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第5章:異国観光
第47話:海賊船出現
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花の都フルレの滞在期間が終わり、俺たちは再び船に乗り、次の港を目指して海に出た。
また船酔いしそうなアトラスたちには、フルレを出る前にミィファさんが【酔い止め飴】を買って舐めさせている。
「この飴、おいしい~」
「もっと食べたい」
「お薬だから、朝夕1コずつよ」
酔い止め飴は美味しいらしい。
俺は船酔いしないから口にすることはないけれど、ほのかに漂う香りから、柑橘系だなと分かった。
飴のおかげで誰も船酔いせず順調な航海を続けていたら、前方からなんか怪しい船が近付いてくる。
黒塗りの帆船、帆の上部にはドクロの旗。
いかにもな感じのその船を見て、リピエノさんが溜息をついた。
「やはり今年も出るんだねぇ、海賊船」
「モントル号を護れ!」
やれやれという感じでリピエノさんが呟く。
どっからどう見てもそっち系の船だと思ったら、やはりそうらしい。
海賊対策に雇われた防御魔法使いたちが、船の四方に散って防壁を展開した。
「みんな、危ないからお部屋へ行きましょう」
ミィファさんが甲板にいたアトラスたちを連れて、船室へ向かう。
不安そうな顔をするアトラスたちに、セラフィナもついていった。
「プゥルプ狩りで貰ったコレ、使っておくか」
「大きさ的には変わらないから当たるだろ」
「火属性エンチャントをかけておくよ」
バランさんがフルレの武器屋から貰った弓矢を構える。
ヴァルトさんは愛用のクロスボウを構えた。
攻撃魔法が得意なマルカさんは、属性ダメージの付与ができるらしい。
「ミニョン、威力UPをかけて」
「俺にも頼む」
「OK」
シェリーさんとミュスクルさんも加勢するようだ。
慌てた様子は無いから、多分去年も海賊に遭遇したんだろう。
「アルはよく見ておけよ。これが海賊から商船を護る依頼だ」
「うん」
邪魔にならないように帆柱の真下に立つ俺に、ケラエノさんが歩み寄ってきて言う。
冒険者学園の職員はギルド職員だから、購買職員のケラエノさんは冒険者の依頼内容を熟知していた。
晴れ渡る空の下、紺碧の海の上、白い帆船と黒い帆船が向かい合う。
黒い船の舳先には大砲みたいな物があり、その筒先はモントル号に向いている。
「撃て! 奴等を近付かせるな!」
射程距離に入ると、船員たちが砲撃を開始する。
しかし海賊船にも防御魔法使いがいるらしく、砲弾は敵船に到達する前に空中で防壁に激突し塵と化した。
一方、海賊船からの砲撃もモントル号には当たらない。
4人の防御魔法使いたちが、魔法による防壁で砲弾を防いでいる。
「攻防は互角のようだね。この場合は砲撃を続けながら迂回して進むんだ」
「海賊を討伐しないの?」
「それはまた別の依頼だからね。今は海賊を振り切って進むのが最優先事項さ」
船と船の戦いを見学しながら、ケラエノさんが俺に説明してくれた。
武装しているとはいえ、モントル号は商船であり、戦艦ではない。
海賊船とガチバトルするよりも、接近されないように進むことを優先するらしい。
「海賊船は1隻見たら10隻いると言われている。戦闘を長引かせるよりも逃げた方がいい」
海賊船、なんか日本でGと呼ばれる生き物みたいな言われようだ。
言われて見ると、あの船体の色がそれっぽいような?
「そうそう、それに今なら確実に振り切れるからね」
リピエノさんがこちらへ歩いてきて、意味深にウインクしてみせた。
また船酔いしそうなアトラスたちには、フルレを出る前にミィファさんが【酔い止め飴】を買って舐めさせている。
「この飴、おいしい~」
「もっと食べたい」
「お薬だから、朝夕1コずつよ」
酔い止め飴は美味しいらしい。
俺は船酔いしないから口にすることはないけれど、ほのかに漂う香りから、柑橘系だなと分かった。
飴のおかげで誰も船酔いせず順調な航海を続けていたら、前方からなんか怪しい船が近付いてくる。
黒塗りの帆船、帆の上部にはドクロの旗。
いかにもな感じのその船を見て、リピエノさんが溜息をついた。
「やはり今年も出るんだねぇ、海賊船」
「モントル号を護れ!」
やれやれという感じでリピエノさんが呟く。
どっからどう見てもそっち系の船だと思ったら、やはりそうらしい。
海賊対策に雇われた防御魔法使いたちが、船の四方に散って防壁を展開した。
「みんな、危ないからお部屋へ行きましょう」
ミィファさんが甲板にいたアトラスたちを連れて、船室へ向かう。
不安そうな顔をするアトラスたちに、セラフィナもついていった。
「プゥルプ狩りで貰ったコレ、使っておくか」
「大きさ的には変わらないから当たるだろ」
「火属性エンチャントをかけておくよ」
バランさんがフルレの武器屋から貰った弓矢を構える。
ヴァルトさんは愛用のクロスボウを構えた。
攻撃魔法が得意なマルカさんは、属性ダメージの付与ができるらしい。
「ミニョン、威力UPをかけて」
「俺にも頼む」
「OK」
シェリーさんとミュスクルさんも加勢するようだ。
慌てた様子は無いから、多分去年も海賊に遭遇したんだろう。
「アルはよく見ておけよ。これが海賊から商船を護る依頼だ」
「うん」
邪魔にならないように帆柱の真下に立つ俺に、ケラエノさんが歩み寄ってきて言う。
冒険者学園の職員はギルド職員だから、購買職員のケラエノさんは冒険者の依頼内容を熟知していた。
晴れ渡る空の下、紺碧の海の上、白い帆船と黒い帆船が向かい合う。
黒い船の舳先には大砲みたいな物があり、その筒先はモントル号に向いている。
「撃て! 奴等を近付かせるな!」
射程距離に入ると、船員たちが砲撃を開始する。
しかし海賊船にも防御魔法使いがいるらしく、砲弾は敵船に到達する前に空中で防壁に激突し塵と化した。
一方、海賊船からの砲撃もモントル号には当たらない。
4人の防御魔法使いたちが、魔法による防壁で砲弾を防いでいる。
「攻防は互角のようだね。この場合は砲撃を続けながら迂回して進むんだ」
「海賊を討伐しないの?」
「それはまた別の依頼だからね。今は海賊を振り切って進むのが最優先事項さ」
船と船の戦いを見学しながら、ケラエノさんが俺に説明してくれた。
武装しているとはいえ、モントル号は商船であり、戦艦ではない。
海賊船とガチバトルするよりも、接近されないように進むことを優先するらしい。
「海賊船は1隻見たら10隻いると言われている。戦闘を長引かせるよりも逃げた方がいい」
海賊船、なんか日本でGと呼ばれる生き物みたいな言われようだ。
言われて見ると、あの船体の色がそれっぽいような?
「そうそう、それに今なら確実に振り切れるからね」
リピエノさんがこちらへ歩いてきて、意味深にウインクしてみせた。
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