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(※『Fate/Samurai Remnant』の重大なネタバレあり)DLC第1弾『慶安神前試合』やったよ、という話
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先日、マイニンテンドーゴールドポイント付与終了に関するお知らせ、というメールがSwitchユーザーに届いたと思う。
ソフトなどの購入額に応じて付与され、ソフトなどの購入にも使えるお得なポイントだ。
それが来る2025年3月25日午後1時30分をもって、付与が終了されるという。
DLCの購入などに重宝したあれが、終わってしまうだと……!?
筆者は重い腰を上げ、とうとう『サムライレムナント』のDLC(となんかノベルゲーム)を購入するに至った。
DLC第一弾に関しては、発売から1年以上経っていることだし、以下では鯖の真名含めてガンガンネタバレしていくので、
そのつもりでよろしく頼む。
◎慶安神前試合
盈月の儀に参加するマスターとサーヴァントを若旦那(ルーラー)が招集。
〝願望機〟を餌にトーナメント形式で争わせ、その試合を見て楽しむ企み……と、見せかけて。
儀の見届け役であるはずの土御門泰広が儀に勝利するために召喚したサーヴァント、伊吹童子(ルーラー)を封印、退去させるために若旦那が目論んだ催しである。
神前試合をうたう理由はそこにあり、サーヴァント同士の死闘を奉納することで、逸れのサーヴァント状態の伊吹童子の魔力を枯渇させることができるらしい。
ゲーム的には、主人公たる宮本伊織とセイバー以外の陣営でも聖杯戦争的なバトルが楽しめる、というイベント。
もちろん、セイバー陣営でもプレイできる。
神楽の奉納などで神がお喜びになる、みたいなのは聞く話だが、満足するとか鎮まるとかを「魔力を消費させる」と解釈したのはちょっとわからなかった。
逸れのサーヴァントは、原則として土地の魔力で現界=土地に縛られるという設定がある。
若旦那は一度は伊吹童子を闘技場内に封印したようだったので、「浅草」「横須賀」などよりもさらに限られた空間である闘技場の魔力をサーヴァント&魔術師の戦闘で枯渇させる=伊吹童子の現界に必要な魔力を枯らせる、という理屈だろうか?
実際には、神霊である伊吹童子は封印を抜け出しているんだがな。
あろうことか、伊吹童子は自分を封印するはずの神前試合にラスボスとして参加する。
そればかりか、主催の若旦那を脅迫して自分のチームに引き入れるという暴挙をかますのだった。
勝利すると伊吹童子は退去する(※退去してない)。
若旦那の用意した賞品たる〝願望機〟だが、伊吹童子が参戦したことで魔力が減じていることが明かされる。
しかし、万能とはいわずとも身の丈にあった願いを叶えるには十分な魔力は残っている。
ゲーム的には、もし優勝したら各陣営は願望機に何を願うのか、というイフストーリーをエンディング報酬で見ることができる。
個人的には、「国を変えるにはまず教育から、と寺子屋を開く由井正雪(と庭で子供にじゃれつかれている丑御前)」が見られるライダー陣営と、「退去するのがもったいないから、と江戸に残った伊吹童子に振り回される土御門泰広」が見られるキャスター陣営が滅茶苦茶面白かった。
・各陣営の難易度感想
強いのは、やはりライダー、キャスター、バーサーカー陣営だろう。
第一章で伊織の命を狙ってきてからラスボスでこそないが強敵として立ちはだかった、ライダー・丑御前。
長身の鎧に身を包み、また童子切安綱の刀身も長いためリーチが凄い。
同じく長躯の逸れのバーサーカーと違い、動きも機敏であるため非常に強い。
キャスター陣営は、なんとキャスターを使えない。
伊吹童子が一度に二騎の英霊を相手取って試合を進める、という形式になる。
基本攻撃の爪撃(Yボタン)に、Xボタン入力で派生する攻撃は洪水、噴火、竜巻、雷撃と災害竜の分霊らしいもの。
派生攻撃の発生中にさらにXボタンを入力することで、その規模が増大する。
