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祭
真・自分 参部 「祭」
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真・自分
壱部
「四辺ノ町」 「冷寒ノ地」 「弛温ノ領」
弐部
「秘境」
参部
参部
「祭」
◯ 祭り
沼地の淀んだ河川の流れる地、一般人の伝統的祭事イベントが執り行われる日。
穢れを祓う祭事が開催されている。
山焼き。
季節は年初め頃の冬。
寒々しいながらも澄んだ暗色の夜空、斬り裂く炎は山ごと抱き立ち昇る。
橙色、赤色、紅色、黄色、朱色、緋色に、照らされる。
御膝元で彩るはビームのようなスポットライト。
屋根電柱屋台の高所高所、芝の裾野広がり地表地表、至り巡りつくす発射口。
天々点々と焚かれ、照らし踊る。
昼と夜が混在する世界観を創造している。
昼と夜を混ぜ返すは、色鮮やかな花火も誇らしく鳴り響く。
ドーーン ドーーン ドーーン 、バタタタタタ、、ーー
ド ーーー ーー ー ー ン
◯ 巣食う「膿」
穢れを祓うテーマの祭りということで、亢龍を宿す黒社にとって、祭り会場の中心近くは、
どこか空気を吸いにくく、窮屈に感じるのだろう。居心地が悪いのだろう。
それでも山焼きは、弛温ノ領の一大イベント。
亢龍を宿す黒社は祭り会場から離れた建屋、
黒社派閥は、まさに侶布工場を拠点として、祭りを愉しむ。
派閥が顔合わせ集会の意味もあり、年々この日に集まっていた。
派閥『迷える子羊から巻き上げてキマッしったぁー』
派閥『おーーナイスッっスーー』
派閥『えっッグうぅぅえっゲツないスねえぇ』
派閥『苛めプン回しできんのがいるとぉ毎日ストレスフリーチョーーカイテキっスよお』
派閥『どんだけ苛め回して勝手に死んだところでぇなぁぁぁんもオトガメなっしぃ』
派閥『ツミの欠片も降りてこぉなぁいぃ』
派閥『むしろ警察様もごいっしょにぃぃなって苛めてるでしょおぅん』
黒社『どんだけカンじてんだ、はしゃぎ過ギ』
派閥『次の新作おもちゃあお待ちしてますうぅぅ』
派閥『また誰だっけアレ、長くタノシめるとイイんスけどねえぇぇ』
相変わらずだよな。
ヤクザくずれのチンピラくずれ。下品で貧相なことしか言えない連中だ。
次代のオモチャとなっている人物は、どんな人か知らない。
ひょっとしたら次のオモチャは、若人や引抜か?
願わくば、妖怪化外道化もせず、オモチャにも、されていなければいいが、
黒社派閥が生かさず殺さず、苛めの加減をしているか、
次代が自殺してしまったか、
次代が逃げて、また次代が来て、逃げての、代わる代わるか、あの前世のように。
とにかく、
混沌とした次代のタライ回しはあったかもしれないが、それも今日で終わりだ。
◯ 開幕
先駆けの一撃くらい死角から叩き込めばよかったかとも思うが、まあいいか。
道場破りならぬ、派閥破りセジス。らしく正面から歩いてバッタリと。
細かい砂利を噛んだ敷居レールをスライド、ガラリ、扉を開く。
派閥の人数は揃っている。
これ以上の参加者はいないはず。予期せず、何者かが現れた不信感。
誰だ。
名乗ることもあるまい。お前らがよく知っている人物だ。
仄かな月あかり、逆光を照らす。
派閥の顔は屋台のお面かとたくさん並び、
久しそうな顔をしている奴、また苛めれると算用してニヤニヤしている奴、睨み効かせているつもりの顔の奴、何をしに来たのかと怪訝な顔の奴。
派閥大集合の面々から大注目を浴びるセジス。
濃い静電気が空気にも緊張を促す。
言葉はいらない。お前らの結末はひとつだ。
ドンッ
開幕を告げる踏切り音。
義足がおもいきり、踏み、地床蹴る。
アスファルトが跳ね返るほどの強烈な一歩から踏み切る。
細かく散る粒子も演出のひとつ。
粒子が輝き、ある種の晴れ舞台のようにステージを彩る。
鋭く放たれる、
飛び蹴り。
黒社強の肥え太った顔面をガッチリと捉え、めり込む。
ブーツの外側でも踵を顳顬に捉え、土踏まずは眼輪筋を塞ぎ、母趾球を鼻筋鼻根筋を歪ませる。
よろめくデブ。
「膿」により、本来の能力を封じられてもいた、片乙。
「膿」を紐解き、真名を授かり、能力を解放した反動は、
セジスに人間離れした潜在能力を宿すに至った。
私はこいつらの知っている片乙と同一人物、でありながら、
以前であればあっさりと取り囲まれ、派閥のいいような見せ物、壊される人形ショー。
オモチャとなる状況。
別人のような動きをしているセジスに、戸惑いを隠せない。
隣から常に何時何時も黒社に張り付いていた太鼓持ちも、目を見開きつつも目が泳ぎ、
驚いたような顔をしている。
なにが起きているのか、わからないような顔をしている。
滑稽な顔をするようになったな、太鼓持ち。
苛められっ子の弱者が、派閥達が信ずる絶対強者、その顔面を歪めさせている。
来たるべき時が来た。その場の派閥全員が一瞬で状況を察する。
この瞬間。
黒社は己への顔面キック、とくに意に介さず。淡々と派閥への高慢なアゴ使い。
同時に、
主人といえる黒社に足跡が型いた途端、一気に臨戦体制となる。
数圧。
