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【『ソドムの市』】「パゾリーニのやつじゃないから見ない」←もったいない件【D級カオス映画】
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おっす!
アマプラにある『ソドムの市』って映画あるんだけど、観てる?
うん。
マルキ・ド・サドの『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』を原作とするパゾリーニ監督のイタリア映画
じゃないやつね。
さすがサド原作。ウィキペディアだけでもすごい内容で、むちゃくちゃ観てみたいけどこれを観れることは今後の人生であるのか怪しいな。
今回取り上げるのはそれじゃなくて、邦画のやつね。
間違えて買う人、まあまあいるらしい。
監督は高橋洋氏。『リング』の監……もとい脚本の人なんだって。
以下、ネタバレ注意な。
◎どんな映画?
18世紀。
俎渡海市兵衛は居城にて結婚式を挙げるはずだった。
しかし、結婚相手の女性が吐血して死んでしまう。
花嫁を調伏されたと犯人捜しをした結果、花嫁を象ったものに針を刺しまくったものが出てくる。
それを呪いの証拠として、花嫁の腰元をしていた女性、テレーズとキャサリン(※日本人にしか見えない)を刑死させる。
死の間際、テレーズとキャサリンは市兵衛に呪いをかけるのだった。
なお、呪いの証拠と思われたものは里に帰ったはずのおばあさんの針刺しであり、テレーズとキャサリンの冤罪が発覚。
それを機に自責の念に駆られた市兵衛は視力を喪失する。
十字架に縋り、二人に許しを乞う市兵衛。
しかし、市兵衛が許されることはなかった。
十字架と陽の光が組合わさることで、市兵衛は身体が燃え上がる体質になってしまったのだ。
苦しむ市兵衛……と、その時!
唐突に城の床を突き破って、仕込み杖のような刀が生えて来た。
それを支えに立ち上がるや、市兵衛は抜刀! 従者を斬り殺す。
乱心した市兵衛は、城内の者を皆殺しにするのだった。
300年後。
俎渡海市朗(10歳)はやたら切り口がトゲトゲした缶を蹴ったことで、それが飛んだ軌道上にいた友人を殺害。
さらに友人の死体が安置された部屋で、友人の母親ともみ合いになり、勢いで友人の母親も同じ缶にダイヴ。
友人の母親も死んでしまう。
10歳にして四人も殺してしまった市郎は、結婚できずに独りぼっちになってしまうのでは、と将来を悲観する。
しかし、そのときは私が結婚してあげる、と妹のキャサリンが言ってくれたことで安心する市郎だった。
なおその口約束は、夜に一人でトイレに行けないキャサリンに市郎がついて行ってあげた場面で行われる。
トイレの内外で、手を繋ぎながら。
20年後。
幼い日の心配は杞憂に終わり、市兵衛の結婚相手瓜二つの女性と式を挙げる市郎。
それが気に入らなかったキャサリンは、酒に毒を混入。
キャサリンは市郎のものだけ毒のない酒に取り換えたのだが……。
花嫁は毒杯を呷ったために、吐血して死亡。
直後、視力を失う市郎。そこに出現するのは、先祖の市兵衛。
市兵衛に魅入られた市郎は、いつの間にか刀を持っていた。
様子のおかしい兄を心配して駆け寄ったキャサリンはしかし、市郎が刀で斬り殺してしまうのだった。
ところ変わって、俎渡海家代々之墓という荒野にポツンと建つモノリスがごとき墓。
市郎が10歳の頃に殺した友人の妹テレーズは、刑事になっていた。
テレーズがバディの部下・蛇吉と佇んでいると新聞が飛んでくる。
新聞には、結婚式での大量毒殺、そして失踪した市郎とキャサリンの写真。
ついに動き出した、と意味深なセリフを吐くテレーズ。
兄の仇である市郎への復讐を誓い、テレーズはモーゼルミリタリーを俎渡海家の墓に向かって乱射するのだった。
市兵衛に憑依されて同化した市郎は黒魔術によるキャサリンの蘇生、および世界征服に向けてテロ活動を開始!
一方、テレーズは市民への犠牲を一切省みない危険な捜査によって市郎を猛追!
18世紀からの因縁は、東京全土いやアメリカまでをも巻き込み、常人の理解を超越した血みどろの殺し合いへと突っ走っていくのだった!
◎むちゃくちゃ!
