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第3章 北朝鮮人民軍、佐渡上陸
第25話(2) 敵中突破「私が撃つのよ!」
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敵中突破
「ソーニャ准尉、ソーニャ准尉はいないか?」とエレーナが叫ぶ。駐車場の端から彼女が少佐に駆け寄った。「ハ!ソーニャ、まいりました!」
「いいか、准尉、ここも危ない。貴官は、これより藤田さん、卜井さん、佐々木さんと一緒にタイフーンL三台で相川町まで行け」
ソーニャの後ろから卜井たちも駆け寄ってきた。「少佐、私たち、相川町まで行くんですか?」と卜井。
「いえ、あなた方は市内まで退避です。かなりここは危ない。ソーニャに送らせます。我が軍、水陸機動軍にも相当数死傷者が出ています。途中、タイフーン三台でできるだけ重症者を拾い、相川町の野戦病院や道中の病院、両津港の佐渡市立両津病院に重症者を後送させます」
「そうですね。機関銃音も間近に聞こえます。足手まといになりますからね。了解いたしました!」
「じゃあ、准尉、佐渡一周線の道路上は交戦地帯だ。道路の上の台地の田んぼ沿いの農道を進むんだ。姫津漁港には広瀬二尉の水陸機動団がいる。佐渡一周線脇の胎蔵寺に本営がある。姫津漁港からは佐渡一周線でしばらく行けるだろう。相川町も北の上陸でかなりやられている。相川町の佐渡市役所相川支所に水陸機動団とウラジミール中佐の隊がいるから、そこでルートを確認しろ。それから、大佐渡スカイラインには行かず、佐渡一周線を通って市内に行き、両津港の佐渡市立両津病院まで行くんだ」
「了解であります!」
「タイフーンLは運転手1、機銃手1、衛生兵2で行け!おまえの機銃手はカテリーナ伍長がいいだろう。残りの人選は任せる。引っこ抜く人員の名前をスヴェトラーナ准尉に伝えておけ」
「ラジャ!ソーニャ、出撃します!」
ソーニャは卜井たちをけしたてて、タイフーンLに乗り込ませた。「カテリーナ伍長!衛生兵!準備はいいか?カテリーナ、PKP(カラシニコフ機関銃)を用意しろ!弾倉ボックスはたっぷり持っていけよ。撃ちまくるかもしれないぞ!」「了解です!」「我々が先導する。後の二台は追ってくるように!」
「カテリーナ、キミは前部座席のルーフハッチを開けて、PKPで前方、側方を狙え!」とソーニャ。「ラジャ!」「卜井さん、皆さんは床に腹ばいになって!」
「ちょっ、ちょっと、伍長!私、ナビ席で撮影しても邪魔じゃないよね?脚を保持してあげるから!」と佐々木。
「佐々木さん、危ないって!ダメだって!」とカテリーナ。
「防弾ガラスでしょ?これ?」
「重機関銃弾には効果ありません!」とソーニャ。
「いいわよ!死んでも恨まないから!こんな機会、一生に一度!ピューリッツァー賞ものよ!頼むわ!ナビ席にいさせて!」と佐々木。
「本当に、死んでも知りませんからね!」とソーニャ。
「処女なくしたんだもん!思い残すことはないわ!」
「ハァ?」
「・・・こっちの話・・・」
おいおい、佐々木、火事場のクソ力か?処女なくして頭ぶっ飛んだか?と後部キャビンの床に伏せながら卜井は思った。ま、カメラウーマンは佐々木だから、仕方ない・・・
「二号車、三号車、重症者が見つかったら、三号車から順次乗せていく。前方はこちらのPKPで掃射する。キミらは側方、後方を援護しろ!」とソーニャがヘルメットのマイクに怒鳴る。「ラジャ!」
ソーニャは本営のレストラン駐車場を出て、佐渡一周線手前の小道に左折した。蛇行を繰り返して、崖の上の農道に出た。整然とした冬の田んぼが広がっている。しばらく崖下の佐渡一周線と平行に走り、丘を突っ切って、次の台地の農道に着いた。すると正面から、姫津漁港から迂回してきた北朝鮮のバイク隊20台ほどが向かってきた。
「この野郎!通してなるか!カテリーナ!」とソーニャが上部ハッチから頭を出してPKPを構えているカテリーナに声をかけた。
「准尉、任せて!」とカテリーナがダッダッダッ、ダッダッダッとセミオートでバイク隊をないでいく。二号車、三号車も伍長の撃ち漏らしたバイクを撃ち倒していく。
