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molt worldという場所
呑み込まれた話
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家に帰ってお風呂入って、夕食を食べて…。そうしていくとあっという間に時間が過ぎて夜になる。ストーリーを構成させると周りが見えなくなっていって親の呼び出しとかも聞こえなくなる時がしばしばあった。気を付けなくては、と思うけど物語を考えるのは楽しくて、ついつい忘れてしまう。
思い浮かばなくてもキャラクター達が少しでも楽しければそれでいいか、とか自分の理想とは矛盾していることもあるのであまり納得いかなかったりした。
毎日を妄想で費やして、勉強する時間をなくしてでも自分の思い通りになるストーリーを続けたかった。
そんなこともう出来なくなるのを気付かずに。
「うーん、そろそろ寝よっかな。明日も学校あるし」
自分の物語に呑み込まれるなんて思ってもいない私は、いつものようにキャラクターの設定ノートを閉じてベットに向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここはどこだろう。
真っ暗で何も見えない。でも目が慣れると少し前の所に大きなモニターが置いてあるのがわかった。
夢の中のはずなのにどこか現実味がある。
不思議に思った私は大声で誰かいないか探した。
「誰かいたりしますかー?」
もし人が居ればここがどこなのか聞けるのに。
とりあえずモニターを触ってみようと近付いてみた。
「!?」
私が近付いた途端、モニターは起動し画面に光が宿った。
「え、なにこれ…怖っ!?」
ここで声を出さないと自分の何かが取られそうでそうで怖かった。
光が宿ったモニターは色々な景色を映していく。最初は山、次は海、神社、塔、街…。そして最後に人物が映った。それは私がよく知っていて、何度も描いた人物。
「安城、由衣…」
このモニターは何を言いたいのだろう。
私が作ってきたキャラクター達を「もう描くな」とでも言いたいのだろうか?
「…キャラクターは道具じゃないもんね……」
「やっと私達の気持ちがわかった?」
モニターの後ろから響く綺麗なソプラノの声。
それは優しい声で、でもどこか殺気を帯びていた。
「え、由衣…?」
「…なぁーんてねっ!私達は貴方がこの世界を造ってくれてたことに対してはすっごく感謝してるんだよ?それに、〈キャラクターは道具じゃない〉ってのを再確認してくれたみたいだし…」
由衣は優しい。もともとは賢くて何でも出来るキャラクターとして設定していたけどカスタマイズしていったら優しくて、バカで、ドジで、自分のことは後回しの気が効ける子になった。
あと、人には絶対責めない。だからこうやって今も私のことを許している。
「…いいの?そんなに許して」
「うん、いいんだよ。だって、〈人がキャラクターを造る時は寂しい時〉なんでしょ?だから私は責めないよ!!」
本当にバカだ。それが敵を作ることになるかもしれないのに。
「そろそろ本題に入ろっか」
「本題…?」
由衣は悲しそうな顔をして私に言った。
まず、このmoltworldで起こっている不思議なこと。次に消えていく街の人々のこと。そして最後に、私が造ったキャラクター達が何者かに狙われていること。
その三つを由衣は私に言った。
「ってことなんだけど…」
「…」
「…私は貴方にこの世界を救って欲しい。もうこの、moltworldは制御出来なくなってる。…お願いします。moltworldとあの世界に住む私の大好きな人々を助けてください……お願い、お願いします…!」
由衣は深々と頭を下げ、私に頼み込んでくる。
(…私があの世界を絶対に救えるとは限らない。でも、もしこれが夢じゃないとして、断ったとしたら私は一生後悔する)
覚悟を決めた私は頭をまだ下げている由衣に言った。
「…その依頼引き受けた!!」
思い浮かばなくてもキャラクター達が少しでも楽しければそれでいいか、とか自分の理想とは矛盾していることもあるのであまり納得いかなかったりした。
毎日を妄想で費やして、勉強する時間をなくしてでも自分の思い通りになるストーリーを続けたかった。
そんなこともう出来なくなるのを気付かずに。
「うーん、そろそろ寝よっかな。明日も学校あるし」
自分の物語に呑み込まれるなんて思ってもいない私は、いつものようにキャラクターの設定ノートを閉じてベットに向かった。
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ここはどこだろう。
真っ暗で何も見えない。でも目が慣れると少し前の所に大きなモニターが置いてあるのがわかった。
夢の中のはずなのにどこか現実味がある。
不思議に思った私は大声で誰かいないか探した。
「誰かいたりしますかー?」
もし人が居ればここがどこなのか聞けるのに。
とりあえずモニターを触ってみようと近付いてみた。
「!?」
私が近付いた途端、モニターは起動し画面に光が宿った。
「え、なにこれ…怖っ!?」
ここで声を出さないと自分の何かが取られそうでそうで怖かった。
光が宿ったモニターは色々な景色を映していく。最初は山、次は海、神社、塔、街…。そして最後に人物が映った。それは私がよく知っていて、何度も描いた人物。
「安城、由衣…」
このモニターは何を言いたいのだろう。
私が作ってきたキャラクター達を「もう描くな」とでも言いたいのだろうか?
「…キャラクターは道具じゃないもんね……」
「やっと私達の気持ちがわかった?」
モニターの後ろから響く綺麗なソプラノの声。
それは優しい声で、でもどこか殺気を帯びていた。
「え、由衣…?」
「…なぁーんてねっ!私達は貴方がこの世界を造ってくれてたことに対してはすっごく感謝してるんだよ?それに、〈キャラクターは道具じゃない〉ってのを再確認してくれたみたいだし…」
由衣は優しい。もともとは賢くて何でも出来るキャラクターとして設定していたけどカスタマイズしていったら優しくて、バカで、ドジで、自分のことは後回しの気が効ける子になった。
あと、人には絶対責めない。だからこうやって今も私のことを許している。
「…いいの?そんなに許して」
「うん、いいんだよ。だって、〈人がキャラクターを造る時は寂しい時〉なんでしょ?だから私は責めないよ!!」
本当にバカだ。それが敵を作ることになるかもしれないのに。
「そろそろ本題に入ろっか」
「本題…?」
由衣は悲しそうな顔をして私に言った。
まず、このmoltworldで起こっている不思議なこと。次に消えていく街の人々のこと。そして最後に、私が造ったキャラクター達が何者かに狙われていること。
その三つを由衣は私に言った。
「ってことなんだけど…」
「…」
「…私は貴方にこの世界を救って欲しい。もうこの、moltworldは制御出来なくなってる。…お願いします。moltworldとあの世界に住む私の大好きな人々を助けてください……お願い、お願いします…!」
由衣は深々と頭を下げ、私に頼み込んでくる。
(…私があの世界を絶対に救えるとは限らない。でも、もしこれが夢じゃないとして、断ったとしたら私は一生後悔する)
覚悟を決めた私は頭をまだ下げている由衣に言った。
「…その依頼引き受けた!!」
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