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第2章 実と早紀江編
第8話 早紀江の実家、2017年11月19日(日)
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昨日ミノルに渡されたICカードでチケットを買う必要はない。便利な世の中なんだなあ。日曜日の朝なので、常磐線は空いている。ミノルがドアの脇に立ったので彼の腕を取って手を握った。お~、これ、恋人つなぎってやつじゃん!18年間、やって見たかったことをなんと2日で次々としてます、私。次はなんだろ?
東京駅で、シュウマイとお弁当を買った。私は何を買おうか迷っていると、ミノルはシュウマイ弁当をカゴに放り込んでいる。『昔ながらのシウマイ』を10箱買おうとしている。おいおい。
「ミノル!止め!ダメ!賞味期限当日のシュウマイを10箱買うバカがどこにいますか!食べきれないでしょ?」
「え~、面倒じゃん」
こいつ、この方面では絶対に頭がおかしい。私はシュウマイを4箱に減らした。ミノルはなんか少なく見えると言って5箱にする。まあ、私が食べれば良いのか。諦めた。
ミノルと一緒だと、私、太るかもしれないと思った。といいつつ、こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当が私にウィンクした気がしたので、思わずミノルのカゴに入れてしまった。「二つで足りるか?」とか彼はバカなことを言う。さっき朝食食べたばかりじゃないの?
ひかり503号のホームに行く。ICカードなのでどの車輌かわからない。ミノルは私の手を引っ張ってスタスタと歩いていく。いつも出張とか言っていたから慣れてるんだね。そう思って、自由席と思ったら9号車だった。グリーンなの?座席は12C、D。
「ミノル、静岡まで1時間だし、自由席もガラガラなのに」
「ああ、これは無駄遣いじゃないんだ。ぼくの職業に関係する。同じ車輌、同じ席。定点観測みたいなものだよ。尾崎さんも同じ」
「え?・・・何?諜報?」と私は小声で聞いた。
「そういうこと。監視されちゃあいないだろうが、そういうしきたりになってる」
「休日でも?」
「そういう彼氏を持ったのだ。これは諦めなさい」
「ハイ、了解いたしました」
変な人生になりそうだ。興味深いね。だけど、なんで新幹線に乗るとお腹がすくの?私はこぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当をぱくついた。絶対、太る!明日からダイエットと運動しなきゃ。あれ?飲み物は?と思った。
パーサーがワゴン販売でワゴンを押してきた。ふ~ん、自由席とは違ってすぐ来るのね?と思った。ミノルが呼び止めて、私にビールでいいか?と聞く。頬張っていたので私は黙ってうなずいた。
「スミマセン、彼女にプレミアモルツ。ぼくは山崎のミニチュアボトルを3本。ロックで。別のカップにウィルキンソンのソーダをお願いします」と注文した。あれ?パーサーさんが怪訝な顔をしている。
ミノルが「えっと、聞き取れなかったかな?」と言うと彼女が、「いえ、スミマセン。この同じ席で同じご注文をされる方がおりましたので・・・珍しいご注文ですので・・・」と答えた。あれ?
「もしかしたら、失礼ですけど、尾崎さんのお知り合い?」と言う。胸の名札を見ると三國優子とあった。あれれ?キレイな人。なんでミノル関連は美人しかいないの!
「偶然ですね。尾崎は私の上司ですよ」
「あら?失礼いたしました」と彼女はあわてて私のビールとカップを手渡して、ミノルのウィスキーを作り出す。「そうですか。同じ食品会社の・・・」と言うとミノルが「ハイ、高砂食品です」と答えた。ふ~ん、なるほど。防衛省じゃないのね?
