重たい愛は如何ですか〜狂愛侍従と王子様〜

なつや

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公式本より

ある少年の話

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 ある日、ある時、ある国に少年は産まれた。
 少年は王族の産まれであった。

 少年は王子として産まれ出て産声をあげたが、産婆が取り上げた瞬間に存在を秘匿される事になった。

 少年は双子であったからだ。

 片割れは金髪に青眼。
 片割れは白髪に赤眼。

 ある国で赤眼は『悪魔の魂』を持つとされ、死後も神に贖罪が赦されなかった者だと言われていた。

 秘匿された少年は、王宮にある端の塔に追いやられた。
 政略の為に生かされたのだ。

 少年が7才になる頃。
 双子の片割れが死んだ。落馬事故だった。

 少年は塔から連れ出され、片割れとして生きることになった。
 瞳を黒布で隠して。

 死んだ片割れとして生き続け、少年が18歳になった頃、少年の父であった王陛下が死んだ。
 少年は18歳の若さにして国の王となった。

 少年が没するその時まで……

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