Strawberry Film

橋本健太

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第60話 2012ロマン

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 2012ロンドンオリンピック、サッカーは決勝トーナメントを迎える。

2012ロンドンオリンピック 女子サッカー
決勝トーナメント 準々決勝
イギリスVSカナダ
アメリカVSニュージーランド
スウェーデンVSフランス
日本VSブラジル

2012ロンドンオリンピック 男子サッカー
決勝トーナメント 準々決勝
イギリスVS韓国
ブラジルVSホンジュラス
メキシコVSセネガル
日本VSエジプト

「ここからが正念場やで。」
「せやな。」
ここからは一発勝負のトーナメント。短期決戦の難しさを物語る。薫も初のヨーロッパで、色々と慣れないことがあり、疲労も溜まってきている。

 2012ロンドンオリンピック 女子サッカー
 2012年8月3日 準々決勝 VSブラジル
 カーディフに移動。なでしこJAPANの相手は、王国 ブラジル。ブラジルの猛攻に耐え、26分に大儀見優季のゴールで先制。その後も72分に大野忍が追加点を挙げ、2-0でブラジルに勝利した。
「ブラジルに勝った!!」
「なでしこJAPANは、今が黄金時代や!!」

 2012ロンドンオリンピック 男子サッカー
 2012年8月4日 準々決勝 VSエジプト
 マンチェスターに移動。アフリカの古豪 エジプトと対戦。正午にキックオフで、薫はフィッシュ&チップスとパンを弁当として食べながら撮影。
「昼飯美味いな。」
日本は14分に永井謙佑のゴールで先制。後半、エジプトの反撃をしのぎ、78分に吉田麻也のゴールで追加点。吉田麻也はタカアンドトシの「俺だ、俺だ、俺だ、俺だ、俺だ、俺だ、俺だ、俺だ、俺だぁー!!」をゴールパフォーマンスとして披露した。
「タカアンドトシか!!」
83分に大津祐樹のダメ押しゴールで、3-0とエジプトを撃破した。ここまで無失点で駆け抜けた日本。守護神 権田修一も大健闘。
「見えてきたー!!!」

男女共、準決勝に進出し、メダルが見えてきた。その夜、イギリス料理を堪能しながら、博信と語らう。
「日本サッカー、ここまで進化してきたんやな。」
「せやな、日韓W杯から10年。そこから確実に進化してきとるで。」
ローストビーフやフィッシュ&チップスに舌鼓を打ち、ロールパンにパクつく薫。
「今年でJリーグ、20周年やねんな。ガンバ大阪も強豪になってきとる。ところで、今、ガンバ大阪何位なん?」
「今な、ケツから2番目の17位。降格圏や。」
思わぬ告白に、薫は飲んでた紅茶を噴き出した。
「嘘やろ?!降格圏?!」
「夏の補強で、レアンドロとか獲ったから巻き返すやろうけどな…。」
少し複雑な思いになりながら、残りの紅茶を飲み干した。

 2012ロンドンオリンピック 女子サッカー
 2012年8月6日 準決勝 VSフランス
 準決勝に勝ち進んだなでしこJAPAN。相手はヨーロッパの強豪 フランス。ロンドンへ移動。日本は32分に大儀見優季のゴールで先制し、49分に阪口夢穂が追加点を奪う。76分にル・ソンメに決められたが、2-1で勝利。決勝進出を果たした。
「よっしゃあ!!!メダル獲得圏や!!」

 2012ロンドンオリンピック 男子サッカー
 2012年8月7日 準決勝 VSメキシコ
 男子の準決勝の相手はメキシコ。北中米カリブ海の強豪相手に、日本は12分に大津祐樹のゴールで先制。しかし、ハードワークのスタイルで連戦が続いたのもあり、暑さと疲労で足が止まってきた所を突かれ、31分にファビアンに決められ、今大会初失点を喫する。日本は猛攻に耐えきれず、65分にペラルタ、90+3分にコルテスに決められ、1-3と逆転負けを喫した。
「まぁ、まだある。」

 2012ロンドンオリンピック 女子サッカー
 2012年8月9日 決勝 VSアメリカ
 決勝の相手はアメリカ。昨年のW杯で勝利して初優勝を果たした。ここでも勝利して優勝なるか。ロンドンのウェンブリー・スタジアムには9万人の観客が見守る。日本は果敢に攻めるが、7分と53分にロイドに決められる。62分に大儀見優季が1点を返すが、1-2で敗れた。
「でも、よくやったよ!!!」
なでしこJAPANは銀メダル、でも、心地よい冒険であった。

 2012ロンドンオリンピック 男子サッカー
 2012年8月10日 3位決定戦 VS韓国
 カーディフに移動。アジアのライバル 韓国と対戦。疲労困憊の日本は動きが悪く、38分に朴主永に先制される。57分に具滋哲に決められ、0-2で敗れた。メダルにあと一歩届かなかった。
「あと一歩やったのに…。」
楽しさと切なさに満ちた冒険が終わり、閉会式を見てから、日本に帰国した。

 お盆はしっかり休み、撮影の仕事に精を出す。秋になり、NMB48の写真集「きゅんとどきっ」が発売され、薫はそれを購入した。
「おぉ、ええ感じやな。」
NMB48初のグループ写真集は、女子校というコンセプトで撮影された。
「この感じ、懐かしいわ。また撮りたいな。雑誌からオファー来てくれるかな?」
アイドルとの共演機会も増え、この年、初の全国ライブツアーを開催した9nineの事務所からもオファーが来た。テレ東系で「好好!キョンシーガール」が放送され、勢いに乗っていた。大阪と札幌のライブでは、他の仕事と被っていたため、12月の福岡のライブから合流。

 博信からもオファーが来て、Jリーグ終盤戦を追う。絶体絶命の窮地に立たされたガンバ大阪。最終節で静岡に向かう。

2012Jリーグ J1 第34節 ジュビロ磐田VSガンバ大阪
鬼門のヤマハスタジアムで、ジュビロ磐田と対戦。前半に先制されるガンバ大阪。後半、同点に追いつくが、最後に前田遼一に決められ、1-2で敗北。ガンバ大阪は17位となり、史上初のJ2降格を喫した。
「嘘やろ?J2降格?」
落胆する博信と薫。夜空に浮かぶ月が、陥落した名門の選手達を照らす。薫は凹んだ心境のまま、ホテルへ戻る。編集作業を済ませ、翌日に福岡へ向かった。

 福岡のライブ会場に到着。そこで喜美子と再会した。
「喜美子ちゃん!!」
「薫君、久しぶりやけんね!!」
喜美子も撮影する。9nineの今人気の曲「イーアル!キョンシーfeat好好!キョンシーガール」でノリノリになる。

イーアル キョンシー!
一寸先は キョンシー!
影を踏まれるな!
イーアル キョンシー!
泣きっ面にキョンシー!
御札を貼ろう!

「キョンシーガール、人気やけんね!」
「キョンシーブーム来とるんやな!!」

新潟と名古屋のライブも駆け抜け、薫の2012年の仕事は終了。この年のクリスマス、次女が誕生した。
「やったー!!!」
「京香、妹や!!」
次女の名は、桃香。ロマンチックな2012年であった。
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