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第6章:奇跡の子
第54話:海賊たちのトラウマ?
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その後も、スバルは遭遇した海賊の船を大破させて、海賊活動(?)が不可能な状況にしていった。
花の都フルレから商業都市コメルスまでの航路は、商船狙いの海賊多発海域らしい。
海賊に襲われた船は、逃げ損ねたらユノさんの船みたいな被害に遭う。
けれど今年は、海賊の方が災難かもしれない。
海神ラメル様の加護のもと、圧倒的な攻撃力で返り討ちにするスバルによって、海賊船の数は激減していった。
「な、なんだあのガキ、バケモンか?!」
「お、お頭ぁ! 船が沈んじまうよぉ!」
海賊船の武装など全く役に立たない。
スバルの指先から放たれる海竜は、爪の一撃で大きな船を真っ二つにしてしまう。
「あ~、沈んだりしないから安心していいよ。そのままコメルスまで流されるだけさ」
風魔法で空中に浮かびながら、スバルは海に落ちた海賊たちを見下ろして笑顔で言う。
その言葉通り、強い海流が発生して大破した船と海賊たちが押し流されていった。
「今日も絶好調だねぇ、海賊の天敵アルキオネくん」
リピエノさんがニコニコしながら言う。
商船のオーナーにとって、スバルの無双っぷりは頼もしい限りだろうね。
海賊を蹴散らしながら高速航行を続けたモントル号は、コメルスの港にも予定よりかなり早い日程で到着した。
今回も宿はとらずに船で宿泊しながら、みんなでノンビリ観光予定だ。
買い食いを楽しみにしつつ、みんなと一緒に船から降りたスバルに、港の警備兵が声をかけてきた。
「そこの銀髪の坊や、もしかして海竜使いの子かい?」
「え? なんで知ってるんですか?」
初めて来た街で自分のことが知られている様子に、スバルはキョトンとする。
でも、なんとなく噂の出所に心当たりが……
「先日から何隻かの海賊船が大破して流れついているんだけど、一緒に流されてきて投獄された海賊たちが、みんな震えながら言うんだよ。『海竜を操る銀髪の子供にやられた』ってね」
「なるほど。それならアルキオネくんのことだね」
「私の船を海賊から救ってくれたのもこの子なのよ」
警備兵の話を聞いてリピエノさんが答える。
ユノさんも自分の船を指差して言った。
「我が国では海賊を討伐した人に報奨を出していてね、海賊たちを震え上がらせた海竜使いの子が来るのを待っていたんだよ」
「本人確認として、地下牢にいる海賊たちに姿を見せてみてくれるかい?」
「行っておいで、アルが戻って来るまで船で待ってるから」
「はーい」
スバルは警備兵たちと一緒に港の施設内にある地下牢へ向かう。
施設の地下はかなり広く、地下牢の独房の数も多い。
今いるのは最近収容された海賊たちで、先に収容された者たちは他の収容所に移動したのでここにはいなかった。
「お、お前はっ!」
「ひぃぃぃっ!」
海賊たちはトラウマになっているらしく、こちらを見た途端にパニックになる。
中には恐怖のあまり腰を抜かす者もいた。
(そこまでビビらなくてもいいのに)
海賊たちの怯えっぷりに、スバルは苦笑しつつ心の中で呟いた。
花の都フルレから商業都市コメルスまでの航路は、商船狙いの海賊多発海域らしい。
海賊に襲われた船は、逃げ損ねたらユノさんの船みたいな被害に遭う。
けれど今年は、海賊の方が災難かもしれない。
海神ラメル様の加護のもと、圧倒的な攻撃力で返り討ちにするスバルによって、海賊船の数は激減していった。
「な、なんだあのガキ、バケモンか?!」
「お、お頭ぁ! 船が沈んじまうよぉ!」
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スバルの指先から放たれる海竜は、爪の一撃で大きな船を真っ二つにしてしまう。
「あ~、沈んだりしないから安心していいよ。そのままコメルスまで流されるだけさ」
風魔法で空中に浮かびながら、スバルは海に落ちた海賊たちを見下ろして笑顔で言う。
その言葉通り、強い海流が発生して大破した船と海賊たちが押し流されていった。
「今日も絶好調だねぇ、海賊の天敵アルキオネくん」
リピエノさんがニコニコしながら言う。
商船のオーナーにとって、スバルの無双っぷりは頼もしい限りだろうね。
海賊を蹴散らしながら高速航行を続けたモントル号は、コメルスの港にも予定よりかなり早い日程で到着した。
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「そこの銀髪の坊や、もしかして海竜使いの子かい?」
「え? なんで知ってるんですか?」
初めて来た街で自分のことが知られている様子に、スバルはキョトンとする。
でも、なんとなく噂の出所に心当たりが……
「先日から何隻かの海賊船が大破して流れついているんだけど、一緒に流されてきて投獄された海賊たちが、みんな震えながら言うんだよ。『海竜を操る銀髪の子供にやられた』ってね」
「なるほど。それならアルキオネくんのことだね」
「私の船を海賊から救ってくれたのもこの子なのよ」
警備兵の話を聞いてリピエノさんが答える。
ユノさんも自分の船を指差して言った。
「我が国では海賊を討伐した人に報奨を出していてね、海賊たちを震え上がらせた海竜使いの子が来るのを待っていたんだよ」
「本人確認として、地下牢にいる海賊たちに姿を見せてみてくれるかい?」
「行っておいで、アルが戻って来るまで船で待ってるから」
「はーい」
スバルは警備兵たちと一緒に港の施設内にある地下牢へ向かう。
施設の地下はかなり広く、地下牢の独房の数も多い。
今いるのは最近収容された海賊たちで、先に収容された者たちは他の収容所に移動したのでここにはいなかった。
「お、お前はっ!」
「ひぃぃぃっ!」
海賊たちはトラウマになっているらしく、こちらを見た途端にパニックになる。
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(そこまでビビらなくてもいいのに)
海賊たちの怯えっぷりに、スバルは苦笑しつつ心の中で呟いた。
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