群青の泣き所~サイコパス会社員×鬱ニート~

櫻井まじめ

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利休色の恋~本編~

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雨が降ると、気圧の関係で体調が悪くなる。頭が痛いとかではなく、体が重い。
大雨の非番の日、先輩社員から『もう少しで着きます』との連絡を受け時間がないながらもガラクタの整理に取り掛かる。
男にしては綺麗にしている方だと思っているが、机にいくつか乗ったペットボトル、床には何に使ったか分からないティッシュペーパー。汚い。こんなもの好いている人に見せたくはない。訂正。僕の部屋は相応に汚い。
 
いつのまにか惚れていた。人に聞かれたならばそう返すだろう。もっとも答えないけど。
営業新人の時分ポカをやったのを庇われた時か、自販機で飲むものが被った時か、昼飯を一緒に食べた時か、はたまた理由なんてないのかもしれない。嘘。積み重ねだ。色々な事象を積み重ねて、僕は彼を好きになってしまった。
恋人になれるかも、好いてもらえるかも、なんてどこかで甘い期待をぶら下げ今日に至る。
 
ノックの音がして、返事をする前に彼が入室する。普段ワックスで立てた黒の短髪は風呂上がりなのか若干高さを失っている。
「桐沼さん。返事してから開けてくださいよ。」
「うるせえ。どうせまた部屋の片付けが間に合わなかったんだろ。」
足でゴミ袋をどかすと、がしゃと机の横に置かれた半ダースの発泡酒の入ったコンビニのレジ袋。
「ワインないんですか。」
「今日はすごいよ。貝紐。」
話聞けよ。
「貝紐なら日本酒じゃないんですか。」
「ない。つまめればなんでもいいだろ。」
カラカラと笑う顔が今日も可愛らしい。
 
 
 
彼が業務以外で連絡してくる時はだいたいセックス目的だし、彼は酒が入らないとそういうことはしない。理由は簡単だ。勃たないから。生まれつきノンケの彼は、酒が入ってギリギリ僕が性的対象になるようだ。
宅飲み中にいきなりフローリングに押し倒された時はどうなるかと思ったが、お前ならいけるわと言われた事は正直嬉しかった。たとえそれが酒のフィルターを借りたものだとしても。
「貝紐、高かったんじゃないですか。」
「食いたいって言ってたじゃん。」
人心掌握の上手い事で。
「…ざっす。」
彼からしたら自慰の延長なのかもしれないが、たいして魅力もない自分にかまってくれるのはありがたい。
「だからさ、今日はしゃぶってくれませんかね。」
ただ、セフレというのは彼のなんなのだろうと、不安になる。なんでもいいか。側に置いてもらえるのなら。
「その前にキスしていいですか。まあしゃぶった後でもいいですけど。」
そう言いながら笑うと、「きたねー!」と桐沼さんがゲラゲラ笑った。
 
 
 
 ×××
 
 
 
「ヤる時、好きって言ってもらっていいですか。」
試しに言ってみた事がある。
「えー。やだ、俺嘘つけないし。」
彼の変に誠実な所が好きだ。普段は薄情な癖に。
「俺は乳とケツのでかい女の子が好きなんだよー。お前もさ、俺なんかとしてないでもっといい男いないの。」
貴方だからいいんだ、なんて言えるはずもなく、フニャフニャ言いながらビールで濁す。
「まあ田端の事は嫌いじゃないよ。髪ふわふわしてるし。可愛いし。」
そう言いながら頭を撫でてくる。大きな手の感覚に心臓の鼓動が早まる。思い切って肩に体を預けると、肩を抱かれる。
「よしよし。今日もするかー。」
 
 
 
×××
 
 
 
最近桐沼さんが新しい取引先を開拓したらしく忙しそうにしている。それはいい事だ。ただ、飲み会の回数が減った事が悲しい。
「桐沼さん。今日どうですか。」
「悪い。次の日仕事。」
会話も減った。数週間たったある日。連絡SNSにメッセージが入る。
 