あきらかにイタリアの同名映画を意識して、名前をつけてると思う。
今作における「市」は「座頭市」の市である。
呪いで目が見えなくなったやつが、刀で人を斬り殺すってのがもう、ね。
正直、冒頭で見るのをやめたくなったのだが、モノリス墓にモーゼルをぶっぱなすテレーズ(小嶺 麗奈)のシーンでちょっと面白くなってしまった。
加えて明らかに低予算のちゃちい映画なので、酷い絵面が連続するのだが観ているうちにそれも面白くなってくる。
低予算を逆手にとってふざけまくったり、無理を通した結果笑える場面もかなりある。
ホラーと銘打っているが、ホラーコメディではなくこれはジョーク映画だと思う。
Z級までは突き抜けてないと思うから、D級?
D級のカオス感が漂うスプラッタありオカルトありの、ジョーク映画だろう。
オープニングクレジットに特撮がどうこうと書いてあったのが目についたが、特に気にせず観ているとホントに特撮が始まる。
市郎のテロ集団の乗る自動車の屋根には、手作り感満載の砲台が載っている。
砲台から伸びたライフルの銃身はしかし、なんと火炎放射器なのだ。
火炎放射。
分かる人には分かると思うのだが、火炎放射が昭和の『ウルトラマン』『仮面ライダー』『スーパー戦隊』シリーズなどでお馴染みの、あの演出なのだ!
と、特撮! 本当に特撮じゃないか!
よく見れば、テレーズらの拳銃の射撃も昭和特撮の花火みたいな銃撃演出じゃねぇか!
『ウルトラマン』『ゴジラ』などでの巨大感を演出するスクリーン合成も駆使しているが、これゼロ年代の映画だぞ!?
途中、「狂気の克服」の研究で他人を操る技術に至ってしまったマッドサイエンティストが市郎の仲間になる。
なぜか彼が犯罪計画まで立案するのだが……いや、なんでヤバい科学者の悪巧みが「新幹線の線路に石を置く」なんだよ!?
置き石は普通に罰せられるから、マネしちゃイカンぞ。
さておき、その石もだんだん大きくなるように配置(最後のはもう岩)されているのだが……この工作感が凄いんだ。
小学校の夏休みに、親と一緒に新聞紙を使ってカブトムシとか作ったのを思い出したよ。
で、普通に新幹線が走ってる映像と、絶対に新幹線が走らない廃線にしか見えない線路を繋ぐ力業に笑っちゃうんだよね。
なお笑えるのは、絶対に新幹線が通れない高度の不気味なトンネルまで線路の先にあんの。
肝心のスクリーン合成はどう使ってるんだって?
いや、置き石で新幹線が脱線した映像の前でテロリストたちがワァーッて衝撃で飛ばされる芝居すんだよ。
テロが成功したのをキャッキャと騒ぎながら喜んでるのも、完全にギャグでさ。
とんでもない悪事してるのに、そう見えないんだわ。
絵面がコントだもん。
他にも特撮はあるけど、全部書くのもあれだから自分の目で確かめてくれ。
いやぁ、これはクレジットに特撮って載るわ。
市郎がテロの仲間を集める手段も酷い。
キャサリン(宮田 亜紀)の入った棺を引いてると、腹をすかせた若者を見つけて拾うわけ。
それを連れて大衆食堂みたいなとこに入って、人数+1人前のかつ丼を頼むわけ。
え、それひょっとしてキャサリンの分も頼んでんの!?
人数分頼まないと店に悪いって?
いや、死人に口なしじゃん(そういうときに使う言葉ではない)。
変な気遣いするくせに「お勘定」って店員を呼び寄せておいて、値段を聞いたら即座に店員のこと斬り殺すんだぜ?
で、口封じに他の客も皆殺し。
やたら剣捌きがいいのも、笑ってしまう。
これ二回やるからね? しかも同じ店にしか見えないの。
最初に仲間になったやつは、市郎が殺した客の財布から金抜いてるし。
テレーズもヤバいんだよ。
レザージャケットの前を開けたアップスタイルの美人刑事、バディの部下・蛇吉の返事は「がってんでい」。
愛銃がモーゼルな時点で日本の警察じゃないだろ、って思うけど……かっこいいから仕方ないよな!
