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ヒメと明彦5、美姫編
第40話 盗み聞き
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20世紀のいつか、良子大学1、芳子大学1、明彦大学2、雅子大学3
ファンの知り合いのプータローたちが中華街近くの喫茶店でだべっていた。ソファーの背もたれは背が高く、隣は見えない。観葉植物が目隠し代わりに置いてあった。目隠しの後ろの隣のブースで、北京語で喋っている男二人がいた。プータローは、もちろん、各地の中国語はわかる。仲間とだべりながら、彼は聞き耳を立てた。
「ふ~ん、一網打尽じゃないか?」
「俺とお前と跡継ぎだけだよ。あとはみんなしょっぴかれた」
「現場に居たウチの二人は?」
「一人は刑事みたいなのに連行された。もう一人も在日米軍郵便局からずらがろうとして、外に出たところを県警に逮捕された。現場に居た米兵三人には昨日、事情を聞いた。襲撃したのは、男三人、女二人らしい。みんなバラクラバ帽を被っていたので、面がわからねえ。男の内、一人は刑事らしい。警察バッジを人質に見せていたようだ。残りの二人は、米兵は日本人じゃねえんじゃないかと言っている。中華街のもんかもしれない。女二人はわかんねえ。背高のっぽと中背の女で、背高のっぽはめっぽう腕がたつみたいだ。ウチのもんは背高のっぽにアッという間にのされたそうだ。米兵の方も、このねえちゃんに金玉を蹴られて、二人はエアガンで撃たれたってことだ。先に一人だけ、人質を連れ出した。残りの4人は、刑事らしい男が連れ出した。新聞発表では、行方不明者の人質4人が発見、と言ってる。だから、一人はどっかに消えたんだ。その一人は最後にウチのもんが連れてきた女の子だって米兵は言ってる。ウチの人間二人とも県警にいるんで、誰から買ったのか、わかんねえ」
「損害額は?」
「5人で、4千万円はくだらないだろうな。香港でのオークション次第だったが。痛いのは、これで人身売買が露見したから、ノースピアはもう使えない。米兵も内部でバレるのをビビって、協力してくれない。まいったな。台湾への上納金が払えなくなったぜ」
「その詰め腹はトップと跡継ぎにやらせりゃいい。俺たちには関係ない。しかし、この落とし前はつけないと、俺とお前のメンツに関わる」
「今、加賀町署のスパイに調べさせているが、警察の末端の人間だから、時間がかかるかもしれねえ」
「そのスパイって誰だ?」
「電話交換兼受付の交通係のねえちゃんなんだ。だから、刑事課の話は、少しずつ聞きまわらないと集まんねえんだ」
「しまったな。もっと上のを弱みを掴んでスパイにしておけば良かったな」
「後の祭りだ。いまさら言ってもしょうがねえ」
「事情はわかった。跡継ぎに報告しておく。次の打合せ、ここで明後日、同じ時間でどうだ?」
「問題ないぜ」
「よし、お前、先に出ろ。俺は、後から支払いを済ませて出る。じゃあな」
「あばよ」
プータローは、なんとなく感づいた。これは、ファンファンが調べていた林田達夫がらみじゃねえかな?彼は、小声で手下に先に店を出たヤツの後をつけろと指示した。のっそりと時間をおいて、手下は店を出た。支払いをしたやつももう一人の手下に後をつけさせた。
彼は、ちょっと考えた。張芳芳はどこにいるだろうか?張家の事務所じゃねえよな?自宅か?月曜の午後だからな。大学に行っているかもしれん。だけど、念のため、自宅に連絡してみようか?公衆電話を探した。あった。手帳を調べる。張芳芳、張芳芳。あった。
「もしもし、張ですが」とお手伝いさんが電話に出た。あの家はお手伝いを何人も雇っているんだろう?。金持ちだよ。こっちの小遣いもはずんでもらわないと。
「もしもし、私は、ジミー・周と言いますが、お嬢さんは、ファンファンさんは、ご在宅でしょうか?」
「ジミー・シュー様?少々、お待ち下さい。お嬢様にお聞きしてまいります」4分くらい待った。ファンファン、便所でも入ってるのか?やっと電話に出た。
「ジミー、どうしたの?何の用?一昨日のお礼なら、今、金を工面しているよ。パパにおねだりして、くすねている最中だ。バレたらまずいからな」
「あれ?金じゃなくて、デートだろ?それで、一発やらしてくれるんだろ?」
「まぁ~ったく、ジミーは、やらしてくれる女、たくさんいるじゃんか!」
「俺は、高嶺の花のファンファンとやりてえんだよ。おっと、無駄口はいいから、会えないか?今、剣呑なやつ二人が話しているのを聞いちまったんだ。あの新聞沙汰の人身売買の話だ。台湾野郎でしょっぴかれてないヤツが話しているのを聞いた。それで、俺は、ファンファンに言った林田と関わりがあるんじゃないかと思ったんだ。かなりヤバい話だ。ヤツら、加賀町署の電話交換兼受付の交通係のねえちゃんをスパイにしているらしいぜ。だから、サツ内部の話もいずれ漏れるかもしれないぜ」
「ジミー、今どこにいる?」
「加賀町署の近くの横浜公園よりのサテンの近くの公衆電話からかけてる」
「いつものお前らのたまり場のサテンだね?」
「そうだ」
「わかった。すぐ行く。20分、待っていてくれ」
「了解だ。このネタなら、一発、やらしてくれるかい?」
「私とやったら、東京湾にコンクリ詰めで沈められるって知ってるくせに」