……なみのり ふんか ぼうふう かみなり……ゲフンゲフン、なんでもありません。
このモードをクリアすると、伊吹童子が同行するサーヴァントとして加入し、本編でも伊織の助けになってくれる。
DLC3の情報があんまりヒットしないのであれだが、ゲーム中最強のサーヴァントとの評価だし、筆者もそう実感している。
バーサーカー陣営は、マスターの高尾太夫が非戦闘員なため、宮本武蔵の相棒として逸れのバーサーカーことサムソンが参戦。
このサムソン、ピクシブ百科ででも情報を調べて欲しいのだが、エピソードがめっちゃヘラクレスである。
ディズニーのヘラクレスの映画を見たことある向きなら、同意してもらえると思う。
聖書が出典の英霊なのにヘラクレスすぎる逸話。
Youtubeチャンネル「Yoshi SUN TV」の視聴者なら「そういうことか!」と頷けるはずだ。
宮本武蔵の霊衣が復刻無料配布されているため、筆者は最初にこの陣営をプレイした。
武蔵は普通に強い。派生攻撃で遠距離攻撃もできる近距離強キャラが、弱いわけがない。
何より、宝具演出が超かっこいい。
『FGO』でもそうだが、武蔵が宝具で叫ぶ「伊舎那大天象」から「伊舎那天」が切り抜けるものであれば、それは我々の界隈ではイザナギと同一と言われている存在だ。
逆にしんどいのはアサシン陣営である。
キャスター陣営(伊吹童子)以外は、第一試合として宝探しアドベンチャーがある。
アサシン陣営だけそのラストスパートで、時間制限イベントが発生する。
それだけでも嫌なものだが、戦闘面も厳しい。
アサシンこと甲賀三郎は長身だが無手ゆえにどうしても、リーチが短い。
筆者は強敵相手には、派生技の三匹の妖蛇を口寄せするやつを連発してチマチマ削り、あとは共鳴絶技と宝具でなんとかする作戦を取った。いや、他の派生技も使ったけど、使いにくい。
毒霧分身のやつは、分身を作って自分はその後ろに跳ぶのだが毒霧分身にヘイトを取る性能があるように感じなかったので、マジで使いづらい。
毒霧噴射は、噴射モードになると方向転換も機敏にはできないし、キャンセルも入れづらい。そこをスムーズにできるようにすると、今度は事故キャンセルが多くなりそうで、まあこういうゲームのしょうがないところだろう。
攻撃の最後に大蛇を口寄せする技も、隙が大きい。
アサシンなのに全体的に攻撃時の機敏さに欠けるのが、甲賀三郎である。
別ゲーで言うと服部半蔵というより、風魔小太郎というかなんというか。
宝具は化身・伊吹大明神縁起。
ピクシブ百科事典での「大量の妖蛇が合体した巨大パワードスーツを着込んだような」という表現は言い得て妙である。
そのパワードスーツ搭乗状態をプレイヤーが操作する、特殊なスタイルの宝具だ。
自キャラとしては非常に使いづらいが、敵のときはマスターのドロテア・コイエットが空中に出現させた魔法陣からアサシンの毒弾らしきものを乱射する技をしてきて面倒くさい。あれがプレイアブル時にも使えれば、いくぶんか難易度は下がると思うのだが、どうだろうか。
いいところがないように書いてきたが、伊吹童子との絡みは面白い。
甲賀三郎は伊吹大明神こと八岐大蛇の呪を受けているキャラクターなため、伊吹大明神の分霊である伊吹童子とも浅からぬ縁がある。
即ち、伊吹大明神(パパ)‐伊吹童子(お姉さん)‐甲賀三郎(弟)という認識を伊吹童子は持っている。
そのため伊吹童子は寡黙なヒール然とした甲賀三郎に対して自分を、「お姉ちゃん」と呼ぶよう強要する。
言葉こそ柔和であるが、言外に蛇神眷属の凄まじい縦社会が垣間見える瞬間である。
マスターや若旦那の前での、圧倒的恥辱である。
甲賀三郎は非常に悩んだ末に、「姉君」と伊吹童子を呼ぶ。
重ねて「お姉ちゃん」呼びを強要されて、甲賀三郎が「勘弁」の二字を口にする様は、ある種の女性プレイヤーにとっては非常に栄養があるシーンなのかもしれない。
ランサー陣営は、ジャンヌ・ダルクの技が大技主体に感じたので多少、小回りは利かないかもしれないが弱くはない。
アーチャー陣営は、「ちゃんと弓を使う」のでその戦法が他と違って特殊ではある。