『今から行く』
 
随分急だな。まあ久しぶりだし、いいか。
そんな事を考えているうちに外階段をあがる音の後部屋のドアが開きあまりの早さにびっくりした。
「早すぎないですか?」
「きったねー部屋。」
おら、安ワイン。と机にボトルが置かれる。
「わーい(棒)」
グラスを差し出すや否や立ったままペットボトルキャップを開き中身を一気にあおる。
「大丈夫すか。アル中になりますよ。」
「…るせー。」
ふと気づいた。酒くさい。
「ちょっと…飲んできたんですか。」
座った後もなんだかフラフラしている。二杯目を手酌しまた半分ほど一気に飲む。
「やばくないですか。もうやめましょうよ。」
それは突然だった。
「うるせえって言ってんだろうがよぉ!!!」
ビリビリと部屋自体が揺れた気がした。
ふらりと立ち上がると危ない足取りで歩み寄りシャツの胸ぐらを掴まれる。
「……せろ…」
「へ?」
「ヤらせろって言ってんだよ。」
「え、ちょ、何…」
「それともなにか?金がいるか?」
尻ポケットから二つ折りの財布を取り出すと中の千円混じりの札数枚を叩きつけ、満足かよと呟く。突然の出来事に動揺し、定まらない瞳をただ見つめていると、力任せにボタンを引きちぎられる。
一気に恐怖が這ってきて逃げようとするが、出口側に彼がいるため逃げられない。捕まり恫喝され、結局半ば無理やり行為に及ぶことになった。
前々から来ることがわかっている時は自分で用意しておくのだが、今日は急な来訪だった。痛くて苦しいのを、生理的涙を流しながら耐えて。ようやく少し気持ちよくなった頃、彼が避妊具をつけていない事に気がついた。
「だ、ダメ…ゴム着けて………」
「ありがたく思えよ。たっぷり可愛がってやるから。」
背後から流し込まれた聞いたこともない低い声にゾッとした。その後ーーー
「…ああ!ぐッぅ…ぁ、や、ああ…!」
外したベルトで腕を拘束され息ができない程に激しく突かれる。逃げようとすると襟首を掴み引き戻され、また腰を振る。直接かき回されている感覚に、徐々に、徐々になにも考えられなくなり、強い快楽に身を任せた。
 
 
 
 ×××
 
 
 
朝起きるとまず腹痛が酷くトイレに駆け込みやっと個室から出ると気づく。
桐沼さんがいない。
しばらく広いワンルームを何をとはなく見ていると、ベッドの脇に千円札が散らばっている。ぽろぽろと涙が勝手に溢れた。体も震えだした。
強姦まがいのことをされたことよりも、もうこの部屋で酒を酌み交わしたり話をする事が出来ない事が悲しかった。
「桐沼さん…」
呼んだら無性に込み上げてきて、どうしたらいいかも分からずただ泣いた。
 
 
 
「おはよ。聞いてよ、昨日財布の中身だけ落としたみたいでさあ。」
出勤しエレベーターを待っていると背後から肩を叩かれる。
「札だけ全部ないの。やばいよね。」
「……使ったんじゃないですか?」
「いや。ゲーセンも近くにないし買ったものもないんだよね。」
「飲みすぎはよくないと思いますよ。」
「だよなあ……なんで飲んだの知ってるの。」
「なんとなく。当たってるでしょ。」
「田端に言い当てられるとは…俺もそこが浅いよね。」
 
 
 
 ×××
 
 
 
日常は崩れなかった。彼はほぼ昨夜の事を覚えていなかった。
「あれ。田端が酒用意するなんて珍しいな。」
用意したも何も残り物のワインだ。捨てようかとも思ったが出来なかった。彼のくれたものを処分出来るほど僕は自意識が高くない。
「まいいや。かぶったね、安ワイン。」
全く同じ銘柄の赤ワインが机に並ぶ。
「今日の肴はさけるチーズな。」
本当に良かった。これで元どおりだ。
そう思っていた。しかし、僕の日常は少しずつ狂い始めていた。
次第に深く酒の入った桐沼さんの言葉尻が荒れ、単語に物騒なものが混じりだす。
「糞が。あのアホも底が透けて見えやがる。」
「うちのですか。」
「いやいや、あっちの。取引先。」
へっ、と吐き捨て、また酒をあおる。
新しい仕事が入ってからどうも様子がおかしい。ちびりと舐めるように含んでいると、急に肩に手が回る。向きなおると口付けられゆっくりと口内の酒が流れ込んでくる。
「毎回何されるか分かってて部屋にあげるんだもんな。」
つ、と胸を人差し指が伝い、柔らかく立ち上がった突起を捉えた。ひくりと反応した体を倒し口付けると、逃亡防止なのか後ろ髪を掴まれ深く舌が侵入する。
飲んでいるより行為をしている時間が長くなった。徐々にゴムをしてくれなくなった。扱いがセフレというより道具に近くなった。酒を与えたらセックスさせてくれる道具。
「先週途中で気絶したからお仕置きな。」
それでもよかった。なんでもよかった。そうしないと側にいられないのならば。
「震えてるの?かわいいね。」
 
 
 
