【完結】石垣島のソーニャ准尉 (近未来戦記②)

✿モンテ✣クリスト✿

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第1章 イシガキ作戦、佐世保へ

第1話 佐世保入港

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 ロシア海軍太平洋艦隊は改称して、東ロシア海軍太平洋艦隊になった。艦隊所属の強襲揚陸艦、オスリャービャとペレスヴェートは、佐渡ヶ島から燃料補給と自衛隊の地対艦ミサイル、地対空ミサイルなどを積み込むために海上自衛隊佐世保基地に寄港した。
 
 船は、西彼杵半島を右手に見ながら佐世保湾に入る。九十九島半島を回り込み、海上自衛隊立神岸壁に接岸する。
 
 佐世保を母港とするイージス護衛艦は、DDG-173「こんごう」、DDG-176「ちょうかい」、DDG-178「あしがら」だが、「ちょうかい」は「あたご」とともに北朝鮮の弾道弾防衛で日本海に展開中だったが、SM-3を撃ち尽くして、SM-3の補給のために舞鶴に両艦とも寄港中である。

「ちょうかい」、「あたご」の代わりに、台湾近海で展開していた「まや」と「あしがら」が日本海に展開した。現在、佐世保にはドック入りしている「こんごう」が立神岸壁に接岸している。その向こうには、DDH-184「かが」の姿も見えた。F-35B戦闘機の搭載に向けて訓練中なのであろう。

 日本海のイージスは二隻だったな。『ちょうかい』と『あたご』?台湾領域のイージス『まや』と『あしがら』は間に合わん!イージスが八隻もあって、四隻しか海にいないってなんなんだ!こんごう、きりしま、みょうこう、はぐろはどこだ?ドック入り?

 ロシア軍の場合、自衛隊も同様だが、兵士、下士官から尉官に進級する軍人はわずかしかいない。アニータ、スヴェトラーナは、下士官からの叩き上げで准尉に進んだが、それ以上は難しいかった。

 しかし、今回の佐渡ヶ島戦役での功績により、エレーナ少佐からの推薦も有り、両名とも少尉に特進した。アニータは、右手貫通銃創、スヴェトラーナは、左太腿の銃創を負ったが、彼女らにとってはかすり傷に等しい。

 そうそう、両名とも佐渡市市役所で土屋、本間と結婚したので、現在は、土屋アニータ、本間スヴェトラーナという名前になっている。



 数日前のこと、北朝鮮の特殊作戦部隊を撃退して、一段落付いた佐渡ヶ島レーダーサイトで、両名はエレーナから呼び出しを受けた。
 
「スヴェトラーナ、アニータ、傷の具合はどうだ?」とエレーナ。
「ハ!こんなもの、かすり傷であります!」
「まあ、負傷は負傷だ。アデルマン大尉、アナスタシア少尉は、張り切りすぎてまだ病院にいるからな。さて、現在、我が東ロシア共和国は、日本国との安全保障条約締結準備を進めている。その前段階として、相互防衛協定を仮に結んだ。未だ、朝鮮半島の戦役は膠着状態で、北朝鮮に対して油断できない。我が部隊が佐渡ヶ島にまだ駐留しているのもそのためだ」

 そこで、問題は、台湾の方だ。現在、中華人民共和国人民解放軍、南部戦区、並びに東武戦区が台湾への武力侵攻を画策中、実際には、台湾の南シナ海の太平島は奪取されている状態である。自衛隊、在日米軍も台湾近海に展開中だ。
 
 つまり、自衛隊、在日米軍共に日本海、台湾近海の二方面作戦を強いられている。もしも、サドガシマ作戦、留萌《ルモイ》作戦が当初の目的通りであったら四方面作戦になっていただろうが。
 
 自衛隊は、元々二方面作戦は想定していない。だから、北朝鮮向けの日本海の防備と台湾近海、沖縄、南西諸島の離島防衛で、艦艇は払底している。北の攻撃前から、イージス艦のこんごう、きりしま、みょうこう、はぐろはドック入りだった。まだ二週間は出港できない。ちょうかい、あたごも佐渡戦役でSM-3を撃ち尽くして、舞鶴に寄港中。台湾近海に展開していたまやとあしがらを呼び戻して、日本海に展開させたぐらいだ。

 在日米軍もご同様だ。米海軍佐世保基地には五隻の揚陸艦と四隻の対機雷戦艦(掃海艦)が配備されている。強襲揚陸艦ワスプ、輸送揚陸艦グリーン・ベイ、ドック型揚陸艦ジャーマンタウンとアシュランドは第11水陸両用戦即応隊を構成していて、沖縄で第31海兵遠征部隊の編成のために、沖縄方面に出払っている。強襲揚陸艦、LHA-6「アメリカ」はまだ台湾方面に出港していないで接岸中だ。米軍もさすがに二方面作戦は想定していなかった。

 そこで、日本政府が目をつけたのが、ここ佐渡にいる強襲揚陸艦、オスリャービャとペレスヴェート二隻とエアクッション型強襲揚陸艇だ。オスリャービャとペレスヴェートは最新型とはとても言えない。満水排水量も4千トン級。だが、自衛隊の離島防衛に使用する戦備は十分輸送できる。また、エアクッション型、ホバーも足りない、ということで貸与できないか?と打診されたんだ。