田んぼを突っ切り、下り坂を佐渡一周線へのT字路に向かう。T字路で左折しようとした。二見町の方からアデルマン大尉とアナスタシア少尉、他10名が北朝鮮のバイクに乗ってやってきた。北のバイクは彼女らが鹵獲したものだ。
「お!ソーニャ准尉!どこに行くんだ?」とアニー。
「ハ!少尉!少佐から卜井さんたちと重症者の市内への後送を司令されました!相川町を通っていきます!」とソーニャ。
「ソーニャ、胎蔵寺の水陸機動団本営に重症者がいる。胎蔵寺に寄ろう」とアデルマン。胎蔵寺で、広瀬二尉と話し、後送する人選をした。かなりの重症だが、輸血パックもない。ここからは水陸機動団のトラック二台もついてくることになった。
「ソーニャ、ここから相川まで、北の兵士と装甲車が点在している。アニー、キミが相川まで護衛してやれ!鹵獲したバイク隊を5台、連れて行け!私は少佐の隊と広瀬二尉の隊の間の北を分断する!相川火力発電所まで行けば安心だ。こっちの部隊が警護している。そこまで行ったら戻ってきてくれ」
「了解!大尉、みんなやっちゃわないで、少しは私の分を残しておいてよ!」
「アニーが帰ってくる頃には私が皆殺しにしておく!」
「ま、いいや。大尉、気をつけて」
「そっちこそ、警護頼んだぞ!」
「ソーニャ!巡航速度60キロだ!カーブでも速度落とすな!屍体でもなんでも踏み潰せ!行くぞ!」
「ラジャ!」
相川町に行く間は敵の姿もない。北のホバーも岩場の海岸線には接岸できていないようだった。しかし、相川町に近づくにつれ、敵の姿が見えるようになった。敵は一切無視して突き進む。
佐渡市立相川病院は、レーダーサイトにつながる大佐渡スカイラインの脇にあるので、重症者をおろすのは無理だ。
佐渡一周線沿いをそのまま進む。相川体育館を右目に見て、佐渡市役所相川支所に寄る。ここは水陸機動団とロシア軍が本営としている。ここでも市内に後送する重症者を乗せた。
一号車から三号車まで満杯になった。後部キャビンは血で床がヌルヌルする。卜井も藤田も衛生兵を手伝って、止血をしたり、動脈からの出血を指で抑えたりした。
「卜井さん、私も手伝います!」と佐々木。
「佐々木は来るな!撮影してろ!こっちは足の踏み場もない!佐々木が来ても立つ場所もない!」と藤田。
伍長くらいの年齢のティーンの女性兵士の頸動脈からの出血を手で止めていて、衛生兵の順番を卜井は待つ。血が抑えきれない。彼女の顔にも血しぶきがかかる。
畜生!なんなんだよ!話し合いとかで戦争は止められるんじゃなかったのかよ?
畜生!なんなんだよ!話し合いとかで戦争は止められるんじゃなかったのかよ?国連ってなんのためにあるんだよ!ここはウクライナになっちまったのか?バカ野郎!おまけにこの子は日本人じゃないんだぞ!クソッタレが!お花畑共!
「佐々木!こっちも撮るんだぞ!この光景を目に焼き付けろ!日本人の目を覚まさせてやるんだ!」と卜井は佐々木に怒鳴った。
「わ、わかった・・・」
衛生兵が卜井が見ていた子の脈をとって、「卜井さん、この子、もうダメです。死んでます。こっちをお願いします」と死んだ子の右の自衛隊員を指差す。
卜井は泣きながら自衛隊員の包帯を巻く。右膝から下がなかった。きつく止血しているのだが血が止まらない。藤田も彼女と似たようなことを狭い車内でしていた。
春日崎の手前で北の装甲車が現れた。相川町を避けて、鹿伏漁港から上陸した北の一隊がいたようだ。タイフーンLの正面、500メートル辺りの海岸から道路に乗り上げてきた。並走していたアナスタシア少尉が「こいつは任せろ!」と言って、加速して突っ込んでいく。他の5台も後を追った。
少尉は、PKPを連射して、すれ違いざま、グレネードを装甲車に浴びせた。他の五人も装甲車を攻撃した。装甲車の機銃弾がカテリーナの上腕部をかすめた。機銃弾の衝撃波の威力で、カテリーナの上腕が裂ける。彼女は前部座席に崩れ落ちた。
佐々木があわてて、伍長を抱え、「卜井さん!カテリーナが撃たれた!手当して!」と後ろに送り込む。ソーニャは左右に車輌を蛇行させて銃撃を回避させている。
佐々木は上を見上げた。PKPはそのままだ。「准尉!引き金を引けば撃てるんでしょ?これ?」と佐々木。
「佐々木さん!何をするの!」とソーニャ。
「私が撃つのよ!」
「私が撃つのよ!」佐々木が吠えた!