もう何度出されただろう。座った形でベッドの柵に手首を縛り付けられ、突き上げられては唾液を垂らし汚い声をあげる。ドロドロと先走りなのか本息なのかわからないものを垂れ流していると、彼の大きな手が僕の浅ましいものを包む。
「苦しい?イきたい?」
力なくうなづくが無情にも手が離れ、再び力強く打ち付けられる。
「ふぅ…あッう…ひッぎぃ……」
「こうやって、恥ずかしい事されてるとき一番きゅーきゅー締めてくるよな。」
もはや言葉を返す事が叶わず、うまく熱を放出出来ない苦しさと戦っていると、口の端から垂れた唾液を指ですくわれる。何かと行き先を追うと固くなった乳首にそれが擦り付けられる。
「もっと苦しめよ。俺と同じとこまで堕ちてこい。」
カリカリとひっかかれるたびにビリビリと甘い刺激が体を駆け、だらしなく開いた口から悲鳴が漏れる。
「ああ!ああっあ……きり、ぬまさ…ぁっ、キス、した、い…」
「やだよ。きったねぇ顔して。」
鼻水垂れてんの分かってんだろ、と言うと千切れんばかりに摘まれ涙と共に濁音が溢れた。
 
 
 
 ×××
 
 
 
惚れた弱みというのは本当に弱点で、多少痛いことをされても反抗できない。あの人には私が必要なの。私がなんとかしないといけないの。なんて虐待夫持ちの妻のようなそれを宿してしまって早三カ月。セフレ自体は半年くらい。これはまずい、だなんて思ったところでじゃあどうするんですか。どうもしない。僕から何かするなんておこがましい。ただ、彼に与えられるものを咀嚼するだけだ。
 
 
 
「お前の為に買ってやったんだぞ。もっと喜べよ。」
行為中の声がうるさいと隣の部屋から苦情が入ったため、腕の拘束に加えて猿轡をかませられた状態が常になった。
腹のなかでアナルビーズとミニローターを一緒にしたような道具が震えている。
「んむ…んん……」
「チッ…良さそうな顔しやがって。」
何か気に食わなかったのか一気にそれが引き抜かれ、無様な悲鳴をあげるハメになる。
「おら、お前の大好きな生ち◯ぽだぞ。よく味わえよ。」
淫具によって拡張されたアナルが楽々とそれを飲み込む。
「ふ…うう…んぉ…」
「お前の体最高だよ。虐めれば虐めるほど、締め付けてきやがる。何回出しても、何回出しても萎えないね。」
大好きだよと首元を噛まれると勝手にアナルが締まり、今日初めて中に出された。
あなたが好きなのは僕の体ですよね。分かってます。一瞬でも期待してしまってごめんなさい。
 
 
 
 ×××
 
 
 
桐沼さんが取引先の人を殴ったと言うのを風の噂で聞いた。
なぜそんな事をしたのか本当なのか。社内では様々な噂が流れていた。確かなのは、桐沼さんが新規取引先の担当から突如外され、仲がいいという理由だけで僕に役が移ったということだ。実際仲がいいというと語弊がある為に(現在社内での会話はほぼない)、引き継ぎらしい引き継ぎは無いに等しかった。マジでどうしろというのだろう。
 
 
 
「新しい担当の方ですか。」
初顔合わせであちらへ出向いた。
河野と名乗った男は、見た目三十路手前の自分といくらも変わらないように見えたが、役職持ちなのを考えると見た目より少し上なのだろう。
「前任者が大変な失礼を働きまして、誠に申し訳ありません。重ね重ねお詫び申し上げます。」
担当が移ってから真実だと知った暴行事件。実際関係がトばなかっただけでもありがたい話だ。
「いえいえ。突然で驚きましたが、御社との取引がなくなるのはこちらとしても痛いですから。」
頬に貼り付けられたガーゼを撫でると河野が人の良さそうな笑みを浮かべる。よく見れば黒縁眼鏡のつるが小さく切ったガムテープで補強されている。僕の視線に気がついたのか恥ずかしそうに眼鏡を触る。
「お恥ずかしい。替えが見つからなくて…」
これも彼がやったのだろうか。太いフレームが壊れる程に。一体何が彼をそうさせたのか。
「…田端さん?」
少し考え込んでしまい反応が遅れる。
「申し訳ない。そろそろ本題に入らせてもらってもよろしいでしょうか。」
「ああ、いや。すみません。ぼうっとしてしまって。」
話し合いはつつがなく進んだ。この河野という男、気弱で頼りなさそうな外見から想像したより仕事ができるようだ。
「では、次回の内容が社で固まり次第ご連絡致しますので。」
「はい。本日はお時間を割いて頂きありがとうございました。」
外まで見送りますよと席を立つ河野を背に出口へと向かう。いやに距離が近いなと思った所で不意に何かが尻に触れた。
「ひゃっ…」
「あ、すみません資料が。」
見れば先程広げていた模造紙を丸めたものが触れたようだった。
「あ、ああ、いえ。すみません変な声出してしまって…」
「はは、可愛らしい声でしたね。」
妙な空気になってしまった。恥ずかしさで適当に笑う。早く帰りたい。
 
 
 
 ×××
 
 
 
