(感想文)お金の話

ごったに

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人類最大の発明

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 ちはやは元々お金やポイントが大好きな生き物だった。

 学生の頃からポイ活に励み、ポイ活のために会員カードやクレジットカードをたくさん作ってきた。

 ポイントの流れ、レート、還元率も見てきた。

 大人になると、今度は銀行の利率とATMの手数料を見るようになった。

 自分が大事に貯めてきたお金を使うのに手数料を払うなんていうのは実にバカバカしい。

 たかが100円、されど100円である。

 それならば自分でタンス貯金をしていた方がよっぽど安心で、もちろん手数料なんていうものも掛からない。

 それでも人が銀行に預ける理由は、すぐに現金を引き出せる利便性と、預ける期間によって生まれる利息である。

 少なくともちはやはちょっとでもお金が欲しいので、この利率にはアンテナを高くしていた。

 簡単な話、手数料が無く、利率は高く、おまけにATMの時間に縛られない、この3点に当てはまる銀行を探すことをちはやは楽しんでいた。

 ちはやにとっては穴場のお店を見付けるようなワクワク感があった。

 このちはやのワガママオーダーに当てはまる銀行が当時あった。

 しかもその銀行には「2週間満期預金」という定期預金があった。

 そこには「単利」という文字があったが、そこはちはや、特に気に留めることもなく数年が過ぎた。

 話は最初に戻り、「お金についての2chまとめスレ」を聞いていると「複利」という言葉が耳に入ってきた。

 その日ちはやは思い出した。

 預けっぱなしにしていた「2週間満期預金」を。

 そこには「単利」という文字があったことを。

 ちはやは急いで口座を確認する。

 ちはやの預けていたお金はたしかに増えていた。

 しかし、スズメの涙くらいしか増えておらず、期待ハズレ感があった。

 ちはやは改めて「単利」と「複利」を調べると、何と複利とは、あの有名なアインシュタインが「人類最大の発明」というくらい絶賛する代物だったのだ。

 ちはやは難しい言葉が苦手なので自分がわかりやすいように表現すると、複利とは倍々ゲームに近いということがわかった。

 厳密には違うが、ちはやの脳みそでも単利<複利ということは理解できた。

 「複利」という言葉と仕組みを理解したことで、ちはやのお金の世界はさらに広がることになった。
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