「ハイ、どうぞ」と言ってミノルにウィスキーロックとソーダのカップを渡した。ミノルがICカードで精算する。
「そうですか。尾崎と顔見知りの方でしたか。え~っと、三國さん。尾崎に言っておきますよ」
「よろしくお伝え下さい。また飲みましょうと言っておいて下さいね。では、失礼いたします」
ミノルの袖を引いた。小声で「ちょっとぉ、パーサーさんもスパイなの?」と聞く。
「いや、違う。彼女は本当にパーサーで、尾崎さんと知り合いみたいだ」
「だって、尾崎さん、美香さんがいるんだよ?あんなキレイな人と知り合いで、また飲みましょうって親密じゃん!」
「尾崎さんは二股かける人じゃないよ。単なる飲み仲間じゃないの?」
「ミノル、あなた、キレイな単なる飲み仲間の女性の友達いるの?」
「ぼくはいません」
「う~、北千住に帰ったら問い詰めてやる!」
「いる証明はできるけど、いない証明はむずかしいんだぞ」
「なんか腹たってきた!イクラととろサーモンハラス焼き弁当、食べちゃうもん!」
「ぼくのシュウマイ、食べる?」
「もう!シュウマイも食べる!」
「太るよ?」
「食べ物をいっぱい女子高校生に与えておいて、太るよもないもんだわ!『動物に餌を与えないで下さい!』」
「キミ、動物?」
「女子高校生とはいえ、哺乳類の一種には違いありません!」
時計を見るとまだ30分しか経っていなかった。う~ん。そうだ、そうだ。まだやりたいことがあった!
「ねえねえ」
「今度は何だ?」
「18年間でぇ~」
「18年間でやってみたいことがあったんでしょ?今度は何のお芝居をさせたいの?」
「あのね、二人共会社員でミノルが私の上司で新幹線で出張にいくのよ。今みたいに。それで、ミノルが私に車内でセクハラするわけ」
「やれやれ」
私はミノルの手をとって太腿においた。「私のいやらしい上司はこうするの」「それで?」「ミノル!いやらしく手を動かさないとダメ!」「キミ、触ると発情するだろ?」「だから、私は発情しながらも拒否しようとする部下なの」「こうですか?」「もっと揉むの。それで股の付け根までいやらしく手を這わせるの」「こうだね」「そぉ。ア!ヤン!」「それで?」「『早紀江くん、感じてるのか?』ってミノルが言って、私が『人目があります。遠藤課長、お止め下さい!』と言うと『早紀江くん、人目がなければされたいと言うことなのかね?キミはイヤラシイ女なんだね』『ああ、課長、止めて!早紀江を辱めないで!』って言うけど、結局、出張先のホテルで体を奪われてしまうという」
「それ、キミのバンドの処女グループと見たAVのシチュエーション?」
「う~ん、これはあんまりやっても面白くないわね。イヤよ、イヤよ、ってやってみたかったんだけど、イヤじゃなくて、早くベッドに連れてってと思っちゃうから臨場感が薄いわ」
「気が済んだ?」
「ううん、発情だけが早紀江の体に残った!」
「やれやれ」
静岡駅に着くと改札口でお父さんとお母さんが待っていた。もうミノルを満面の笑みを浮かべて、遠藤くん、遠藤くんと呼ぶ。お母さんもミノルをベタベタ触る。これ私が知っているのと同じ父親?人格が違うじゃないの!叔母様の話と違う!・・・ま、確かに大学生同士のデキ婚、無職だった叔父様と違って、ミノルは社会人だからいいのか?