重要な取引先の人間に怪我を負わせた彼は僕の前から姿を消した。自宅待機との噂だが、その辺りなぜか上司は言葉を濁して教えてくれなかった。
「田端さんは休みの日は何してるんですか?」
意気投合とまではいかないが取引先の河野ともだいぶ打ち解け、仕事終わりに飲みに行く事も数回。個人的には仕事関係の人間を変に刺激したくないのもあったが、最近は彼の人柄を考えるとその心配はなさそうだと思っている。(何しろ殴っても大丈夫だった)
「別に大した事は…そうですね。読書とか?」
性嗜好ありきの話になる為この質問は毎回鬼門だ。
「逆に河野さんは何をしてるんですか?」
「私も読書は好きですよ。あとは好きな人と過ごす事ですかね。」
「え、ご結婚されてるんですか?」
「ああいえ、まだ籍は入れてないんです。それに最近愛想つかされそうで…」
「へぇ…」
僕には縁のない話だ。
酒で饒舌になるタイプなのか彼は『好きな人』について色々と教えてくれた。
「年の離れた子でしてね。明るい色に染めてるんですよ。」
「ピンクのエプロンが似合うんですよ。それで出迎えてくれてたのに…」
「料理はヘタですね。あ、でもレトルトの温め具合はうまいですよ。」
「おでこが可愛いんですけどそれを言うと照れちゃうんですよねぇ。へへ。」
 
うざっ
 
正直後半は聞き流していた。
「…ああ、僕ちょっとトイレ行ってきますね。」
「いってらっしゃいー」
出来上がってきたな。帰ってきたらそろそろ帰りかな。
 
 
 
白いシーツが敷かれた、知らない大きなベッドに横たわっている所から記憶は始まった。状況が分からず、というか頭がぼうっとしていて、その前の記憶がよく思い出せない。
 
…そうだ。ベロベロに酔っ払った河野さんを彼の家までタクシーで送り届けて、渡したいものがあるって部屋で待たされて、渡されたお茶を飲んでたら何だか眠くなってきて…
 
起き上がろうとするときつく後ろ手に何か縄のようなもので拘束されている。何だ…何が起きている。混乱した頭で考えていると、引きドアが開く音がし、紺のスーツの足がゆっくりこちらへ向かってくる。
「よく眠れましたか?」
そこに現れたのは見知った顔だった。
「河野さん…」
「だいぶチョロいですね。開封済のペットボトルの中身でコロッと眠ってくれて…お陰で手間が省けました。」
「何を…言って…早く解いて下さい!」
「解くと思いますか?」
僕の前にしゃがむと、いつもの人の良い笑顔を浮かべる。
「…何かしましたか。僕…」
「いえ、何も。そしてこれからも何もしなくていいですよ。」
河野の手が僕の頬に触れ、細い指が唇を撫でる。その動作に酷くゾッとした。そして頭より先に体が、これから何をされるのか理解した。細長い体を折り曲げベッドに乗ると、胸部を押すように抵抗のできない体にのしかかられる。
「あ、あなた、好きな人が……なんで…こんな…」
「ああ、あれは…嘘です。」
事も無げに言う。
「あまり人の言うことを鵜呑みにしないほうが良いですよ。」
まあ馬鹿な子は調教のしがいがあって大好きです、と嗤う。見たこともない顔で。いや
彼と会って何週間経った?僕は彼の何を知った気になっていたんだ。
邪悪な光を宿した瞳が近づいてくる。
「いやっ…」
必死に首を振り河野から逃げる。しかし逆に急所を差し出す形になり、無防備な首筋にねっとりと舌が這う。
「うっ……」
気持ち悪い。怖い。
不快感から逃げたくて身をよじると頭を押さえられ、強引に口付け舌を絡められる。噛み付くと瞬間離れる。
「…良いんですか?私の気を損ねて。」
ギ…とベッドが軋み、股間に河野の手が伸びる。
「あっ…」
「私の気一つで大事なお仕事が飛ぶんですよ?」
クスクスと笑い、スラックスの上から執拗に撫でられる。
「あっ…あ、んぅ……ふ、ううっ」
「わかりますか?縄は苦しければ解いてあげましょう。」
体が勝手に反応し、彼の思うような反応を晒してしまう。悔しい。
「思った通りだ。とっても可愛らしい声ですよ。」
その言葉に、突然初めて会った時の引っ掛かりが解決した。初めからこのつもりで近づいてきたんだ。
腕を縛っていた縄が解かれた。ゆっくりベッドに縫い付けられるが、見えない鎖で抵抗ができない。初めは唇を舐めるように。徐々に深く舌が侵入し、口内を犯される。
「ふぅ、む、んぅ…」
不快感に身震いしていると突然右肩に強い痛みが走り、見ると何か液体を注射されている。
「な、何…」
「安心なさい。ただの興奮剤です。」
その言葉を皮切りに、地獄のような責め苦が始まった。
 
 
 
