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加藤恵美・真理子編
第1話 メグミと 1
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🟢「よこはま物語 壱½」は、「よこはま物語 参」の後のエピソードで、本当は「よこはま物語 参½」なんですが、参が未公開なのでこう名付けました。
「よこはま物語 参」の後の秋、小森雅子は京都に去り、美姫と良子も明彦の元から去ってしまって、一人ぼっちの彼をこれから公開する「清美編」「加藤恵美編」「恭子編」で書いてみようかなと思ってます。「薫編」は明彦が就職して、絵美はニューヨークに留学している頃のお話。
「島津洋子・森絵美編」は、小森雅子が京都に去り、同じ年の12月、彼は島津洋子に出会います。翌年の二月に森絵美と出会う。その後、彼女も日本の大学院からニューヨーク市立大学に去ってしまうという一連のお話。挿話として、小森雅子が京都に去ってしまう顛末を書きました。
┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈
ぼくが女の子にも性欲がある、それも男の子に勝るとも劣らないような性欲がある、と認識したのは、ぼくが16才の時だった。もちろん、女の子は男の子じゃない。セックスなんてしないでも平気なことが多い。個人差があるのだ。
ぼくは飯田橋のルノアールで加藤さんとコーヒーを飲んでいた。加藤恵美は、堀向こうの大学の美術部の部員だ。加藤さんはぼくの女友達(この言葉というのは、友達でたまたまそれが女の子だということだ)の真理子の友達なんだ。加藤さんを知ったのも真理子の紹介から。
「あら?そういえば私の友達も美術部なのよ。加藤恵美っていうの。今度紹介したげるから」というので、紹介してもらった。何度か、真理子と加藤さんと三人で会っている内に、ぼくの大学と加藤さんの大学の美術部で合同展覧会でもやろうか?ということになった。ぼくは平日だったが、5月4日でどう?と二人に聞いた。二人ともその日の午後はGWの最後で空いていた。だから、デートというわけじゃない。
真理子と加藤さんと待ち合わせをして、ダベっていたのだが、話は合同展覧会の話になる、真理子は美術には興味がない。真理子は「今日は忙しいから、二人でもっとあなたたちの展覧会の相談をしていてよ。私は音楽系なので、悪いわね」といって、渋谷の屋根裏とかいうロフトに行ってしまった。
「そっちは何点くらい展示できそうなの?」と加藤さんが訊いた。
「そうだな」とぼくはメモを見て「100号出したいってヤツがいてさ。その他は30号3点、20号2点、10号3点、6号5点、SM2点ぐらいかなあ・・・」
「あら、じゃあ、こっちの方が多いわよ」
「そりゃあ、加藤さんのところは部員も多いしね」
「費用の割り方どうする?」
「号数の合計ってわけにもいかないから、そっちが6割でこちらが4割じゃあどうなのかな?」
「すごくざっくりした割り方ね」
「こんなものは細かく計算したってしょうがないよ。それでよければ、こっちはぼくが納得させるからさ」
「私たちはそれでいいわ」
「じゃあ、それで決まりだ」
「それでね、場所は四谷の・・・」
招待状の分担、招待者のリストアップ、具象か抽象か、どう配置するか、だいたいのところを打ち合わせして、じゃあ、あとはスタジオ見てから詳細は決めよう、スタジオを見学する日は来週でいいかな?そっちはメグミがずっと担当するの?こっちがぼくが担当だ、と展覧会の話はいちおう終わり。
真理子は、大学にパンツスーツを着てきたりして、フォーマルな服装を好む。加藤さんはというと、かなりカジュアルな服装だ。今日はダンガリーの半袖シャツにデニムのミニスカート。スカイブルーのサマーセーターを首のところで結んで背中に回している。
真理子は長髪で面長の美人だ。加藤さんは、ショートヘアで、キャンディーズのランちゃんみたいな顔立ちをしている。スプーンでコーヒーをぐるぐるかき混ぜている。そんなに混ぜなくてももう十分だと思うけど、ペンを指先でクルクルやるような癖かも。かき混ぜるのがすんで、彼女はカップを両手で持って、コーヒーを飲み始めた。「宮部くん?」と彼女がコーヒーカップの縁越しにぼくを見ながら言う。「用事終わったのよね」
「そうだね、今日のところは」
「それで、宮部くんは帰っちゃうのよね、メグミにバイバイって言って」
「何かあるの?」
「何にもないわよ。何にもないから困っている」
「何が?」
「一緒にいる理由!」彼女は髪の毛を指で梳きながらちょっと怒ったように言った。
「いいよ、何かあるのならつき合うよ。買い物?本屋かい?」とぼくは何が彼女の気に入らないのかわからなかったので、当てずっぽうで言う。
