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【ネタバレ注意】夏クール見ていたもののまとめ(ほぼ放送未完結作品。完結は2本のみ)
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◎ネクロノミ子のコズミックホラーショー
面白かった。
このアニメをモチーフにしたTRPGシナリオが発売されたりしないんだろうか?
絵のクセが強いから視聴断念した人もいたのかな、とは思うが筆者は観たよ。
クトゥルフ神話ものをマジで放送するのか、と始まるまで疑っていた。本気だった。
コンピューターゲームの世界にアザトースが顕現した、ってことでいいのか?
とりまシステムと繋がったっぽかった。
で、邪神が復活するためにライバーとゲームでポイントを巡って争うことになる。
ハスター、(クトゥ)グア、ガタノソア、クトゥルフはそれぞれ有名なライバーの精神を乗っ取ることでアバターを得てゲーム世界に降臨。ライバーたちに個性的で悪趣味なステージを用意し、立ちはだかる。
ゲームマスターを務めるチクタクマンは、依り代あるのかよくわかんなかった。
もちろん誘い出されたライバーは、ポイントを高額の現金との引き換えか願いを叶えるために使えると言われてホイホイ危険なゲームに参加してしまうという、定番のやつ。
「願いを叶えてもらう」という他力本願系の話は、地道に努力する以上の苦労と代償を求められてなんかもう最終的に主催を倒すことが目的になる話か、主催の打倒は目指すのだが願いが「誰かのため」であるがために(主催などに)願いも叶えさせる話になるよね。
今回は後者。
主人公ミコの相棒のライバーが昏倒し、その原因がクトゥルフのアバターにされたからだと知り、ミコは邪神殲滅を誓うのだった。
ミコとの心の距離が遠いライバーはだいたいクズ野郎なので、ゲームでしくってSAN0になってもあんまり……。
そう、ゲームはフルダイブ型なのだが、ログインの際にゲーム筐体にプレイヤーのSAN値が表示される。
ゲームの最中にも、負傷や精神的ショックでSAN値が減少する演出もあった。
ゲーム攻略に失敗すると、一発でSAN0になって発狂。リスキー!
クリア報酬はクリア人数で山分けになるので、クリア人数は少ないほど取り分が多くなる。
プロゲーマーの少年は、初回から漫画家をPKするなどのヒールに徹する。
人間にも邪神側勢力がいると、盛り上がるもんね。
比較的マトモな三人のプレイヤーと合わせて四人で勝ち残ったミコは、最終ゲームに挑む。
一人が一柱と対決する「ここは俺に任せて先に行け」方式。
バトル漫画で四天王と戦うときによくある展開。
#10「【育成】自分メーカーでときめいてみた【ガタノソア】」がシャレにならん。そらSAN0になるって。
娘を大人にまで育成するゲームがかつてゲーセンで遊ばれていたと聞いたことがあるが、そういうノリのゲームをミコのライバルを自称するライバーの神楽坂カンナがプレイすることになる。
カンナの人生に忠実な育成シミュレーションゲームなのだが、様々なIFに分岐するゲームでトゥルーエンドに到達することがクリア条件。虐待サバイバーのカンナは凄絶な自らの半生をゲームで再体験することになる。
だが、どんなに幸せになるルートを重ねようと、選ばなかった選択肢を潰そうともトゥルーには到達しない。
トゥルーの条件、それは「人生にはセーブ&ロードもIFルートもない」ことを理解してプレイすること。
しかも……ゲームはちょうどガタノソアの最初に用意したステージ#5「【アップダウン】クイズ人間性は本当にクソゲーか?【横取り100万】」から人間界に中継されている。
(このクイズは他人に知られると取り返しのつかないような自分についてのクイズに答えるものだが、その取り返しのつかなさに応じて高得点が得られるというもの。内々でならどんな非道や悲惨な人生を答えても、それなりのダメージなのだが……中継されちゃうんだよね)
泣きながら自分の傷に塩どころかデスソースを塗り込むようなプレイに、カンナのSAN値は尽きてしまう。
ガタノソアは落ち着いた話しぶりに反して、一番精神的に鬼畜な所業をしてきた印象がある。
四天王的な邪神たちとのゲームで、犠牲は出たものの勝ち越したミコはしかし、チクタクマンに大見得を切る。
あたしがお前とのゲームに勝ったら、このゲームの犠牲者をすべて元通りにしろ、と。
もちろんチクタクマンとは、這い寄る混沌ニャルラトホテプの千の貌の一つである。
チクタクマンはその挑戦に応じ、しかしその条件として世界人類の命を賭けてもらうと要求。
ミコの承諾を得るや、チクタクマンは巨大な「夜に吠えるもの」の姿に変身、現実世界の街に出現する。
この化身は一番有名な姿で『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2010』の表紙にも描かれている、あの姿だ。
告げられた勝利条件は、この巨大な「夜に吠えるもの」を物理的に倒すことだ、と。
む、無茶苦茶すぎる。
そのとき、自分のゲームで同じような勝利条件を出すもゲームマスターとしてのチクタクマンの嫌がらせでアザトースの下に送られたような形で敗退したはずのクトゥルフが、巨大化して海から出現。
クトゥルフはミコを己の肩に乗せると、ゲームのコントローラーを渡して来た。
公平をきすために、格ゲーのようにミコが巨大クトゥルフを操作してチクタクマンを倒せば勝ち、というルールにするよう訴えたのだ。
果たしてミコは、チクタクマンを倒すことができるのか……!
人類の命運や、いかに……!
まあ、内容について語るのはこのへんにしておきましょうかね。
ところで筆者はネトフリに入っていないため、『イカゲーム』を見ていない。
パロディ映画の『タコゲーム』は既に存在する。ホッカイロレン氏がレビューしてなかったか?
ひょっとしてこのアニメ「『タコゲーム』は既にあるから『クトゥルフゲーム』じゃ!」みたいな企画だったりする?
