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婚約話2
しおりを挟むあーイライラする。
あの野心。女とはいえ、気に入らない。俺の苦手とする自己主張の強すぎる女。権力や地位の好きな女。
俺はユーザに一通り話をした。ユーザは顎に手を当てて考える仕草だ。
「まぁ、彼女の見る目は確かだと思いますが……」
人間性が違いすぎますね、と続ける。
「ユーリに会いたい」
えぇ!? とユーザは唐突に言い出したアリオスを見る。
「そんな突然、ユーリ様だって邸にいらっしゃるかどうか……それに仕事がぁ」
今にも泣き出しそうに俺を引き止めようとする。
「ちょっと散歩に行ってくる」
俺は言うと、執務室を出て馬車を用意した。準備ができたらすぐに出立する。
諦めているのかユーザは出てこない。すまない、と、心の中で謝った。
エルトー邸に着くと、ユーリは驚きすぐに出てきた。何でと言わんばかりに目を丸くしている。俺は何も言わずにグイと抱きしめた。
「アリオス様、急にどうしたんです?」
嫌がりもせず、抱きしめられたままで聞いてくる。
「ちょっと、嫌なことがあった」
「そうなんですか? 私何か出来ることありま…ッ」
ユーリは言いかけたが、俺の唇がそれを遮る。
「ん……ンッ」
突然キスされて、ユーリはそっと目を閉じた。いつもと変わらないユーリとのキス。
「あ、あの、とりあえず私の部屋に……」
唇を離すと、俯いて恥ずかしがっている。
「ごめん」
俺は邸に入り、ユーリの部屋に上がらせてもらう。
侍女はとりあえず払ってくれた。
「あの、何かあったんですか?」
「……ああ、婚約話がきてな」
「えっ!」
ハッとした顔でユーリは固まってしまう。
「断っているんだが、なかなか理解しない女で」
忌々しげに俺は吐き捨てる。
俺といてユーリが幸せになれないと?ふざけるな。
ユーリは少し困った顔で、俺の服の裾を掴む。まるで小動物のような可愛らしさだ。
「でも俺は、お前と婚約したい」
ユーリを見据えると、真剣に自分の気持ちを伝える。
「はい、私もです」
ユーリはニコッとあっさりと答える。
俺はホッとして、ユーリの頬を手で覆う。綺麗な黒曜石のような瞳。
ユーリの前髪をどけておでこにキスをする。
うっすら開いた唇を見つめると、艶やかで吸い付きたくなる。
たまらず今度はその唇にキスをした。
「ん……」
上唇を喰み、ペロリとなめ、チュッと口付ける。されるがままのユーリの唇を甘噛み、吸う。
次第に舌を割り入れていく。
するとユーリの顔は徐々に桜色に染まっていく。
ぬるりとした感触を、ユーリのなかで感じる。暖かく、柔らかい。
俺の下腹部が疼き始める。
一通りキスをすると、ユーリを横抱きにすると、俺の首に腕を回して体を預ける。
そのまま彼女をベッドに連れて行き、壊れてしまわないようにそっとおろした。
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