「ダメ、佐々木さん!ルーフから頭を出しちゃダメ!」
「ソーニャ准尉、私が奴らを撃ってやる!このど畜生どもめが!」
装甲車の機銃手が少尉の後ろのバイクを撃った。アナスタシアがスライディングバックターンをして、そのバイクに駆け寄った。機銃手はアナスタシアも銃撃した。くそったれめが!
佐々木は夢中で引き金を引き続けた。偶然にも装甲車の強化プレキシグラスに佐々木の弾丸が続けて命中した。弾丸は運転手の顔を粉砕した。装甲車は横転し、海岸に横滑りで落ちていく。ソーニャ准尉が停車した。
助手席から佐々木がとび降りる。アナスタシアに駆け寄ると小柄な彼女を抱き上げて、車に駆け戻り、タイフーンの後部ドアを蹴りまくる。
「開けて!さっさと開けろ!アニーが死んじゃう!アニーが死んじゃう!」
衛生兵ももう一人のバイクの兵士を抱えてきた。後部ドアが開き、佐々木がアニーを車内に運び入れる。衛生兵も車内に入った。佐々木は助手席に飛び乗った。
「卜井さん、お願い!アニーをみて!」と後部を振り返って叫んだ。「准尉、准尉、ソーニャ、急いで!急ぐのよ!」
「よし、行くぞ!」とソーニャはアクセルを踏み込んだ。
「ソーニャ准尉、ソーニャ准尉はいないか?」とエレーナが叫ぶ。駐車場の端から彼女が少佐に駆け寄った。「ハ!ソーニャ、まいりました!」
「いいか、准尉、ここも危ない。貴官は、これより藤田さん、卜井さん、佐々木さんと一緒にタイフーンL三台で相川町まで行け」
ソーニャの後ろから卜井たちも駆け寄ってきた。「少佐、私たち、相川町まで行くんですか?」と卜井。
「いえ、あなた方は市内まで退避です。かなりここは危ない。ソーニャに送らせます。我が軍、水陸機動軍にも相当数死傷者が出ています。途中、タイフーン三台でできるだけ重症者を拾い、相川町の野戦病院や道中の病院、両津港の佐渡市立両津病院に重症者を後送させます」
「そうですね。機関銃音も間近に聞こえます。足手まといになりますからね。了解いたしました!」
「じゃあ、准尉、佐渡一周線の道路上は交戦地帯だ。道路の上の台地の田んぼ沿いの農道を進むんだ。姫津漁港には広瀬二尉の水陸機動団がいる。佐渡一周線脇の胎蔵寺に本営がある。姫津漁港からは佐渡一周線でしばらく行けるだろう。相川町も北の上陸でかなりやられている。相川町の佐渡市役所相川支所に水陸機動団とウラジミール中佐の隊がいるから、そこでルートを確認しろ。それから、大佐渡スカイラインには行かず、佐渡一周線を通って市内に行き、両津港の佐渡市立両津病院まで行くんだ」
「了解であります!」
「タイフーンLは運転手1、機銃手1、衛生兵2で行け!おまえの機銃手はカテリーナ伍長がいいだろう。残りの人選は任せる。引っこ抜く人員の名前をスヴェトラーナ准尉に伝えておけ」
「ラジャ!ソーニャ、出撃します!」
ソーニャは卜井たちをけしたてて、タイフーンLに乗り込ませた。「カテリーナ伍長!衛生兵!準備はいいか?カテリーナ、PKP(カラシニコフ機関銃)を用意しろ!弾倉ボックスはたっぷり持っていけよ。撃ちまくるかもしれないぞ!」「了解です!」「我々が先導する。後の二台は追ってくるように!」
「カテリーナ、キミは前部座席のルーフハッチを開けて、PKPで前方、側方を狙え!」とソーニャ。「ラジャ!」「卜井さん、皆さんは床に腹ばいになって!」
「ちょっ、ちょっと、伍長!私、ナビ席で撮影しても邪魔じゃないよね?脚を保持してあげるから!」と佐々木。
「佐々木さん、危ないって!ダメだって!」とカテリーナ。
「防弾ガラスでしょ?これ?」
「重機関銃弾には効果ありません!」とソーニャ。
「いいわよ!死んでも恨まないから!こんな機会、一生に一度!ピューリッツァー賞ものよ!頼むわ!ナビ席にいさせて!」と佐々木。
