ノンフィクション短編集

BIRD

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修学旅行の秘密

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 中学校の修学旅行での実話。
 宿泊先のホテルでの出来事。

 ヤンチャ盛りの中学生の頃。
 修学旅行で泊まったホテルにて。
 僕はクラスメイト数人と共に廊下で正座のお説教を食らっていた。

 何をやらかしたかって?
 泊まった部屋のベランダから、隣の部屋のベランダが近かったので、飛び越えて乱入しているところを見つかったのさ。

「ここ3階だぞ! 落ちたらどうするんだ!」

 担任のお怒りは、ごもっとも。
 大人になった今思えば、危険な行為をする馬鹿生徒たちだ。

「全員、正座して反省しなさい!」

 そう言って僕たちを正座させた先生に、隠していたことがある。

 僕たちが正座させられていたその頃、1人の男子生徒が付き合ってる女生徒の部屋に忍び込んでいたんだ。
 ベランダ飛び越え生徒たちに気を取られていた先生は、コッソリ女子部屋へ向かう男子に気付かなかった。
 女子部屋の子たちも協力的で、先生にチクッたりせず知らないフリをし続けた。

「先生、全然気付かなかったよ」
「ベランダ組が目立ち過ぎたもんな」
「こっちは正座させられて大変だった」

 翌日、自由行動時間にそんな話をして、結果的にベランダ飛び越えメンバーが囮になってくれたからお礼だと言われ、アイスを奢ってもらった。
 先生には黙っておいたから、今も知らないだろう。
 彼女の布団に潜り込んでイチャついていた彼は、そのまま最後までバレずに学校を卒業した。
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