「そういうことじゃないのよ」と彼女が頭を振りながら言った。「鈍感ね、宮部くんは・・・」
「え?」
「あのね」と加藤さんが言う。「ちょっと、訊いてもいい?」
「どうぞ」
「宮部くんとマリって、どのくらいの関係なの?」
「う~ん、どのくらいっていわれてもなあ・・・週に二度ほど会って、買い物したり本屋に行ったり、だべったり、ちょっとお酒を飲んだり、という関係?」
「ふ~ん、あのね・・・」
「なに?」
「宮部くんとマリ、肉体関係ってあるの?」
「バ、バカ・・・加藤さんは何を訊くんだか・・・な、ないよ」
「キスとかは?」
「ないよ」
「じゃあ、単なる友達?」
「いや、週に2度会っているんだから、仲のいい友達なんだろうね」
「キスしたいとか、セックスしたいとか思わないの?」
「真理子がどう思っているか知らないけど、まだ知り合って2ヶ月くらいだからね」
「宮部くん、知り合う期間が長ければ、キスとかセックスとかしてもいいってことなの?」
「そういう話じゃないって・・・」
「そう」と加藤さんは言った「じゃあさ、メグミが宮部くんとエッチしたいって言ったらしてくれる?」
「おいおい・・・」
「冗談よ、冗談」
「まったく・・・」
「あのね?」
「なに?変な質問じゃないだろうね?」
「どうして、私って生理の前になると無性にセックスがしたくなるんだろう?」
「変な質問じゃないか!」
「そう?でも、どうして?」
「それって、排卵が近づいて、子供が出来ますよ、子供を作ってくださいって、体が要求しているからじゃないか?」
「そうなの?メグミの体が子供を欲しがっているってこと?」
「そうとしか考えられないよ。だから、男の子が欲しいんじゃなくて、子供が欲しいからセックスしたくなるんじゃないの?」
「そうなんだ・・・あのね?」
「また、なに?」
「いま、その生理直前なの」
「だ、だから?」
「欲しいの・・・」
「加藤さんね、キミは真理子の友達で、ぼくは真理子からキミを紹介されたんだよ」
「だから?」
「だから、キミはぼくの友達の友達であって・・・」
「あら?メグミは宮部くんの友達じゃないの?」
「順序と階層の問題だと思うけど・・・」
「じゃ、マリよりも先にメグミと会っていたら優先順位が違ったということ?時間差の問題なの?近しさの問題じゃないの?」
「う~ん、・・・」
「だって、宮部くんはマリと何もないんでしょ?」
「そういわれれば、何もないとも言えるけどさ」
「じゃあ、メグミとエッチしたって構わないじゃない?」
「だって、ぼくとメグミと会ってまだ三週間くらいだよ?五回くらい会っただけだよ、それも真理子と一緒に」
「よこはま物語 参」の後の秋、小森雅子は京都に去り、美姫と良子も明彦の元から去ってしまって、一人ぼっちの彼をこれから公開する「清美編」「加藤恵美編」「恭子編」で書いてみようかなと思ってます。「薫編」は明彦が就職して、絵美はニューヨークに留学している頃のお話。
「島津洋子・森絵美編」は、小森雅子が京都に去り、同じ年の12月、彼は島津洋子に出会います。翌年の二月に森絵美と出会う。その後、彼女も日本の大学院からニューヨーク市立大学に去ってしまうという一連のお話。挿話として、小森雅子が京都に去ってしまう顛末を書きました。
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ぼくが女の子にも性欲がある、それも男の子に勝るとも劣らないような性欲がある、と認識したのは、ぼくが16才の時だった。もちろん、女の子は男の子じゃない。セックスなんてしないでも平気なことが多い。個人差があるのだ。
ぼくは飯田橋のルノアールで加藤さんとコーヒーを飲んでいた。加藤恵美は、堀向こうの大学の美術部の部員だ。加藤さんはぼくの女友達(この言葉というのは、友達でたまたまそれが女の子だということだ)の真理子の友達なんだ。加藤さんを知ったのも真理子の紹介から。
「あら?そういえば私の友達も美術部なのよ。加藤恵美っていうの。今度紹介したげるから」というので、紹介してもらった。何度か、真理子と加藤さんと三人で会っている内に、ぼくの大学と加藤さんの大学の美術部で合同展覧会でもやろうか?ということになった。ぼくは平日だったが、5月4日でどう?と二人に聞いた。二人ともその日の午後はGWの最後で空いていた。だから、デートというわけじゃない。
真理子と加藤さんと待ち合わせをして、ダベっていたのだが、話は合同展覧会の話になる、真理子は美術には興味がない。真理子は「今日は忙しいから、二人でもっとあなたたちの展覧会の相談をしていてよ。私は音楽系なので、悪いわね」といって、渋谷の屋根裏とかいうロフトに行ってしまった。
「そっちは何点くらい展示できそうなの?」と加藤さんが訊いた。