「本当に、死んでも知りませんからね!」とソーニャ。
「処女なくしたんだもん!思い残すことはないわ!」
「ハァ?」
「・・・こっちの話・・・」
おいおい、佐々木、火事場のクソ力か?処女なくして頭ぶっ飛んだか?と後部キャビンの床に伏せながら卜井は思った。ま、カメラウーマンは佐々木だから、仕方ない・・・
「二号車、三号車、重症者が見つかったら、三号車から順次乗せていく。前方はこちらのPKPで掃射する。キミらは側方、後方を援護しろ!」とソーニャがヘルメットのマイクに怒鳴る。「ラジャ!」
ソーニャは本営のレストラン駐車場を出て、佐渡一周線手前の小道に左折した。蛇行を繰り返して、崖の上の農道に出た。整然とした冬の田んぼが広がっている。しばらく崖下の佐渡一周線と平行に走り、丘を突っ切って、次の台地の農道に着いた。すると正面から、姫津漁港から迂回してきた北朝鮮のバイク隊20台ほどが向かってきた。
「この野郎!通してなるか!カテリーナ!」とソーニャが上部ハッチから頭を出してPKPを構えているカテリーナに声をかけた。
「准尉、任せて!」とカテリーナがダッダッダッ、ダッダッダッとセミオートでバイク隊をないでいく。二号車、三号車も伍長の撃ち漏らしたバイクを撃ち倒していく。
田んぼを突っ切り、下り坂を佐渡一周線へのT字路に向かう。T字路で左折しようとした。二見町の方からアデルマン大尉とアナスタシア少尉、他10名が北朝鮮のバイクに乗ってやってきた。北のバイクは彼女らが鹵獲したものだ。
「お!ソーニャ准尉!どこに行くんだ?」とアニー。
「ハ!少尉!少佐から卜井さんたちと重症者の市内への後送を司令されました!相川町を通っていきます!」とソーニャ。
「ソーニャ、胎蔵寺の水陸機動団本営に重症者がいる。胎蔵寺に寄ろう」とアデルマン。胎蔵寺で、広瀬二尉と話し、後送する人選をした。かなりの重症だが、輸血パックもない。ここからは水陸機動団のトラック二台もついてくることになった。
「ソーニャ、ここから相川まで、北の兵士と装甲車が点在している。アニー、キミが相川まで護衛してやれ!鹵獲したバイク隊を5台、連れて行け!私は少佐の隊と広瀬二尉の隊の間の北を分断する!相川火力発電所まで行けば安心だ。こっちの部隊が警護している。そこまで行ったら戻ってきてくれ」
「了解!大尉、みんなやっちゃわないで、少しは私の分を残しておいてよ!」
「アニーが帰ってくる頃には私が皆殺しにしておく!」
「ま、いいや。大尉、気をつけて」
「そっちこそ、警護頼んだぞ!」
「ソーニャ!巡航速度60キロだ!カーブでも速度落とすな!屍体でもなんでも踏み潰せ!行くぞ!」
「ラジャ!」
相川町に行く間は敵の姿もない。北のホバーも岩場の海岸線には接岸できていないようだった。しかし、相川町に近づくにつれ、敵の姿が見えるようになった。敵は一切無視して突き進む。
佐渡市立相川病院は、レーダーサイトにつながる大佐渡スカイラインの脇にあるので、重症者をおろすのは無理だ。
佐渡一周線沿いをそのまま進む。相川体育館を右目に見て、佐渡市役所相川支所に寄る。ここは水陸機動団とロシア軍が本営としている。ここでも市内に後送する重症者を乗せた。
一号車から三号車まで満杯になった。後部キャビンは血で床がヌルヌルする。卜井も藤田も衛生兵を手伝って、止血をしたり、動脈からの出血を指で抑えたりした。
「卜井さん、私も手伝います!」と佐々木。
「佐々木は来るな!撮影してろ!こっちは足の踏み場もない!佐々木が来ても立つ場所もない!」と藤田。
伍長くらいの年齢のティーンの女性兵士の頸動脈からの出血を手で止めていて、衛生兵の順番を卜井は待つ。血が抑えきれない。彼女の顔にも血しぶきがかかる。
畜生!なんなんだよ!話し合いとかで戦争は止められるんじゃなかったのかよ?