筆者も友達の家でやった『バイオハザード』シリーズで惚れ惚れしたもん。
『バイオ』でモーゼルと焼夷手榴弾にロマン感じまくったわ。
テレーズは前世の因縁なのか、幻覚で雨の中で叫んでるキャサリンを見るんだ。
これに対して、テレーズはなんとモーゼルをぶっぱなしやがるからもう、びっくりだよ。
質が悪いのは、幻覚の向こうは往来なんだよ。
普通に『 一 般 市 民 誤 射 』をやらかすけど、テレーズはもちろん誰も被害者を省みない。
一切、誰も気にしない。
何事もなかったかのようにストーリーが進む。
市郎のアジトを突き止めたときのテレーズまわり、ここも面白い。
マッドサイエンティストの技術で洗脳されたやつがバーサーカーになって、テレーズを襲うシーン。
テレーズが持ち上げられるシーンまでは小嶺 麗奈が芝居してるんだけど、カット入った直後。
人形に変わってるんだわ。
その分、バーサーカーがテレーズをぶん回して投げ飛ばすシーンがイキイキとした演技になっていて、良かったと思う。笑っちゃうんだけどね。
で、その隙に市郎たちは自動車で逃げ出すんだけど、いやぁ刑事ドラマといったらこれだよね。
逃げる犯人の自動車のリアに張り付く、カーアクション。
まあ、バーサーカーがぶん回してた人形なんだけどね。
でも人形だと顔が違うから、車内から撮れないじゃん(?)
どう解決したか。
リアウインドウに張り付くテレーズの写真を、貼ったんだよね。
天才だろwwwwwwwww
こんなの見たことないwwwwwwww
写真に向かって市郎の部下のテロリストたちが「死ね」とか、安易な暴言吐いてるのも笑えるんだけどね。
このシーンは運転手が意外な人物で「?????」となったから、ツッコミが忙しかったなぁ。
観て欲しいから、誰が運転してたかは伏せるぞ。
で、最終的にテレーズは振り落とされるんだけど、その際にモーゼルをぶっ放すんだ。
もちろん、『 一 般 市 民 誤 射 』。
タイヤを撃って止めるとかはない。死ぬのは通行人。
いや、ホントにテレーズも倫理観ブッ飛んでるからね。
『仮面ライダー』とかでも、操られてるだけの市民に襲われるシーンってあるじゃん。
あるんだよ。
でも怪人や戦闘員にするように、変身して剣とか蹴りとかでやっつけないじゃん。
やっつけないんだよ。
でもテレーズは違う。
操られていると分かっていて、暴徒は迷わず射殺する。
市郎一味と戦うとき以外は、ちゃんと当たるんだよなぁ。
怖いよ、この人! ホントに警察か!?
「そうはならんやろ」と「倫理観どうした」のツッコミが止まらない本作だが、原因はだいたい低予算だよね。
そうそう「300年後」のテロップの後始まる10歳の市郎のシーンなんだけど。
子役、使っていません。
カオス!
日本がハイパーインフレになったシーンでは、子役使ってたのに。
幼少期のシーンでは、子役使わんのかい!
トイレから伸びたキャサリンの手を握る、トイレの前で体育座りする市郎。
このシーンももちろん大人の役者がやってんだけど、あー、そっかなるほど!
子役使うと、このシーンが嘘になるんだ。
子供の腕じゃ、トイレから外に手なんか伸ばせないよね!
いや、大人でも無理だよ!!
トイレの中にカメラが入らないから和式か洋式かわかんなかったけど、手が出てくる高さ的に洋式は無理そう。
入口とゼロ距離で設置されてる和式便器なら、可能かな。
嫌だなー、そんなトイレしかない家!
常識的な設計のトイレなら、大人でもあんな手ぇ伸ばせないだろ!
◎なんだかんだ言っても美人は強い。はっきりわかんだね
俎渡海家の墓をテレーズがモーゼルで撃ちまくるシーンから面白くなった、と上で書いた。
ここまで紹介してきたように、この映画は本当にむちゃくちゃで、でもいいか悪いかは別として低予算なりにすっげ工夫してるのは伝わってくるんだよ。結果として笑いを誘うわけだけど。
でもねー、結局このカオス映画の視聴をもたせてるのは、結局はテレーズの小嶺 麗奈の美貌だと思うよ。
二重で目力強くて小顔で鼻が高くて下唇がほんのり膨らんでる、スレンダー美人。
白塗り黒頭巾の市郎と対峙するテレーズが、この当時20代の美人女優だから見れたと感じたね。
昭和の特撮技術がふんだんに使われた本作だけど、小嶺 麗奈はなんと本家の特撮ヒーローものにも出演している。
『ソドムの市』公開が2004年。
その翌年2005年に公開された『仮面ライダー THE FIRST』にヒロイン、緑川あすか役で出演しているのだ!
