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ア・ヌンナック編
第2話 ア・ヌンナックⅡ号の内部構造
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スペースコロニーというと、ガンダムのスペースコロニーを想像する人も多いと思う。直径約6.5km、長さ約30km(後期型は40km)の巨大な円筒(シリンダー)で、地球と月との引力の関係が安定する領域「ラグランジュポイント」に設置されていて、2分に1回の割合で回転、居住区域を回転させて遠心力によって擬似重力を得ている。コロニー内部には地球上の環境が再現されており、人々が地球上と変わらない生活ができるようになっている。
ガンダムのスペースコロニーは、恒星系内の惑星近傍で、ラグランジュポイントに設置されるもので、建造も現地(ラグランジュポイント)で行う。建造後、擬似重力を得るためにシリンダーの鉛直方向に回転を始める。理論的には、いったん回転が始まれば「ずっと回転し続ける」ことが可能だ。これは宇宙空間がほぼ真空であり、摩擦や空気抵抗といった回転を減速させる外部要因が非常に少ないためだ。しかし、実際には完全に永続的な回転を維持するのは難しく、状況によっては外部動力による補助が必要になることがある。理論的には。
しかし、回転が減速する可能性はある。
①宇宙空間は完全な真空ではなく、微量の粒子(宇宙塵やガス)が存在する。これがシリンダーの外殻に衝突することで、極めてわずかながら回転エネルギーを奪う。ただし、この影響は非常に小さく、数十年~数百年にわたる時間スケールでしか顕著にならない。
②シリンダー内部の空気や居住者が存在で、彼らの移動や活動が回転軸に対してわずかな摩擦や角運動量の変化を引き起こす可能性がある。特に、空気の粘性や熱対流が内部で発生すると、回転エネルギーが微量ながら散逸する可能性がある。
③シリンダーの材料が完全に均質でなく、微小な変形や振動が発生する場合、内部エネルギーの一部が熱に変換され、回転が減速する可能性がある。
④微小隕石や宇宙デブリがシリンダーに衝突すると、その衝撃が回転速度に影響を与えることがある。これも頻度と規模によるが、長期間では無視できない要因となり得る。
つまり、外部動力(推進力)でシリンダーの回転方向に加速度を与えてやる必要があるということだ。初期にシリンダーを回転させる際(スピンアップする時)に外部動力(推進力)は最も多く必要だ。一度回転が安定すれば、宇宙空間の低抵抗環境のおかげで追加エネルギーの投入は最小限で済む。太陽光発電や核融合炉を搭載していれば、微調整や補正のためのエネルギーは賄える。
ア・ヌンナックⅡ号の内殻の直径は17キロなので、内殻表面で0.8Gの疑似重量を得るためには、3.45分に1回の回転ですむ。ガンダムのスペースコロニー(直径約6.5km、長さ約30km)が2分に1回の割合で回転と書いてあるアニメ、漫画があるが、ガンダムの場合のシリンダーの内殻が5.5キロ(外殻と内殻の間に500メートルの岩石層を設ける)だとすると、内殻表面の擬似重力は約0.77Gとなる。コロニーのサイズにより、回転速度は異なるということだ。
よくSFのスペースオペラ小説、漫画原作、マンガ、アニメで「コロニー内部には地球上の環境が再現されており、人々が地球上と変わらない生活ができるようになっている」を実現するために、内殻内部に無造作に摩天楼のような高層建築や高速道路を描写しているものがあるが、コロニー設計者にそんなものを作りたいと言ったら即却下である。
②シリンダー内部の空気や居住者が存在で、彼らの移動や活動が回転軸に対してわずかな摩擦や角運動量の変化を引き起こす可能性がある。特に、空気の粘性や熱対流が内部で発生すると、回転エネルギーが微量ながら散逸する可能性がある。