 もちろん、エアクッション型、ホバーは航続距離が短い。だから、オスリャービャとペレスヴェートに曳航させてはどうか?ということだ。無茶な話だが、検討した結果、可能なんだ。

 ということで、この小艦隊は、佐渡を出港し、佐世保で燃料とミサイルなどの補給を行い、沖縄を経由して、え~っと、どこだったかな?ああ、「イシガキジマ」というオキナワから400キロ、台湾から240キロの距離にある離島に自衛隊装備を運搬する任務を与えられた。
 
 日本もアメリカも中国から宣戦布告されたわけでもない。大っぴらには動けない。中国から内政干渉と文句を言われる。日本国憲法の制約もある。しかも、海上艦艇は不足している。
 
 その点、東ロシア共和国は、中国と対峙しているが、核抑止も効いていて、中国などに文句をつけられる筋合いはない。だから、日本国との相互防衛協定の防衛協力の一環として、この輸送任務を引き受けたということだ。
 
 佐渡、佐世保、オキナワ、イシガキジマの航路には、海自の潜水艦も護衛としてついてくれる。貸与するホバーは、ロシア製だから、運行のために我が海軍から八十名を派遣する。そして、アニータ、スヴェトラーナ、貴官らは、海軍兵士の護衛として、我が部隊女性兵士四十名を指揮して欲しい。ミーシャとアニーは文句を言っているが。
 
 結婚して、除隊という約束だったが、もうひと仕事してもらいたい。土屋さん、本間さんには私からも謝罪しておく。
 
 そうそう、陸自の方からの申し入れで、佐渡に今駐屯している水陸機動団四百名もオスリャービャとペレスヴェートに乗せていく。

 輸送任務なので、危険はない。石垣で任務が終われば、ここにまた戻る。それで、除隊で、晴れて新婚生活だ。バカスカ、子供を産む行為が毎日できる。



「アニータ、スヴェトラーナ、質問は?」
「オキナワ、イシガキジマの気候はどうなのでありますか?後で、地図を調べますが・・・」とアニータ。
「亜熱帯気候だ。佐渡は初夏だが、あっちは真夏だ。今も28~30℃、日によっては32℃近くまで気温が上がる。だから、水着を佐渡市内で購入しておいたほうがいい。隊員にも夏装備を準備しておくように伝えるように。足りない物資は、自衛隊の営繕課が支給してくれる。バカンスだと思って楽しんでくれ」
「出港はいつでありますか?」とスヴェトラーナ。
「すぐで悪いが、明日午後だ。航路、行程はメールしておく。両名は、隊員の選別作業等が終了したら、非番とする。土屋さん、本間さんとよろしくやってくれ」
「了解であります!」
「それから、両名とももう結婚したのだから、船内、佐世保、オキナワ、イシガキジマで、浮気などしないように!浮気したら、銃殺するわよ!」
「それも、了解であります!」
「帰ってきたら、みんなで秋葉原とディズニーランドに行きましょうね!」
「新婚旅行代わりでありますな?」
「結構、今回、働いたもの。そのぐらいは楽しまないとね!」
「ラジャ!」

 その日の午後、ひと通り隊務を済ませたアニータ、スヴェトラーナは、土屋、本間を呼び出して、市内で買い物をした。選別した女性兵士四十名も分散して、市内の洋品店を物色、無理にお願いして、夏物の衣料、水着を出してもらった。
 
「アニータ、あなた、ヒップサイズは?」とスヴェトラーナ。
「92センチだって。ちょっと痩せたかな?」
「私は94センチ!まあ、普通ね」
「これ、どうかしらね?ちょっと露出し過ぎじゃない?」とビキニをヒラヒラさせる。
「超ハイレグじゃないの!あなた、ボトムはともかく、あなたの胸、はみ出しそうよ!乳首出ちゃうわよ!」

 キャーキャー言って試着する横で、旦那の土屋と本間が「本間さん、ウチのかあちゃん、大丈夫だろうか?男ばっかりの船内って言うじゃないか?あのボディーに目がくらむ男が居ないとも限らないぞ!」
「そうだよなあ、あんたのアニータさん、すごいプロポーションだからなあ」
「本間さんとこのスヴェトラーナさんだって、あの吸い込まれそうな青い目で見つめられたらクラクラする男がいっぱいいるぞ!」
「まずいなあ・・・」
「留守にするのは二週間ぐらいって言っていたもんなあ・・・」
 
 浮かない顔の二人にアニータが「とおちゃん、あなた、私らのことより、ここに残っているロシア軍女性と浮気したら承知しませんよ!」
「そうよ、浮気なんかしたら、銃剣で突き刺して殺してやりますからね!」
「かあちゃん、心配なんだよぉ・・・」
「心配する必要はありません!」
 
 あ~、でも、亜熱帯の島・・・ウキウキしちゃうわ・・・このビキニ着て、男を悩殺するくらいはいいでしょ?・・・あ!うずかないように、今晩はたっぷりご奉仕してもらわないと・・・
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