あとは、ゲーム中にインスマス(ディープワン)に妨害されたミコが、インスマスをイラ立ち紛れに「魚臭い」などと罵倒したシーンでは、ショックを受けたインスマスたちが泣いてしまうのだが……そこでチクタクマンにルッキズムを指摘されていた。続けてチクタクマンから「邪神にもコンプラ意識が要求される時代なんですよ」的な小言を食らうシーンは、皮肉としてレベルが高かったように思う。
◎盾の勇者の成り上がり シーズン4
面白かった。
ラフタリアの故郷、九天楼もといクテンロウへと向かう話。
なんか決闘ばっかりしてた印象。
・フォウル&アトラVSジャラリス&助っ人牛獣人
クテンロウへの道を聞きに寄った獣人国家シルトヴェルト。
盾の勇者を神聖な王と崇める国なので、尚文を引き止めたがる。
しかし、食事への毒物混入事件が発生し、騒ぎになる。
それはハクコ種の権威を失墜させた、ジャラリスの陰謀だった。
父の仇を討つため、フォウルとアトラはジャラリスとの決闘に臨む。
ジャラリスは自分がシルトヴェルトの頂点に立つため、その邪魔をする者を皆殺しにするための一手目として。
助っ人牛獣人は名のある武人らしく、また、勝ったら尚文を娘の婿にするため参戦。娘は尚文のファンらしい。
尚文はフォウルとアトラに「絶対勝て」と叫んだ。
・クテンロウ
桜に酷似した木や、江戸時代の日本のような建築物が目立つ国。
しかし、どこか西洋人の考えた江戸時代日本のような中国文化風のものが混入している感がある。
原作者の皮肉なんじゃないかと思うが、どうだろう。
市中には生類憐みの令よろしく、魔物を殺してはならないお触れが出ている。
子供が魔物に殺されようとしていても、誰も手を出せない。
サリナのはからいで尚文たちに帯同していたドラゴンのガエリオンが魔物を退治する。
魔物が死ぬのを見咎めた兵士によって、一行は囲まれてしまう。
しかしガエリオンがクテンロウで神聖視される水龍の玉を事前にもらっており、しかもガエリオンは同じ魔物であるため事なきを得た。
お触れ以外にも役人は横暴の限りを尽くしており、民衆は苦しめられていた。
カラス天狗のような反乱軍は、今の天命に代わってラフタリアに天命を継承し、国を救って欲しいと請う。
民を救うべく、ラフタリアは天命継承の意志を固めるのだった。
だがそれは、天命軍との戦争を意味していた。
・サリナVSシルディナ
クテンロウの要職・水龍の巫女。
天命麾下の将軍であるように描かれていた。
元々水龍の巫女だったが出奔して職務を放棄したサリナに代わり、姉に劣ることを一族から責められながらも必死に力を高めてきた、サリナ出奔後に生まれた妹のシルディナ。
天命軍と反乱軍の衝突は被害が大きくなるため、シルディナは代表者同士の決闘で決着を付けるべく現れた。
名乗りを上げたのは、シルディナと自分の続柄を知らなかったサリナ。
シルディナから話を聞いて一族のクソぶりに怒り、彼女に同情して最初は戦わなかったサリナだが、いざ戦えば圧倒した。
だが急に別人に変身し、シルディナでなくなるシルディナ。
ラフタリアと同じ種族の彼女は一体……
・ラフタリアVS過去の天命inシルディナ
それは過去に天命であった誰かであった。
天命のおわす城で大暴れした過去の天命に、恐れをなして逃げ惑う兵士。
尚文に同行するラフタリアを見ても、悲鳴を上げる始末。
城で再会した過去の天命だったが、肉体の支配権を現天命を操る摂政の女狐に奪われる。
シルディナの背後霊のように魔力で繋がっているが、ラフちゃんを頭に乗せている尚文にしかその姿が見えない。
摂政の憑依霊は胸から下が紫色の魔力の帯みたいなのに包まれているので、ネグリジェというかベビードールを着た若作りの年増女のように見える。
過去の天命が意志を振り絞って助言をくれたため、そのお蔭でラフタリアにも摂政の憑依霊が見えるようになる。
ラフタリアの剣技が通り、力を失ってどんどんBBAになっていく摂政の憑依霊。
摂政を倒したは良かったが、天命を継承するなら力を見せろ的な少年漫画ノリで過去の天命とラフタリアの戦いになる。
幻術が苦手なラフタリアにダメ出ししながら、ハンマーで打ち込んで来る過去の天命。
しかし、戦いの最中で成長したラフタリアは天命の技も幻術を使いこなし、また過去の天命のそれも破っていく。
尚文はその戦いを見て、ラフタリアの魔法適正が光と闇であることの意味を悟った。
相反する力を操るロマン性能になんかすげー、となる。
及第点、との評価だが勝利条件を果たし、過去の天命の霊を退去させ、シルディナをすぐ医者に診せるのだった。
御簾の向こうで怯えていた現天命の失政を咎めた尚文たちだったが、命までは取らなかった。
秘密裏にシルディナと引き合わせ、反乱軍には「前天命はフィーロに食われた」ことにした。
晴れてラフタリアが新天命となるのだが……時々クテンロウで仕事するだけでパーティーから外れるわけではないらしい。
(筆者は個人的に)良かったけど、(クテンロウは)それでいいのか……!?
・「主人公はなんでいっつも偉そうなの?」
感想まとめ動画で聞いたコメント。
えっ、シーズン4から見てるんですか?