なのだから、無秩序に摩天楼のような高層建築など建造したら、回転軸に対して大きな摩擦や角運動量の変化を引き起こす。内殻内部の質量も不均質になるので、回転軸方向だけではなく、シリンダーの垂直方向にも余計な角運動量が働き、シリンダーの北極と南極が尻振り運動をしてしまう。そうすると、シリンダーの垂直方向の姿勢制御のための外部動力も大きくしなければならない。
第一、シリンダー内殻に摩天楼のような高層建築をどうやって固定するのか?地球上ではないので、地層に杭を打設するなんてことはできない。内殻に建造物の構造体支持のための杭を溶接しないとならない。
この理由のため、シリンダー内殻の構造物は、360度均等に設置する必要がある。無秩序に(今の新宿のビル群のように)高層建築を建造するなどとんでもない話だ。
例えば、ア・ヌンナックⅡ号に建造物を内殻表面に設置する場合、360度に対して、建造物の間隔を1キロとすると、円周長約53.407キロメートルを基に、360度を53等分(53箇所)に分けて設置可能だ。この場合、建造物間の角度は約6.792度となる。
ガンダムのコロニーの場合なら、内殻直径が5.5キロメートルだから、間隔1キロメートルで建造物を設置すると、円周長約17.279キロメートルを基に、360度を17等分(17箇所)に分けて設置可能で、この場合、建造物間の角度は約21.176度となる。
この建造物も日本の高層マンションなどという代物ではなく、せいぜい五階(20メートル以下)の低層マンション(それも53箇所、17箇所で同じ質量の建造物だから、デザインもあまり凝ることができない)としなければ、コロニー設計者の頭痛がひどくなる。さらに、配置もコロニーの長さ方向で均等に配置する必要がある。コロニーの北極方向と南極方向で重心が違っては尻振り運動を起こしてしまう。
とまあ以上、SFのスペースオペラ小説、漫画原作、マンガ、アニメに慣れた人からすると、スペースコロニーの内部は、それらに描写されるような派手さはまったくない。むろん、架空(首都高みたいな)の高速道路などとんでもない。地面に這いつくばった道路としないといけない。内殻に架空の高速道路をどうやって溶接固定するんだ?だから、私は、物理法則を無視した設計など知らないああいう類の創作は嫌いなのだ・・・と私情を挟んではいけない・・・
内殻表面を土壌で覆うとして、樹木を植えるなら、根っこの成長を考慮して、土壌(地層)の厚みは50メートル以上は必要だ。それを内殻表面で均質に覆う?冗談ではない。何兆トンの土壌が必要なのだ?
樹木の場合なら、低層建造物の周囲に八箇所とか十六箇所の均等な場所に、円形か正四角形の形状の深さ15メートルほどの樹木生育スペースを設置する。なぜ、15メートルかと言うと、低層建造物が20メートル以下だから、低層建造物の屋上から橋をかけやすいためと、樹木の根が伸びても内殻に届かない深さだからだ。
それで、あまりに殺風景なので、低層建造物の間は、穀物、野菜、低木の果樹などの生育スペースを設ける。これは大きくても良いし、深さも1メートル程度で良い。池や湖なども数メートル深さで均等に配置する。そして、内殻に固定しない深さ50センチ程度の土壌をそれらの間に慣らして整地する。
しかし、土壌は、姿勢制御の時に動いてしまう。例えば、ミカンの木箱(今どきそんなものはないが)に土を入れて蹴ってみる。そうすると、土は蹴った方向に動いてしまう。それは木箱の土の底面の摩擦と上面の摩擦のない部分で加速移動が異なるからだ。水深が浅くなった湾や波打ち際で波が急に高くなるのと同じことだ。
さて、ア・ヌンナックⅡ号(直径20キロ、長さ50キロのシリンダー型恒星間航行船)は、スペースコロニーという呼称だが(スペースハビタット、Space Habitat、宇宙居住地、スペースセツルメント、Space Settlement、宇宙居留地)、みなが想像するような宇宙船ではない。