遠距離主体の戦闘が得意・不得意かで難易度が変わるだろうが、強いか弱いかで言えば強い部類だろう。
伊織の風の型での魔弾連射のように、Xボタンで弓の連射ができる。
弓使いだが、Yボタンで攻撃しながら敵に近づいていくため、反撃に気を付ける必要はある。
セイバー陣営は操作が本編と同じ伊織なので、サーヴァントと比べると厳しいところはあるだろう。
逸れのサーヴァントを同行させることもできず、交代できるのはセイバーのみだ。
しかし、二周目突入済などで強化が進んでいるならば、五つの型や秘剣、魔術を駆使して戦えるのは他にないアドバンテージだろう。
なぜなら、伊織は蘇生パッシヴを習得できる。
さらに、インベントリが本編と共通なため、HP回復アイテムはもちろん、下記で説明する共鳴絶技回復アイテムを大量に持ち込むことが可能だ。
実質、共鳴絶技使い放題である。
筆者のおすすめ絶技は、宝具ゲージチャージの居醒の清水と、敵の動きを鈍化させる水拘。残り二つは任意で選んでもろて。水拘は直接攻撃じゃないのに、ちゃんと敵の絶技をキャンセルさせてスタンさせられるのがえらい。
人間でサーヴァント相手に戦わなければならないのは辛いが、強化と持ち物次第で滅茶苦茶強いからアサシン陣営よりは簡単かと。
基本的にどの陣営でも同じなのだが、攻略法としては闘技場内のショップで「おみやげの団子」を買い漁り、惜しみなく使うことである。
宝具とは別に使える共鳴絶技、というスキルがある。
敵はご丁寧にもこの共鳴絶技を使う際に、専用エフェクトを発生させて静止する。
そこでこちらも共鳴絶技または宝具を使用すると、これをキャンセルさせることができる。
共鳴絶技を使うためにもゲージが必要だが、そのゲージを回復させるのが最初に配布される腹太餅とショップで変えるおみやげの団子である。一度の休憩ごとに十個買えるのでできるだけ多く買うのがおすすめだ。
共鳴絶技の中には宝具ゲージを大量にチャージするものもあるので、戦況に合わせてゲージチャージと攻撃を連発すればあまり苦戦しない。
※セイバーの共鳴絶技はカスタマイズ制なので、宝具チャージ用のものを習得してからセットする必要がある。
※ライダーは宝具を隠したい由井正雪の意を汲んでいるため、ある進行度までチャージ用絶技も宝具もない。
・序盤苦戦する理由
おみやげの団子を買い漁れないからである。
というのも、闘技場での買い物はDLC専用通貨で行うことになっている。
本編の通貨は使えない。
共鳴絶技や宝具といった派手な技を使う、敵の外殻(与ダメージを減衰させられる)を削り切ったり敵の危険な技を阻止するなどといった、戦闘を盛り上げる活躍をすると戦闘後にもらえるそれが増加する。
それだけでなく、工房管理にDLC第一弾専用および本編でも有用なスキルが追加されるのだが、これの開発に必要な専用素材もこの専用通貨で購入しなければならないのだ。
ちなみに専用素材は2種類ある。
さらに、本編でも入手できる素材「人魚の木乃伊」もこのスキル開発に大量に使用する。
一部の陣営では、人魚の木乃伊もショップで買えたような……?
買えなかったかもしれない。基本的に専用素材しか買えない、と思っておいてほしい。
つまり、ショップで何を買えばいいかわからない問題が発生するから、苦戦するのだ。
幸いにも、各種素材は陣営に応じてクリア報酬として獲得できる。
人魚の木乃伊は、筆者のプレイではセイバー陣営、アーチャー陣営では獲得確認できた。
他の陣営はちょっと覚えていないが、ランサーとライダーは専用素材だったはず。
この本編でも使用できるスキルなのだが……「サーヴァントとの交代時間が増える」というものなのだ。
つまり、『慶安神前試合』で活かそうと思えばこれが有効なセイバー陣営は最後にプレイしたい。
ところが、アーチャー陣営の解放条件がセイバー陣営でのクリアなのだ。
結局筆者は『慶安神前試合』を一旦切り上げて、スキル開発に必要な人魚の木乃伊を集めてから、セイバー陣営、アーチャー陣営をプレイしたよ。二周目だしな。
だからセイバー、アーチャー陣営クリアで人魚の木乃伊をもらったときは……ねぇ?
