【完結】石垣島のソーニャ准尉 (近未来戦記②)

✿モンテ✣クリスト✿

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第3章 イシガキ作戦、イシガキへ

第11話 左翼活動家、市議会議員の密談

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 翌日、富田に一同は呼び出されて、富田の借りている市内のウィークリーマンションに行った。広瀬は自分を抜きにしてソーニャがバーに忍び込んだのをまだブツブツ言っている。
 
 富田が部屋に備え付けの43インチテレビにHDMIケーブルでパソコンを接続、トランスミッターで転送されたバーのCCDカメラの映像を一同に見せた。「こんなに早くこいつらの動きが察知できるとは思いませんでしたよ。しかし、無防備ですな。日本の警察が何もしないとでも思っているんでしょうかね?」と言う。
 
 テレビに映し出された映像を富田が解説する。
「このカウンターの男は石垣島の市会議員Sです。左翼系野党の人間。相手は台湾国籍で、正体は解放軍の工作員の陳。たわけたことを話してますね。非戦力、無抵抗の島の実現なんだそうです。日本国土を売り渡すに等しい。え~っと」とパソコンを操作して別の場面を見せる。「こっちは陳と元革マルの活動家のH。石垣島の農家を買って農業をしているとしてますが、実は大麻の栽培をしている。このHと陳が、解放軍の石垣島侵攻と呼応して、両少尉が見つけた対戦車ロケットランチャーで陸自駐屯地を攻撃する手筈を相談しています。ああいう兵器を隠した納屋があと三ヶ所発見されました。ランチャーは30基以上あります。それから、マシンガン、拳銃などの携行兵器も準備しています。ほぼこいつら一味の人員は判明しました。二十三名。さあって、どうしましょうか?」

「ただ単に武器を押収して、逮捕しただけじゃあ、自分の信じたいことを信じる輩、バカなマスコミは、すぐ政府による陰謀だとか、人権だとかいい出すだろう。中国だって知らぬ存ぜぬで、ローカルニュースになってしまう。かといって、この映像を政府が公開するわけにもいかない。もしも、政府が公開したって、効果は薄い。そうだねえ、ちょっとした案があるんだが・・・」と紺野が説明した。
「ああ、その案、いいですね!それが放映された頃合いを見計らって、こちらも一斉検挙をかけて相乗効果を狙えます」と富田。

 アニータ、スヴェトラーナ両少尉、ソーニャ、カテリーナは、ロシア連邦のやり口に慣れているので、紺野の案をすんなり納得した。

 広瀬は「そういう情報操作はやっていいんですか?」と不満顔だ。
「だって、広瀬、現に隠匿兵器の存在があり、この映像があるんだ。でっち上げでも事実の捻じ曲げでもないんだよ。ただ、公開方法をひと工夫するだけだよ」と紺野。
「う~ん、小官の任務外の話なんでなんとも言えませんが・・・」



 卜井ウライと藤田、佐々木が、ペレスヴェートとオスリャービャの石垣島滞在延長のニュースを聞きつけて、取材しにペレスヴェートのアニータ少尉の元を訪問した。
 
 艦の会議室で佐々木他クルーが撮影している。「二週間、ここに滞在するってことですか?」と卜井ウライがアニータに聞く。
「ええ、せっかくだから、島民の方々に艦内を公開したり、交流会を開こうと思ってます。これ、ウラジオからの案で、日本政府も歓迎してくれてます」
「それはいい!いいネタですよ。局も喜びます。日程が決まればお教え下さい」
「もちろん、卜井ウライさんたちに真っ先に!」
「ありがとう。佐渡ヶ島からの縁ですからね。うれしい!」
「こちらも東ロシア共和国の宣伝になりますもの。願ったり叶ったりですわ」
 
 取材クルー一同はタラップを降りて下船する。タラップの警備はカテリーナが担当していた。
 佐々木が彼女を見つけて「カテリーナ伍長、今日もお仕事?退屈じゃない?」と彼女に言う。
「佐々木さん!任務ですので!」
「大変ね、こういう警備も。直立不動で長時間いるなんて・・・今度、非番、いつ?食事に行こうよ。奢っちゃうから」
「え~、いいんですか?明日午前中なら非番ですけど・・・」
「いいわよ、食事してショッピングしようよ。お昼にお寿司、食べない?」
「お寿司ですか!ありがとうございます」
「じゃあ、明日、9時くらい?迎えにくるわね」
 
 佐々木が卜井ウライたちを追って立ち去ろうとした。
「あ、佐々木さん、これ、落ちましたよ」とカテリーナが佐々木を呼び止めて、手渡す。佐々木はUSBメモリーらしきものを見て、あれ?誰か落としたかな?と何気なくポケットに入れてしまった。
「カテリーナ、ありがとう。じゃあ、明日ね」と手を振ってクルーを追った。
 