なんなの?確かに背は高いし、イケメンだし、政治家の息子で大学も大学だし、『ぼうえいしょう』ならブランド物なんでしょうけど。私は彼のブランドを知らないで知り合ったんですからね!・・・一昨日・・・
ミノルもミノルよ。昨日の叔父様の家と一緒。ベラベラと嘘を平然とつく。こいつ、防衛省の技官とか言って、実は諜報関連じゃないの?とか思えてきた。
家について、お母さんは本当に赤飯を炊いていた。なんなの?赤飯って、あからさまに私が女になったって話なの?この夫婦、高校3年生の娘が未成年なのに結婚するってのを自覚してるの?近所の人も来て、親戚も来ていた。勘弁してよ。
それをだよ、ミノルは平気の平左で注がれるままにお酒は飲む、お父さんとか言い出して、結納はどういたしましょうか?こちらが先と思いまして、ぼくの実家はまだ知らせてません、いいえ、ご心配なく、早紀江ならウチの家族も大満足ですとかさ。家族同士の対面はこっちでやりますか?あ~、こいつ、そつがないじゃん!私はムカついたので、シュウマイをおかずに赤飯をバクバク食ってやった。
酔っ払いの私の父親は、4WDを運転して、ミノルにお茶畑を見せる。早紀江は一人娘だけど、遠藤くん、気にしなくていいからね。煮ようと焼こうと好きにしてよろしい、だって。呆れ果てる。
実家に戻って、ミノルが「早紀江を私のマンションに引き取りたいのですがお許しいただけますか?」なんて聞くと、「ああ、どうぞ、どうぞ。同棲っていうのかな?結構ですよ。生活費は送りますから」とか言う。「いえ、生活費なんていただけません。お心遣いだけありがたく頂戴いたします。それから、大学は私が責任を持って通わせます。卒業までは子供も作らないつもりです。学費?夫が持つに決まってます。援助はお断りいたします」だってさ。
あ~、こいつら、私を抜きにしてどんどん話を進める。あげくに、入籍は先に。結婚式は静岡と横浜と2回ですかね?来年の卒業後にとか言う。まあ、話がうまく行っていいんだけどさあ。いいのかね?一昨日出会ったばかりの男女なんだよ?内緒だけど。やれやれ、ってミノルの口癖が移ってしまった。
勝手にどんちゃんやり始めたので裏庭に行く。近所の中学校の同級生のアキちゃんがいたので誘った。
「アキちゃん、なにあれ?勝手に話が進んでるんだけど」
「いいじゃない、サキちゃん。羨ましいよ。私なんか彼氏できないもん。紹介してよ」
「私だっていなかったもん」
「なんでいなかったんだろう?サキちゃん、こんなに美人さんなのにね?」
「私、美人じゃないよ。昨日、今日、美人をたくさんみたもん」
「え?」
「こっちの話。ま、つまり、神様の思し召しなのかもね」
「そうか。私も神社さんにお参りしてみようかしら?」
「それは止めたほうが。変な巫女さんに会うかもしれないし」
「え?」
「あ、こっちの話」
「だけどなあ、あの小難しい遠藤のおじさんがはしゃいでるよ」
「なんだかなあ」
「私も東京に出ようかしら?」
「ああ、アキちゃん、大学どうした?」
「私はこっちの公立大学」
「そっか。でも、遊びに来なよ」
「行く行く。北千住なんだって?遠藤さん・・・って変だね。二人共同じ苗字で」
「それも運命なのかもねえ・・・」
「ねえねえ、彼に抱かれちゃったの?」
「ええ~、誰に聞いたの?」
「おばさんが言ってた。ウチの娘も女になったんだって」
「あ~あ。信じられない」
「ねえねえ、どうだったの?痛かったの?」
「それがさあ、最初から感じすぎて気を失った・・・」
「え~、痛くないんだ。私も誰かに抱かれたいなあ」
「確かに、癖になるかもしんない」
「そぉ?」
「うん、何度でもできちゃうよ」
「お熱いことだね。羨ましい」
アキちゃんと座敷に戻った。ミノルの袖を引っ張って「もう、遅いよ。帰らないとダメでしょ!」と言った。日が沈んでいる。泊まっていけとか無茶苦茶言われるのを、明日、私も学校なのよ、ミノルも会社でしょ?と言ってタクシーを呼んでもらった。
タクシーの中でミノルが新幹線を予約している。08:13発、09:09着のひかり634号だそうだ。ハイハイ、また9号車ね。12C、Dだね。
「早紀江、機嫌が悪いじゃないか?」
「別にぃ」
「ほら、なんかふくれてる」
「ミノルが調子いいし、私を抜きに話を進めるからじゃないの!」
「話がうまく進んで怒るやつがあるかい」
「なんか、ムカつくの」
ミノルが。あ!そうだ、忘れていたとカバンをゴソゴソした。キーフォルダーを渡される「これなに?」「ぼくらの部屋の鍵に決まってるじゃないか?キミだけ早い時間に学校から帰ってきて部屋に入れないでしょ?明日から大宮の高校からぼくらのとこにもどってくるんだから。だから、部屋の鍵」
私、急に機嫌が治った!我ながらすごく現金だ!
