34 / 92
第3章:人類滅亡の真実
第30話:霊魂保存の研究
しおりを挟む
いろいろなものが超長期保存されているOISTに、残っていた研究生ケイトの霊。
俺はふと気になって、ケイトに聞いてみた。
『ケイト、聞いてもいいかな?』
『なぁに?』
『ケイトの霊だけが残っていたのは何故?』
『友人を驚かせるためよ』
「えっ?!」
『というのは冗談、研究の為よ』
帰ってきた答えが想像したのと違い過ぎて、思わずまた声が出てしまったぞ。
つられて猫たちも驚いてしまい、座っている猫たち全員のシッポがブワッと膨らんでいる。
彼らにゴメンゴメンと謝った後、俺はケイトから話を聞いた。
『どういうこと?』
『私が所属していた研究チームは、霊魂の保存の研究をしていたの』
『そんなものまで研究してたのか……』
『ジャンルにこだわらず、興味のあるものは何でも研究するのが我が校のモットーだったからね』
霊やら魂やら形の無いものまで保存しようとした研究生たちがいたとは。
しかも成功してるっぽいし。
昔は霊なんて非科学的だと言われていて、研究する科学者はほぼいなかったそうだけど、最先端の研究チームは感性が違うな。
『私がいた研究ユニット、見る?』
『うん』
『猫たちも一緒に来たらいいわ。こっちよ』
ケイトが、スーッと空中を移動し始める。
思わずビクッとして、やんのかポーズしてしまう猫たち。
俺はケイトの【声】が聞こえない猫たちに、「見せたいものがあるらしいよ」と声をかけて、通路を進むケイトの後を追った。
猫たちも俺が歩き出した後ろからついてくる。
『ここよ。入っていいわ』
言われて入ってみた室内は、整理整頓が得意な生徒がいたのか散らかってはいなかった。
遺跡調査チームがこの部屋に入るのは初めてで、俺も猫たちもキョロキョロと辺りを見回す。
『この棚に霊魂の保存に関する資料が置いてあるけど、研究生以外にはわけがわからない内容かも』
「え~と、オーラと呼ばれる霊的なエネルギーとスピリットと呼ばれる精神的な存在の定着について……」
研究データは難解な英語が多く、解読にかなり苦労する。
オマケに英語を日本語に翻訳はできても、研究内容は一般人の俺にはほとんど理解不能だ。
「オーラというのは、我々がもつフォースに似たものかもしれないね」
「スピリットというのは、魂のようなものか、心のようなものかな?」
学者であるモリオンたちの方が、俺より理解できている感じだ。
室内にあるA5サイズのタブレットみたいなものは、オーラ検査用と書いてあることを告げたら、猫たちが入れ代わり立ち代わり肉球でプニッとタップしてみている。
『私の飼い猫で試したときは、オーラを検出できたのだけど』
『って、校内にペットを連れ込んだのか』
『あら、コーイチが連れてきた猫たちの数よりは少ないわよ?』
ペット持ち込みにツッコミを入れたら、涼しい顔で返された。
モリオン博士たちは俺のペットじゃないけど。
俺は猫を飼ってるんじゃない。
猫に飼われているんだ。
あれ?
むしろ俺が、連れてこられたペットになるのか?
俺はふと気になって、ケイトに聞いてみた。
『ケイト、聞いてもいいかな?』
『なぁに?』
『ケイトの霊だけが残っていたのは何故?』
『友人を驚かせるためよ』
「えっ?!」
『というのは冗談、研究の為よ』
帰ってきた答えが想像したのと違い過ぎて、思わずまた声が出てしまったぞ。
つられて猫たちも驚いてしまい、座っている猫たち全員のシッポがブワッと膨らんでいる。
彼らにゴメンゴメンと謝った後、俺はケイトから話を聞いた。
『どういうこと?』
『私が所属していた研究チームは、霊魂の保存の研究をしていたの』
『そんなものまで研究してたのか……』
『ジャンルにこだわらず、興味のあるものは何でも研究するのが我が校のモットーだったからね』
霊やら魂やら形の無いものまで保存しようとした研究生たちがいたとは。
しかも成功してるっぽいし。
昔は霊なんて非科学的だと言われていて、研究する科学者はほぼいなかったそうだけど、最先端の研究チームは感性が違うな。
『私がいた研究ユニット、見る?』
『うん』
『猫たちも一緒に来たらいいわ。こっちよ』
ケイトが、スーッと空中を移動し始める。
思わずビクッとして、やんのかポーズしてしまう猫たち。
俺はケイトの【声】が聞こえない猫たちに、「見せたいものがあるらしいよ」と声をかけて、通路を進むケイトの後を追った。
猫たちも俺が歩き出した後ろからついてくる。
『ここよ。入っていいわ』
言われて入ってみた室内は、整理整頓が得意な生徒がいたのか散らかってはいなかった。
遺跡調査チームがこの部屋に入るのは初めてで、俺も猫たちもキョロキョロと辺りを見回す。
『この棚に霊魂の保存に関する資料が置いてあるけど、研究生以外にはわけがわからない内容かも』
「え~と、オーラと呼ばれる霊的なエネルギーとスピリットと呼ばれる精神的な存在の定着について……」
研究データは難解な英語が多く、解読にかなり苦労する。
オマケに英語を日本語に翻訳はできても、研究内容は一般人の俺にはほとんど理解不能だ。
「オーラというのは、我々がもつフォースに似たものかもしれないね」
「スピリットというのは、魂のようなものか、心のようなものかな?」
学者であるモリオンたちの方が、俺より理解できている感じだ。
室内にあるA5サイズのタブレットみたいなものは、オーラ検査用と書いてあることを告げたら、猫たちが入れ代わり立ち代わり肉球でプニッとタップしてみている。
『私の飼い猫で試したときは、オーラを検出できたのだけど』
『って、校内にペットを連れ込んだのか』
『あら、コーイチが連れてきた猫たちの数よりは少ないわよ?』
ペット持ち込みにツッコミを入れたら、涼しい顔で返された。
モリオン博士たちは俺のペットじゃないけど。
俺は猫を飼ってるんじゃない。
猫に飼われているんだ。
あれ?
むしろ俺が、連れてこられたペットになるのか?
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
