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第5章:猫の時代
第44話:ヤママヤー族
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「凄く今更だけど紹介しよう、彼の呼び名はタマ、この遺跡の中で二千年間眠っていた人間だよ」
モリオン博士が今更ながら俺を紹介した。
けど、みんな聞いているんだかいないんだか。
ピカリャー王国の王子様、マヤー王国の王様を抱っこした後、俺はイリオモテヤマネコに群がられた。
王様曰く、イリオモテヤマネコたちは「ヤママヤー」という種族らしい。
「お前たちもタマのフォースに触れてみろ。こんなに温かくて心地良いのは初めてだ」
なんてマーレー王子が言うから。
護衛たちが興味津々で俺の周囲に集まってくる。
俺は彼らが触れやすいように床で胡座をかいて座った。
ちょっと考えた後、彼らは次々に乗っかってくる。
膝の上は激戦区で、押し出されて床に転がる者もいた。
もはや恒例になりつつある猫まみれだ。
いつもと違うのは、群がっているのがイエネコではないことかな。
イリオモテヤマネコと触れ合えるなんて、二千年前なら大ニュースだけど。
「ふむふむ、これが人間の温もりか」
「触れただけで疲れが癒えていくぞ」
「にゃんこネットワークで聞いた通りだ」
「遥か昔に絶滅した筈の人類と触れ合えるなんて、夢のようだね」
「後で子供たちに自慢しよう」
今では、俺が珍しがられる生き物だ。
二千年前は100頭くらいいたイリオモテヤマネコと、二千年後の今は1人しかいない人間とでは、珍しさレベルがかなり違うかもしれない。
元・絶滅危惧種たちが、現・絶滅危惧種の膝に乗ったり肩に乗ったり。
腕の中に潜り込んでくる者までいるぞ(初対面で抱っこはよくないって誰が言った?)
「これも今更だけど、メーピスカリャー王家からタマに治療の依頼がきているよ」
「あ、それで【ご招待】なのか」
「行ってあげたらいいよ」
「じゃあ行ってくる」
俺の保護者であるモリオン博士には、既に話は通っているようだ。
彼が承諾するなら、俺はどこへでも行ける。
依頼を引き受ける会話を聞いて、俺に群がっているイリオモテヤマネコあらためヤママヤーたちが丸い耳をピンと立てた。
「引き受けて下さるのですか?」
「うん。保護者の許可をもらったからね」
「「「ありがとうございます!」」」
「君なら引き受けてくれると思っていたよ」
護衛たちが一斉に伏せて頭を下げる(所謂ゴメン寝ポーズ)。
マーレー王子がヒラリと跳躍して、また俺の腕の中に納まった。
「よし、じゃあ早速行こうか」
「そしてやっぱり俺、乗り物か」
再び、わらわらと乗っかってくるヤママヤー族のみなさん。
総勢10匹ほどの重さは、30キロ超。
俺の足が痺れる前に、連れて行ってくれ。
彼らのフォースに運ばれて、俺は西表島へ向かった。
モリオン博士が今更ながら俺を紹介した。
けど、みんな聞いているんだかいないんだか。
ピカリャー王国の王子様、マヤー王国の王様を抱っこした後、俺はイリオモテヤマネコに群がられた。
王様曰く、イリオモテヤマネコたちは「ヤママヤー」という種族らしい。
「お前たちもタマのフォースに触れてみろ。こんなに温かくて心地良いのは初めてだ」
なんてマーレー王子が言うから。
護衛たちが興味津々で俺の周囲に集まってくる。
俺は彼らが触れやすいように床で胡座をかいて座った。
ちょっと考えた後、彼らは次々に乗っかってくる。
膝の上は激戦区で、押し出されて床に転がる者もいた。
もはや恒例になりつつある猫まみれだ。
いつもと違うのは、群がっているのがイエネコではないことかな。
イリオモテヤマネコと触れ合えるなんて、二千年前なら大ニュースだけど。
「ふむふむ、これが人間の温もりか」
「触れただけで疲れが癒えていくぞ」
「にゃんこネットワークで聞いた通りだ」
「遥か昔に絶滅した筈の人類と触れ合えるなんて、夢のようだね」
「後で子供たちに自慢しよう」
今では、俺が珍しがられる生き物だ。
二千年前は100頭くらいいたイリオモテヤマネコと、二千年後の今は1人しかいない人間とでは、珍しさレベルがかなり違うかもしれない。
元・絶滅危惧種たちが、現・絶滅危惧種の膝に乗ったり肩に乗ったり。
腕の中に潜り込んでくる者までいるぞ(初対面で抱っこはよくないって誰が言った?)
「これも今更だけど、メーピスカリャー王家からタマに治療の依頼がきているよ」
「あ、それで【ご招待】なのか」
「行ってあげたらいいよ」
「じゃあ行ってくる」
俺の保護者であるモリオン博士には、既に話は通っているようだ。
彼が承諾するなら、俺はどこへでも行ける。
依頼を引き受ける会話を聞いて、俺に群がっているイリオモテヤマネコあらためヤママヤーたちが丸い耳をピンと立てた。
「引き受けて下さるのですか?」
「うん。保護者の許可をもらったからね」
「「「ありがとうございます!」」」
「君なら引き受けてくれると思っていたよ」
護衛たちが一斉に伏せて頭を下げる(所謂ゴメン寝ポーズ)。
マーレー王子がヒラリと跳躍して、また俺の腕の中に納まった。
「よし、じゃあ早速行こうか」
「そしてやっぱり俺、乗り物か」
再び、わらわらと乗っかってくるヤママヤー族のみなさん。
総勢10匹ほどの重さは、30キロ超。
俺の足が痺れる前に、連れて行ってくれ。
彼らのフォースに運ばれて、俺は西表島へ向かった。
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