シーズン1から見てるならわかると思うんですけど。
四聖勇者として召喚されたものの、王女から「襲われそうになった」と無実の罪を着せられ、パーティを解散されて孤立し、王や王女はもちろん、他の勇者、いや国中が敵になって普通の大学生だった尚文の心が荒んでいって、人格が変わってしまったんじゃないですかー。やだなぁ。
最後には最高のカタルシスが待ってるし、悪いことは言わん。
シーズン1を見なさい。
シーズン5も楽しみ。
◎パンスト2期
1期が15年前? でも物語は最終回の5分後から始まってるとか。
なんで5分しか経ってないのに、ギークボーイことブリーフ少年が心の中で現代は多様性の時代とか言い出すんですかね~。
巨大ゴーストと化したストッキングを倒せるのはパンティだけだが、巨大化したはいいが清純になってしまったパンティでは戦闘にならんからなんとかして元のパンティに戻すための最後のパーツをなんとかする話が第一話。
デーモンシスターズが教会の地下で暮らすハウスメイドになって、レギュラー化。
やたらめったら映画のパロディの話が多く、パンティはよく男体化させられる。
縦軸として、新しく天使の美少年兄弟が登場する。
名前はあるがポイポイ兄弟としか呼ばれないので、記憶にまったく残らない。
あだ名の由来である「~~ぽい」や「ていうかどっちかっていうと〇〇的な?」という言い回しを好んで使う。
筆者は個人的にK-POPアイドルと呼んでいる。
めちゃくちゃ強いが定時になれば途中でも天使業務を終了して帰ったり、時間外だからとゴーストを放置したりする。
時間外を理由に戦闘放棄したせいで、ゴーストに食われたこともあるが態度は改めない。
ギャグなのはわかっているが、定時があまりに不定に見えるので何時なのか教えて欲しい。
パンティとストッキングは天の神々の王の娘だが、ポイポイ兄弟は天の神々の弟の息子で、つまり従兄弟だ。
新登場するだけあって彼らは縦軸のためのキャラクターで、「また映画クソパロディかよ」と思った12話の後半で彼らの父親がパンティたちの父親を騙して王権を奪取するクーデターが発生した。
『パワーパフガールズ』の下品パロディだった1期。
『パンスト』1期になりたかった『ポプテピピック』。
『ポプテ』化してしまった『パンスト』2期。
筆者はそのように見ている。
◎異世界黙示録マイノグーラ
内政ゲー? 国盗りゲー?
ファンタジー系シミュレーションゲーム『マイノグーラ』最強のプレイヤー、イラ=タクトこと伊良タクトは病室から異世界へと転移してしまう。
そこには『マイノグーラ』で相棒として一緒に戦ってきた一番のお気に入りキャラクター、汚泥のアトゥという銀髪赤目の美少女エルフも一緒に飛ばされていた。
『マイノグーラ』のゲームシステムに似た世界で、ゲーム同様に道具や偵察用の魔物の創造もできるため、いつもやったいたゲーム世界に転移したかに思われた。
邪悪属性勢力でプレイしていたタクトにとって、転移先が邪悪属性に染めやすい暗い森だったのは幸いだった。
しかも住処を追われたダークエルフの一団に魔力を消費して食料を巡んだのを契機に、彼らを国民として迎え入れることにも成功。
内政を進め、やがてはドラゴンタンという近くの衛星都市との外交にも成功する。
しかし、ドラゴンタンへ度重なる襲撃を繰り返すゴブリン、オーク、ヒルジャイアントが他のゲーム(RPG)の魔王に従っていることが判明。
RPGのルールにより、無限涌きしている、と。
最初はシミュレーションゲームの優位性(攻撃がRPGと比べるとユニット単位になるため、実質全体攻撃)で無双するが、アトゥが魔王軍四天王アイスロックに必中攻撃を受けてしまう。
RPGの優位性は、ストーリーイベントの恣意的利用。
魔王軍四天王フレマインは、タクトの召喚した英雄ユニット全ての蟲の女王イスラに敗れるも、ゲームにある自爆イベントを利用。
タクトの世話役で将来の幹部候補であるみなしごのダークエルフ姉妹を転移させ、爆発に巻き込んで抹殺しようとする。
だが彼女らの新しい母になろうとしていたイスラがその身代わりになって姉妹を庇い、致命傷を負ってしまう。
英雄ユニットとしての能力を継承させるスキル、王位継承を習得したイスラは姉妹を英雄ユニットに変えるのだった。
復讐に燃える姉妹は魔王軍の残りの四天王をなぶり殺しにし、魔王の下へと向かう。
タクトは独断専行する姉妹の回収にアトゥを向かわせるが……彼女らはタクトの下に帰ってくるのだろうか?
転移させられてから、イベント中ですとシステムメッセージが出て、タクトは配下全員との通信が不可能になっていた。
そのことを姉妹が第二の母として慕っていたイスラを見殺しにした、と認識すればタクトにとって途轍もない脅威になるだろう。
新キャラに限ればアトゥは今期見たアニメで、筆者が一番好きなキャラだ。
そりゃあ、王として主人公を立ててくれるのもいいのだが、邪悪属性のキャラクターと断っているから妙に善人ぶったことを言わないのがいい。
あとチョロインだしな。
制作がMahoFilmで不安視されていたが、アイスロックが参戦してくる前後以外ではそんなに作画崩壊を感じなかったな。露骨なもの以外、作画崩壊に目が利く方ではないので細かいものはわかんないのだが。
24クールやれよ……!
もっと……もっとアトゥを……!
◎青ブタ2期
思春期の少年少女が発症する不思議な現象をもたらす病、思春期症候群と対峙する梓川咲太たちの青春物語。
恋愛は大きな要素だがラブコメ、と呼ぶのは何か違うと感じるので、青春物語とした。いや、SFか。
2期とはいうが、1期の後に公開された3本の映画と地続きのアニメ。
特に1本目の『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は筆者もボロ泣きした名作なので、見て欲しい。
また1期エンディングテーマ『不可思議のカルテ』も名曲なので聴いてほしい。
映画で高校生編は終了し、2期は大学生編が始まる。
先に大学への進学を果たした有名女優で咲太の彼女・桜島麻衣と同じ大学に入った咲太だったが、#夢見るというSNSに投稿すると正夢になる謎のハッシュタグによってまたしても思春期症候群の事件に巻き込まれてしまう。
同時、誰もその正体を知らないが、実は咲太の彼女・桜島麻衣であるとも噂される謎の女性シンガー霧島透子の存在も世間で大きくなっている。
咲太は大学構内で、ミニスカサンタの格好をしているが自分以外の誰にも見えない存在、霧島透子を名乗る美女と遭遇する。
彼女がサンタの格好をしているのは、必要な人に思春期症候群を配っているのだとか────────。
同期で高校時代から接点のあるアイドル・広川卯月はド天然だったのが「空気が読めるようになっている」し、
中学時代の同級生・赤城郁美は、思春期症候群は本当にあると主張するも信じてもらえなかった中学時代の咲太を救えなかったことを後悔して、大学に落ちた平行世界の自分と時々入れ替わってしまうし、
咲太のアルバイト先の塾で受け持つ生徒・姫路紗良は、他人の心が読めるがゆえに周りの男子が自分を好きになるよう振る舞っており、咲太までその標的にしようとするのだが────────?
