エセエッセイ

ごったに

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回数券

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自分は食べるのが大好きなのだが、極稀に食べることよりも違うことに時間を割くために食事を簡素なものにしたり、急いで食べたりすることがある。

ただ、人は食べることに限らずに限界値がある。

そう、寿命である。

そして寿命と直結するのが健康面である。

すごくざっくりきっちりした計算をすると

以下を前提として

1年=365日

寿命=わかりやすく100年(100歳)

食事回数=1日3回

365×100=36500日

36500×3=109500回

となる。

数字にすると多く感じるが、実際には赤ん坊の頃だったり、死の間際で食事もままならない状態だったりするのでこの回数よりもずっと少ないだろう。

例えるなら、人生の食券回数券である。

その内の1回を雑に使ってしまったと思うと急にもったいないと感じるのは自分だけだろうか。

食事に限らず、生きている以上必ず限界値がある。

お風呂に入ること、誰かといっしょに過ごすこと、趣味等に没頭することなどなど。

その一つひとつはすべて生きている間にしか体験、経験ができず、そのどれもが回数券を使うものなのだ。

次で良いや。

明日やろう。

それはあくまで次回がある人の話。

人は突然、何の予兆もなく旅立つことがあるのだから、一回一回の行動を無駄にしないようにして自分の心身に取り込んで大切にしたい。

食べることひとつにしても、漠然とただ生きるためにエネルギーを摂取するのではなく、頂く料理の色、形、味、香り、食感、それらを彩る食器や場所や音など五感を使って楽しむのだ。

チェーン店の同じメニューを注文して食べるにしても、自分の身体のコンディションによって食べて感じるものが違うハズである。

同じもの、同じことはひとつとして存在しないのだ。

繰り返しになるが、そのひとつを無駄に、雑にしないように回数券を使っていきたい。
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