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8話 レベル99?わたくしはレベル9999でしてよ
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わたくしが決戦の舞台に選んだのは殿下とベガ様の結婚式です。花嫁が世界で一番幸せになれる時間。大勢の方に祝福され、この世界の『主役』として迎え入れられる。そんな状況こそ、彼らの裁きに対しては最もふさわしい瞬間であると感じました。わたくしは真っ黒なドレスを身にまとい、血のように炎のように深い赤い薔薇の花を胸に付けて訪れました。
「ごきげんよう、ルセウス殿下。そして聖女ベガ様」
「貴様、アンドロメダ・ヴィオーラ! なぜここに居る?」
しばらくぶりですが、相変わらず殿下はお元気なようです。憎々し気な眼差しも歪んだその表情もやはり魔王様とは全く違っており、その差異にわたくしは妙に安心いたしました。少しでもこの憎しみがゆるんでいたらどうしましょう、と不安でした。殿下はどこまでもご自分らしくふるまっていただければ嬉しいですわ。
純白のドレスを身にまとったベガ様はうっとりするほどにお美しく、その表情には困惑と戸惑いが隠し切れず、その人間的な表情に少しばかり意外さを感じてしまいます。記憶の中での彼女はもっと超然としていて、人を人とも思わないような方でしたのに。
「生きていたの。その姿、やっぱり魔王の手に落ちてしまったのね」
「いいえ。魔界には堕ちてしまったのですが、魔王様はわたくしにとっての良き理解者であり協力者ですわ。ベガ様、わたくしがここに来た理由はお分かりですか?」
「えぇ、そういうイベントだものね。来るならここだと思っていたわ」
彼女はひたすらに喚き声を上げる殿下と違い、どこか落ち着いた雰囲気をまとっています。現状を正しく理解し、こちらの意図を寸分たがわず受け止めてくださいます。相手にして不足なし。彼女個人に深い恨みつらみはありませんが、わたくしの世界をぐちゃぐちゃにした張本人。理不尽の象徴。彼女を目指してここまで来た。どうか、全力で『死』合いましょう。
ルセウス殿下はメインディッシュです。身動きが取れぬよう拘束し、周囲の人々の心と身体も支配して一切動かぬように命じておきます。わたくしたちが本気でやりあえば、常人ではたちまち吹き飛んでしまうでしょう。
「場所を変えましょうか」
ベガ様は転移をお使いになり、その後を追いかけていきます。王城のはるか上空に浮かび上がった彼女は素晴らしく均整の取れた身体と長い髪を陽の光で浴びてどこまでも美しい姿を晒しています。
「本当は、あなたとはあんまり戦いたくないんだよね。だって別に、あなたが嫌いなわけじゃないから」
「あら、思ってもみないお言葉ですね。もしもわたくしに多少なりとも好意を持って下さっていれば、国王陛下や殿下の所業を止めてくださればよかったのに」
「それは、少しだけ申し訳ないわ。でもあの人たちは聞く耳を持たないし、そういう『イベント』だから流れに逆らっても上手くいかないと思ったのよ。あのサブキャラの子もそうだけど」
「ヒューベルトのこと?」
「えぇ、そんな名前だったかしら。あまり好みじゃなかったし、イベントも酷いものだったからあまり細かくは覚えていないんだけど」
「意味が分かりませんわ。そういうお話は、もう沢山」
わたくしは魔力を全開にします。聖女相手にわずかな油断はできません。心を乱さず、けれど怒りや憎しみだけは誠心誠意練り上げて、極大魔法を彼女にぶつけます。さすがの聖女様、初撃は簡単に避けてしまわれます。影の触手によって彼女の動きを拘束、しかしこちらも簡単に切り裂いて逃れていきます。どうもこの闇魔法は神聖魔法とは相性が良くないようです。
「そんなことをしても無駄よ、私はレベル上限99! 全ての魔法と全属性を極めているんだから、闇の悪役令嬢になんて絶対負けない」
「あら。わたくしはレベル9999でしてよ」
定められた物語も、常識も、理屈も、全てを呑み込む『理不尽』。
それが今のわたくしです。
「ぐっ、がっ」
ちっともエレガントではないうめき声と共にベガ様は動かなくなりました。体内の生命力は途絶えていませんからまだ生きておられますわね。神聖魔法は闇魔法とは相性が悪く、聖女様は一定の耐性を持っておられました。しかし、それ以外の魔法においては単純なせめぎ合い。数字の上ではこちらが圧倒的に有利。手数と圧倒的な暴力によって彼女を御するのは非常に簡単でした。