 取材クルーは二軒、家を借りていた。こういう貸家があちこちにあるのだ。卜井ウライと藤田、佐々木と他の三人で別々に借りた。むろん、三人のクルーは卜井ウライたちの事情は知っている。
 
 卜卜井ウライたちの借家は東京の芸能人の持ち物で、3LDK、庭には小さなプール付きだ。三人とも家に帰ったので、ラフな服に着替えている。卜井ウライと佐々木はタンクトップにホットパンツ。二人共ブラなしだ。藤田はバミューダにTシャツ。
 
 藤田がソファーに座っていて、佐々木を抱き寄せた。「まだ、ぼくはこの状態に慣れてないんだよなあ」と佐々木の胸を揉みながら藤田が言う。佐々木が喘いで彼にキスをする。「まったく、あんたたち、帰ってそうそう、もうするの?」と卜井ウライ

「だって、藤田が抱き寄せるから・・・」と佐々木。
「あんたは私たちの養子なんですからね?養子の女が養父にそういうことを妻の前でするわけ?」と卜井ウライ

「あら、卜井ウライさん、鼻をふくらませてどうされました?私と藤田がすると、すぐ興奮するんだから」
「フフフ、こういうのが日常というのが楽しいわ。みんな、一夫一婦制でどう満足してるのかしらね?妻二人だと浮気が浮気じゃなくなって、それに私は佐々木も相手にできる。このシステム、いいわ。気に入ってる」
「ぼくはまだ慣れてないよ、卜井ウライ
「藤田、バミューダの前を思いっきり大きくさせて、説得力がないわよ」

「まったく、佐々木も佐々木よ。まだ、処女卒業して、数週間でしょ?それが今じゃあ娼婦になっちゃって、清楚な背の高い眼鏡っ娘はどこに行ってしまったのよ?」と卜井ウライがL字ソファーの彼らの横に座って、ホットパンツを脱ぎだす。
「こういうの見てるとガマンできないわ」と藤田のバミューダを剥ぎ取った。「私もいただいちゃおうかな?」
「あ!卜井ウライさん、先に咥えちゃうの?」
「佐々木が上半身なら、私は下半身をもらうもん」三人は相手を変えながら、一時間ほど淫らなことをした。



 ホットパンツを履き、取材の時のズボンを畳んでいて、佐々木がポケットの膨らみに気づいた。「そうだ、そうだ。カテリーナがタラップを降りる時に」と絡み合っている卜井ウライと藤田にUSBを見せる。「これが落ちてるって渡してくれたんだ。誰のだろ?」
「私のじゃないわ」
「ぼくのでもない」
 
 佐々木がパソコンを立ち上げて、パソコンにメモリーをさした。ウィルスチェックをして、メモリーのアカウントを確認するが、何もデータはない。持ち主不明。ファイルマネージャーで内容をチェックすると、MP4のファイルが12個入っている。タイムスタンプがファイル名になっている。時刻は一昨日と昨日の夜。
 
 あれ?動画ファイル?と佐々木は思って、一番古いファイルをクリックした。メディアプレーヤーが立ち上がり、再生がスタートする。これ、何?動画には、バーの風景が映っていた。音声が小さい。ボリュームを上げる。あれ?この人、取材した市議会議員じゃなかったかしら?え?非戦力、無抵抗の島の実現って何?
 
 別のファイルを立ち上げる。そこには大麻栽培が疑われている活動家が映っている。議員と話し込んでいた男と話している。やはり、音声が小さい。でも、ところどころで、陸自駐屯地とかロケットランチャーとかの単語はわかる。音声をテキスト起こししないと詳細はわからないが、この動画、ヤバいんじゃないの?
 
「ちょっと、ちょっと、卜井ウライさん、藤田さん、この動画、見てよ」
「何よ?ポルノでも出てきたの?まだ私の番だからね。藤田、もっと奥!こねて!」
「二人共、そんなことをしている場合じゃないわよ!動画が入ってるけど、ヤバいやつよ!陸自駐屯地にロケットランチャーで攻撃をかけるっていうテロ行為の密談なのよ、これ!」
「え?何だって?」と卜井ウライと藤田は体を離した。「なんでそんなものが?カテリーナが落ちているのを見つけたんだろ?岸壁になんでそんなのが落ちてるのさ?本物?」

「だって、この前取材した議員とか、大麻栽培が疑われている農園の持ち主とか、本物だと思うわ」

 三人は、あわてて、動画音声の文字起こしをした。集中しないと聞き取れなかったが、内容は、無抵抗で中国軍の上陸を許すとか、数日後に駐屯地を攻撃するとかの内容だった。
 
「これ、東京の局に連絡するわよ。こんなとんでもないもの、相談しないと。佐々木、カテリーナにどこで拾ったのか聞いてみてよ」
「明日、朝9時に食事しようよって誘ってあるわ!」
「それで聞いてみて・・・まさか、自衛隊の人間が落としたもんじゃないわよね?私と藤田は、自衛隊の石垣出張所の広瀬二尉とかに聞いてみる!」
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