Strawberry Film

橋本健太

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第64話 2013クリミナル

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 8月になり、盆休みは子ども達と過ごした。すくすくと育つ二人娘は、愛おしい存在である。仕事では、Strawberry Film3の海外撮影のモデルが決まった。今回は、初の韓国からオファーも来た。前作のStrawberry Film2にて韓国で撮影したのが、芸能関係者の目に留まり、撮影を依頼された。
「韓国も美女多いからな。」
中国の事務所とは、今回は都合が付かなかったので無し。香港の事務所からは、新星として2人も推薦してもらった。あと一枠で、日本人の娘をチョイスした。
「良し、モデルは揃った。」

宮原楓(20)
福岡出身。モデル。

チョン・テミン(21)
韓国 ソウル出身。モデル。

アリー・チャン(20)
香港出身。グラビアアイドル。
ジュリー・ウォン(20)
香港出身。グラビアアイドル。

撮影の日付とロケ地を考え、打ち合わせを進めていく。夏が終わり、秋になる。グラビア撮影に勤しみ、来年のW杯の撮影に向けて準備を進める。
「ラテン系の南国やろ。楽しそうやけど、時差が気になるな。」
日本とブラジルの時差は12時間。時差ボケの悪影響が懸念される。ブラジルは経済発展しているが、貧富の差は激しく、地方都市や町外れになると、著しく治安が悪くなる。夜間に1人で外に出るのは、止めたほうがいい。ブラジル人は、自由奔放の陽気な国民性があり、アダルトコンテンツも豊富。ブラジル美女は、開放性と豊満な肉体美と相まって、色気ムンムンである。

 10月になり、Strawberry Film3の撮影地が決定した。

国内 京都・・祇園・河原町
     神戸・・北野異人館街・南京町

海外 インド・・デリー・コルカタ
   ブラジル・ブラジリア・リオデジャネイロ
   イギリス・ロンドン・グラスゴー

撮影するモデルに、それぞれの撮影地を伝える。福岡出身の宮原楓は、福岡の芸能事務所 オーシャンブルー所属。福岡でグラビアアイドル・モデルとして、ローカル番組に出演している。オーシャンブルーには、かつての盟友 棟方喜美子も勤務している。喜美子は電話越しに、薫と話せることを喜んでいた。
「薫君、久々やけんね!!ウチの楓ちゃんを推薦してくれてありがとう。久美も元気にしとると?」
「あぁ。久美は元気やで。娘を2人授かった。」
「えっ?妹が生まれたと?!おめでとう!!」
喜美子も、薫が第二子を授かったことを祝っていた。
「薫君は、世界を飛び回ってるんやけんね。流石やね。」
「まぁまぁ、ありがとう。」
喜美子とのやり取りを終え、楓に直接行き先を伝える。
「今回、楓ちゃんの撮影地は、インドに決定したよ。」
突然の告白に、楓は驚く。
「インド?!カレーで有名な?!」
「そう。カレーとガンダーラな世界のインドや。」
楓は現役の大学生で、海外は未経験。楓は念願の海外だが、まさかのインドというカオスな世界に、驚きは隠せない。場所はデリーとコルカタ。
「まぁ、楓はカレー好きやけん。インド行ったら、カレーをお腹いっぱい食べさせてくれると?」
「あ、あぁ。カレー食うて、精つけて、撮影頑張ろな。」

チョン・テミンにも伝える。韓国・ソウルの芸能事務所に所属する彼女。韓国 KリーグのFCソウルのファンであり、インフルエンサーでもある。撮影地はブラジルであることを伝えた。
「オッパ~、私もブラジル行きます。」
FCソウル繋がりで、ブラジルW杯に出場する韓国代表のアンバサダーとしても行く。彼女は、グラビア撮影で日本や中国で撮影したことはあるが、ブラジルは初である。
「韓国代表のアンバサダーか、それはすごいな!」
「韓国もW杯で勝ちますよ!」
日韓W杯でW杯初勝利&アジア初のベスト4と好成績を収めてから、3大会連続でW杯で勝利を挙げている。AFCチャンピオンズリーグで、全北現代モータース・浦項スティーラーズ・城南一和・蔚山現代とKリーグのチームが優勝と勢いはある。
「まぁ、前回みたいに日本と一緒に決勝トーナメント行こな。」
香港のアリー・チャンとジュリー・ウォンに伝える。グラビアアイドルとして、香港のローカル番組に出演するなど名の知れた有名人である。海外の文化はある程度知っている。撮影地はイギリスであることを伝えた。
「イギリス、行ってみたかった。」
「私も楽しみ。」
香港はかつてイギリスの植民地であり、1997年に返還された。植民地の頃に、香港映画が栄え、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、サモハン・キンポーなどのスターを輩出した。
「アフタヌーンティーしよな。」
「はい!」

 撮影の段取りが決まり、オファーがない時は子どもとの時間を大事にした。京香が徐々に立って歩くようになり、薫は感激した。
「京香、歩けるようになったな!」
久美と共に、子どもの世話をし、幸せな時間が流れた。東京で、レイシストしばき隊を追いかけ、彼らと共に最前線に立って、ヘイトスピーチと戦った。11月に新大久保での在特会のヘイトスピーチ、しばき隊と在特会が衝突。薫は逃走する桜井誠を追いかけ、大久保公園に行った。
「ハァハァ。どこ行った?ブタ野郎?」
夕暮れの空、日が西に傾く。すると、背後から桜井誠が襲ってきた。
「オラァ!」
避け切れず、攻撃を受けて倒れる。怒りと侮蔑に満ちた目で睨みつける。
「テメェだな?あの時、俺をぶん殴ったのは?」
「ハハハ、お前こそ、釈放されたんやな。大阪府知事の橋下徹さんと喧嘩しとったな。あれはお前の負け。」
桜井は薫の顔面に蹴りを入れ、助走をつけて蹴りかかる。
「黙れ、黙れ!!テメェも在日の肩持つのか?あぁ!俺はな、日本のためにやってんだよ!」
薫は、桜井の足を掴んで転倒させ、逆襲の金的を食らわした。
「はガァァァァァァ!!!」
「お前はレイシストや。お前なんかに未来はない!消え失せろ!クソ豚がぁぁ!!」
桜井は立ち上がり、薫に掴みかかろうとする。
「このクソ野郎がぁ~!テメェも死ね!」
そこにしばき隊が現れ、桜井を殴り飛ばした。
「オラァ!」
その隙に、もう1人が薫をおんぶして、その場を離れた。しばき隊に助けられた薫。ヘイトスピーチに立ち向かい、勇気をもって、写真を撮り続けた。桜井誠を2度も攻撃した、その男気を評価された。2013年は、レイシズムに立ち向かった年である。
「大したものだな。」
「ありがとうございます。」
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