特撮ファンの間では、あまりいい声を聞かない映画ではあるのだが……。
(筆者も観たけど、そんなボロクソいう映画か? 必死に庇いたいほど面白かった記憶もないけど。)
でもヒロインだぞ? 緑川だぞ?
このポジション『シン・仮面ライダー』だと緑川ルリ子役だろ?
浜辺 美波じゃん!!
うん。
浜辺 美波の名前を出したせいでその後に書くのは、本当に心苦しいのだが
小嶺 麗奈は女優・タレント活動を引退した後に〝おくすり〟で捕まってんだよね。
はぁ……ダメ、絶対!!
キャサリンの宮田 亜紀は、出番はテレーズに比べてどうしても少ない(本編中ほぼ死んでるから)が、こちらも綺麗なんだよなぁ。
顰蹙を買うかもしれないが宮田 亜紀は筆者の心に残った映画『先生を流産させる会』で主演を張っている。
流産させられる先生の役だ。
職員室で忙しそうに仕事しているシーンの、腋の汗染みが映るシーンがクッソエロい。
キリッとした感じの美人の、隙だらけの腋汗染み。滋養が高いですよ!!
なんちゅう映画で腋に目覚めてんだよ、という話だが腋フェチは見ることをおすすめする(!?)
◎余談
自分の黒魔術と博士の科学、どちらが欠けてでもダメだが両方揃えば世界を手中に出来る。
このようなことを市郎はマッドサイエンティスト松村博士に言っているのだが……あんまりオカルトと科学の融合した作戦があったようには感じなかったな。
で、市郎のアジトには結構ガチっぽい魔法陣が描かれてるんだよね。
四文字の名前とかAGLAとか書いてるから、唯一神の威光を借りて悪魔を呼び出すやつかな?
ともかく魔法陣、もしくは魔法円ってやつだな。
すっげぇ別の話になるんだけど、ラノベとか、あとは漫画やゲームでもあった気がするんだけどさ。
魔法陣と魔方陣は、別だからな?
魔方陣ってのは、算数で習ったやつ。
四角の中のマスを縦、横、ナナメどう計算しても各列の和が同じ数になるやつ。
実はこれも特定の魔方陣は護符になるとされて、指定した金属に魔方陣を彫って持ち歩く、なんて魔術はあるんだけどね。
ただ、小説で「魔方陣が光りを放ち、悪魔が出現する!」とか「魔法使いの目の前の空間に浮かび上がった魔方陣が、敵の雷魔法を弾いた!」とかやられると雰囲気台無しじゃない?
なんか円の中に複雑な幾何学模様と謎の文字が描かれたもの────────魔法陣の方を期待するでしょ?
ビジュアルが付いてる漫画やゲームでも、絵を見て明らかに間違いってわかっちゃうし。
下手こいて魔方円とかやってる作品になると、ホントに目も当てられん。
四角いのかい? 円いのかい? どっちなんだいっ!!
それ書いたやつは「地球平面説って一行で矛盾してるよね」とか笑えないからな?
マジでプロの作品でも普通にやってることあるから、ここ気を付けて欲しいわ。
◎おわりに
いやぁ、見て欲しいわ邦画の『ソドムの市』。
やってることめちゃくちゃだけど、ジョーク映画だと頭を切り替えてからはかなり楽しめた。
サメ映画とか観てる人なら、行けると思う。
ギャグみたいなスプラッタはあるけど、おっぱいボロンはないからそういう気分じゃなくても観れる。
うん、〝おっぱい〟はボロンしないわ(すっとぼけ)
いや、冷静に考えたらなんで黒魔術をテーマに含んでおいておっぱいボロンしないんだよ!
出せ!
しかもサド作品を原作にする映画にタイトル寄せてるんだぞ!?
なんでおっぱい出ないんだよ!! ぷじゃけるなぁ!!
でもシリアスなことをやろうとしてるはずなのにディティールや倫理観がぶっ飛んでたり、市兵衛市郎がときどき素の市郎に戻って抜けたセリフ吐いたり、泥臭い工夫で無茶なシーンを撮ってたりするところはA級作品にはない良さが合って、良い。
筆者はこの映画、好きだよ。
観て!