専用通貨自体は全陣営で引継ぎ・共有される。
さらに、伊織の長屋の前でできる回想戦に『慶安神前試合』専用のものが追加され、各回想戦をプレイすれば盛り上げ方次第で専用通貨を獲得できる。足りない分はこれで稼げば、おみやげの団子の補充もできる。
ちなみに『慶安神前試合』専用素材は、買い取ってくれる店がないので筆者のように無駄に買ったりしないよう注意してほしい。
・雑種査定番外試合
正式名称は忘れたが、若旦那を同行サーヴァントに加入させるイベントである。
第一試合のアドベンチャーパート(キャスター陣営はショップで購入)で手に入る、若旦那の黄金像。
これを各陣営ごとに所定の場所に飾ることで、起こせるイベントである。
重要なのは、このイベントは最後に像を飾った陣営でプレイすることになるということ。
上述の通り、スキル開発のためにセイバーを最後にしたかった筆者は、それが不可能だったのでアーチャー陣営で発生させることになった。
若旦那、つまりギルガメッシュである。
ギルガメッシュが力を貸す条件となれば、もちろん「我に勝ってみせよ」ということになる。
好きな陣営で戦いたい向きは、その点を踏まえて攻略する陣営の順番を考えてほしい。
ギルガメッシュの加入に興味がない人もいるかもしれないが、像のコンプリートは伊吹童子のスキルツリー解放条件でもあるので、まあ実際強制だよね。
・めっっっっっっっっちゃ、牛と蛇の話してる!!
伊吹童子は伊吹大明神(八岐大蛇)を「パパ」と呼んでいるように、バッチリ蛇のトーテムだ。
今回は下半身が蛇体の姿で現界してるし。
となれば、牛のトーテムを持つライダー・丑御前が伊吹童子と相対した際、マスターの由井正雪に、宝具の使用許可を要求するのも当然である。本編終盤で召喚した、グガランナみたいな神獣を宝具では召喚する。
『FGO』しか知らない向きは「やっぱり頼光と酒吞童子だからバチバチなのかな」と思うだろうが、対立するトーテムの神話を知っている本エッセイ読者ならば共感してくれるだろう。
本編では甲賀三郎の召喚した巨大な大蛇を、丑御前が騎乗スキルで乗っ取った一幕もあった。
さらに、丑御前が宝具を解放して巨牛を召喚した際もかなりの危機的状況が訪れた。
それに若旦那が伊吹童子を評して、一騎で関八州を沈めることができるとまで言ったことをも踏まえれば。
丑御前は、伊吹童子と同格クラスと言ってもよい(反対に甲賀三郎はかなり劣る)のではないか。
伊吹童子が妙に、鄭成功に親身だったのはあれなんだったんだろうな。
『アマテラス解体新書』によれば、八岐大蛇はシュメール人国家を表しているとのことだが、明朝はシュメールの末裔なのか?
ちょっと筆者の知識が追いついてないから、あれは理由がわからん。
・グラフィック
アジアのアニメ調ゲームのグラフィックの進化が滅茶苦茶早いせいか、そんなに太古のゲームでもないはずなのに、顔のグラフィックが古いと思ってしまった。
伊織とかまだマシな方だけど、セイバーや武蔵みたいな目の大きいキャラはなぁ。
さすがに宝具演出のときは、リッチな表現になるんだけどねぇ。
Switchゲーに求める水準ではない? それはそう。
◎おわりに
Switchだからトロフィーとかないし、クリア状況100%とか目指さないかもしれん。
わりと、100%にならん、チュートリアル要不要両方見たか? みたいな書き込みがネットで散見されるんだけどね。
残りDLC2つと、エンディング回収も残ってるけど、それの記事書くかはわからん。
というか、ヒトガタの式符と幽火の三枝の入手少なすぎだろ!