「それで、明日、また居酒屋のバイト?」とミノルが聞くので「うん、バイトしないと」と言う。なんだか気が進まない。ミノルと一緒にいたい。
「それ、休めない?」
「う~ん、どうかなあ?」
「一身上の都合があるので休みます、とか言えない?」
「なによ、一身上の都合って?」
「明日、残業しないで定時で帰るから、部屋に6時半には帰れる。それで、銀座に婚約指輪を見に行こう」
「ハ、ハイ?」
「婚約指輪を買いに行きますので、バイト休ませて下さいって言うのさ」
「早紀江、かんっぜんに機嫌が治った!休む!バイト、休む!」
「そおこなくっちゃ。じゃあ、明日は婚約指輪の日だ」
「ねえねえ、今晩、女子高生の体をを蹂躙して激しく犯してもいいからね!」
「あのさ、キミ、明日、朝、早いんじゃない?」
「あ、そっか。始業時間が08:40だからぁ、北千住から大宮だと・・・え~っと遅くても7時半には部屋を出たほうが良いね」
「ぼくは7時に出ないと」
「じゃあ、早紀江も7時に出る!」
「早すぎない?」
「ううん、途中まで一緒に行っちゃダメ?」
「問題ないよ」
「こういう具体的な話が同棲とか結婚なんだね?テレビドラマとかラブコメと違う!」
「普通、こんな細かい話は書かないよ」
「うん。でも、本当はこういうのなんだね。しみじみ感心したわ」
「変なやつ」
「でもさ、でもさ、東京駅着9時じゃん?この電車?」
「ああ」
「部屋に着くのが十時頃でしょ?だったら、6時に起きるとして、8時間あるよね?じゃあさ、じゃあさ、3回はできるじゃん?」
「え?今晩するの?火木日曜は休みじゃなかったっけ?」
「するのよ!なんか、もうジュンっとしてきた!それとも、国家公務員は女子高生の体を貪りたくないのですか?」
「やれやれ・・・」
東京駅で、シュウマイとお弁当を買った。私は何を買おうか迷っていると、ミノルはシュウマイ弁当をカゴに放り込んでいる。『昔ながらのシウマイ』を10箱買おうとしている。おいおい。
「ミノル!止め!ダメ!賞味期限当日のシュウマイを10箱買うバカがどこにいますか!食べきれないでしょ?」
「え~、面倒じゃん」
こいつ、この方面では絶対に頭がおかしい。私はシュウマイを4箱に減らした。ミノルはなんか少なく見えると言って5箱にする。まあ、私が食べれば良いのか。諦めた。
ミノルと一緒だと、私、太るかもしれないと思った。といいつつ、こぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当が私にウィンクした気がしたので、思わずミノルのカゴに入れてしまった。「二つで足りるか?」とか彼はバカなことを言う。さっき朝食食べたばかりじゃないの?