ではまた!
アマプラにある『ソドムの市』って映画あるんだけど、観てる?
うん。
マルキ・ド・サドの『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』を原作とするパゾリーニ監督のイタリア映画
じゃないやつね。
さすがサド原作。ウィキペディアだけでもすごい内容で、むちゃくちゃ観てみたいけどこれを観れることは今後の人生であるのか怪しいな。
今回取り上げるのはそれじゃなくて、邦画のやつね。
間違えて買う人、まあまあいるらしい。
監督は高橋洋氏。『リング』の監……もとい脚本の人なんだって。
以下、ネタバレ注意な。
◎どんな映画?
18世紀。
俎渡海市兵衛は居城にて結婚式を挙げるはずだった。
しかし、結婚相手の女性が吐血して死んでしまう。
花嫁を調伏されたと犯人捜しをした結果、花嫁を象ったものに針を刺しまくったものが出てくる。
それを呪いの証拠として、花嫁の腰元をしていた女性、テレーズとキャサリン(※日本人にしか見えない)を刑死させる。
死の間際、テレーズとキャサリンは市兵衛に呪いをかけるのだった。
なお、呪いの証拠と思われたものは里に帰ったはずのおばあさんの針刺しであり、テレーズとキャサリンの冤罪が発覚。
それを機に自責の念に駆られた市兵衛は視力を喪失する。
十字架に縋り、二人に許しを乞う市兵衛。
しかし、市兵衛が許されることはなかった。
十字架と陽の光が組合わさることで、市兵衛は身体が燃え上がる体質になってしまったのだ。
苦しむ市兵衛……と、その時!
唐突に城の床を突き破って、仕込み杖のような刀が生えて来た。
それを支えに立ち上がるや、市兵衛は抜刀! 従者を斬り殺す。
乱心した市兵衛は、城内の者を皆殺しにするのだった。
300年後。
俎渡海市朗(10歳)はやたら切り口がトゲトゲした缶を蹴ったことで、それが飛んだ軌道上にいた友人を殺害。
さらに友人の死体が安置された部屋で、友人の母親ともみ合いになり、勢いで友人の母親も同じ缶にダイヴ。
友人の母親も死んでしまう。
10歳にして四人も殺してしまった市郎は、結婚できずに独りぼっちになってしまうのでは、と将来を悲観する。
しかし、そのときは私が結婚してあげる、と妹のキャサリンが言ってくれたことで安心する市郎だった。
なおその口約束は、夜に一人でトイレに行けないキャサリンに市郎がついて行ってあげた場面で行われる。
トイレの内外で、手を繋ぎながら。
20年後。
幼い日の心配は杞憂に終わり、市兵衛の結婚相手瓜二つの女性と式を挙げる市郎。
それが気に入らなかったキャサリンは、酒に毒を混入。
キャサリンは市郎のものだけ毒のない酒に取り換えたのだが……。
花嫁は毒杯を呷ったために、吐血して死亡。
直後、視力を失う市郎。そこに出現するのは、先祖の市兵衛。
市兵衛に魅入られた市郎は、いつの間にか刀を持っていた。
様子のおかしい兄を心配して駆け寄ったキャサリンはしかし、市郎が刀で斬り殺してしまうのだった。
ところ変わって、俎渡海家代々之墓という荒野にポツンと建つモノリスがごとき墓。
市郎が10歳の頃に殺した友人の妹テレーズは、刑事になっていた。
テレーズがバディの部下・蛇吉と佇んでいると新聞が飛んでくる。
新聞には、結婚式での大量毒殺、そして失踪した市郎とキャサリンの写真。
ついに動き出した、と意味深なセリフを吐くテレーズ。
兄の仇である市郎への復讐を誓い、テレーズはモーゼルミリタリーを俎渡海家の墓に向かって乱射するのだった。
市兵衛に憑依されて同化した市郎は黒魔術によるキャサリンの蘇生、および世界征服に向けてテロ活動を開始!
一方、テレーズは市民への犠牲を一切省みない危険な捜査によって市郎を猛追!
18世紀からの因縁は、東京全土いやアメリカまでをも巻き込み、常人の理解を超越した血みどろの殺し合いへと突っ走っていくのだった!
◎むちゃくちゃ!
