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ヒメと明彦2、美姫編
第15話 灰色の灰子
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20世紀のいつか、美姫・良子高3、明彦大学1
その後、良子は何事もなかったように、ご飯を食べた。私と二人で後片付け。それでも、まだ良子は呑む。角瓶が1本なくなりそうだ。良子、もうウイスキー、なくなっちゃうよ、と言うと、じゃあ、山屋酒店の良平くんに配達をお願いしよう!という。明彦さん、電話貸してねと返事も聞かずに山屋酒店の領収書を見て電話してしまう。私は明彦と顔を見合わせた。言い出すと聞かないよ、絶対に。うん、そう思う。
彼女は、酔っているけど挙措動作はしっかりしている。頭脳が酩酊しているだけなのだ。さっさと電話してます。あ~あ。
「もしもし、山屋酒店さんですかぁ~?あ!良平くん?私、宮部良子よ。あのねえ、呑兵衛の兄が角瓶呑んじゃったのよぉ・・・うん、私もちょっとだけどね・・・へへへ、それで、今度はだるま、ある?ワインなんかもある?・・・それがお勧めね?それで良いです。あれぇ?コルクスクリューがないかな?え?おまけで持ってきてくれるの?悪いわぁ~。おいくら?お釣りがないように用意しておきます」ガチャ。
今日はじめてここに来て、既に手下を持つ高橋良子。私には絶対に無理です!魔女の一端を覗き見た明彦が唖然としている。
10分くらいしか経ってないのに良平さんがもう来た。ちょっと息を切らしている。そう言えば、良平の『良』は良子さんの『良』なんですね?とか、わけのわからないことを言って、これ、ご注文の品です、コークスクリュー、中に入ってます。お兄さん!山屋酒店の良平です、ご贔屓にお願いします、お代ちょうど頂きました!まいどありがとうございます!と立板に水でまくし立てて去っていった。あ~あ、また、良子の被害者が一人。
あ!良子のママに電話するの忘れてたじゃない。良子にリマインドした。明彦さん、また電話、お借りしますと言うと自宅に電話。
「ママ?良子です。ええ、ええ、予備校の申請は終わったわ。予備校で美姫ちゃんに会ったのよ。それで、美姫ちゃんと一緒の友だちのお家でご馳走になってね、泊まっていけばって、美姫ちゃんも友だちも言うの。お泊りしてもよろしいかしら?え?着替え?美姫ちゃんの友だちのを借りるから大丈夫。お金?持ってます。ちょっと美姫ちゃんに代わるわね」と受話器を急に私に差し出す。
「どうも。ご無沙汰してます。ええ、今日、偶然良子に会いまして。そうなんですよ、話が尽きなくって。明日、日曜日でしょ?だから、お泊りしても大丈夫かな?って。ええ、友だちのも私の替えの下着もあるから大丈夫です。良子とサイズ一緒ですもの。友だち?迷惑だなんて、ぜんぜん。仲の良い友だちですもの。良子と代わりますか?ハハハ、じゃあ、失礼いたします。今度遊びにお伺いします。ではでは」
「じゃあ、ママ、そういうことで。明日?わからないわ。また、連絡します」ガチャ。
「ハイ、アリバイ工作、終了!」と良子。
「ぼくはヒメの『仲の良い友だち』なんだね。良子さんのママは女友達と思ってるよね?」
「狐と狸の化かし合いです。ママだって、昔は同じようなことをしたと思うわ」と良子。
「ぼくに娘ができた時にこのことは覚えておこう。女の子はスラスラと呼吸をするようにウソがつけるってね」
「え?明彦?何?娘?だれとの?私でしょう?作る?今晩、娘、作る?いいわよ。コンドームなしで。たぶん、妊娠できちゃう日だよ」と私。
「ヒメ、そういう話題、ダメ。今晩、良子さんはここに泊まるんだよ。まったく、考えたことをそのまま口にするんだからな」
「あら、二人の子作りなら、見学させて」と良子。「それか・・・美姫とのついでで良いから、私にも赤ちゃんくれたらいいな。愛はなくてもいいから」
「良子!わかった!明彦の貞操を守るために、戦後の米軍兵士から日本の婦女子を守る性の防波堤みたいに私がなる!良子!抱くなら、私を抱きなさい!」
「ヒメは変なことを知ってるね。戦後史を知らないと『性の防波堤』なんて言葉はでないよ。エライ!やっぱり、史学科に行こうね」
「エラい?明彦に褒められちゃったよ。よぉし、美姫は勉強して史学科に行く!」
良子が体を二つに折り曲げゲラゲラ笑いだした。「ああ、おかしい。私、美姫と明彦さんと一緒にいるのスキ、大好き。ここにいるのも好き。ここに居候しちゃおうかしら?」