「あああッ!!やらぁ…も、やらああ…!!」
ビクビクと体を痙攣させながら田端が幾度か目の絶頂を迎える。薬により萎えることのないそれを根本から指先でなぞると、ダラダラと先走りを流していた先端から小さく白濁が飛ぶ。
「うああ!なに、これ……」
「気持ちいいですか?この薬、高いんですよ。」
そろそろ頃合いかと尻を撫でると、その刺激でまた先走りを垂れ流す。
「ひぐっ…やめ……」
構わず指を入れると、驚く事に処女ではないようだ。
「ほう。貴方、ここを使うのは初めてではないんですか。」
精液を丹念に塗り込みほぐしていくと、実に可愛い声で泣き叫ぶ。
「あああっあっ!やあ、ああん…!やらっああ……ッ」
「嫌ならこのまま何もしませんよ?嫌がる事はしたくありませんから。」
ふうふうと熱い息を吐きこちらを睨みつけてくるが、快楽に溺れ切った瞳では誘っているようにしか見えない。辛抱たまらない様子で指をきゅうきゅうと締め付けてくる。
「お可愛いですよ。田端さん。」
「………おしり、いれてくらさい…くるしい……」
「よくできました。」
とろとろと腸液を垂らすアナルにバックで挿入すると、待ち構えていたように締め付けてくる。処女の開発とまではいかないが、薬で感度の増した強い圧迫のなかをかき回す。
「あうッあ、あああ…!ひぃう!ひんじゃ、う……!あ……」
シーツを必死に掴み、激しい快楽に喘ぐ姿に気を良くしていると、喘ぎ声に奇妙なものが混じり出す。
「…ぃりッ…ぬま、さ……き…りァああ……」
なぜ彼の名が出てくるのか。一瞬考え、合点がいった。
「もしかして…貴方の相手は桐沼さんですか?」
これは面白い。肯定するようにアナルがヒクつく。
「彼もとっても良い声で鳴いてくれましたよ。」
「え……」
「彼にも今の貴方と同じ事をしました。だいぶ嫌がりましたがだんだんグズグズになってしがみついてきて…貴方にも見せたかったですよ。」
「そんな…よくもそんな、ひどいこと……」
身を捩り力の入らない体で私を掴もうと懸命にもがく田端を難なく押さえ、今度は正面からピストンを再開する。
「あぐ…ッくっ…そ…」
「とろとろのお顔が丸見えですよ。」
涙を流し苦痛と快楽の同居した表情を晒す田端。白い肌を撫で回すたびにひきつけを起こしたようにビクつく。
「ぶっ……ころ、す……」
「おや、怖い怖い。」
そろそろ出しますよ、と言うと、途端に青ざめる。
「や、や、やめ…なんでもする、なんでも…」
「では、可愛らしく果てて下さい。」
奥まで差し込み白濁を吐き出すと、大きく露わになった瞳から涙が散り、田端も追って射精する。
「ぁ、あ………」
ぽろぽろと涙を流しながら明後日の方向を向く田端。今度は赤く充血した乳首を指先で撫でる。
「あう!そこだめぇ…」
見ただけでわかる。開発されきった乳首を強めにつねると、腰を浮かせ再び立ち上がり出したそれを締めあげられる。
「ひぃい…もう、やめ…へ…かんべんしてぇ…」
「さっきまでの威勢はどうしたんですか。」
舌先で丁寧に転がすと、暴れこそするもののもう逃走の心配はなさそうだ。
「やめへ…これいじょう、ひんじゃう…」
「お薬が切れるまで可愛がってあげますよ。なんなら私も使いましょうかねぇ。」
先程より深く根本まで埋める。自慢ではないが長さには自信がある。
ヒュッという恐怖の音を喉元から出すと瞳が絶望に染まりそれっきり田端が大人しくなる。ただ、愛おしい彼の名と彼への謝罪を繰り返す、壊れた人形のように。
 
 
 
 ×××
 
 
 
自室のドアをノックする音に扉を開けると、桐沼さんが立っている。最後に見た一ヶ月前よりやつれ、疲れ切っているように見えるが身なりはきちんとしている。突然の訪問に言葉を出せずにいると、中入っていい?と聞かれる。うなづくと動けずにいる僕を置いて室内に歩を進める。はっとしてドアを閉め鍵をかけると同時に扉に押しつけるように抱きつかれる。
「きり…ぬまさん…?」
「名前、呼んで。もっと。」
耳元で囁く声はあえて感情を殺しているように聞こえた。
「…桐沼さん………」
タバコの匂いがする。今まではしなかったのに。
「…桐沼さん………聡史さん…」
びくと僅かに、密着した体が跳ねた。腰にあった手がしだいに尻に伸び、ゆっくりと撫でられる。
「あっ…」
優しい手つきに、ゾクゾクしたものが走る。しかし―――
昨日の情事が頭を掠める。気絶するまで責められ、覚醒するとまた襲われ、中に三回程出された。いやもっとかもしれない。わからない。何も…
 
