妊娠シリーズ

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出会い編

第15話:妊娠…繋がった二人

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 初体験のときみたい?ちがう!たしかにあのとき痛くて痛くてたまらなかったけどこの痛みは断じて違う!もっと神聖な奥深いところから発する痛みなの!

 高2の時、友達みんなに遅れまいと年齢詐称で合コン参加して、気の合った東大生とホテルでベッドインしたけど、セックスが下手で無理矢理挿れられた涙の午前3時のオプ。今も花束をかきむしるような痛みと共に思い出す。

 その痛みの悔しさを埋めるために学生時代を費やした疲れ知らずの男漁りの日々。ああ!今思うと恥ずかしくなるわ。なんて無益な時間を過ごしたんだろうって!

 その後、たしかに何人か本気で愛したことはある。だけどこれほど、命さえ捧げて愛した人はいなかった。今私は本物の愛を知ったの!教えてくれたのは、毛だらけで全身真っ黒な運命の人、あなたよ!

 私の中にあなたを、あなたの熱い想いを感じるよと彼を見たら、呆れたことチンポおっ立てたままグースカ寝てるの!ほらせっかく半分入ったんだから早く起きなさい!って思いっきりビンタかましたの。

 あとちょっと、あとちょっとで一つになれるんだから!お願い!私だけじゃ無理!あなたも協力して!

 私が彼を迎えようと必死になってると、彼が起き出してきたの。な、なに、また暴れるの?と思ったら、彼、指で私の乳首を触りだしたの。毛だらけの長過ぎる指で、涙が出るくらいの優しさで「フウフウ」とか言いながら触ってる。

 そして上半身を起こして私を抱きしめてくれたの。ありがとう、あなたも私を愛してくれてるのね!私はもう涙でグジョグジョになって止まらなかった。身体中が泣いてるの!肌もおっぱいもアソコも!

 突然プチプチって音がして下半身に激痛が走った。痛い!さっきの痛みどころじゃない!子宮を突き破るような熱い痛み!

 入ってる!彼が全部、奥まで入ってる!私は嬉しくて彼に笑いながら言う。

 「やっとひとつに、やっとひとつになることが出来たんだよ!」

 私はおそるおそる腰を動かしてみた。動く、凄く動く、私の愛液と彼がくれた愛の力で私たちは本当に繋がったの!

 これが初体験だったらよかったのに!いやこれが初体験なのよ!彼が童貞であるように私もまたセックスばかりで愛を知らない処女だったのよ!

 二人ともヴァージンだったんだ。お互い愛を知らず彷徨っていたのよ!今、二人で清らかに愛し合う!清らかな子供のように抱き合って!

 私は抱きつく彼にキスをして、教会で厳かに取り仕切られるミサのようにゆっくりと静かに腰を動かしていった。



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