「ダメです!同棲じゃなくても、居候もダメです!ここに出入りする女の子は私一人!」
「冗談よ・・・半分・・・あのね、私、良い子の良子でしょ?それと悪い子の悪子でもあるでしょ?でも、正体は灰色の灰子なのよね。ほとんどの人は、良い子の良子か悪い子の悪子しか知らない。灰色の灰子の両方を知っているのは美姫だけだった。美姫以外は演技よね。でも、明彦さんも灰色の灰子を知ったし、自分が演技しないで自然にいられるのは二人の間だけ。だから、二人が好きです」
「良子のような優等生で品行方正でお嬢さんで、それとビッチも演技なの?」
「そうじゃない?美姫のような自然体じゃないもの。座る時だって、良子の時は、優雅に横座りして、スカートを直して座る。喋り方も変えてる。良平くんを利用するように女の武器も使う。そんな演技をもう無意識でしちゃってるわ。悪い子の時は、悪ぶって男を利用する。それだって、演技してる。でも、美姫の前では自然に振る舞えるし、明彦さんの前でもそうできると思う。疲れないのよ。人生が素のまま楽しめるの」
「ふ~ん、優等生で品行方正なお嬢さんで、おまけにビッチって、私の知らない苦労をしてるんだね」
「美姫、ビッチは止めて!ビッチは!自分で言うならいいけど、美姫に言われたくない!」
「だって、ビッチでしょ?私なんか明彦しか経験してないのよ。あなたなんて、二桁でしょう?男の子二人ともしたんでしょ?」
「・・・まあそうだわね。ねえ、明彦さん、こういう汚れた女はお嫌い?」
「ぼくにフルなよ、良子さん!」
「清楚そうに見えてビッチな汚れた女って、味わい深いのよ、明彦さん」
「ぼくは、天然ボケのヒメで手一杯です」
「冷たいわね?まあ、じっくり、私の魅力をわからせてあげる」
「ヒメ!なんとかしてくれ!」
※高校生の飲酒シーンが書かれてあります。
※この物語は性描写や飲酒、喫煙シーン含みます。
※この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
参考:『補足資料 少年法等の一部の改正と……
1)合法JK, 2)覚醒剤, 3)売春, 4)殺人, 5)少年鑑別所と少年刑務所』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/913345710/461940836/episode/9344181
その後、良子は何事もなかったように、ご飯を食べた。私と二人で後片付け。それでも、まだ良子は呑む。角瓶が1本なくなりそうだ。良子、もうウイスキー、なくなっちゃうよ、と言うと、じゃあ、山屋酒店の良平くんに配達をお願いしよう!という。明彦さん、電話貸してねと返事も聞かずに山屋酒店の領収書を見て電話してしまう。私は明彦と顔を見合わせた。言い出すと聞かないよ、絶対に。うん、そう思う。
彼女は、酔っているけど挙措動作はしっかりしている。頭脳が酩酊しているだけなのだ。さっさと電話してます。あ~あ。
「もしもし、山屋酒店さんですかぁ~?あ!良平くん?私、宮部良子よ。あのねえ、呑兵衛の兄が角瓶呑んじゃったのよぉ・・・うん、私もちょっとだけどね・・・へへへ、それで、今度はだるま、ある?ワインなんかもある?・・・それがお勧めね?それで良いです。あれぇ?コルクスクリューがないかな?え?おまけで持ってきてくれるの?悪いわぁ~。おいくら?お釣りがないように用意しておきます」ガチャ。
今日はじめてここに来て、既に手下を持つ高橋良子。私には絶対に無理です!魔女の一端を覗き見た明彦が唖然としている。
10分くらいしか経ってないのに良平さんがもう来た。ちょっと息を切らしている。そう言えば、良平の『良』は良子さんの『良』なんですね?とか、わけのわからないことを言って、これ、ご注文の品です、コークスクリュー、中に入ってます。お兄さん!山屋酒店の良平です、ご贔屓にお願いします、お代ちょうど頂きました!まいどありがとうございます!と立板に水でまくし立てて去っていった。あ~あ、また、良子の被害者が一人。
あ!良子のママに電話するの忘れてたじゃない。良子にリマインドした。明彦さん、また電話、お借りしますと言うと自宅に電話。
「ママ?良子です。ええ、ええ、予備校の申請は終わったわ。予備校で美姫ちゃんに会ったのよ。それで、美姫ちゃんと一緒の友だちのお家でご馳走になってね、泊まっていけばって、美姫ちゃんも友だちも言うの。お泊りしてもよろしいかしら?え?着替え?美姫ちゃんの友だちのを借りるから大丈夫。お金?持ってます。ちょっと美姫ちゃんに代わるわね」と受話器を急に私に差し出す。