工房管理の素材、キツすぎんよ。
では、また。
ソフトなどの購入額に応じて付与され、ソフトなどの購入にも使えるお得なポイントだ。
それが来る2025年3月25日午後1時30分をもって、付与が終了されるという。
DLCの購入などに重宝したあれが、終わってしまうだと……!?
筆者は重い腰を上げ、とうとう『サムライレムナント』のDLC(となんかノベルゲーム)を購入するに至った。
DLC第一弾に関しては、発売から1年以上経っていることだし、以下では鯖の真名含めてガンガンネタバレしていくので、
そのつもりでよろしく頼む。
◎慶安神前試合
盈月の儀に参加するマスターとサーヴァントを若旦那(ルーラー)が招集。
〝願望機〟を餌にトーナメント形式で争わせ、その試合を見て楽しむ企み……と、見せかけて。
儀の見届け役であるはずの土御門泰広が儀に勝利するために召喚したサーヴァント、伊吹童子(ルーラー)を封印、退去させるために若旦那が目論んだ催しである。
神前試合をうたう理由はそこにあり、サーヴァント同士の死闘を奉納することで、逸れのサーヴァント状態の伊吹童子の魔力を枯渇させることができるらしい。
ゲーム的には、主人公たる宮本伊織とセイバー以外の陣営でも聖杯戦争的なバトルが楽しめる、というイベント。
もちろん、セイバー陣営でもプレイできる。
神楽の奉納などで神がお喜びになる、みたいなのは聞く話だが、満足するとか鎮まるとかを「魔力を消費させる」と解釈したのはちょっとわからなかった。
逸れのサーヴァントは、原則として土地の魔力で現界=土地に縛られるという設定がある。
若旦那は一度は伊吹童子を闘技場内に封印したようだったので、「浅草」「横須賀」などよりもさらに限られた空間である闘技場の魔力をサーヴァント&魔術師の戦闘で枯渇させる=伊吹童子の現界に必要な魔力を枯らせる、という理屈だろうか?
実際には、神霊である伊吹童子は封印を抜け出しているんだがな。
あろうことか、伊吹童子は自分を封印するはずの神前試合にラスボスとして参加する。
そればかりか、主催の若旦那を脅迫して自分のチームに引き入れるという暴挙をかますのだった。
勝利すると伊吹童子は退去する(※退去してない)。
若旦那の用意した賞品たる〝願望機〟だが、伊吹童子が参戦したことで魔力が減じていることが明かされる。
しかし、万能とはいわずとも身の丈にあった願いを叶えるには十分な魔力は残っている。
ゲーム的には、もし優勝したら各陣営は願望機に何を願うのか、というイフストーリーをエンディング報酬で見ることができる。
個人的には、「国を変えるにはまず教育から、と寺子屋を開く由井正雪(と庭で子供にじゃれつかれている丑御前)」が見られるライダー陣営と、「退去するのがもったいないから、と江戸に残った伊吹童子に振り回される土御門泰広」が見られるキャスター陣営が滅茶苦茶面白かった。
・各陣営の難易度感想
強いのは、やはりライダー、キャスター、バーサーカー陣営だろう。
第一章で伊織の命を狙ってきてからラスボスでこそないが強敵として立ちはだかった、ライダー・丑御前。
長身の鎧に身を包み、また童子切安綱の刀身も長いためリーチが凄い。
同じく長躯の逸れのバーサーカーと違い、動きも機敏であるため非常に強い。
キャスター陣営は、なんとキャスターを使えない。
伊吹童子が一度に二騎の英霊を相手取って試合を進める、という形式になる。
基本攻撃の爪撃(Yボタン)に、Xボタン入力で派生する攻撃は洪水、噴火、竜巻、雷撃と災害竜の分霊らしいもの。
派生攻撃の発生中にさらにXボタンを入力することで、その規模が増大する。
……なみのり ふんか ぼうふう かみなり……ゲフンゲフン、なんでもありません。
このモードをクリアすると、伊吹童子が同行するサーヴァントとして加入し、本編でも伊織の助けになってくれる。
DLC3の情報があんまりヒットしないのであれだが、ゲーム中最強のサーヴァントとの評価だし、筆者もそう実感している。