かつてわたくしを赤子の手をひねるように弄んだ聖女様でしたが、今度はその逆でしたわね。タピオカ師匠のおかげでしょうか。
ベガ様は美しい容姿が見る影もないほどにボロボロになっておられます。ここまでするつもりはなかったのですが、ついつい力が入ってしまいました。お美しいお顔やお召し物がまぁ見るも無残に。心が痛みますわね。でも、手加減をして足元をすくわれては元も子もありませんから。肉体的な傷は回復魔法で修復できるとして、問題は中身の方でした。
この方、良く見ると魂が二つ重なっているようです。禍々しいほどに輝く白き加護を受けた魂の影に、おびえたように震えるもう一つの魂を見つけました。魂を軽く探ってみると、どうやらこちらがこの肉体の本来の持ち主であるベガ様のようです。どうも別の誰かに憑依されているようです。助けて差し上げることができるかしら? もしも彼女が何の非もないただの被害者だとするなら、『理不尽』に巻き込まれただけの気の毒な方ですものね。魂に触れるのは闇魔法を使えば難しいことではありません。
白い輝きの魂は抵抗しましたが、圧倒的な闇の力に耐えきれず、やがてベガ様の肉体から切り離すことに成功します。肉体から解き放たれた魂が一瞬人間の姿をかたどります。そこにはベガ様と似ても似つかない大人の女性の姿があり、戸惑い恐れるような顔をしたかと思うと、天高く飛び上がり、いつしかその姿は見えなくなっていきます。彼女の痕跡を逃さぬように掴み取り、後でじっくりと対応を考えることにします。ベガ様の身体を治療したのち、魔界に預けてルセウス殿下の元に戻ります。
さぁ、これでもう邪魔者は居ませんわね。今度こそ、心行くまでお話をしましょう。
聖女ベガ様と結婚式を行われる予定だった王宮の広間。
多くの招待客や臣下の方から、ルセウス殿下も含めて誰一人動く人間は居ません。唯一わたくしに対抗可能だった聖女様も既に居ない。
「アンドロメダ、貴様、このような真似をして許されると思っているのか……」
殿下は拘束されても憎まれ口を叩き続けています。大変お元気なご様子ですわね。まぁそうでなくてはこちらとしても面白くありません。
「そのお言葉、そっくりそのままお返しいたしましてよ。わたくしとヒューベルト、そして我がヴィオーラ侯爵家に対する数々の悪逆非道。お許しするわけにはいきません。ねぇ殿下、どうしてそこまでわたくしのことがお嫌いだったのです? なぜ公衆の面前で貶め蔑むほどのことをする必要があったのです。剣を振りかざし、自ら手にかけようとするほどに、わたくしが憎かったのですか?」
「あぁそうだ、憎いとも! 私より優れた魔力を持ち四大魔法を制し、他に比肩するほどのない凄まじい才能を持つ貴様がな!!」
それはむき出しの刃のような憎悪でした。もはや何の虚飾も言い訳もなく、ただ純粋に彼の本音が曝け出されているような言葉です。わたくしは、黙って耳を傾けます。
「お前にわかるか、次期国王候補として生まれ育ち、常に貴様と比較され続けていた私の気持ちなど! 血統を次代に次ぐだけの存在、国を統べる国王とは名ばかりの優れた王妃の影! 貴様との結婚後に訪れる未来は私にとっては地獄だ! この世で最も憎い女の機嫌を取り媚びへつらい、決して満たされぬ渇きを抱き続けて生きる私の苦悩が!!」
「いえ、貴方にご機嫌を窺われたことなど多分一度もありませんわよね」
顔を合わせるたびにとても嫌な顔をされ、好ましい言葉をかけられたことは一度たりともなかったように感じます。殿下にとってはそれでも最大限の譲歩というか媚びだったのかもしれませんが。お話をしているとなんとも想像以上に幼い人であることを感じますわ。
「わたくしのことは別に構いません。好きでも嫌いでもご自由にどうぞ。心までは縛れませんからね、ですが、だからといって他者を理不尽に陥れるなど許されることではありませんわ。そう、世は常に理不尽で救われません。だからこそ、貴き身分であるわたくしたちは自らの感情を律し、ただ国を統べ、民を愛し、自らの心を殺して身を粉にして生き続けるしかないのです。けれど、殿下の気持ちも少しは、いいえとてもたくさん、今のわたくしにはわかりましてよ」