あきらかにイタリアの同名映画を意識して、名前をつけてると思う。
今作における「市」は「座頭市」の市である。
呪いで目が見えなくなったやつが、刀で人を斬り殺すってのがもう、ね。
正直、冒頭で見るのをやめたくなったのだが、モノリス墓にモーゼルをぶっぱなすテレーズ(小嶺 麗奈)のシーンでちょっと面白くなってしまった。
加えて明らかに低予算のちゃちい映画なので、酷い絵面が連続するのだが観ているうちにそれも面白くなってくる。
低予算を逆手にとってふざけまくったり、無理を通した結果笑える場面もかなりある。
ホラーと銘打っているが、ホラーコメディではなくこれはジョーク映画だと思う。
Z級までは突き抜けてないと思うから、D級?
D級のカオス感が漂うスプラッタありオカルトありの、ジョーク映画だろう。
オープニングクレジットに特撮がどうこうと書いてあったのが目についたが、特に気にせず観ているとホントに特撮が始まる。
市郎のテロ集団の乗る自動車の屋根には、手作り感満載の砲台が載っている。
砲台から伸びたライフルの銃身はしかし、なんと火炎放射器なのだ。
火炎放射。
分かる人には分かると思うのだが、火炎放射が昭和の『ウルトラマン』『仮面ライダー』『スーパー戦隊』シリーズなどでお馴染みの、あの演出なのだ!
と、特撮! 本当に特撮じゃないか!
よく見れば、テレーズらの拳銃の射撃も昭和特撮の花火みたいな銃撃演出じゃねぇか!
『ウルトラマン』『ゴジラ』などでの巨大感を演出するスクリーン合成も駆使しているが、これゼロ年代の映画だぞ!?
途中、「狂気の克服」の研究で他人を操る技術に至ってしまったマッドサイエンティストが市郎の仲間になる。
なぜか彼が犯罪計画まで立案するのだが……いや、なんでヤバい科学者の悪巧みが「新幹線の線路に石を置く」なんだよ!?
置き石は普通に罰せられるから、マネしちゃイカンぞ。
さておき、その石もだんだん大きくなるように配置(最後のはもう岩)されているのだが……この工作感が凄いんだ。
小学校の夏休みに、親と一緒に新聞紙を使ってカブトムシとか作ったのを思い出したよ。
で、普通に新幹線が走ってる映像と、絶対に新幹線が走らない廃線にしか見えない線路を繋ぐ力業に笑っちゃうんだよね。
なお笑えるのは、絶対に新幹線が通れない高度の不気味なトンネルまで線路の先にあんの。
肝心のスクリーン合成はどう使ってるんだって?
いや、置き石で新幹線が脱線した映像の前でテロリストたちがワァーッて衝撃で飛ばされる芝居すんだよ。
テロが成功したのをキャッキャと騒ぎながら喜んでるのも、完全にギャグでさ。
とんでもない悪事してるのに、そう見えないんだわ。
絵面がコントだもん。
他にも特撮はあるけど、全部書くのもあれだから自分の目で確かめてくれ。
いやぁ、これはクレジットに特撮って載るわ。
市郎がテロの仲間を集める手段も酷い。
キャサリン(宮田 亜紀)の入った棺を引いてると、腹をすかせた若者を見つけて拾うわけ。
それを連れて大衆食堂みたいなとこに入って、人数+1人前のかつ丼を頼むわけ。
え、それひょっとしてキャサリンの分も頼んでんの!?
人数分頼まないと店に悪いって?
いや、死人に口なしじゃん(そういうときに使う言葉ではない)。
変な気遣いするくせに「お勘定」って店員を呼び寄せておいて、値段を聞いたら即座に店員のこと斬り殺すんだぜ?
で、口封じに他の客も皆殺し。
やたら剣捌きがいいのも、笑ってしまう。
これ二回やるからね? しかも同じ店にしか見えないの。
最初に仲間になったやつは、市郎が殺した客の財布から金抜いてるし。
テレーズもヤバいんだよ。
レザージャケットの前を開けたアップスタイルの美人刑事、バディの部下・蛇吉の返事は「がってんでい」。
愛銃がモーゼルな時点で日本の警察じゃないだろ、って思うけど……かっこいいから仕方ないよな!