バーサーカー陣営は、マスターの高尾太夫が非戦闘員なため、宮本武蔵の相棒として逸れのバーサーカーことサムソンが参戦。
このサムソン、ピクシブ百科ででも情報を調べて欲しいのだが、エピソードがめっちゃヘラクレスである。
ディズニーのヘラクレスの映画を見たことある向きなら、同意してもらえると思う。
聖書が出典の英霊なのにヘラクレスすぎる逸話。
Youtubeチャンネル「Yoshi SUN TV」の視聴者なら「そういうことか!」と頷けるはずだ。
宮本武蔵の霊衣が復刻無料配布されているため、筆者は最初にこの陣営をプレイした。
武蔵は普通に強い。派生攻撃で遠距離攻撃もできる近距離強キャラが、弱いわけがない。
何より、宝具演出が超かっこいい。
『FGO』でもそうだが、武蔵が宝具で叫ぶ「伊舎那大天象」から「伊舎那天」が切り抜けるものであれば、それは我々の界隈ではイザナギと同一と言われている存在だ。
逆にしんどいのはアサシン陣営である。
キャスター陣営(伊吹童子)以外は、第一試合として宝探しアドベンチャーがある。
アサシン陣営だけそのラストスパートで、時間制限イベントが発生する。
それだけでも嫌なものだが、戦闘面も厳しい。
アサシンこと甲賀三郎は長身だが無手ゆえにどうしても、リーチが短い。
筆者は強敵相手には、派生技の三匹の妖蛇を口寄せするやつを連発してチマチマ削り、あとは共鳴絶技と宝具でなんとかする作戦を取った。いや、他の派生技も使ったけど、使いにくい。
毒霧分身のやつは、分身を作って自分はその後ろに跳ぶのだが毒霧分身にヘイトを取る性能があるように感じなかったので、マジで使いづらい。
毒霧噴射は、噴射モードになると方向転換も機敏にはできないし、キャンセルも入れづらい。そこをスムーズにできるようにすると、今度は事故キャンセルが多くなりそうで、まあこういうゲームのしょうがないところだろう。
攻撃の最後に大蛇を口寄せする技も、隙が大きい。
アサシンなのに全体的に攻撃時の機敏さに欠けるのが、甲賀三郎である。
別ゲーで言うと服部半蔵というより、風魔小太郎というかなんというか。
宝具は化身・伊吹大明神縁起。
ピクシブ百科事典での「大量の妖蛇が合体した巨大パワードスーツを着込んだような」という表現は言い得て妙である。
そのパワードスーツ搭乗状態をプレイヤーが操作する、特殊なスタイルの宝具だ。
自キャラとしては非常に使いづらいが、敵のときはマスターのドロテア・コイエットが空中に出現させた魔法陣からアサシンの毒弾らしきものを乱射する技をしてきて面倒くさい。あれがプレイアブル時にも使えれば、いくぶんか難易度は下がると思うのだが、どうだろうか。
いいところがないように書いてきたが、伊吹童子との絡みは面白い。
甲賀三郎は伊吹大明神こと八岐大蛇の呪を受けているキャラクターなため、伊吹大明神の分霊である伊吹童子とも浅からぬ縁がある。
即ち、伊吹大明神(パパ)‐伊吹童子(お姉さん)‐甲賀三郎(弟)という認識を伊吹童子は持っている。
そのため伊吹童子は寡黙なヒール然とした甲賀三郎に対して自分を、「お姉ちゃん」と呼ぶよう強要する。
言葉こそ柔和であるが、言外に蛇神眷属の凄まじい縦社会が垣間見える瞬間である。
マスターや若旦那の前での、圧倒的恥辱である。
甲賀三郎は非常に悩んだ末に、「姉君」と伊吹童子を呼ぶ。
重ねて「お姉ちゃん」呼びを強要されて、甲賀三郎が「勘弁」の二字を口にする様は、ある種の女性プレイヤーにとっては非常に栄養があるシーンなのかもしれない。
ランサー陣営は、ジャンヌ・ダルクの技が大技主体に感じたので多少、小回りは利かないかもしれないが弱くはない。
アーチャー陣営は、「ちゃんと弓を使う」のでその戦法が他と違って特殊ではある。
遠距離主体の戦闘が得意・不得意かで難易度が変わるだろうが、強いか弱いかで言えば強い部類だろう。
伊織の風の型での魔弾連射のように、Xボタンで弓の連射ができる。