「そうだな」とぼくはメモを見て「100号出したいってヤツがいてさ。その他は30号3点、20号2点、10号3点、6号5点、SM2点ぐらいかなあ・・・」
「あら、じゃあ、こっちの方が多いわよ」
「そりゃあ、加藤さんのところは部員も多いしね」
「費用の割り方どうする?」
「号数の合計ってわけにもいかないから、そっちが6割でこちらが4割じゃあどうなのかな?」
「すごくざっくりした割り方ね」
「こんなものは細かく計算したってしょうがないよ。それでよければ、こっちはぼくが納得させるからさ」
「私たちはそれでいいわ」
「じゃあ、それで決まりだ」
「それでね、場所は四谷の・・・」
招待状の分担、招待者のリストアップ、具象か抽象か、どう配置するか、だいたいのところを打ち合わせして、じゃあ、あとはスタジオ見てから詳細は決めよう、スタジオを見学する日は来週でいいかな?そっちはメグミがずっと担当するの?こっちがぼくが担当だ、と展覧会の話はいちおう終わり。
真理子は、大学にパンツスーツを着てきたりして、フォーマルな服装を好む。加藤さんはというと、かなりカジュアルな服装だ。今日はダンガリーの半袖シャツにデニムのミニスカート。スカイブルーのサマーセーターを首のところで結んで背中に回している。
真理子は長髪で面長の美人だ。加藤さんは、ショートヘアで、キャンディーズのランちゃんみたいな顔立ちをしている。スプーンでコーヒーをぐるぐるかき混ぜている。そんなに混ぜなくてももう十分だと思うけど、ペンを指先でクルクルやるような癖かも。かき混ぜるのがすんで、彼女はカップを両手で持って、コーヒーを飲み始めた。「宮部くん?」と彼女がコーヒーカップの縁越しにぼくを見ながら言う。「用事終わったのよね」
「そうだね、今日のところは」
「それで、宮部くんは帰っちゃうのよね、メグミにバイバイって言って」
「何かあるの?」
「何にもないわよ。何にもないから困っている」
「何が?」
「一緒にいる理由!」彼女は髪の毛を指で梳きながらちょっと怒ったように言った。
「いいよ、何かあるのならつき合うよ。買い物?本屋かい?」とぼくは何が彼女の気に入らないのかわからなかったので、当てずっぽうで言う。
「そういうことじゃないのよ」と彼女が頭を振りながら言った。「鈍感ね、宮部くんは・・・」
「え?」
「あのね」と加藤さんが言う。「ちょっと、訊いてもいい?」
「どうぞ」
「宮部くんとマリって、どのくらいの関係なの?」
「う~ん、どのくらいっていわれてもなあ・・・週に二度ほど会って、買い物したり本屋に行ったり、だべったり、ちょっとお酒を飲んだり、という関係?」
「ふ~ん、あのね・・・」
「なに?」
「宮部くんとマリ、肉体関係ってあるの?」
「バ、バカ・・・加藤さんは何を訊くんだか・・・な、ないよ」
「キスとかは?」
「ないよ」
「じゃあ、単なる友達?」
「いや、週に2度会っているんだから、仲のいい友達なんだろうね」
「キスしたいとか、セックスしたいとか思わないの?」
「真理子がどう思っているか知らないけど、まだ知り合って2ヶ月くらいだからね」
「宮部くん、知り合う期間が長ければ、キスとかセックスとかしてもいいってことなの?」
「そういう話じゃないって・・・」
「そう」と加藤さんは言った「じゃあさ、メグミが宮部くんとエッチしたいって言ったらしてくれる?」
「おいおい・・・」
「冗談よ、冗談」
「まったく・・・」
「あのね?」
「なに?変な質問じゃないだろうね?」
「どうして、私って生理の前になると無性にセックスがしたくなるんだろう?」
「変な質問じゃないか!」
「そう?でも、どうして?」
「それって、排卵が近づいて、子供が出来ますよ、子供を作ってくださいって、体が要求しているからじゃないか?」
「そうなの?メグミの体が子供を欲しがっているってこと?」
「そうとしか考えられないよ。だから、男の子が欲しいんじゃなくて、子供が欲しいからセックスしたくなるんじゃないの?」
「そうなんだ・・・あのね?」
「また、なに?」
「いま、その生理直前なの」
「だ、だから?」
「欲しいの・・・」
「加藤さんね、キミは真理子の友達で、ぼくは真理子からキミを紹介されたんだよ」
「だから?」
「だから、キミはぼくの友達の友達であって・・・」
「あら?メグミは宮部くんの友達じゃないの?」
「順序と階層の問題だと思うけど・・・」
「じゃ、マリよりも先にメグミと会っていたら優先順位が違ったということ?時間差の問題なの?近しさの問題じゃないの?」
「う~ん、・・・」
「だって、宮部くんはマリと何もないんでしょ?」
「そういわれれば、何もないとも言えるけどさ」
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