咲太は数多のヒロインと親密になってなお麻衣さん一筋だし、そんな咲太にコナをかけようとする紗良が画策したデートに登場した麻衣さんは「人を好きになること」「どうして(芸能人の麻衣が平凡な男子にしか見えない)咲太と付き合っているのか」について語る場面は、圧巻であった。
改めて、この子は本当にいい子なのだと感じる一幕だった。
結果的にそれは、紗良を追い詰めてしまうのだが。
◎ウルトラマンオメガ 前半1~12話
一話冒頭の記憶を失う前のオメガの、気合いの入りまくった戦闘シーン以外微妙、と一部で言われていた本シリーズ。
前年の『アーク』を踏襲してタイプチェンジをアーマー装備にすることで、さらに前の年の『ブレーザー』で評価された新規怪獣を多く出すスタイルの継続はありがたいのだが、筆者もストーリーがいまいち面白くないと感じていた。
※5話「ミコとミコト」は面白かったと言われているようだ(筆者も同じ意見だ)し、筆者個人としてはゲスト(ゴーストライダーズ。某所で「きたないSSP」呼ばわりされてるのは笑った)が面白かったのと謎の伏線を張った8話「霧降山の伝説」も面白かった。
いいところと言えば、武器もであるオメガスラッガーを使った変身はかっこいい。
虚空から出現させたオメガスラッガーを投げて、戻ってきたそれをキャッチするや、展開。プロテクターになったそれを『ウルトラセブン』そっくりの変身演出でオメガの姿に────「大きくなる」。
ニュージェネレーションウルトラマンシリーズといえばやたら『セブン』オマージュを入れまくるのだが、とうとう「当時のスタッフが本当にやりたかった『セブン』の変身とアイスラッガーはこれや!」をお出ししてきたか、と思った。
そのことに関しては制作全体の「作家性」としてもう流してやるべきかな、と呆れている。
だがオメガスラッガーを出現させて、それが人間態であるソラトの周りを飛び、キャッチする演出は凄くかっこよくて好きなんだよなぁ。
反対に特に良くないところは、7話「カゼになる」以外はだいたい某所で言われていることと同じ。
(※「カゼになる」についての筆者のお気持ちは以前に記事を書いたので、そちらを見てもらいたい。)
8話の最後でゴーストライダーズにアユム(職業は生物学者)が「科学を遊びに使うなー!」と怒鳴るのは違和感があるし、
9話の「カネナリ怪獣パーク」でされた「お金があっても幸せでないのと、お金がなくても楽しいのなら後者の方がいいよね」的な結論は現代の日本経済を踏まえると同意しかねる(経済が好況な時代に問題提起するならともかく)。
ゴーストライダーズは大学の超常現象サークルだが、不完全で不安定で燃費が悪いとはいえブリガドーン現象を発生させる装置を開発した。結果として、人に迷惑をかけたとはいえ凄い技術には違いない。
(※ブリガドーン現象については[100年に1度現れる村「ブリガドーン」伝説のモデルになった魔物が住み着く村伝説]で検索してもらい、山口敏太郎タートルカンパニー様の運営される「アトラスラジオ」さんの記事を読まれることをお勧めします)
それを「科学を遊びに使うな」と生物学者の27歳女性に叱らせるのは、かなり権威主義的である。
確かに危険はあるかもしれないが、科学は学者や研究者だけのものなのか?
科学だけではない。すべての問題は大学の研究が唯一正しく、在野の人間からの問題提起的な本を下に見る態度を取る人間もいて、筆者はそれを問題視している。
人間は学者や公的機関の研究者でないひとの方が多いのだが、我々は本当に学者や公的機関の研究者の言を崇拝するべきなのか?
現代は、これを考えるタイミングにあると思う。
ゆえに、このシーンは非常に引っかかった。
あと総集編回でこれまでのストーリーを振り返るためのキャラクターとして、『トリガー』で印象が最悪になった俳優を起用したのも、個人的に良くなかったなぁ。
こんな感じだから「周年作品なのにこれでいいのか」と不安の募るストーリーが続いていたが、11話「グライム再び」12話「俺のやりたいこと」は面白かった。
1クール目が終わる節目で、以前の態勢なら強化フォームを獲得するためのイニシエーションとしてウルトラマンの敗北と再起が描かれていた話数だ。
オメガは怪獣に敗北するのだが、オメガ自体の強化はない。
今回のシリーズではそれを通して、ソラトの相棒でサポート怪獣の使い手となったコウセイの精神的成長が描かれた。
11話で功を焦ったコウセイの暴走で、怪獣対策のために発足・兵器運用の法整備が済んだ軍事組織にも損害を与え、オメガも敗北してしまう。
12話ではコウセイが謎の女性研究者と怪獣の痕跡探しをして、サブタイトル通りコウセイが「俺のやりたいこと」を自覚する。
平成以降の『仮面ライダー』シリーズで例えれば、コウセイが「戦う理由」を見つける回と言えよう。
『オメガ』はウルトラマンがなぜ地球を守って戦うのかを問い直すことがテーマらしいが、こちらはソラトの記憶が戻ってから本格始動するのだろうか。
スポットスポットのシーンはともかく微妙な回の続いていた『オメガ』も決めるべき回では決めてくれたので、やはり強化フォーム獲得回(メイン監督やメインライターの力の見せどころの回)でさえ微妙な(というか意味不明な)脚本で展開された『トリガー』の異常さが改めて浮き彫りになったように思う。
面白かった。
このアニメをモチーフにしたTRPGシナリオが発売されたりしないんだろうか?
