Strawberry Film

橋本健太

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第55話 青春撮影

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 東日本大震災の被害から間一髪で逃れ、命拾いした薫。自粛ムードが一掃され、4月になったある日、薫はある仕事を依頼された。
「ワシも年やし、この仕事も最後になるかもしれない。」
父から引き受けたのは、母校である洛西高等学校の卒業アルバム撮影の仕事。ここまで2年分の写真は撮り溜めており、彼ら彼女らの最後の1年の撮影を任される。話を聞き、薫は喜ぶ。
「卒業アルバムか。それはええな。」
高校時代の記憶が蘇る薫。この時の経験が、グラビアカメラマンになった時に活きた。

 打ち合わせ当日、薫は洛西高等学校に凱旋。校長室で校長と話す。
「君が、我が洛西高等学校のOBで世界的なカメラマンの香塚薫君だね?」
「はい。私は当校OBのカメラマンしております香塚薫です。」
父親がここまで撮影した写真を持ち、今後の撮影計画を打ち合わせ。
「来週に遠足があるんですよ。」
4月下旬、3年生は遠足で大阪城公園へ行く。薫にとっては、久しぶりに大阪で撮影となる。

 4月下旬、3年生の遠足に同行した薫。曇り空の下、大阪城公園に集まった生徒達。楽しげな様子を写真に収める。薫は帽子を被っているので、生徒からは具体的に誰なのかは気づかれていない。昼食は公園でバーベキュー。親睦を深め合う生徒達、薫も充実した時間を過ごせた。

 学校生活の様子も撮影する。懐かしい日々が蘇る。写真部と交流し、スペシャルゲストとして登場。
「グラビア撮ってたんですか?」
「撮ってたで。」
「ロリコンなんですか?」
「ロリコンやないわ!!」
薫はカメラマンとしての経験や、それを目指す上での心構えなどを説いた。
「皆頑張りや!!」
「はい!!」
高校生達の話題についていくために、サブカルチャーを研究。アイドルでは、AKB48が全盛期を迎えていた。
「AKB48か。連日テレビに出てるな。」
秋葉原を拠点とする「会いに行けるアイドル」というコンセプトで活動。2009年に初の紅白歌合戦に出場。そこから全盛期を迎え、「会いたかった」「ポニーテールとシュシュ」「エブリディカチューシャ」などヒットソングを連発。メンバーが増え、2009年から1年に1回、選抜総選挙を行い、ファンにメンバーを決めてもらうという斬新なことを行っている。投票券はCDに内蔵されており、ファンは投票券欲しさにCDを大量に買う、それによって売上が向上し、メンバーの知名度も上がる。という形でAKB48はアイドル界に台頭してきた。TVでも、「AKBingo!!」「AKBと☓☓」が放送されており、ドラマでは「マジすか学園」というグループ総出演のヤンキードラマも放送されていた。

 女子高生達とも意気投合し、放課後に皆と流行りについて語る。
「「「マジすか学園」」って知ってます?」
「何やそれ?」
マジすか学園とは、テレ東系列のドラマ24枠で放送されていたヤンキードラマで、前田敦子を主人公にし、ヤンキー達との戦うというものである。スマホで見せてもらうと、あまりの過激さに薫は驚く。中でも、松井玲奈扮するマジすか四天王 ゲキカラが、指原莉乃をボコボコにし、鼻に鉛筆をぶっ刺すという場面。
「これはアカンやろ…。」

 家では、娘の良き父親として、京香の面倒を見る。
「京香ちゃ~ん!!」
京香が年頃になったら、いつかグラビアを撮ってあげたいな、と思っていた。夏になり、ある日の久美との会話で、薫の海外への野望が出てくる。
「次のFIFAW杯はブラジルで、やるみたいやで。」
「ブラジルか。サッカー王国やん!!」
サッカー好きの薫にとっては、いつかは行きたい、と夢見るサッカー王国であり、かつグラビアカメラマンとしては、美女大国であるブラジルで、グラマラスでエロティックな美女達を撮影したい、という2つの野望があるブラジル。その時は2014年で、京香は4歳になる。
「薫、行っておいでよ。ブラジルに。」
「3年後やな。楽しみや。」
「ザックジャパンが、W杯出ることやね。」
「それは行けるやろ。」

 高校は夏休みになったが、薫は撮影の仕事に明け暮れた。そんな中、48グループの曲を見つけた。SKE48「パレオはエメラルド」の爽やかな感じに惹かれた。
「爽やかやな~。この松井珠理奈って子、大人っぽいな~。」
関西では、大阪難波を拠点とするNMB48がデビューした。

絶滅の危機 黒髪少女よ
Oh 珍しい
絶滅の危機 黒髪少女よ
Oh 保護したい
やっと出会った やっと出会った
黒髪少女よ

1stシングル「絶滅黒髪少女」で華々しくデビューした。
「秋葉原、栄、難波、なんぼ出てくんねん!!せやけど、NMB48か。気になるな。」
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