こんな汚れた体、触ってほしくない。
 
「…声、抑えてるの?俺には、もう聞かせたくない?」
流し込まれる静かな声。昨夜の感覚がまだ残っていて、体の疼きが止まらない。スウェットの隙間から手が入り、双丘に直接触れられる。
「あ、だ…ダメ……ダメです…」
「なんで?今まで……」
そこで言葉を切り、短く笑う。
「そうだよな。あれだけ酷いことして、嫌われても仕方ない。」
 
違う。
 
そう言おうと顔を上げた瞬間、キスで口を塞がれる。
「ん!んぅ…ッ…ん……」
痺れるような味がする。ああ、タバコのフレーバーだ。くちゅくちゅと粘膜がふれあい、なんとも言えない幸福感と安心感に包まれる。気持ちいい…
たまらず袖を掴むと、さらに深く濃厚な口付けが返ってくる。体感で一分くらいだろうか、力が入らなくなり体を支えられる。
「…ごめん。」
なぜ謝るのだろうと見上げると、バチリと視線が合う。瞬間、幾分も体格が違わないだろう体を持ち上げられ、部屋の奥へと連れて行かれる。その先にあるもの。ベッドだ。わたわたしているうちに到着しゆっくり降ろされる。
「あの、ダメです。風呂、入ってない……」
「いい。そのままでいいから。」
いつもなら舌打ちしながら帰る所なのに、おかしい。思えば初めから不自然なことばかりだ。連絡も無く来た事も、酒が入っていないのに行為に誘うのも、今までなかった事だ。
制止も虚しく部屋着のパーカーのジッパーが開かれすぐ下の黒いタンクトップが露わになる。首元に舌が這い、強く吸われる。
「う、うあ……」
右手で口を押さえるが、彼の手が重なりその手が退けられる。
「声、抑えないで。感じてる声、聞かせて。」
何か固いものが内腿に当たった。少し間を置いてそれが何か分かり、驚きと共に赤面する。
勃ってる。酒が入っていないのに。
「田端…お願い。これで最後だ。」
耳元で辛そうに囁く声。どうしてそんなに切なそうな声を出すんですか。どうして最後だなんて言うんですか。
「お願い。大人しくしてて…痛くしないから…」
カチャカチャ、とベルトを外すと、両腕を上にあげた形で拘束される。
 
こんな事しなくても、もう貴方から逃げたりしないのに。
 
 
 
「ねぇ…ちゃんと気持ちいい?…」
音を立てて鎖骨をしゃぶるようにすると、苦しそうに抑えた声が漏れる。
「お願い…声、聞きたい。」
額を合わせ呟くと、途切れ途切れに言葉が返ってくる。
「…ダメ…です、隣……聞こえちゃう…」
「昼間だよ。誰もいないって。」
べ、と舌で大きく撫で上げると、堪え切れなくなったのか、たまらない声があがる。
「うああぁッ……!」
「ほら、もっと感じて。ここ、好きでしょ?」
片方を優しく撫でてから、右の突起に口付ける。口に含みくちゅくちゅ食むと、びくびくと痙攣しながら全身で快感を訴えてくる。
「あぁ…だめぇ…ダメ…!そこ…あ、あああ…」
弓なりに背を逸らしぽろぽろと涙を流す姿が美しい。緩く歯を立てると、ひっ、と小さく悲鳴をあげて長い睫毛を伏せる。
「見て。誰としてるのか。田端…俺を見て…」
パーカーのジッパーを下ろした時、田端の白い肌に知らないキスマークが大量に付いている事に気がついた。黒のタンクトップをめくると乳首が腫れていた。彼はもう俺のものではない。おごりが過ぎたのだ。彼の優しさに甘えていた。
潤んだ瞳が俺の方へ向き、その声が俺の名を形作る。
「きり、ぬまさ……なか、ほしい……ください…」
誰としたのだろう。どこまで。どうして――――どうして?恋人でもないのに。何を馬鹿なことを…誰と何をしようと、俺が縛れるものではないのに。大きく開脚した脚を押さえアナルに指を一本入れた所で、既にぐちゃぐちゃに柔らかくなっている事に気がつき、ついに脱力した。田端はというとすぐに意味がわかったようで、顔が歪む。
「あ……」
「いいよ。お前が誰と何しようと、俺に関係ないもんな。」
自分でも萎えなかったのが不思議なものをゆっくり沈める。絡みつくように締めてくる田端に負担をかけないように、緩やかな動きを心がけるが、それでも顔を歪め苦しそうな呼吸をしている。
「は…あふ…うう……」
「痛くない…?」
「大丈夫…だから、もっと…」
拘束された腕を伸ばすと、俺の首に器用にまわす。首元に熱い吐息がかかりゾクッとした。ベッドに押しつけるように深く差し込むと、痛いほどに締め付けてきた。
 
