードの頭上にあるネオン看板など、懐かしさと興奮で薫は興奮した。
「懐かしい~!!」
「薫さん、香港行ったことあるんですね。」
香港島のホテルに宿泊し、湾仔にあるフルーツパラダイスという芸能事務所へ赴いた。

フルーツパラダイス
プロデューサー アンドリュー・ウォン
グラビアモデル チェリー・チャン
       ファン・リン
アンドリュー・ウォンは30代の爽やかな青年。チェリー・チャンは22歳、ファン・リンは24歳で紗良と里沙より年上である。打ち合わせと撮影の段取りを確認。その合間に薫は、アジアカップ決勝トーナメントの組み合わせを確認した。
「これは面白そうやな。ヨルダン?」

準々決勝
中国VSイラク
韓国VSイラン
ウズベキスタンVSバーレーン
日本VSヨルダン

真夏の大冒険は、佳境を迎えた。
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