ひかり503号のホームに行く。ICカードなのでどの車輌かわからない。ミノルは私の手を引っ張ってスタスタと歩いていく。いつも出張とか言っていたから慣れてるんだね。そう思って、自由席と思ったら9号車だった。グリーンなの?座席は12C、D。
「ミノル、静岡まで1時間だし、自由席もガラガラなのに」
「ああ、これは無駄遣いじゃないんだ。ぼくの職業に関係する。同じ車輌、同じ席。定点観測みたいなものだよ。尾崎さんも同じ」
「え?・・・何?諜報?」と私は小声で聞いた。
「そういうこと。監視されちゃあいないだろうが、そういうしきたりになってる」
「休日でも?」
「そういう彼氏を持ったのだ。これは諦めなさい」
「ハイ、了解いたしました」
変な人生になりそうだ。興味深いね。だけど、なんで新幹線に乗るとお腹がすくの?私はこぼれイクラととろサーモンハラス焼き弁当をぱくついた。絶対、太る!明日からダイエットと運動しなきゃ。あれ?飲み物は?と思った。
パーサーがワゴン販売でワゴンを押してきた。ふ~ん、自由席とは違ってすぐ来るのね?と思った。ミノルが呼び止めて、私にビールでいいか?と聞く。頬張っていたので私は黙ってうなずいた。
「スミマセン、彼女にプレミアモルツ。ぼくは山崎のミニチュアボトルを3本。ロックで。別のカップにウィルキンソンのソーダをお願いします」と注文した。あれ?パーサーさんが怪訝な顔をしている。
ミノルが「えっと、聞き取れなかったかな?」と言うと彼女が、「いえ、スミマセン。この同じ席で同じご注文をされる方がおりましたので・・・珍しいご注文ですので・・・」と答えた。あれ?
「もしかしたら、失礼ですけど、尾崎さんのお知り合い?」と言う。胸の名札を見ると三國優子とあった。あれれ?キレイな人。なんでミノル関連は美人しかいないの!
「偶然ですね。尾崎は私の上司ですよ」
「あら?失礼いたしました」と彼女はあわてて私のビールとカップを手渡して、ミノルのウィスキーを作り出す。「そうですか。同じ食品会社の・・・」と言うとミノルが「ハイ、高砂食品です」と答えた。ふ~ん、なるほど。防衛省じゃないのね?
「ハイ、どうぞ」と言ってミノルにウィスキーロックとソーダのカップを渡した。ミノルがICカードで精算する。
「そうですか。尾崎と顔見知りの方でしたか。え~っと、三國さん。尾崎に言っておきますよ」
「よろしくお伝え下さい。また飲みましょうと言っておいて下さいね。では、失礼いたします」
ミノルの袖を引いた。小声で「ちょっとぉ、パーサーさんもスパイなの?」と聞く。
「いや、違う。彼女は本当にパーサーで、尾崎さんと知り合いみたいだ」
「だって、尾崎さん、美香さんがいるんだよ?あんなキレイな人と知り合いで、また飲みましょうって親密じゃん!」
「尾崎さんは二股かける人じゃないよ。単なる飲み仲間じゃないの?」
「ミノル、あなた、キレイな単なる飲み仲間の女性の友達いるの?」
「ぼくはいません」
「う~、北千住に帰ったら問い詰めてやる!」
「いる証明はできるけど、いない証明はむずかしいんだぞ」
「なんか腹たってきた!イクラととろサーモンハラス焼き弁当、食べちゃうもん!」
「ぼくのシュウマイ、食べる?」
「もう!シュウマイも食べる!」
「太るよ?」
「食べ物をいっぱい女子高校生に与えておいて、太るよもないもんだわ!『動物に餌を与えないで下さい!』」
「キミ、動物?」
「女子高校生とはいえ、哺乳類の一種には違いありません!」
時計を見るとまだ30分しか経っていなかった。う~ん。そうだ、そうだ。まだやりたいことがあった!