筆者も友達の家でやった『バイオハザード』シリーズで惚れ惚れしたもん。
『バイオ』でモーゼルと焼夷手榴弾にロマン感じまくったわ。
テレーズは前世の因縁なのか、幻覚で雨の中で叫んでるキャサリンを見るんだ。
これに対して、テレーズはなんとモーゼルをぶっぱなしやがるからもう、びっくりだよ。
質が悪いのは、幻覚の向こうは往来なんだよ。
普通に『 一 般 市 民 誤 射 』をやらかすけど、テレーズはもちろん誰も被害者を省みない。
一切、誰も気にしない。
何事もなかったかのようにストーリーが進む。
市郎のアジトを突き止めたときのテレーズまわり、ここも面白い。
マッドサイエンティストの技術で洗脳されたやつがバーサーカーになって、テレーズを襲うシーン。
テレーズが持ち上げられるシーンまでは小嶺 麗奈が芝居してるんだけど、カット入った直後。
人形に変わってるんだわ。
その分、バーサーカーがテレーズをぶん回して投げ飛ばすシーンがイキイキとした演技になっていて、良かったと思う。笑っちゃうんだけどね。
で、その隙に市郎たちは自動車で逃げ出すんだけど、いやぁ刑事ドラマといったらこれだよね。
逃げる犯人の自動車のリアに張り付く、カーアクション。
まあ、バーサーカーがぶん回してた人形なんだけどね。
でも人形だと顔が違うから、車内から撮れないじゃん(?)
どう解決したか。
リアウインドウに張り付くテレーズの写真を、貼ったんだよね。
天才だろwwwwwwwww
こんなの見たことないwwwwwwww
写真に向かって市郎の部下のテロリストたちが「死ね」とか、安易な暴言吐いてるのも笑えるんだけどね。
このシーンは運転手が意外な人物で「?????」となったから、ツッコミが忙しかったなぁ。
観て欲しいから、誰が運転してたかは伏せるぞ。
で、最終的にテレーズは振り落とされるんだけど、その際にモーゼルをぶっ放すんだ。
もちろん、『 一 般 市 民 誤 射 』。
タイヤを撃って止めるとかはない。死ぬのは通行人。
いや、ホントにテレーズも倫理観ブッ飛んでるからね。
『仮面ライダー』とかでも、操られてるだけの市民に襲われるシーンってあるじゃん。
あるんだよ。
でも怪人や戦闘員にするように、変身して剣とか蹴りとかでやっつけないじゃん。
やっつけないんだよ。
でもテレーズは違う。
操られていると分かっていて、暴徒は迷わず射殺する。
市郎一味と戦うとき以外は、ちゃんと当たるんだよなぁ。
怖いよ、この人! ホントに警察か!?
「そうはならんやろ」と「倫理観どうした」のツッコミが止まらない本作だが、原因はだいたい低予算だよね。
そうそう「300年後」のテロップの後始まる10歳の市郎のシーンなんだけど。
子役、使っていません。
カオス!
日本がハイパーインフレになったシーンでは、子役使ってたのに。
幼少期のシーンでは、子役使わんのかい!
トイレから伸びたキャサリンの手を握る、トイレの前で体育座りする市郎。
このシーンももちろん大人の役者がやってんだけど、あー、そっかなるほど!
子役使うと、このシーンが嘘になるんだ。
子供の腕じゃ、トイレから外に手なんか伸ばせないよね!
いや、大人でも無理だよ!!
トイレの中にカメラが入らないから和式か洋式かわかんなかったけど、手が出てくる高さ的に洋式は無理そう。
入口とゼロ距離で設置されてる和式便器なら、可能かな。
嫌だなー、そんなトイレしかない家!
常識的な設計のトイレなら、大人でもあんな手ぇ伸ばせないだろ!
◎なんだかんだ言っても美人は強い。はっきりわかんだね
俎渡海家の墓をテレーズがモーゼルで撃ちまくるシーンから面白くなった、と上で書いた。
ここまで紹介してきたように、この映画は本当にむちゃくちゃで、でもいいか悪いかは別として低予算なりにすっげ工夫してるのは伝わってくるんだよ。結果として笑いを誘うわけだけど。
でもねー、結局このカオス映画の視聴をもたせてるのは、結局はテレーズの小嶺 麗奈の美貌だと思うよ。
二重で目力強くて小顔で鼻が高くて下唇がほんのり膨らんでる、スレンダー美人。
白塗り黒頭巾の市郎と対峙するテレーズが、この当時20代の美人女優だから見れたと感じたね。
昭和の特撮技術がふんだんに使われた本作だけど、小嶺 麗奈はなんと本家の特撮ヒーローものにも出演している。
『ソドムの市』公開が2004年。
その翌年2005年に公開された『仮面ライダー THE FIRST』にヒロイン、緑川あすか役で出演しているのだ!