 
 
初めから恋していた。人に聞かれたならばそう返すだろう。もっとも答えないが。
笑った時たまに見せるいたずらっ子のような顔も、仕事をミスした時の渋い顔も、新人研修の時からずっと見ていた。理由なんてありすぎて困るくらいだ。本当に。心底最低な片思いだ。色々な出来事を重ねて尚、俺は彼に恋している。
始めは酒なんて会う口実だったのに。パートナーがいなくて人寂しいだけの彼に執着してはハードなプレイを強要し、抵抗されないのをいい事に歪な関係を続けてしまった。しかしそれも今日で最後だ。
「出すよ…受け取って……」
まるで抱き合うような形になり田端の中で果てる。首元に顔を埋め口の中で伝えられなかった想いを転がす。
好きだ。
ぎゅっと背を抱かれ、今更離れがたい気持ちが押し寄せてくる。
「きりぬまさん…もいっかい……」
耳元で囁き内腿を擦り付けてくる。その言葉に、うねるなかの感触に、再びそれが立ち上がり出す。両手で頬を挟むように包まれ、甘えるように口付けられる。自らも舌を伸ばそうとした時、ふと両腕の拘束が解けている事に気がついた。
「僕が動きます。」
体位を入れ替えると先程出した白濁がトロトロと垂れ俺のそれを濡らした。
つぷ、と難なく再挿入され、出されて尚締まりの良いなかで扱かれる。極上の快楽の中、田端の表情を盗み見ると、荒い息を吐き出す口の端からは唾液が垂れ、頬は桜色に染まり、怖いのか瞳は閉じていた。ピンと立った突起に触れると、突然の刺激に大きな声をあげヒクつく。
「うあっ…!…まって…」
とろ、と腹に田端の精液が広がる。僅かに白いものの混じっただけのそれは昨晩の情事の激しさを物語っていた。
「あ…ごめんなさい…」
慌てて退こうとくる田端を制し、抱き寄せると、赤く熟した果実のような乳首にむしゃぶりつく。
「ひあッ?!あ…んん…!」
「ここ、腫れてるの…昨日もいじめられたの?」
顎を上げ激しく暴れる田端を強く抱きとめる。よほど良いのか、射精後で体が敏感になっているのかぎゅうぎゅう締めてくる。歯を立て先端を攻めると、一段と圧迫が強まった後脱力した。
「ケツでイったね。かわいい…」
天を仰ぎ、熱い息を吐いていた田端が、急にぽろぽろと泣き出す。
「お願いします…昨日の、かんかく、残ってて…気持ちわるい……消してください…もっと、いつもみたいに……きりぬまさんで頭いっぱいにして……」
とろとろに蕩けた田端の顔に、懇願する声に、自身のものが更に反応を見せた。
堪らず腰を持ち突き上げそのまま激しく打ち付ける。
「ああ!あ、ああ…んぅ、ぃあ…!」
酸素を求めるように舌を突き出し田端が叫ぶ。
「きり、ぬまさ…き、ぬまさんッ…きもち、いい…!もっとぉ…」
「待って、イく…やば…」
二度目の欲望を吐き出すと、力尽きたように田端が倒れ込んでくる。先程まで俺のイチモツを締め付けていたアナルがヒクヒクと痙攣している。しばらく互いに大きな息を吐きながら、折り重なっていたが、田端が腰を浮かせてそれを抜く。
「すごい、良かった……です。」
上気し濡れた肌が扇情的だった。今更ながら魅入ってしまう。
無言で浅く口付けられる。すぐに離れてしまうが、田端が自分から求めてきた事が嬉しくて、離れた唇を追う。いつものように後ろ髪を掴みそうになるが、寸前で気がついて右手を下げる。肩に手を乗せると、思いつく限り優しくキスをした。気持ちを乗せるように。言葉に出来ない想いを乗せて。
 
 
 
 ×××
 
 
 
初めは求められた事が嬉しかった。でも、彼は僕の事を好きなわけでは無い。ただそこにちょうどよく僕がいただけだ。
酷く抱かれて出る涙が乾かない日もあった。具合が悪くて寝込んだ日もあった。でも…
 
 
 
 ×××
 
 
 
謹慎が解けると言っていた日、朝礼に桐沼さんは現れなかった。
 
「あれ?田端君には自分から言うと聞いていたんだけどね。」
 
「リオデジャネイロ支店だって。もう戻ってこないかもね。」
 
「若いのに…重すぎないか?」
 
上司と同僚の声が遠く聞こえた。
 
 
 