そう、どれだけ気高い誇りを持って生きて来ようとも、そうあるべきことは理解していても、納得のいかない、譲れない想いや感情は確かにあります。たとえそれがどれほど醜くとも許されることがなくとも、心の中だけは自由でいたいのです。そうでなくては、生き続けることはできないから。
「ここからはただの私怨ですわ、殿下。よくもわたくしのヒューベルトを。あの優しい人を、何ら咎なき者を、傷つけてくださいましたわね……!」
「ごきげんよう、ルセウス殿下。そして聖女ベガ様」
「貴様、アンドロメダ・ヴィオーラ! なぜここに居る?」
しばらくぶりですが、相変わらず殿下はお元気なようです。憎々し気な眼差しも歪んだその表情もやはり魔王様とは全く違っており、その差異にわたくしは妙に安心いたしました。少しでもこの憎しみがゆるんでいたらどうしましょう、と不安でした。殿下はどこまでもご自分らしくふるまっていただければ嬉しいですわ。
純白のドレスを身にまとったベガ様はうっとりするほどにお美しく、その表情には困惑と戸惑いが隠し切れず、その人間的な表情に少しばかり意外さを感じてしまいます。記憶の中での彼女はもっと超然としていて、人を人とも思わないような方でしたのに。
「生きていたの。その姿、やっぱり魔王の手に落ちてしまったのね」
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「えぇ、そういうイベントだものね。来るならここだと思っていたわ」
彼女はひたすらに喚き声を上げる殿下と違い、どこか落ち着いた雰囲気をまとっています。現状を正しく理解し、こちらの意図を寸分たがわず受け止めてくださいます。相手にして不足なし。彼女個人に深い恨みつらみはありませんが、わたくしの世界をぐちゃぐちゃにした張本人。理不尽の象徴。彼女を目指してここまで来た。どうか、全力で『死』合いましょう。
ルセウス殿下はメインディッシュです。身動きが取れぬよう拘束し、周囲の人々の心と身体も支配して一切動かぬように命じておきます。わたくしたちが本気でやりあえば、常人ではたちまち吹き飛んでしまうでしょう。
「場所を変えましょうか」
ベガ様は転移をお使いになり、その後を追いかけていきます。王城のはるか上空に浮かび上がった彼女は素晴らしく均整の取れた身体と長い髪を陽の光で浴びてどこまでも美しい姿を晒しています。
「本当は、あなたとはあんまり戦いたくないんだよね。だって別に、あなたが嫌いなわけじゃないから」
「あら、思ってもみないお言葉ですね。もしもわたくしに多少なりとも好意を持って下さっていれば、国王陛下や殿下の所業を止めてくださればよかったのに」
「それは、少しだけ申し訳ないわ。でもあの人たちは聞く耳を持たないし、そういう『イベント』だから流れに逆らっても上手くいかないと思ったのよ。あのサブキャラの子もそうだけど」
「ヒューベルトのこと?」
「えぇ、そんな名前だったかしら。あまり好みじゃなかったし、イベントも酷いものだったからあまり細かくは覚えていないんだけど」
「意味が分かりませんわ。そういうお話は、もう沢山」
わたくしは魔力を全開にします。聖女相手にわずかな油断はできません。心を乱さず、けれど怒りや憎しみだけは誠心誠意練り上げて、極大魔法を彼女にぶつけます。さすがの聖女様、初撃は簡単に避けてしまわれます。影の触手によって彼女の動きを拘束、しかしこちらも簡単に切り裂いて逃れていきます。どうもこの闇魔法は神聖魔法とは相性が良くないようです。
「そんなことをしても無駄よ、私はレベル上限99! 全ての魔法と全属性を極めているんだから、闇の悪役令嬢になんて絶対負けない」
「あら。わたくしはレベル9999でしてよ」
定められた物語も、常識も、理屈も、全てを呑み込む『理不尽』。
それが今のわたくしです。
「ぐっ、がっ」
ちっともエレガントではないうめき声と共にベガ様は動かなくなりました。体内の生命力は途絶えていませんからまだ生きておられますわね。神聖魔法は闇魔法とは相性が悪く、聖女様は一定の耐性を持っておられました。しかし、それ以外の魔法においては単純なせめぎ合い。数字の上ではこちらが圧倒的に有利。手数と圧倒的な暴力によって彼女を御するのは非常に簡単でした。
かつてわたくしを赤子の手をひねるように弄んだ聖女様でしたが、今度はその逆でしたわね。タピオカ師匠のおかげでしょうか。