ガンダムのいんだらコロニーのようではない。ラグランジュポイントに恒久的に設置されるものとは違う。恒星間航行船なのだ。
つまり、ガンダムのいんだらコロニーみたいに、たまに微調整で回転方向に加速してやったり、円筒の垂直方向に小さなエンジンがついている代物とはまったく違う。
ガンダムのスペースコロニーは、恒星系内の惑星近傍で、ラグランジュポイントに設置されるもので、建造も現地(ラグランジュポイント)で行う。建造後、擬似重力を得るためにシリンダーの鉛直方向に回転を始める。理論的には、いったん回転が始まれば「ずっと回転し続ける」ことが可能だ。これは宇宙空間がほぼ真空であり、摩擦や空気抵抗といった回転を減速させる外部要因が非常に少ないためだ。しかし、実際には完全に永続的な回転を維持するのは難しく、状況によっては外部動力による補助が必要になることがある。理論的には。
しかし、回転が減速する可能性はある。
①宇宙空間は完全な真空ではなく、微量の粒子(宇宙塵やガス)が存在する。これがシリンダーの外殻に衝突することで、極めてわずかながら回転エネルギーを奪う。ただし、この影響は非常に小さく、数十年~数百年にわたる時間スケールでしか顕著にならない。
②シリンダー内部の空気や居住者が存在で、彼らの移動や活動が回転軸に対してわずかな摩擦や角運動量の変化を引き起こす可能性がある。特に、空気の粘性や熱対流が内部で発生すると、回転エネルギーが微量ながら散逸する可能性がある。
③シリンダーの材料が完全に均質でなく、微小な変形や振動が発生する場合、内部エネルギーの一部が熱に変換され、回転が減速する可能性がある。
④微小隕石や宇宙デブリがシリンダーに衝突すると、その衝撃が回転速度に影響を与えることがある。これも頻度と規模によるが、長期間では無視できない要因となり得る。
つまり、外部動力(推進力)でシリンダーの回転方向に加速度を与えてやる必要があるということだ。初期にシリンダーを回転させる際(スピンアップする時)に外部動力(推進力)は最も多く必要だ。一度回転が安定すれば、宇宙空間の低抵抗環境のおかげで追加エネルギーの投入は最小限で済む。太陽光発電や核融合炉を搭載していれば、微調整や補正のためのエネルギーは賄える。
ア・ヌンナックⅡ号の内殻の直径は17キロなので、内殻表面で0.8Gの疑似重量を得るためには、3.45分に1回の回転ですむ。ガンダムのスペースコロニー(直径約6.5km、長さ約30km)が2分に1回の割合で回転と書いてあるアニメ、漫画があるが、ガンダムの場合のシリンダーの内殻が5.5キロ(外殻と内殻の間に500メートルの岩石層を設ける)だとすると、内殻表面の擬似重力は約0.77Gとなる。コロニーのサイズにより、回転速度は異なるということだ。
よくSFのスペースオペラ小説、漫画原作、マンガ、アニメで「コロニー内部には地球上の環境が再現されており、人々が地球上と変わらない生活ができるようになっている」を実現するために、内殻内部に無造作に摩天楼のような高層建築や高速道路を描写しているものがあるが、コロニー設計者にそんなものを作りたいと言ったら即却下である。
②シリンダー内部の空気や居住者が存在で、彼らの移動や活動が回転軸に対してわずかな摩擦や角運動量の変化を引き起こす可能性がある。特に、空気の粘性や熱対流が内部で発生すると、回転エネルギーが微量ながら散逸する可能性がある。
なのだから、無秩序に摩天楼のような高層建築など建造したら、回転軸に対して大きな摩擦や角運動量の変化を引き起こす。内殻内部の質量も不均質になるので、回転軸方向だけではなく、シリンダーの垂直方向にも余計な角運動量が働き、シリンダーの北極と南極が尻振り運動をしてしまう。そうすると、シリンダーの垂直方向の姿勢制御のための外部動力も大きくしなければならない。