「どうも。ご無沙汰してます。ええ、今日、偶然良子に会いまして。そうなんですよ、話が尽きなくって。明日、日曜日でしょ?だから、お泊りしても大丈夫かな?って。ええ、友だちのも私の替えの下着もあるから大丈夫です。良子とサイズ一緒ですもの。友だち?迷惑だなんて、ぜんぜん。仲の良い友だちですもの。良子と代わりますか?ハハハ、じゃあ、失礼いたします。今度遊びにお伺いします。ではでは」
「じゃあ、ママ、そういうことで。明日?わからないわ。また、連絡します」ガチャ。
「ハイ、アリバイ工作、終了!」と良子。
「ぼくはヒメの『仲の良い友だち』なんだね。良子さんのママは女友達と思ってるよね?」
「狐と狸の化かし合いです。ママだって、昔は同じようなことをしたと思うわ」と良子。
「ぼくに娘ができた時にこのことは覚えておこう。女の子はスラスラと呼吸をするようにウソがつけるってね」
「え?明彦?何?娘?だれとの?私でしょう?作る?今晩、娘、作る?いいわよ。コンドームなしで。たぶん、妊娠できちゃう日だよ」と私。
「ヒメ、そういう話題、ダメ。今晩、良子さんはここに泊まるんだよ。まったく、考えたことをそのまま口にするんだからな」
「あら、二人の子作りなら、見学させて」と良子。「それか・・・美姫とのついでで良いから、私にも赤ちゃんくれたらいいな。愛はなくてもいいから」
「良子!わかった!明彦の貞操を守るために、戦後の米軍兵士から日本の婦女子を守る性の防波堤みたいに私がなる!良子!抱くなら、私を抱きなさい!」
「ヒメは変なことを知ってるね。戦後史を知らないと『性の防波堤』なんて言葉はでないよ。エライ!やっぱり、史学科に行こうね」
「エラい?明彦に褒められちゃったよ。よぉし、美姫は勉強して史学科に行く!」
良子が体を二つに折り曲げゲラゲラ笑いだした。「ああ、おかしい。私、美姫と明彦さんと一緒にいるのスキ、大好き。ここにいるのも好き。ここに居候しちゃおうかしら?」
「ダメです!同棲じゃなくても、居候もダメです!ここに出入りする女の子は私一人!」
「冗談よ・・・半分・・・あのね、私、良い子の良子でしょ?それと悪い子の悪子でもあるでしょ?でも、正体は灰色の灰子なのよね。ほとんどの人は、良い子の良子か悪い子の悪子しか知らない。灰色の灰子の両方を知っているのは美姫だけだった。美姫以外は演技よね。でも、明彦さんも灰色の灰子を知ったし、自分が演技しないで自然にいられるのは二人の間だけ。だから、二人が好きです」
「良子のような優等生で品行方正でお嬢さんで、それとビッチも演技なの?」
「そうじゃない?美姫のような自然体じゃないもの。座る時だって、良子の時は、優雅に横座りして、スカートを直して座る。喋り方も変えてる。良平くんを利用するように女の武器も使う。そんな演技をもう無意識でしちゃってるわ。悪い子の時は、悪ぶって男を利用する。それだって、演技してる。でも、美姫の前では自然に振る舞えるし、明彦さんの前でもそうできると思う。疲れないのよ。人生が素のまま楽しめるの」
「ふ~ん、優等生で品行方正なお嬢さんで、おまけにビッチって、私の知らない苦労をしてるんだね」
「美姫、ビッチは止めて!ビッチは!自分で言うならいいけど、美姫に言われたくない!」
「だって、ビッチでしょ?私なんか明彦しか経験してないのよ。あなたなんて、二桁でしょう?男の子二人ともしたんでしょ?」
「・・・まあそうだわね。ねえ、明彦さん、こういう汚れた女はお嫌い?」
「ぼくにフルなよ、良子さん!」
「清楚そうに見えてビッチな汚れた女って、味わい深いのよ、明彦さん」
「ぼくは、天然ボケのヒメで手一杯です」
「冷たいわね?まあ、じっくり、私の魅力をわからせてあげる」
「ヒメ!なんとかしてくれ!」
※高校生の飲酒シーンが書かれてあります。
※この物語は性描写や飲酒、喫煙シーン含みます。
※この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
参考:『補足資料 少年法等の一部の改正と……
1)合法JK, 2)覚醒剤, 3)売春, 4)殺人, 5)少年鑑別所と少年刑務所』
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