畜生!なんなんだよ!話し合いとかで戦争は止められるんじゃなかったのかよ?国連ってなんのためにあるんだよ!ここはウクライナになっちまったのか?バカ野郎!おまけにこの子は日本人じゃないんだぞ!クソッタレが!お花畑共!
「佐々木!こっちも撮るんだぞ!この光景を目に焼き付けろ!日本人の目を覚まさせてやるんだ!」と卜井は佐々木に怒鳴った。
「わ、わかった・・・」
衛生兵が卜井が見ていた子の脈をとって、「卜井さん、この子、もうダメです。死んでます。こっちをお願いします」と死んだ子の右の自衛隊員を指差す。
卜井は泣きながら自衛隊員の包帯を巻く。右膝から下がなかった。きつく止血しているのだが血が止まらない。藤田も彼女と似たようなことを狭い車内でしていた。
春日崎の手前で北の装甲車が現れた。相川町を避けて、鹿伏漁港から上陸した北の一隊がいたようだ。タイフーンLの正面、500メートル辺りの海岸から道路に乗り上げてきた。並走していたアナスタシア少尉が「こいつは任せろ!」と言って、加速して突っ込んでいく。他の5台も後を追った。
少尉は、PKPを連射して、すれ違いざま、グレネードを装甲車に浴びせた。他の五人も装甲車を攻撃した。装甲車の機銃弾がカテリーナの上腕部をかすめた。機銃弾の衝撃波の威力で、カテリーナの上腕が裂ける。彼女は前部座席に崩れ落ちた。
佐々木があわてて、伍長を抱え、「卜井さん!カテリーナが撃たれた!手当して!」と後ろに送り込む。ソーニャは左右に車輌を蛇行させて銃撃を回避させている。
佐々木は上を見上げた。PKPはそのままだ。「准尉!引き金を引けば撃てるんでしょ?これ?」と佐々木。
「佐々木さん!何をするの!」とソーニャ。
「私が撃つのよ!」
「私が撃つのよ!」佐々木が吠えた!
「ダメ、佐々木さん!ルーフから頭を出しちゃダメ!」
「ソーニャ准尉、私が奴らを撃ってやる!このど畜生どもめが!」
装甲車の機銃手が少尉の後ろのバイクを撃った。アナスタシアがスライディングバックターンをして、そのバイクに駆け寄った。機銃手はアナスタシアも銃撃した。くそったれめが!
佐々木は夢中で引き金を引き続けた。偶然にも装甲車の強化プレキシグラスに佐々木の弾丸が続けて命中した。弾丸は運転手の顔を粉砕した。装甲車は横転し、海岸に横滑りで落ちていく。ソーニャ准尉が停車した。
助手席から佐々木がとび降りる。アナスタシアに駆け寄ると小柄な彼女を抱き上げて、車に駆け戻り、タイフーンの後部ドアを蹴りまくる。
「開けて!さっさと開けろ!アニーが死んじゃう!アニーが死んじゃう!」
衛生兵ももう一人のバイクの兵士を抱えてきた。後部ドアが開き、佐々木がアニーを車内に運び入れる。衛生兵も車内に入った。佐々木は助手席に飛び乗った。
「卜井さん、お願い!アニーをみて!」と後部を振り返って叫んだ。「准尉、准尉、ソーニャ、急いで!急ぐのよ!」
「よし、行くぞ!」とソーニャはアクセルを踏み込んだ。
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