第一、シリンダー内殻に摩天楼のような高層建築をどうやって固定するのか?地球上ではないので、地層に杭を打設するなんてことはできない。内殻に建造物の構造体支持のための杭を溶接しないとならない。
この理由のため、シリンダー内殻の構造物は、360度均等に設置する必要がある。無秩序に(今の新宿のビル群のように)高層建築を建造するなどとんでもない話だ。
例えば、ア・ヌンナックⅡ号に建造物を内殻表面に設置する場合、360度に対して、建造物の間隔を1キロとすると、円周長約53.407キロメートルを基に、360度を53等分(53箇所)に分けて設置可能だ。この場合、建造物間の角度は約6.792度となる。
ガンダムのコロニーの場合なら、内殻直径が5.5キロメートルだから、間隔1キロメートルで建造物を設置すると、円周長約17.279キロメートルを基に、360度を17等分(17箇所)に分けて設置可能で、この場合、建造物間の角度は約21.176度となる。
この建造物も日本の高層マンションなどという代物ではなく、せいぜい五階(20メートル以下)の低層マンション(それも53箇所、17箇所で同じ質量の建造物だから、デザインもあまり凝ることができない)としなければ、コロニー設計者の頭痛がひどくなる。さらに、配置もコロニーの長さ方向で均等に配置する必要がある。コロニーの北極方向と南極方向で重心が違っては尻振り運動を起こしてしまう。
とまあ以上、SFのスペースオペラ小説、漫画原作、マンガ、アニメに慣れた人からすると、スペースコロニーの内部は、それらに描写されるような派手さはまったくない。むろん、架空(首都高みたいな)の高速道路などとんでもない。地面に這いつくばった道路としないといけない。内殻に架空の高速道路をどうやって溶接固定するんだ?だから、私は、物理法則を無視した設計など知らないああいう類の創作は嫌いなのだ・・・と私情を挟んではいけない・・・
内殻表面を土壌で覆うとして、樹木を植えるなら、根っこの成長を考慮して、土壌(地層)の厚みは50メートル以上は必要だ。それを内殻表面で均質に覆う?冗談ではない。何兆トンの土壌が必要なのだ?
樹木の場合なら、低層建造物の周囲に八箇所とか十六箇所の均等な場所に、円形か正四角形の形状の深さ15メートルほどの樹木生育スペースを設置する。なぜ、15メートルかと言うと、低層建造物が20メートル以下だから、低層建造物の屋上から橋をかけやすいためと、樹木の根が伸びても内殻に届かない深さだからだ。
それで、あまりに殺風景なので、低層建造物の間は、穀物、野菜、低木の果樹などの生育スペースを設ける。これは大きくても良いし、深さも1メートル程度で良い。池や湖なども数メートル深さで均等に配置する。そして、内殻に固定しない深さ50センチ程度の土壌をそれらの間に慣らして整地する。
しかし、土壌は、姿勢制御の時に動いてしまう。例えば、ミカンの木箱(今どきそんなものはないが)に土を入れて蹴ってみる。そうすると、土は蹴った方向に動いてしまう。それは木箱の土の底面の摩擦と上面の摩擦のない部分で加速移動が異なるからだ。水深が浅くなった湾や波打ち際で波が急に高くなるのと同じことだ。
さて、ア・ヌンナックⅡ号(直径20キロ、長さ50キロのシリンダー型恒星間航行船)は、スペースコロニーという呼称だが(スペースハビタット、Space Habitat、宇宙居住地、スペースセツルメント、Space Settlement、宇宙居留地)、みなが想像するような宇宙船ではない。
ガンダムのいんだらコロニーのようではない。ラグランジュポイントに恒久的に設置されるものとは違う。恒星間航行船なのだ。
つまり、ガンダムのいんだらコロニーみたいに、たまに微調整で回転方向に加速してやったり、円筒の垂直方向に小さなエンジンがついている代物とはまったく違う。
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