特撮ファンの間では、あまりいい声を聞かない映画ではあるのだが……。
(筆者も観たけど、そんなボロクソいう映画か? 必死に庇いたいほど面白かった記憶もないけど。)
でもヒロインだぞ? 緑川だぞ?
このポジション『シン・仮面ライダー』だと緑川ルリ子役だろ?
浜辺 美波じゃん!!
うん。
浜辺 美波の名前を出したせいでその後に書くのは、本当に心苦しいのだが
小嶺 麗奈は女優・タレント活動を引退した後に〝おくすり〟で捕まってんだよね。
はぁ……ダメ、絶対!!
キャサリンの宮田 亜紀は、出番はテレーズに比べてどうしても少ない(本編中ほぼ死んでるから)が、こちらも綺麗なんだよなぁ。
顰蹙を買うかもしれないが宮田 亜紀は筆者の心に残った映画『先生を流産させる会』で主演を張っている。
流産させられる先生の役だ。
職員室で忙しそうに仕事しているシーンの、腋の汗染みが映るシーンがクッソエロい。
キリッとした感じの美人の、隙だらけの腋汗染み。滋養が高いですよ!!
なんちゅう映画で腋に目覚めてんだよ、という話だが腋フェチは見ることをおすすめする(!?)
◎余談
自分の黒魔術と博士の科学、どちらが欠けてでもダメだが両方揃えば世界を手中に出来る。
このようなことを市郎はマッドサイエンティスト松村博士に言っているのだが……あんまりオカルトと科学の融合した作戦があったようには感じなかったな。
で、市郎のアジトには結構ガチっぽい魔法陣が描かれてるんだよね。
四文字の名前とかAGLAとか書いてるから、唯一神の威光を借りて悪魔を呼び出すやつかな?
ともかく魔法陣、もしくは魔法円ってやつだな。
すっげぇ別の話になるんだけど、ラノベとか、あとは漫画やゲームでもあった気がするんだけどさ。
魔法陣と魔方陣は、別だからな?
魔方陣ってのは、算数で習ったやつ。
四角の中のマスを縦、横、ナナメどう計算しても各列の和が同じ数になるやつ。
実はこれも特定の魔方陣は護符になるとされて、指定した金属に魔方陣を彫って持ち歩く、なんて魔術はあるんだけどね。
ただ、小説で「魔方陣が光りを放ち、悪魔が出現する!」とか「魔法使いの目の前の空間に浮かび上がった魔方陣が、敵の雷魔法を弾いた!」とかやられると雰囲気台無しじゃない?
なんか円の中に複雑な幾何学模様と謎の文字が描かれたもの────────魔法陣の方を期待するでしょ?
ビジュアルが付いてる漫画やゲームでも、絵を見て明らかに間違いってわかっちゃうし。
下手こいて魔方円とかやってる作品になると、ホントに目も当てられん。
四角いのかい? 円いのかい? どっちなんだいっ!!
それ書いたやつは「地球平面説って一行で矛盾してるよね」とか笑えないからな?
マジでプロの作品でも普通にやってることあるから、ここ気を付けて欲しいわ。
◎おわりに
いやぁ、見て欲しいわ邦画の『ソドムの市』。
やってることめちゃくちゃだけど、ジョーク映画だと頭を切り替えてからはかなり楽しめた。
サメ映画とか観てる人なら、行けると思う。
ギャグみたいなスプラッタはあるけど、おっぱいボロンはないからそういう気分じゃなくても観れる。
うん、〝おっぱい〟はボロンしないわ(すっとぼけ)
いや、冷静に考えたらなんで黒魔術をテーマに含んでおいておっぱいボロンしないんだよ!
出せ!
しかもサド作品を原作にする映画にタイトル寄せてるんだぞ!?
なんでおっぱい出ないんだよ!! ぷじゃけるなぁ!!
でもシリアスなことをやろうとしてるはずなのにディティールや倫理観がぶっ飛んでたり、市兵衛市郎がときどき素の市郎に戻って抜けたセリフ吐いたり、泥臭い工夫で無茶なシーンを撮ってたりするところはA級作品にはない良さが合って、良い。
筆者はこの映画、好きだよ。
観て!
ではまた!
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