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molt worldという場所
「ようこそ、molt worldの世界へ」
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あの後由衣は言った。
『モニターの向こう側にこことmolt worldを繋ぐ扉があるから、その扉を抜けて。…でもどこに繋いであるかはわからないから気をつけて。私は後で行くから!!』
だから今、私はその扉に向かって足を進めている。暗闇だから下が見える訳では無いけど、とりあえず進んでみたら扉はあるかな、と適当に思っている。由衣の言葉を疑っているわけではないし、まず由衣は嘘をつくのが下手くそだからあの話は本当なんだなと。
もし、このことが夢で扉を抜けたら由衣と話していたことがリアルではなかったとしても私はこのことを思い出としてmolt worldを繋げていくことになるだろう。
「あ、あった…」
あと数歩足を進めると届く距離に由衣の言っていた扉があった。あの扉を抜けるとあちら側の世界へ行けるらしい。普通に歩いて行くのもあれだから、軽く走って扉の前へ着いた。
「…本当に行けるのかな」
正直、半信半疑だし、不安もある。
私が夢見た世界はこの扉で繋がって、夢を広げていくんだろう。
そう思うと少しだけ楽しいかもしれない。
ガチャ
ドアノブに手を掛け、扉を押した。
すると向こう側の世界は自然豊かな緑に包まれていて山と山に囲まれていた。
田んぼの土の匂いと、少し熱風を含んだ風…。その二つが交差して完全に田舎の感じを醸し出していた。
「ここは一体…?」
何処かに繋がっているかはわからない、とは言っていたけれど、まさかこんなにも田舎だとは思っていなかった。
「来たものの何をしたらいいんだろ??」
そういえば要件を何も聞いてなかったことを思い出す。
一体、どうすれば…。
「…そこの者。お主は何者じゃ」
唐突に後ろから聞こえた声。少女の声だけど、言い方が古くさい。
声のする方に振り向いてみると黒髪の小さな女の子が立っていた。一言で言うと和。まず、目の前にいる女の子は紅い着物を着ていて完全に大和撫子なのだ。
「へ…?」
女の子が口を開けば綺麗なソプラノの声が響いた。
「何者、と問うておるのだ。返答次第ではお前を斬る」
「!?」
相手の手にはいつの間にか刀が。どうやら本物らしい。
「え、ちょっと待って…、私の名前は速水里香ですっ…!」
速水里香、と聞いたところでピクリと相手は顔色を変えた。…悪い方向の顔色に。
「…斬る」
「ひゃぁぁぁぁあ!?」
_斬られる、そう思った。でも刀はいつまで経っても私を斬らなかった。
「なっ…里香!?」
里香…?なんで私の名前を??
目を開け前を見ると黒髪のポニーテールの子が刀で私を守るようにして立っていた。
…そうだ。私はこの世界にいてはいけないんだった。ここは私が造ったオリジナルキャラクター達が住む場所。本来、作者は立ち入ってはならない。この名前も、この場所では使ってはならない。だって[速水里香]という人間が居るから。
「悠羅。この人を巻き込むな」
「しかし、そやつは速水里香と言ったのだぞ。偽物かと思うて…」
「速水里香…?」
「そうか」と言って刀を交えていた手を止め、ポニーテールの子はこちらを向いた。艶やかな黒髪に鋭い目。何処かの制服を着ていた。少し笑顔になりながら私に言った。
「初めまして、速水里香_いや、この世界の本当の創設者さん。ようこそ、moltworldの世界へ」
『モニターの向こう側にこことmolt worldを繋ぐ扉があるから、その扉を抜けて。…でもどこに繋いであるかはわからないから気をつけて。私は後で行くから!!』
だから今、私はその扉に向かって足を進めている。暗闇だから下が見える訳では無いけど、とりあえず進んでみたら扉はあるかな、と適当に思っている。由衣の言葉を疑っているわけではないし、まず由衣は嘘をつくのが下手くそだからあの話は本当なんだなと。
もし、このことが夢で扉を抜けたら由衣と話していたことがリアルではなかったとしても私はこのことを思い出としてmolt worldを繋げていくことになるだろう。
「あ、あった…」
あと数歩足を進めると届く距離に由衣の言っていた扉があった。あの扉を抜けるとあちら側の世界へ行けるらしい。普通に歩いて行くのもあれだから、軽く走って扉の前へ着いた。
「…本当に行けるのかな」
正直、半信半疑だし、不安もある。
私が夢見た世界はこの扉で繋がって、夢を広げていくんだろう。
そう思うと少しだけ楽しいかもしれない。
ガチャ
ドアノブに手を掛け、扉を押した。
すると向こう側の世界は自然豊かな緑に包まれていて山と山に囲まれていた。
田んぼの土の匂いと、少し熱風を含んだ風…。その二つが交差して完全に田舎の感じを醸し出していた。
「ここは一体…?」
何処かに繋がっているかはわからない、とは言っていたけれど、まさかこんなにも田舎だとは思っていなかった。
「来たものの何をしたらいいんだろ??」
そういえば要件を何も聞いてなかったことを思い出す。
一体、どうすれば…。
「…そこの者。お主は何者じゃ」
唐突に後ろから聞こえた声。少女の声だけど、言い方が古くさい。
声のする方に振り向いてみると黒髪の小さな女の子が立っていた。一言で言うと和。まず、目の前にいる女の子は紅い着物を着ていて完全に大和撫子なのだ。
「へ…?」
女の子が口を開けば綺麗なソプラノの声が響いた。
「何者、と問うておるのだ。返答次第ではお前を斬る」
「!?」
相手の手にはいつの間にか刀が。どうやら本物らしい。
「え、ちょっと待って…、私の名前は速水里香ですっ…!」
速水里香、と聞いたところでピクリと相手は顔色を変えた。…悪い方向の顔色に。
「…斬る」
「ひゃぁぁぁぁあ!?」
_斬られる、そう思った。でも刀はいつまで経っても私を斬らなかった。
「なっ…里香!?」
里香…?なんで私の名前を??
目を開け前を見ると黒髪のポニーテールの子が刀で私を守るようにして立っていた。
…そうだ。私はこの世界にいてはいけないんだった。ここは私が造ったオリジナルキャラクター達が住む場所。本来、作者は立ち入ってはならない。この名前も、この場所では使ってはならない。だって[速水里香]という人間が居るから。
「悠羅。この人を巻き込むな」
「しかし、そやつは速水里香と言ったのだぞ。偽物かと思うて…」
「速水里香…?」
「そうか」と言って刀を交えていた手を止め、ポニーテールの子はこちらを向いた。艶やかな黒髪に鋭い目。何処かの制服を着ていた。少し笑顔になりながら私に言った。
「初めまして、速水里香_いや、この世界の本当の創設者さん。ようこそ、moltworldの世界へ」
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