キィーーと甲高い飛行機の離陸の音が心地よく体に響いた。田端の部屋から持ってきてしまった手帳をカバンから取り出して撫でると、罪悪感から自然とため息が出る。
初めから田端に話すつもりはなかった。言えばもしかして引き止めてくれるかもしれない。しかし、だから何なんだろう。彼には他に、体の関係を持つ人間がいるようだ。きっと俺より優しくて人間が出来ている筈だ。そうに違いない。そうだ。これ以上田端を束縛したくなかったと言ったら聞こえはいいが、面倒になったとも言える。永遠に手が届かない花に手を伸ばす事に、もう疲れた。
もうすぐ飛行機が来る。もう会うこともないだろう。
そう考えていたら、いきなり背中に体当たりされるような感覚が走る。いや実際当たられ抱きつかれている。はあはあと荒い息を吐き背中に顔を埋めている人物の紺の背広に見覚えがある。いつも気がつけば目で追っていた色だ。
「た……」
「何で……嘘ついたんですか?」
紺の背広の主―――田端が、荒い息の間に小さな声で問うてくる。言葉が出てこない俺の上着の胸を掴むと、目線を合わせ、もう一度同じ質問をされる。その泣きそうな表情の意味が、俺には分からなかった。
「どうして、言ってくれなかったんですか。」
「…ごめん。」
田端の気迫に押されて思わず謝ってしまった。
「貴方にとって僕なんて…どうでもいい事はわかります、でも……一言、別れくらい言わせてくれたっていいじゃないですか…」
「どうでも良くなんかない…」
「じゃあなんで。」
「………お前のことが、好きだ。」
ああ、言ってしまった。
ぽかんと口を開けていた田端の顔の頬がみるみるうちに赤くなる。
「こんな時に、冗談はやめて下さい…」
「本当だって。だから、だからだよ。わかるだろ。何されたか。頭がおかしくなりそうだった…お前を逃さないように縛って、声も封じて…なのに逃げるそぶりも見せないで……どこまで許してくれるんだろうって……そのまま、何もかも奪って、俺の事しか考えられないように……」
最悪だ。嫌われる。もう駄目だ。
「あんな事して、好かれるはずないのに。お前が、優しいから…受け入れてくれたから……嬉しかったよ。でも、もう嫌なんだ。これ以上、酷い事、したくない。」
きっと今、酷い顔をしている。
軽く胸を押すと、よろめくように田端が後退する。
「行きなよ。もう、俺みたいなのに捕まっちゃ駄目だよ。」
それ以上直視できなくて、踵を返し歩き出す。本当にこれで最後だ。
「桐沼さん。」
最後に恨み言でも言うつもりだろうか。田端が背後から呼びかけてくる。
「僕も、貴方のことが好きでした。」
歩みが止まる。振り返ると、田端の瞳から涙が一筋伝った。
「貴方になら何をされても良かったのに、僕の体に傷つけた事ないじゃないですか。加減してたんでしょう?怪我させないように。」
「……」
「河野に、抱かれました。」
「…!」
「薬を打たれたとはいえ、自分から、入れて欲しいってねだって……最悪です。僕は、貴方に愛される資格がありません。本当なら、追ってきちゃいけなかったのに…どうしてもひと目見たくて……声が、聞きたくて…」
言葉を詰まらせ俯く田端。雫がぽろぽろと落ちてはカーペットに吸い込まれていった。
「ごめんなさい…こんな、事言って…迷惑ですよね。大好きでした。本当に、ありがとうございました。好きになってくれて、ありがとうございました。」
気丈に笑う田端を見て、自然と体が動いた。歩み寄ると、抱きしめ、顔を寄せ口付けると濡れて潤んだ瞳が大きく開かれる。
「ちょ…人、見て…」
「大丈夫。俺だけ、見てて。」
浅く舌を入れた所で右斜め後方からスマホのシャッター音が聞こえる。ギロッと睨み付けると、大学生風の男がそそくさと逃げていった。両手を田端の頬に当て、額を合わせると、額越しに熱くなった体温が伝わってきた。
「田端…今から言う事はお願い。だから断ってもいい。でも、よく聞いて。」
そう前置きしてから一つの問いを投げかける。大きな特徴的な瞳が再び大きく見開かれ、しばらくしてから笑みを形作るように細められた。
「はい…!喜んで。」
 
 
 
 ×××
 
 
 
 
 
給湯室
 
「ねえ、聞いた?田端さん、会社辞めるんだって。」
 
「へー。まあ、珍しくもないよねぇ。」
 
「桐沼さんもリオに行っちゃうし、何か一気に人が減った感じするわあ。」
 
「わかる。私達もやめちゃう?そろそろ寿退社~ってね。」
 
「私はそういうのいいわあ。男なんて信用できないし、今時結婚とかコスパ悪すぎ。」
 
「はい日本終了。あ、昼休み終わる。さあ午後も社畜っていこうか!」
 
「あー婚期が逃げていく。どこかに高収入のイケメン落ちてないかねぇ」                           



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