「それだけの価値はあらあな。なんせ、ファンファンなんだから」
「やれやれ。カタギのねえちゃんを紹介してやるから。紹介だけだ。売春斡旋じゃないよ。落とすのはジミー次第だよ」
「仕方ねえな。じゃあ、待ってるよ」
ファンの知り合いのプータローたちが中華街近くの喫茶店でだべっていた。ソファーの背もたれは背が高く、隣は見えない。観葉植物が目隠し代わりに置いてあった。目隠しの後ろの隣のブースで、北京語で喋っている男二人がいた。プータローは、もちろん、各地の中国語はわかる。仲間とだべりながら、彼は聞き耳を立てた。
「ふ~ん、一網打尽じゃないか?」
「俺とお前と跡継ぎだけだよ。あとはみんなしょっぴかれた」
「現場に居たウチの二人は?」
「一人は刑事みたいなのに連行された。もう一人も在日米軍郵便局からずらがろうとして、外に出たところを県警に逮捕された。現場に居た米兵三人には昨日、事情を聞いた。襲撃したのは、男三人、女二人らしい。みんなバラクラバ帽を被っていたので、面がわからねえ。男の内、一人は刑事らしい。警察バッジを人質に見せていたようだ。残りの二人は、米兵は日本人じゃねえんじゃないかと言っている。中華街のもんかもしれない。女二人はわかんねえ。背高のっぽと中背の女で、背高のっぽはめっぽう腕がたつみたいだ。ウチのもんは背高のっぽにアッという間にのされたそうだ。米兵の方も、このねえちゃんに金玉を蹴られて、二人はエアガンで撃たれたってことだ。先に一人だけ、人質を連れ出した。残りの4人は、刑事らしい男が連れ出した。新聞発表では、行方不明者の人質4人が発見、と言ってる。だから、一人はどっかに消えたんだ。その一人は最後にウチのもんが連れてきた女の子だって米兵は言ってる。ウチの人間二人とも県警にいるんで、誰から買ったのか、わかんねえ」
「損害額は?」
「5人で、4千万円はくだらないだろうな。香港でのオークション次第だったが。痛いのは、これで人身売買が露見したから、ノースピアはもう使えない。米兵も内部でバレるのをビビって、協力してくれない。まいったな。台湾への上納金が払えなくなったぜ」
「その詰め腹はトップと跡継ぎにやらせりゃいい。俺たちには関係ない。しかし、この落とし前はつけないと、俺とお前のメンツに関わる」
「今、加賀町署のスパイに調べさせているが、警察の末端の人間だから、時間がかかるかもしれねえ」
「そのスパイって誰だ?」
「電話交換兼受付の交通係のねえちゃんなんだ。だから、刑事課の話は、少しずつ聞きまわらないと集まんねえんだ」
「しまったな。もっと上のを弱みを掴んでスパイにしておけば良かったな」
「後の祭りだ。いまさら言ってもしょうがねえ」
「事情はわかった。跡継ぎに報告しておく。次の打合せ、ここで明後日、同じ時間でどうだ?」
「問題ないぜ」
「よし、お前、先に出ろ。俺は、後から支払いを済ませて出る。じゃあな」
「あばよ」
プータローは、なんとなく感づいた。これは、ファンファンが調べていた林田達夫がらみじゃねえかな?彼は、小声で手下に先に店を出たヤツの後をつけろと指示した。のっそりと時間をおいて、手下は店を出た。支払いをしたやつももう一人の手下に後をつけさせた。
彼は、ちょっと考えた。張芳芳はどこにいるだろうか?張家の事務所じゃねえよな?自宅か?月曜の午後だからな。大学に行っているかもしれん。だけど、念のため、自宅に連絡してみようか?公衆電話を探した。あった。手帳を調べる。張芳芳、張芳芳。あった。
「もしもし、張ですが」とお手伝いさんが電話に出た。あの家はお手伝いを何人も雇っているんだろう?。金持ちだよ。こっちの小遣いもはずんでもらわないと。
「もしもし、私は、ジミー・周と言いますが、お嬢さんは、ファンファンさんは、ご在宅でしょうか?」
「ジミー・シュー様?少々、お待ち下さい。お嬢様にお聞きしてまいります」4分くらい待った。ファンファン、便所でも入ってるのか?やっと電話に出た。
「ジミー、どうしたの?何の用?一昨日のお礼なら、今、金を工面しているよ。パパにおねだりして、くすねている最中だ。バレたらまずいからな」
「あれ?金じゃなくて、デートだろ?それで、一発やらしてくれるんだろ?」
「まぁ~ったく、ジミーは、やらしてくれる女、たくさんいるじゃんか!」
「俺は、高嶺の花のファンファンとやりてえんだよ。おっと、無駄口はいいから、会えないか?今、剣呑なやつ二人が話しているのを聞いちまったんだ。あの新聞沙汰の人身売買の話だ。台湾野郎でしょっぴかれてないヤツが話しているのを聞いた。それで、俺は、ファンファンに言った林田と関わりがあるんじゃないかと思ったんだ。かなりヤバい話だ。ヤツら、加賀町署の電話交換兼受付の交通係のねえちゃんをスパイにしているらしいぜ。だから、サツ内部の話もいずれ漏れるかもしれないぜ」
「ジミー、今どこにいる?」
「加賀町署の近くの横浜公園よりのサテンの近くの公衆電話からかけてる」
「いつものお前らのたまり場のサテンだね?」
「そうだ」
「わかった。すぐ行く。20分、待っていてくれ」
「了解だ。このネタなら、一発、やらしてくれるかい?」
「私とやったら、東京湾にコンクリ詰めで沈められるって知ってるくせに」
「それだけの価値はあらあな。なんせ、ファンファンなんだから」
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