絵のクセが強いから視聴断念した人もいたのかな、とは思うが筆者は観たよ。
クトゥルフ神話ものをマジで放送するのか、と始まるまで疑っていた。本気だった。
コンピューターゲームの世界にアザトースが顕現した、ってことでいいのか?
とりまシステムと繋がったっぽかった。
で、邪神が復活するためにライバーとゲームでポイントを巡って争うことになる。
ハスター、(クトゥ)グア、ガタノソア、クトゥルフはそれぞれ有名なライバーの精神を乗っ取ることでアバターを得てゲーム世界に降臨。ライバーたちに個性的で悪趣味なステージを用意し、立ちはだかる。
ゲームマスターを務めるチクタクマンは、依り代あるのかよくわかんなかった。
もちろん誘い出されたライバーは、ポイントを高額の現金との引き換えか願いを叶えるために使えると言われてホイホイ危険なゲームに参加してしまうという、定番のやつ。
「願いを叶えてもらう」という他力本願系の話は、地道に努力する以上の苦労と代償を求められてなんかもう最終的に主催を倒すことが目的になる話か、主催の打倒は目指すのだが願いが「誰かのため」であるがために(主催などに)願いも叶えさせる話になるよね。
今回は後者。
主人公ミコの相棒のライバーが昏倒し、その原因がクトゥルフのアバターにされたからだと知り、ミコは邪神殲滅を誓うのだった。
ミコとの心の距離が遠いライバーはだいたいクズ野郎なので、ゲームでしくってSAN0になってもあんまり……。
そう、ゲームはフルダイブ型なのだが、ログインの際にゲーム筐体にプレイヤーのSAN値が表示される。
ゲームの最中にも、負傷や精神的ショックでSAN値が減少する演出もあった。
ゲーム攻略に失敗すると、一発でSAN0になって発狂。リスキー!
クリア報酬はクリア人数で山分けになるので、クリア人数は少ないほど取り分が多くなる。
プロゲーマーの少年は、初回から漫画家をPKするなどのヒールに徹する。
人間にも邪神側勢力がいると、盛り上がるもんね。
比較的マトモな三人のプレイヤーと合わせて四人で勝ち残ったミコは、最終ゲームに挑む。
一人が一柱と対決する「ここは俺に任せて先に行け」方式。
バトル漫画で四天王と戦うときによくある展開。
#10「【育成】自分メーカーでときめいてみた【ガタノソア】」がシャレにならん。そらSAN0になるって。
娘を大人にまで育成するゲームがかつてゲーセンで遊ばれていたと聞いたことがあるが、そういうノリのゲームをミコのライバルを自称するライバーの神楽坂カンナがプレイすることになる。
カンナの人生に忠実な育成シミュレーションゲームなのだが、様々なIFに分岐するゲームでトゥルーエンドに到達することがクリア条件。虐待サバイバーのカンナは凄絶な自らの半生をゲームで再体験することになる。
だが、どんなに幸せになるルートを重ねようと、選ばなかった選択肢を潰そうともトゥルーには到達しない。
トゥルーの条件、それは「人生にはセーブ&ロードもIFルートもない」ことを理解してプレイすること。
しかも……ゲームはちょうどガタノソアの最初に用意したステージ#5「【アップダウン】クイズ人間性は本当にクソゲーか?【横取り100万】」から人間界に中継されている。
(このクイズは他人に知られると取り返しのつかないような自分についてのクイズに答えるものだが、その取り返しのつかなさに応じて高得点が得られるというもの。内々でならどんな非道や悲惨な人生を答えても、それなりのダメージなのだが……中継されちゃうんだよね)
泣きながら自分の傷に塩どころかデスソースを塗り込むようなプレイに、カンナのSAN値は尽きてしまう。
ガタノソアは落ち着いた話しぶりに反して、一番精神的に鬼畜な所業をしてきた印象がある。
四天王的な邪神たちとのゲームで、犠牲は出たものの勝ち越したミコはしかし、チクタクマンに大見得を切る。
あたしがお前とのゲームに勝ったら、このゲームの犠牲者をすべて元通りにしろ、と。
もちろんチクタクマンとは、這い寄る混沌ニャルラトホテプの千の貌の一つである。
チクタクマンはその挑戦に応じ、しかしその条件として世界人類の命を賭けてもらうと要求。
ミコの承諾を得るや、チクタクマンは巨大な「夜に吠えるもの」の姿に変身、現実世界の街に出現する。
この化身は一番有名な姿で『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2010』の表紙にも描かれている、あの姿だ。
告げられた勝利条件は、この巨大な「夜に吠えるもの」を物理的に倒すことだ、と。
む、無茶苦茶すぎる。
そのとき、自分のゲームで同じような勝利条件を出すもゲームマスターとしてのチクタクマンの嫌がらせでアザトースの下に送られたような形で敗退したはずのクトゥルフが、巨大化して海から出現。
クトゥルフはミコを己の肩に乗せると、ゲームのコントローラーを渡して来た。
公平をきすために、格ゲーのようにミコが巨大クトゥルフを操作してチクタクマンを倒せば勝ち、というルールにするよう訴えたのだ。
果たしてミコは、チクタクマンを倒すことができるのか……!
人類の命運や、いかに……!
まあ、内容について語るのはこのへんにしておきましょうかね。
ところで筆者はネトフリに入っていないため、『イカゲーム』を見ていない。
パロディ映画の『タコゲーム』は既に存在する。ホッカイロレン氏がレビューしてなかったか?
ひょっとしてこのアニメ「『タコゲーム』は既にあるから『クトゥルフゲーム』じゃ!」みたいな企画だったりする?