弓使いだが、Yボタンで攻撃しながら敵に近づいていくため、反撃に気を付ける必要はある。
セイバー陣営は操作が本編と同じ伊織なので、サーヴァントと比べると厳しいところはあるだろう。
逸れのサーヴァントを同行させることもできず、交代できるのはセイバーのみだ。
しかし、二周目突入済などで強化が進んでいるならば、五つの型や秘剣、魔術を駆使して戦えるのは他にないアドバンテージだろう。
なぜなら、伊織は蘇生パッシヴを習得できる。
さらに、インベントリが本編と共通なため、HP回復アイテムはもちろん、下記で説明する共鳴絶技回復アイテムを大量に持ち込むことが可能だ。
実質、共鳴絶技使い放題である。
筆者のおすすめ絶技は、宝具ゲージチャージの居醒の清水と、敵の動きを鈍化させる水拘。残り二つは任意で選んでもろて。水拘は直接攻撃じゃないのに、ちゃんと敵の絶技をキャンセルさせてスタンさせられるのがえらい。
人間でサーヴァント相手に戦わなければならないのは辛いが、強化と持ち物次第で滅茶苦茶強いからアサシン陣営よりは簡単かと。
基本的にどの陣営でも同じなのだが、攻略法としては闘技場内のショップで「おみやげの団子」を買い漁り、惜しみなく使うことである。
宝具とは別に使える共鳴絶技、というスキルがある。
敵はご丁寧にもこの共鳴絶技を使う際に、専用エフェクトを発生させて静止する。
そこでこちらも共鳴絶技または宝具を使用すると、これをキャンセルさせることができる。
共鳴絶技を使うためにもゲージが必要だが、そのゲージを回復させるのが最初に配布される腹太餅とショップで変えるおみやげの団子である。一度の休憩ごとに十個買えるのでできるだけ多く買うのがおすすめだ。
共鳴絶技の中には宝具ゲージを大量にチャージするものもあるので、戦況に合わせてゲージチャージと攻撃を連発すればあまり苦戦しない。
※セイバーの共鳴絶技はカスタマイズ制なので、宝具チャージ用のものを習得してからセットする必要がある。
※ライダーは宝具を隠したい由井正雪の意を汲んでいるため、ある進行度までチャージ用絶技も宝具もない。
・序盤苦戦する理由
おみやげの団子を買い漁れないからである。
というのも、闘技場での買い物はDLC専用通貨で行うことになっている。
本編の通貨は使えない。
共鳴絶技や宝具といった派手な技を使う、敵の外殻(与ダメージを減衰させられる)を削り切ったり敵の危険な技を阻止するなどといった、戦闘を盛り上げる活躍をすると戦闘後にもらえるそれが増加する。
それだけでなく、工房管理にDLC第一弾専用および本編でも有用なスキルが追加されるのだが、これの開発に必要な専用素材もこの専用通貨で購入しなければならないのだ。
ちなみに専用素材は2種類ある。
さらに、本編でも入手できる素材「人魚の木乃伊」もこのスキル開発に大量に使用する。
一部の陣営では、人魚の木乃伊もショップで買えたような……?
買えなかったかもしれない。基本的に専用素材しか買えない、と思っておいてほしい。
つまり、ショップで何を買えばいいかわからない問題が発生するから、苦戦するのだ。
幸いにも、各種素材は陣営に応じてクリア報酬として獲得できる。
人魚の木乃伊は、筆者のプレイではセイバー陣営、アーチャー陣営では獲得確認できた。
他の陣営はちょっと覚えていないが、ランサーとライダーは専用素材だったはず。
この本編でも使用できるスキルなのだが……「サーヴァントとの交代時間が増える」というものなのだ。
つまり、『慶安神前試合』で活かそうと思えばこれが有効なセイバー陣営は最後にプレイしたい。
ところが、アーチャー陣営の解放条件がセイバー陣営でのクリアなのだ。
結局筆者は『慶安神前試合』を一旦切り上げて、スキル開発に必要な人魚の木乃伊を集めてから、セイバー陣営、アーチャー陣営をプレイしたよ。二周目だしな。
だからセイバー、アーチャー陣営クリアで人魚の木乃伊をもらったときは……ねぇ?
