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第4章:ダンジョン実習

第36話:カモカモ汁を食べよう

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学生食堂に買い取られた巨大カモカモ肉は、新鮮なうちにネギと一緒に煮込まれて夕食メニューとなった。
葉野菜もたっぷり入れて大鍋で煮込むカモカモ汁は、ニホンから来た異世界人が伝えた料理だ。
食材を提供したエカたちは、どんな料理が出来るか楽しみに、窓から調理場を覗き込んでる。

エテルの街で買えるカツオブシとコンブをダシに、魚の煮つけに使われるショウユで味付けするらしい。
カモカモ汁に使う調味料は、異世界人がエテルの街に伝えたものが多いみたいだ。

学食のおばちゃんたちが、カモカモ肉を焼いて脂身から出る油分でネギを炒める。
そこへ他の葉野菜を加えて、水や調味料を入れて煮込む。

「いい匂い~」
「あれ絶対美味いやつだ」

早く食べたくてウズウズしてるエカたちを見て、学食のおばちゃんたちがクスッと笑ってたよ。

記憶力の高いエカは、調理場を観察して材料と作り方を記憶してる。
家に帰ったらフィラさんに伝えるんだろうね。

「3食分、持ち帰ってもいい? 器は後で必ず返すよ」
「いいよ~、ちゃんと洗って返しとくれよ」
「はーい」

エカ、おねだりしてカモカモ汁3杯お持ち帰り。
異空間倉庫ストレージに入れておけば、出来たてそのまま維持して持ち運べるからね。

「あれ? ここで食べないの?」
「うん、ちょっと出かけてくる」

エカは1人で部屋に戻り、そこにある転送陣から実家に帰宅した。


「あらエカ、今日はこっちで食べる日だった?」

実家では、ちょうどフィラさんが夕飯の準備をしてるところ。

「ううん、差し入れを届けに来ただけ~」

他の料理も並べられたテーブルに、エカは異空間倉庫ストレージから出したカモカモ汁を置いた。

「空間魔法を覚えたのね。その料理はなあに?」

置かれたカモカモ汁を見て、フィラさんが首を傾げる。

「カモカモ汁っていうんだ。今日俺のパーティが狩った終点ボスの肉で作られてるんだよ」
「えっ? もう終点ボスを狩れるの?!」

当然ながら、フィラさんは終点ボス狩りそっちに驚く。

「うん。異世界人を覗いたら学園最短記録かもってみんなが言ってた」
「エカは勇者の資質があるから分るけど、パーティの子たちも凄いわね」

エカとフィラさんが話してたら、畑仕事に出ていたジャスさんが帰って来た。

「お、エカも来てたのか」

ってジャスさん、「も」って言った?
言われたエカも一瞬キョトンとする。

「最近お前たち別行動なんだな。アズがいつも1人で森に来てるぞ」
「えっ?!」

エカ、鼻の穴広げて真顔になった。

アズが1人で世界樹の森こっちに来てるなんて、エカもボクも知らなかった。
森で何してるんだろう?
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