あとは、ゲーム中にインスマス(ディープワン)に妨害されたミコが、インスマスをイラ立ち紛れに「魚臭い」などと罵倒したシーンでは、ショックを受けたインスマスたちが泣いてしまうのだが……そこでチクタクマンにルッキズムを指摘されていた。続けてチクタクマンから「邪神にもコンプラ意識が要求される時代なんですよ」的な小言を食らうシーンは、皮肉としてレベルが高かったように思う。
◎盾の勇者の成り上がり シーズン4
面白かった。
ラフタリアの故郷、九天楼もといクテンロウへと向かう話。
なんか決闘ばっかりしてた印象。
・フォウル&アトラVSジャラリス&助っ人牛獣人
クテンロウへの道を聞きに寄った獣人国家シルトヴェルト。
盾の勇者を神聖な王と崇める国なので、尚文を引き止めたがる。
しかし、食事への毒物混入事件が発生し、騒ぎになる。
それはハクコ種の権威を失墜させた、ジャラリスの陰謀だった。
父の仇を討つため、フォウルとアトラはジャラリスとの決闘に臨む。
ジャラリスは自分がシルトヴェルトの頂点に立つため、その邪魔をする者を皆殺しにするための一手目として。
助っ人牛獣人は名のある武人らしく、また、勝ったら尚文を娘の婿にするため参戦。娘は尚文のファンらしい。
尚文はフォウルとアトラに「絶対勝て」と叫んだ。
・クテンロウ
桜に酷似した木や、江戸時代の日本のような建築物が目立つ国。
しかし、どこか西洋人の考えた江戸時代日本のような中国文化風のものが混入している感がある。
原作者の皮肉なんじゃないかと思うが、どうだろう。
市中には生類憐みの令よろしく、魔物を殺してはならないお触れが出ている。
子供が魔物に殺されようとしていても、誰も手を出せない。
サリナのはからいで尚文たちに帯同していたドラゴンのガエリオンが魔物を退治する。
魔物が死ぬのを見咎めた兵士によって、一行は囲まれてしまう。
しかしガエリオンがクテンロウで神聖視される水龍の玉を事前にもらっており、しかもガエリオンは同じ魔物であるため事なきを得た。
お触れ以外にも役人は横暴の限りを尽くしており、民衆は苦しめられていた。
カラス天狗のような反乱軍は、今の天命に代わってラフタリアに天命を継承し、国を救って欲しいと請う。
民を救うべく、ラフタリアは天命継承の意志を固めるのだった。
だがそれは、天命軍との戦争を意味していた。
・サリナVSシルディナ
クテンロウの要職・水龍の巫女。
天命麾下の将軍であるように描かれていた。
元々水龍の巫女だったが出奔して職務を放棄したサリナに代わり、姉に劣ることを一族から責められながらも必死に力を高めてきた、サリナ出奔後に生まれた妹のシルディナ。
天命軍と反乱軍の衝突は被害が大きくなるため、シルディナは代表者同士の決闘で決着を付けるべく現れた。
名乗りを上げたのは、シルディナと自分の続柄を知らなかったサリナ。
シルディナから話を聞いて一族のクソぶりに怒り、彼女に同情して最初は戦わなかったサリナだが、いざ戦えば圧倒した。
だが急に別人に変身し、シルディナでなくなるシルディナ。
ラフタリアと同じ種族の彼女は一体……
・ラフタリアVS過去の天命inシルディナ
それは過去に天命であった誰かであった。
天命のおわす城で大暴れした過去の天命に、恐れをなして逃げ惑う兵士。
尚文に同行するラフタリアを見ても、悲鳴を上げる始末。
城で再会した過去の天命だったが、肉体の支配権を現天命を操る摂政の女狐に奪われる。
シルディナの背後霊のように魔力で繋がっているが、ラフちゃんを頭に乗せている尚文にしかその姿が見えない。
摂政の憑依霊は胸から下が紫色の魔力の帯みたいなのに包まれているので、ネグリジェというかベビードールを着た若作りの年増女のように見える。
過去の天命が意志を振り絞って助言をくれたため、そのお蔭でラフタリアにも摂政の憑依霊が見えるようになる。
ラフタリアの剣技が通り、力を失ってどんどんBBAになっていく摂政の憑依霊。
摂政を倒したは良かったが、天命を継承するなら力を見せろ的な少年漫画ノリで過去の天命とラフタリアの戦いになる。
幻術が苦手なラフタリアにダメ出ししながら、ハンマーで打ち込んで来る過去の天命。
しかし、戦いの最中で成長したラフタリアは天命の技も幻術を使いこなし、また過去の天命のそれも破っていく。
尚文はその戦いを見て、ラフタリアの魔法適正が光と闇であることの意味を悟った。
相反する力を操るロマン性能になんかすげー、となる。
及第点、との評価だが勝利条件を果たし、過去の天命の霊を退去させ、シルディナをすぐ医者に診せるのだった。
御簾の向こうで怯えていた現天命の失政を咎めた尚文たちだったが、命までは取らなかった。
秘密裏にシルディナと引き合わせ、反乱軍には「前天命はフィーロに食われた」ことにした。
晴れてラフタリアが新天命となるのだが……時々クテンロウで仕事するだけでパーティーから外れるわけではないらしい。
(筆者は個人的に)良かったけど、(クテンロウは)それでいいのか……!?
・「主人公はなんでいっつも偉そうなの?」
感想まとめ動画で聞いたコメント。
えっ、シーズン4から見てるんですか?
