ノンフィクション短編集

BIRD

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舞台公演後に起きた地震

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 劇団所属時代の実話。
 当時、僕は影絵人形劇の劇団員で、数人で構成される舞台公演班に所属していた。
 全国の小学校を対象に、影絵芝居をすることがメイン活動で、その日も某県某市の小学校で公演があった。
 舞台公演を済ませて、舞台道具を片付けて、機材を積んだトラックと、舞台メンバーが乗るワゴン車で、次の公演がある地域へ向かっていた時のこと。

 高速道路を走るワゴン車の中、カーラジオから流れた速報に、僕たち公演メンバーは驚いた。

 M7.2、最大震度6強。
 各地の震度速報によれば、今日の公演を済ませた小学校付近は、震度5強だったらしい。
 地震発生時刻は13時30分。
 僕たちは、その1時間半前の12時まで現地にいた。

 地震の前日、僕は震源地付近で趣味のホーストレッキングをしていた。
 もしも地震がくるのが1日早かったら、馬に乗って山道を歩いている最中に震度6強に遭うところだった。

 その地震は、M7超えの大地震だったけど、死者は無かったらしい。

 地震の前夜、公演メンバーが宿泊したホテルでは、真夜中に複数の部屋でゴキ○リたちが狂ったように走り回るという異変の前兆があった。
 僕はとしてはむしろ、そっちの方が強烈な記憶として残っている。
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