専用通貨自体は全陣営で引継ぎ・共有される。
さらに、伊織の長屋の前でできる回想戦に『慶安神前試合』専用のものが追加され、各回想戦をプレイすれば盛り上げ方次第で専用通貨を獲得できる。足りない分はこれで稼げば、おみやげの団子の補充もできる。
ちなみに『慶安神前試合』専用素材は、買い取ってくれる店がないので筆者のように無駄に買ったりしないよう注意してほしい。
・雑種査定番外試合
正式名称は忘れたが、若旦那を同行サーヴァントに加入させるイベントである。
第一試合のアドベンチャーパート(キャスター陣営はショップで購入)で手に入る、若旦那の黄金像。
これを各陣営ごとに所定の場所に飾ることで、起こせるイベントである。
重要なのは、このイベントは最後に像を飾った陣営でプレイすることになるということ。
上述の通り、スキル開発のためにセイバーを最後にしたかった筆者は、それが不可能だったのでアーチャー陣営で発生させることになった。
若旦那、つまりギルガメッシュである。
ギルガメッシュが力を貸す条件となれば、もちろん「我に勝ってみせよ」ということになる。
好きな陣営で戦いたい向きは、その点を踏まえて攻略する陣営の順番を考えてほしい。
ギルガメッシュの加入に興味がない人もいるかもしれないが、像のコンプリートは伊吹童子のスキルツリー解放条件でもあるので、まあ実際強制だよね。
・めっっっっっっっっちゃ、牛と蛇の話してる!!
伊吹童子は伊吹大明神(八岐大蛇)を「パパ」と呼んでいるように、バッチリ蛇のトーテムだ。
今回は下半身が蛇体の姿で現界してるし。
となれば、牛のトーテムを持つライダー・丑御前が伊吹童子と相対した際、マスターの由井正雪に、宝具の使用許可を要求するのも当然である。本編終盤で召喚した、グガランナみたいな神獣を宝具では召喚する。
『FGO』しか知らない向きは「やっぱり頼光と酒吞童子だからバチバチなのかな」と思うだろうが、対立するトーテムの神話を知っている本エッセイ読者ならば共感してくれるだろう。
本編では甲賀三郎の召喚した巨大な大蛇を、丑御前が騎乗スキルで乗っ取った一幕もあった。
さらに、丑御前が宝具を解放して巨牛を召喚した際もかなりの危機的状況が訪れた。
それに若旦那が伊吹童子を評して、一騎で関八州を沈めることができるとまで言ったことをも踏まえれば。
丑御前は、伊吹童子と同格クラスと言ってもよい(反対に甲賀三郎はかなり劣る)のではないか。
伊吹童子が妙に、鄭成功に親身だったのはあれなんだったんだろうな。
『アマテラス解体新書』によれば、八岐大蛇はシュメール人国家を表しているとのことだが、明朝はシュメールの末裔なのか?
ちょっと筆者の知識が追いついてないから、あれは理由がわからん。
・グラフィック
アジアのアニメ調ゲームのグラフィックの進化が滅茶苦茶早いせいか、そんなに太古のゲームでもないはずなのに、顔のグラフィックが古いと思ってしまった。
伊織とかまだマシな方だけど、セイバーや武蔵みたいな目の大きいキャラはなぁ。
さすがに宝具演出のときは、リッチな表現になるんだけどねぇ。
Switchゲーに求める水準ではない? それはそう。
◎おわりに
Switchだからトロフィーとかないし、クリア状況100%とか目指さないかもしれん。
わりと、100%にならん、チュートリアル要不要両方見たか? みたいな書き込みがネットで散見されるんだけどね。
残りDLC2つと、エンディング回収も残ってるけど、それの記事書くかはわからん。
というか、ヒトガタの式符と幽火の三枝の入手少なすぎだろ!
工房管理の素材、キツすぎんよ。
では、また。
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