シーズン1から見てるならわかると思うんですけど。
四聖勇者として召喚されたものの、王女から「襲われそうになった」と無実の罪を着せられ、パーティを解散されて孤立し、王や王女はもちろん、他の勇者、いや国中が敵になって普通の大学生だった尚文の心が荒んでいって、人格が変わってしまったんじゃないですかー。やだなぁ。
最後には最高のカタルシスが待ってるし、悪いことは言わん。
シーズン1を見なさい。
シーズン5も楽しみ。
◎パンスト2期
1期が15年前? でも物語は最終回の5分後から始まってるとか。
なんで5分しか経ってないのに、ギークボーイことブリーフ少年が心の中で現代は多様性の時代とか言い出すんですかね~。
巨大ゴーストと化したストッキングを倒せるのはパンティだけだが、巨大化したはいいが清純になってしまったパンティでは戦闘にならんからなんとかして元のパンティに戻すための最後のパーツをなんとかする話が第一話。
デーモンシスターズが教会の地下で暮らすハウスメイドになって、レギュラー化。
やたらめったら映画のパロディの話が多く、パンティはよく男体化させられる。
縦軸として、新しく天使の美少年兄弟が登場する。
名前はあるがポイポイ兄弟としか呼ばれないので、記憶にまったく残らない。
あだ名の由来である「~~ぽい」や「ていうかどっちかっていうと〇〇的な?」という言い回しを好んで使う。
筆者は個人的にK-POPアイドルと呼んでいる。
めちゃくちゃ強いが定時になれば途中でも天使業務を終了して帰ったり、時間外だからとゴーストを放置したりする。
時間外を理由に戦闘放棄したせいで、ゴーストに食われたこともあるが態度は改めない。
ギャグなのはわかっているが、定時があまりに不定に見えるので何時なのか教えて欲しい。
パンティとストッキングは天の神々の王の娘だが、ポイポイ兄弟は天の神々の弟の息子で、つまり従兄弟だ。
新登場するだけあって彼らは縦軸のためのキャラクターで、「また映画クソパロディかよ」と思った12話の後半で彼らの父親がパンティたちの父親を騙して王権を奪取するクーデターが発生した。
『パワーパフガールズ』の下品パロディだった1期。
『パンスト』1期になりたかった『ポプテピピック』。
『ポプテ』化してしまった『パンスト』2期。
筆者はそのように見ている。
◎異世界黙示録マイノグーラ
内政ゲー? 国盗りゲー?
ファンタジー系シミュレーションゲーム『マイノグーラ』最強のプレイヤー、イラ=タクトこと伊良タクトは病室から異世界へと転移してしまう。
そこには『マイノグーラ』で相棒として一緒に戦ってきた一番のお気に入りキャラクター、汚泥のアトゥという銀髪赤目の美少女エルフも一緒に飛ばされていた。
『マイノグーラ』のゲームシステムに似た世界で、ゲーム同様に道具や偵察用の魔物の創造もできるため、いつもやったいたゲーム世界に転移したかに思われた。
邪悪属性勢力でプレイしていたタクトにとって、転移先が邪悪属性に染めやすい暗い森だったのは幸いだった。
しかも住処を追われたダークエルフの一団に魔力を消費して食料を巡んだのを契機に、彼らを国民として迎え入れることにも成功。
内政を進め、やがてはドラゴンタンという近くの衛星都市との外交にも成功する。
しかし、ドラゴンタンへ度重なる襲撃を繰り返すゴブリン、オーク、ヒルジャイアントが他のゲーム(RPG)の魔王に従っていることが判明。
RPGのルールにより、無限涌きしている、と。
最初はシミュレーションゲームの優位性(攻撃がRPGと比べるとユニット単位になるため、実質全体攻撃)で無双するが、アトゥが魔王軍四天王アイスロックに必中攻撃を受けてしまう。
RPGの優位性は、ストーリーイベントの恣意的利用。
魔王軍四天王フレマインは、タクトの召喚した英雄ユニット全ての蟲の女王イスラに敗れるも、ゲームにある自爆イベントを利用。
タクトの世話役で将来の幹部候補であるみなしごのダークエルフ姉妹を転移させ、爆発に巻き込んで抹殺しようとする。
だが彼女らの新しい母になろうとしていたイスラがその身代わりになって姉妹を庇い、致命傷を負ってしまう。
英雄ユニットとしての能力を継承させるスキル、王位継承を習得したイスラは姉妹を英雄ユニットに変えるのだった。
復讐に燃える姉妹は魔王軍の残りの四天王をなぶり殺しにし、魔王の下へと向かう。
タクトは独断専行する姉妹の回収にアトゥを向かわせるが……彼女らはタクトの下に帰ってくるのだろうか?
転移させられてから、イベント中ですとシステムメッセージが出て、タクトは配下全員との通信が不可能になっていた。
そのことを姉妹が第二の母として慕っていたイスラを見殺しにした、と認識すればタクトにとって途轍もない脅威になるだろう。
新キャラに限ればアトゥは今期見たアニメで、筆者が一番好きなキャラだ。
そりゃあ、王として主人公を立ててくれるのもいいのだが、邪悪属性のキャラクターと断っているから妙に善人ぶったことを言わないのがいい。
あとチョロインだしな。
制作がMahoFilmで不安視されていたが、アイスロックが参戦してくる前後以外ではそんなに作画崩壊を感じなかったな。露骨なもの以外、作画崩壊に目が利く方ではないので細かいものはわかんないのだが。
24クールやれよ……!
もっと……もっとアトゥを……!
◎青ブタ2期
思春期の少年少女が発症する不思議な現象をもたらす病、思春期症候群と対峙する梓川咲太たちの青春物語。
恋愛は大きな要素だがラブコメ、と呼ぶのは何か違うと感じるので、青春物語とした。いや、SFか。
2期とはいうが、1期の後に公開された3本の映画と地続きのアニメ。
特に1本目の『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は筆者もボロ泣きした名作なので、見て欲しい。
また1期エンディングテーマ『不可思議のカルテ』も名曲なので聴いてほしい。
映画で高校生編は終了し、2期は大学生編が始まる。
先に大学への進学を果たした有名女優で咲太の彼女・桜島麻衣と同じ大学に入った咲太だったが、#夢見るというSNSに投稿すると正夢になる謎のハッシュタグによってまたしても思春期症候群の事件に巻き込まれてしまう。
同時、誰もその正体を知らないが、実は咲太の彼女・桜島麻衣であるとも噂される謎の女性シンガー霧島透子の存在も世間で大きくなっている。
咲太は大学構内で、ミニスカサンタの格好をしているが自分以外の誰にも見えない存在、霧島透子を名乗る美女と遭遇する。
彼女がサンタの格好をしているのは、必要な人に思春期症候群を配っているのだとか────────。
同期で高校時代から接点のあるアイドル・広川卯月はド天然だったのが「空気が読めるようになっている」し、
中学時代の同級生・赤城郁美は、思春期症候群は本当にあると主張するも信じてもらえなかった中学時代の咲太を救えなかったことを後悔して、大学に落ちた平行世界の自分と時々入れ替わってしまうし、
咲太のアルバイト先の塾で受け持つ生徒・姫路紗良は、他人の心が読めるがゆえに周りの男子が自分を好きになるよう振る舞っており、咲太までその標的にしようとするのだが────────?
