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第7章:神聖王国メシエ
第68話:2人の転生者
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「いらっしゃいませ。神々の間へようこそ」
見覚えのある場所。
白い霧のようなものが漂う空間に、壁のような大きな本棚とアンティークな長机がある。
スバルが転生する前に来た場所だ。
長机の向こう側にある椅子に、長くてサラサラした髪の綺麗なお姉さん=リイン様が座っている。
リイン様の髪は、キラキラと光る度に様々な色に変わる不思議な色をしていた。
スバルの前世知識によれば、オパールという宝石がもつ遊色効果(虹色の輝き)に似ているみたいだ。
「立ち話も何ですから、4人ともどうぞお座り下さい」
「「「「えっ?」」」」
リイン様は「4人」と言った。
驚く声が4つ重なる。
僕とセラフィナ、子供の声の他に、大人の声が2つ。
このとき、僕は自分で身体を動かせることに気付いた。
手を繋いで並び立つ僕とセラフィナの中から、白い光の玉がスゥッと抜け出て、人の形に変わっていく。
後ろ姿なので顔は見えないけれど、黒髪の男性と金髪の女性だ。
僕とセラフィナよりも倍くらい背が高いから、多分大人だと思う。
2人は驚いたようにそれぞれ自分の両手を見つめ、互いの顔を見て呆然としている。
「昴流さん、ソフィエさん、今回はあなたたちの現世人格にも来てもらいました」
「現世人格……?」
「あなたたちの後ろにいますよ」
「?!」
振り返った2人が、僕とセラフィナを見て言葉が出ないほど驚く。
僕は黒髪の男性の顔を見て、彼が「星野昴流」という日本人だと理解した。
隣にいる女性は初めて見るけれど、セラフィナの前世「ソフィエ」なんだと思う。
「……どうして……」
そんな呟きと共に、繋いだままの手がギュッと強く握られる。
ハッとして隣を振り返ると、セラフィナが驚きに目を見開いたまま涙を流していた。
「どうして……起こしたの……?」
セラフィナの声が震えている。
僕の手を強く握るのは、感情の爆発を抑えるためかもしれない。
でも、とうとう堪え切れなくなったのか、彼女は号泣した。
「うわぁぁぁん!」
僕の手を握って立ったまま、セラフィナは年齢通りの小さな子供みたいに大泣きする。
スバルとソフィエは困惑して立ち尽くし、その向こうにいるリイン様は憐れむように溜息をついた。
「わ、わたし、起きるのイヤなのに! に、兄さまどうして私を殺すの?! イヤイヤイヤ~ッ!」
「落ち着いて!」
絶叫するセラフィナを、ソフィエが慌てて抱き寄せる。
セラフィナもソフィエも長く波打つ金髪に緑の瞳だから、2人はまるで親子か年の離れた姉妹みたいに見えた。
「に、兄さま、私がキライだったの? やさしかったの、ウソだったの? わたし、生きていちゃダメなの?」
「大丈夫、生きていいのよ。私が一緒にいるわ。勇者様もいる。彼が強いのは、もう知っているでしょう?」
ソフィエに抱き締められて頭や背中を撫でてもらううちに、セラフィナは少しずつ落ち着いていく。
2人の会話を聞いているうちに、僕は今まで見ていたセラフィナは前世ソフィエの人格で、本来のセラフィナは今まで眠っていたんだと気付いた。
見覚えのある場所。
白い霧のようなものが漂う空間に、壁のような大きな本棚とアンティークな長机がある。
スバルが転生する前に来た場所だ。
長机の向こう側にある椅子に、長くてサラサラした髪の綺麗なお姉さん=リイン様が座っている。
リイン様の髪は、キラキラと光る度に様々な色に変わる不思議な色をしていた。
スバルの前世知識によれば、オパールという宝石がもつ遊色効果(虹色の輝き)に似ているみたいだ。
「立ち話も何ですから、4人ともどうぞお座り下さい」
「「「「えっ?」」」」
リイン様は「4人」と言った。
驚く声が4つ重なる。
僕とセラフィナ、子供の声の他に、大人の声が2つ。
このとき、僕は自分で身体を動かせることに気付いた。
手を繋いで並び立つ僕とセラフィナの中から、白い光の玉がスゥッと抜け出て、人の形に変わっていく。
後ろ姿なので顔は見えないけれど、黒髪の男性と金髪の女性だ。
僕とセラフィナよりも倍くらい背が高いから、多分大人だと思う。
2人は驚いたようにそれぞれ自分の両手を見つめ、互いの顔を見て呆然としている。
「昴流さん、ソフィエさん、今回はあなたたちの現世人格にも来てもらいました」
「現世人格……?」
「あなたたちの後ろにいますよ」
「?!」
振り返った2人が、僕とセラフィナを見て言葉が出ないほど驚く。
僕は黒髪の男性の顔を見て、彼が「星野昴流」という日本人だと理解した。
隣にいる女性は初めて見るけれど、セラフィナの前世「ソフィエ」なんだと思う。
「……どうして……」
そんな呟きと共に、繋いだままの手がギュッと強く握られる。
ハッとして隣を振り返ると、セラフィナが驚きに目を見開いたまま涙を流していた。
「どうして……起こしたの……?」
セラフィナの声が震えている。
僕の手を強く握るのは、感情の爆発を抑えるためかもしれない。
でも、とうとう堪え切れなくなったのか、彼女は号泣した。
「うわぁぁぁん!」
僕の手を握って立ったまま、セラフィナは年齢通りの小さな子供みたいに大泣きする。
スバルとソフィエは困惑して立ち尽くし、その向こうにいるリイン様は憐れむように溜息をついた。
「わ、わたし、起きるのイヤなのに! に、兄さまどうして私を殺すの?! イヤイヤイヤ~ッ!」
「落ち着いて!」
絶叫するセラフィナを、ソフィエが慌てて抱き寄せる。
セラフィナもソフィエも長く波打つ金髪に緑の瞳だから、2人はまるで親子か年の離れた姉妹みたいに見えた。
「に、兄さま、私がキライだったの? やさしかったの、ウソだったの? わたし、生きていちゃダメなの?」
「大丈夫、生きていいのよ。私が一緒にいるわ。勇者様もいる。彼が強いのは、もう知っているでしょう?」
ソフィエに抱き締められて頭や背中を撫でてもらううちに、セラフィナは少しずつ落ち着いていく。
2人の会話を聞いているうちに、僕は今まで見ていたセラフィナは前世ソフィエの人格で、本来のセラフィナは今まで眠っていたんだと気付いた。
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