ベガ様は美しい容姿が見る影もないほどにボロボロになっておられます。ここまでするつもりはなかったのですが、ついつい力が入ってしまいました。お美しいお顔やお召し物がまぁ見るも無残に。心が痛みますわね。でも、手加減をして足元をすくわれては元も子もありませんから。肉体的な傷は回復魔法で修復できるとして、問題は中身の方でした。
この方、良く見ると魂が二つ重なっているようです。禍々しいほどに輝く白き加護を受けた魂の影に、おびえたように震えるもう一つの魂を見つけました。魂を軽く探ってみると、どうやらこちらがこの肉体の本来の持ち主であるベガ様のようです。どうも別の誰かに憑依されているようです。助けて差し上げることができるかしら? もしも彼女が何の非もないただの被害者だとするなら、『理不尽』に巻き込まれただけの気の毒な方ですものね。魂に触れるのは闇魔法を使えば難しいことではありません。
白い輝きの魂は抵抗しましたが、圧倒的な闇の力に耐えきれず、やがてベガ様の肉体から切り離すことに成功します。肉体から解き放たれた魂が一瞬人間の姿をかたどります。そこにはベガ様と似ても似つかない大人の女性の姿があり、戸惑い恐れるような顔をしたかと思うと、天高く飛び上がり、いつしかその姿は見えなくなっていきます。彼女の痕跡を逃さぬように掴み取り、後でじっくりと対応を考えることにします。ベガ様の身体を治療したのち、魔界に預けてルセウス殿下の元に戻ります。
さぁ、これでもう邪魔者は居ませんわね。今度こそ、心行くまでお話をしましょう。
聖女ベガ様と結婚式を行われる予定だった王宮の広間。
多くの招待客や臣下の方から、ルセウス殿下も含めて誰一人動く人間は居ません。唯一わたくしに対抗可能だった聖女様も既に居ない。
「アンドロメダ、貴様、このような真似をして許されると思っているのか……」
殿下は拘束されても憎まれ口を叩き続けています。大変お元気なご様子ですわね。まぁそうでなくてはこちらとしても面白くありません。
「そのお言葉、そっくりそのままお返しいたしましてよ。わたくしとヒューベルト、そして我がヴィオーラ侯爵家に対する数々の悪逆非道。お許しするわけにはいきません。ねぇ殿下、どうしてそこまでわたくしのことがお嫌いだったのです? なぜ公衆の面前で貶め蔑むほどのことをする必要があったのです。剣を振りかざし、自ら手にかけようとするほどに、わたくしが憎かったのですか?」
「あぁそうだ、憎いとも! 私より優れた魔力を持ち四大魔法を制し、他に比肩するほどのない凄まじい才能を持つ貴様がな!!」
それはむき出しの刃のような憎悪でした。もはや何の虚飾も言い訳もなく、ただ純粋に彼の本音が曝け出されているような言葉です。わたくしは、黙って耳を傾けます。
「お前にわかるか、次期国王候補として生まれ育ち、常に貴様と比較され続けていた私の気持ちなど! 血統を次代に次ぐだけの存在、国を統べる国王とは名ばかりの優れた王妃の影! 貴様との結婚後に訪れる未来は私にとっては地獄だ! この世で最も憎い女の機嫌を取り媚びへつらい、決して満たされぬ渇きを抱き続けて生きる私の苦悩が!!」
「いえ、貴方にご機嫌を窺われたことなど多分一度もありませんわよね」
顔を合わせるたびにとても嫌な顔をされ、好ましい言葉をかけられたことは一度たりともなかったように感じます。殿下にとってはそれでも最大限の譲歩というか媚びだったのかもしれませんが。お話をしているとなんとも想像以上に幼い人であることを感じますわ。
「わたくしのことは別に構いません。好きでも嫌いでもご自由にどうぞ。心までは縛れませんからね、ですが、だからといって他者を理不尽に陥れるなど許されることではありませんわ。そう、世は常に理不尽で救われません。だからこそ、貴き身分であるわたくしたちは自らの感情を律し、ただ国を統べ、民を愛し、自らの心を殺して身を粉にして生き続けるしかないのです。けれど、殿下の気持ちも少しは、いいえとてもたくさん、今のわたくしにはわかりましてよ」
そう、どれだけ気高い誇りを持って生きて来ようとも、そうあるべきことは理解していても、納得のいかない、譲れない想いや感情は確かにあります。たとえそれがどれほど醜くとも許されることがなくとも、心の中だけは自由でいたいのです。そうでなくては、生き続けることはできないから。
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