咲太は数多のヒロインと親密になってなお麻衣さん一筋だし、そんな咲太にコナをかけようとする紗良が画策したデートに登場した麻衣さんは「人を好きになること」「どうして(芸能人の麻衣が平凡な男子にしか見えない)咲太と付き合っているのか」について語る場面は、圧巻であった。
改めて、この子は本当にいい子なのだと感じる一幕だった。
結果的にそれは、紗良を追い詰めてしまうのだが。
◎ウルトラマンオメガ 前半1~12話
一話冒頭の記憶を失う前のオメガの、気合いの入りまくった戦闘シーン以外微妙、と一部で言われていた本シリーズ。
前年の『アーク』を踏襲してタイプチェンジをアーマー装備にすることで、さらに前の年の『ブレーザー』で評価された新規怪獣を多く出すスタイルの継続はありがたいのだが、筆者もストーリーがいまいち面白くないと感じていた。
※5話「ミコとミコト」は面白かったと言われているようだ(筆者も同じ意見だ)し、筆者個人としてはゲスト(ゴーストライダーズ。某所で「きたないSSP」呼ばわりされてるのは笑った)が面白かったのと謎の伏線を張った8話「霧降山の伝説」も面白かった。
いいところと言えば、武器もであるオメガスラッガーを使った変身はかっこいい。
虚空から出現させたオメガスラッガーを投げて、戻ってきたそれをキャッチするや、展開。プロテクターになったそれを『ウルトラセブン』そっくりの変身演出でオメガの姿に────「大きくなる」。
ニュージェネレーションウルトラマンシリーズといえばやたら『セブン』オマージュを入れまくるのだが、とうとう「当時のスタッフが本当にやりたかった『セブン』の変身とアイスラッガーはこれや!」をお出ししてきたか、と思った。
そのことに関しては制作全体の「作家性」としてもう流してやるべきかな、と呆れている。
だがオメガスラッガーを出現させて、それが人間態であるソラトの周りを飛び、キャッチする演出は凄くかっこよくて好きなんだよなぁ。
反対に特に良くないところは、7話「カゼになる」以外はだいたい某所で言われていることと同じ。
(※「カゼになる」についての筆者のお気持ちは以前に記事を書いたので、そちらを見てもらいたい。)
8話の最後でゴーストライダーズにアユム(職業は生物学者)が「科学を遊びに使うなー!」と怒鳴るのは違和感があるし、
9話の「カネナリ怪獣パーク」でされた「お金があっても幸せでないのと、お金がなくても楽しいのなら後者の方がいいよね」的な結論は現代の日本経済を踏まえると同意しかねる(経済が好況な時代に問題提起するならともかく)。
ゴーストライダーズは大学の超常現象サークルだが、不完全で不安定で燃費が悪いとはいえブリガドーン現象を発生させる装置を開発した。結果として、人に迷惑をかけたとはいえ凄い技術には違いない。
(※ブリガドーン現象については[100年に1度現れる村「ブリガドーン」伝説のモデルになった魔物が住み着く村伝説]で検索してもらい、山口敏太郎タートルカンパニー様の運営される「アトラスラジオ」さんの記事を読まれることをお勧めします)
それを「科学を遊びに使うな」と生物学者の27歳女性に叱らせるのは、かなり権威主義的である。
確かに危険はあるかもしれないが、科学は学者や研究者だけのものなのか?
科学だけではない。すべての問題は大学の研究が唯一正しく、在野の人間からの問題提起的な本を下に見る態度を取る人間もいて、筆者はそれを問題視している。
人間は学者や公的機関の研究者でないひとの方が多いのだが、我々は本当に学者や公的機関の研究者の言を崇拝するべきなのか?
現代は、これを考えるタイミングにあると思う。
ゆえに、このシーンは非常に引っかかった。
あと総集編回でこれまでのストーリーを振り返るためのキャラクターとして、『トリガー』で印象が最悪になった俳優を起用したのも、個人的に良くなかったなぁ。
こんな感じだから「周年作品なのにこれでいいのか」と不安の募るストーリーが続いていたが、11話「グライム再び」12話「俺のやりたいこと」は面白かった。
1クール目が終わる節目で、以前の態勢なら強化フォームを獲得するためのイニシエーションとしてウルトラマンの敗北と再起が描かれていた話数だ。
オメガは怪獣に敗北するのだが、オメガ自体の強化はない。
今回のシリーズではそれを通して、ソラトの相棒でサポート怪獣の使い手となったコウセイの精神的成長が描かれた。
11話で功を焦ったコウセイの暴走で、怪獣対策のために発足・兵器運用の法整備が済んだ軍事組織にも損害を与え、オメガも敗北してしまう。
12話ではコウセイが謎の女性研究者と怪獣の痕跡探しをして、サブタイトル通りコウセイが「俺のやりたいこと」を自覚する。
平成以降の『仮面ライダー』シリーズで例えれば、コウセイが「戦う理由」を見つける回と言えよう。
『オメガ』はウルトラマンがなぜ地球を守って戦うのかを問い直すことがテーマらしいが、こちらはソラトの記憶が戻ってから本格始動するのだろうか。
スポットスポットのシーンはともかく微妙な回の続いていた『オメガ』も決めるべき回では決めてくれたので、やはり強化フォーム獲得回(メイン監督やメインライターの力の見せどころの回)でさえ微妙な(というか意味不明な)脚本で展開された『トリガー』の異常さが改めて浮き彫りになったように思う。
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