「ねえねえ」
「今度は何だ?」
「18年間でぇ~」
「18年間でやってみたいことがあったんでしょ?今度は何のお芝居をさせたいの?」
「あのね、二人共会社員でミノルが私の上司で新幹線で出張にいくのよ。今みたいに。それで、ミノルが私に車内でセクハラするわけ」
「やれやれ」
私はミノルの手をとって太腿においた。「私のいやらしい上司はこうするの」「それで?」「ミノル!いやらしく手を動かさないとダメ!」「キミ、触ると発情するだろ?」「だから、私は発情しながらも拒否しようとする部下なの」「こうですか?」「もっと揉むの。それで股の付け根までいやらしく手を這わせるの」「こうだね」「そぉ。ア!ヤン!」「それで?」「『早紀江くん、感じてるのか?』ってミノルが言って、私が『人目があります。遠藤課長、お止め下さい!』と言うと『早紀江くん、人目がなければされたいと言うことなのかね?キミはイヤラシイ女なんだね』『ああ、課長、止めて!早紀江を辱めないで!』って言うけど、結局、出張先のホテルで体を奪われてしまうという」
「それ、キミのバンドの処女グループと見たAVのシチュエーション?」
「う~ん、これはあんまりやっても面白くないわね。イヤよ、イヤよ、ってやってみたかったんだけど、イヤじゃなくて、早くベッドに連れてってと思っちゃうから臨場感が薄いわ」
「気が済んだ?」
「ううん、発情だけが早紀江の体に残った!」
「やれやれ」
静岡駅に着くと改札口でお父さんとお母さんが待っていた。もうミノルを満面の笑みを浮かべて、遠藤くん、遠藤くんと呼ぶ。お母さんもミノルをベタベタ触る。これ私が知っているのと同じ父親?人格が違うじゃないの!叔母様の話と違う!・・・ま、確かに大学生同士のデキ婚、無職だった叔父様と違って、ミノルは社会人だからいいのか?
なんなの?確かに背は高いし、イケメンだし、政治家の息子で大学も大学だし、『ぼうえいしょう』ならブランド物なんでしょうけど。私は彼のブランドを知らないで知り合ったんですからね!・・・一昨日・・・
ミノルもミノルよ。昨日の叔父様の家と一緒。ベラベラと嘘を平然とつく。こいつ、防衛省の技官とか言って、実は諜報関連じゃないの?とか思えてきた。
家について、お母さんは本当に赤飯を炊いていた。なんなの?赤飯って、あからさまに私が女になったって話なの?この夫婦、高校3年生の娘が未成年なのに結婚するってのを自覚してるの?近所の人も来て、親戚も来ていた。勘弁してよ。
それをだよ、ミノルは平気の平左で注がれるままにお酒は飲む、お父さんとか言い出して、結納はどういたしましょうか?こちらが先と思いまして、ぼくの実家はまだ知らせてません、いいえ、ご心配なく、早紀江ならウチの家族も大満足ですとかさ。家族同士の対面はこっちでやりますか?あ~、こいつ、そつがないじゃん!私はムカついたので、シュウマイをおかずに赤飯をバクバク食ってやった。
酔っ払いの私の父親は、4WDを運転して、ミノルにお茶畑を見せる。早紀江は一人娘だけど、遠藤くん、気にしなくていいからね。煮ようと焼こうと好きにしてよろしい、だって。呆れ果てる。
実家に戻って、ミノルが「早紀江を私のマンションに引き取りたいのですがお許しいただけますか?」なんて聞くと、「ああ、どうぞ、どうぞ。同棲っていうのかな?結構ですよ。生活費は送りますから」とか言う。「いえ、生活費なんていただけません。お心遣いだけありがたく頂戴いたします。それから、大学は私が責任を持って通わせます。卒業までは子供も作らないつもりです。学費?夫が持つに決まってます。援助はお断りいたします」だってさ。
あ~、こいつら、私を抜きにしてどんどん話を進める。あげくに、入籍は先に。結婚式は静岡と横浜と2回ですかね?来年の卒業後にとか言う。まあ、話がうまく行っていいんだけどさあ。いいのかね?一昨日出会ったばかりの男女なんだよ?内緒だけど。やれやれ、ってミノルの口癖が移ってしまった。
勝手にどんちゃんやり始めたので裏庭に行く。近所の中学校の同級生のアキちゃんがいたので誘った。
「アキちゃん、なにあれ?勝手に話が進んでるんだけど」
「いいじゃない、サキちゃん。羨ましいよ。私なんか彼氏できないもん。紹介してよ」
「私だっていなかったもん」
「なんでいなかったんだろう?サキちゃん、こんなに美人さんなのにね?」
「私、美人じゃないよ。昨日、今日、美人をたくさんみたもん」
「え?」
「こっちの話。ま、つまり、神様の思し召しなのかもね」
「そうか。私も神社さんにお参りしてみようかしら?」
「それは止めたほうが。変な巫女さんに会うかもしれないし」
「え?」
「あ、こっちの話」
「だけどなあ、あの小難しい遠藤のおじさんがはしゃいでるよ」
「なんだかなあ」
「私も東京に出ようかしら?」
「ああ、アキちゃん、大学どうした?」
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「行く行く。北千住なんだって?遠藤さん・・・って変だね。二人共同じ苗字で」
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「ねえねえ、彼に抱かれちゃったの?」
「ええ~、誰に聞いたの?」
「おばさんが言ってた。ウチの娘も女になったんだって」
「あ~あ。信じられない」
「ねえねえ、どうだったの?痛かったの?」
「それがさあ、最初から感じすぎて気を失った・・・」
「え~、痛くないんだ。私も誰かに抱かれたいなあ」
「確かに、癖になるかもしんない」
「そぉ?」
「うん、何度でもできちゃうよ」
「お熱いことだね。羨ましい」
アキちゃんと座敷に戻った。ミノルの袖を引っ張って「もう、遅いよ。帰らないとダメでしょ!」と言った。日が沈んでいる。泊まっていけとか無茶苦茶言われるのを、明日、私も学校なのよ、ミノルも会社でしょ?と言ってタクシーを呼んでもらった。
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「早紀江、機嫌が悪いじゃないか?」
「別にぃ」
「ほら、なんかふくれてる」
「ミノルが調子いいし、私を抜きに話を進めるからじゃないの!」
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「なんか、ムカつくの」
ミノルが。あ!そうだ、忘れていたとカバンをゴソゴソした。キーフォルダーを渡される「これなに?」「ぼくらの部屋の鍵に決まってるじゃないか?キミだけ早い時間に学校から帰ってきて部屋に入れないでしょ?明日から大宮の高校からぼくらのとこにもどってくるんだから。だから、部屋の鍵」
私、急に機嫌が治った!我ながらすごく現金だ!
「それで、明日、また居酒屋のバイト?」とミノルが聞くので「うん、バイトしないと」と言う。なんだか気が進まない。ミノルと一緒にいたい。
「それ、休めない?」
「う~ん、どうかなあ?」
「一身上の都合があるので休みます、とか言えない?」
「なによ、一身上の都合って?」
「明日、残業しないで定時で帰るから、部屋に6時半には帰れる。それで、銀座に婚約指輪を見に行こう」
「ハ、ハイ?」
「婚約指輪を買いに行きますので、バイト休ませて下さいって言うのさ」
「早紀江、かんっぜんに機嫌が治った!休む!バイト、休む!」
「そおこなくっちゃ。じゃあ、明日は婚約指輪の日だ」
「ねえねえ、今晩、女子高生の体をを蹂躙して激しく犯してもいいからね!」
「あのさ、キミ、明日、朝、早いんじゃない?」
「あ、そっか。始業時間が08:40だからぁ、北千住から大宮だと・・・え~っと遅くても7時半には部屋を出たほうが良いね」
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「うん。でも、本当はこういうのなんだね。しみじみ感心したわ」
「変なやつ」
「でもさ、でもさ、東京駅着9時じゃん?この電車?」
「ああ」
「部屋に着くのが十時頃でしょ?だったら、6時に起きるとして、8時間あるよね?じゃあさ、じゃあさ、3回はできるじゃん?」
「え?今晩するの?火木日曜は休みじゃなかったっけ?」
「するのよ!なんか、もうジュンっとしてきた!それとも、国家公務員は女子高生の体を貪りたくないのですか?」
「やれやれ・・・」
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