数で有利な派閥は、私1人に負けるわけがないと思っているから、以前のように、
囲んで摘んで千切り、排除するつもりだろう。
派閥『あーーーオメーーーー』
派閥『俺が敵か。お前の?、偉ぅなったのお』
派閥『なんでキたン』
派閥『テメェ如きになぁぁぁんにができるウゥぅぅ』
派閥『いよいよ死ににきたのかあぁ、ああ』
派閥『オレらを地獄送りんしてみるかぁあぁできるわけねーけど』
「たかが地獄ごときで、済むと思ってんのか」
◯ 八つ当たり
整理整頓がない、
乱雑しかない工場には、逆に乱雑はいくらでもある。
遠慮なく大暴れする以上、使える資材はたくさんある。
台車をスケートボードのように乗り扱い、
まずは多勢を分散、
フォークリフト、社用車もついでに暴走させ、
資材をばら撒き、
テリトリー展開。
◯ 筋肉
真っ先に、流石はフィジカル。フォークリフト、社用車を一息に飛び越えるフィジカル、
得意としているローキックにて動きを止めに掛かってくる。
以前は鳶塗装屋にて、手も足も出なかった筋肉のフィジカル、
筋肉『カモン、サンドバック』
筋肉『殺しそこねたからな、今度はきっちり死ねやああ』
どんな方法であっても筋肉を阻止できる、落ち着いて対処できる私の姿勢があった。
今では足を振りかぶり、得意のローキックモーション動作に入っいる筋の流れも見えるようになった。
筋肉のローキックに対して、
交差する、ソバット。
カウンターもついでに威力の上乗せになって、足応えに伝わる。
バキッ、
顳顬の急所に踵が捩じ込まれた。
一撃。
◯ 警察
筋肉とほぼ同時、ホルダーから構えて向かう警察。
警察『治安を乱す凶悪な犯罪者め、とっ捕まえてやる』
警察『怨恨でとち狂い1人2人を暴力で傷つけたところで、社会になんの意味もない』
警察『暴行罪、殺人罪、警察の目の前で犯行を犯した愚かな犯罪者になるだけだ』
警察『ましてここにいる全員が証人だ』
警察『この人数にあっけなく拘束され、身柄拘束だ』
警察『お前の主張を弁護する者も、誰1人いない』
警察『罪はどこまでも大きくなる一生拘置所に入れクズーーーーー』
初顔ではあるがネズミ取りの誰かだろうか、
ここに居るということは、黒社派閥の1人と仮説、と直感が結びつく感覚が確かにある。
廃コンテナの現場にも、居たんだろうな。
警告文句は、一切触れていないな。
黒社が派閥と、私の手足を捥いだ暴行犯罪の件は。
犯罪者として祀りやすい私を一方的に煽り、
自身の立場にも関わる黒社達のことは、
最初からすべて揉み消されることになるから、言わなかったよな。
やはり闇警察の存在があり、黒社派閥の一端を担っていた。
警察本部に連絡はしているだろうか?
闇警察の自覚があり、連絡自体控えているか、
あるいは警察本部もこんな廃れ工場、ハナから相手にする気もないかもな。
ホルダーから拳銃を取り出し、構えて、射つ。
やむなく行使される警察権力の正当防衛ということだろう。
だがこの場では、人間の法律憲法権利も介入の余地はない、あるのは私の復讐。
拳銃から発射される弾丸の通過ラインが見える。
人混みを避ける要領でラインを避けて進む。
当たらない弾丸に焦りの色、脂汗が滲んで、空気を吸いながら、
警察『・っ・・ひえっ』
の拍子、言ったか言わないかで、弾丸の速度と交差するカウンター。
木槌。犠牲となった罰金の重さも込めた、ロング木槌。
車の速度で、真っ直ぐ、
槌口のスイング。鳩尾の芯を捉え、槌口は面で鳩尾に、深々と突き刺さる。
ベッコン、
槌車に轢かれた衝撃力。
その一撃は、セジスの思った以上にめり込んだため、反射的に若干やりすぎたかなと思ったりもする。
アバラの骨など粉になっているだろう。
黒社派閥、脱落の2人目が、国家権力様の警察様。弱っ。
どうした?
大勢民々の味方の警察様が、機能不全になったぞ? お手上げか? 無能共。
一撃。
◯ 先生
黒社と同じ太めの人型だが、半端に太した図体。ただの型落ち。筋肉と比べても型落ち。
もう相手にならない。
太めに達磨か丸々とした上半身を支えるには頼りない、痩せた細木のような下半身、
台車の下段スロー、脛断ちからの、
角材アタック。
そういえば、
いつかの約束を果たせなかった原因は、テメェの八百長だったな。
高校時代、代表を選ぶテストのとき、私と後輩1人、2人だけのテスト比べ。
テストスコアは、私が高かった。
先生『片乙にできるわけない』
先生のこの一言で、テストをもう一度することになった。
二度めのテストで負けた私は代表を譲り、「イベントで再会する約束」を守れなかった。
そして、
先生は私に、最初の「負け癖」を植え付けた張本人。
少年片乙の無念も込めた、角材ストライク。
ズギャッ、
一撃。
◯ エラ張り
類はなんとやら、か、相手にならない以下同文。
ベシッ、
一撃。
◯ 妖怪ババア外道ジジイ
妖怪『やヤやヤやヤや』『めメめメめメめ』『らラらラらラら』『れレれレれレれ』
以前はこの一言一言で枷がかかり、途端に身動きを封じられていた。
今、私はコイツらを殺しに来ている。一々応じてやる理由はない。
ババアは己が裁量も省みず、我先にと前に出る性質がある。
前に出たところで実際出来ることは、ギャアギャアけたゝましく騒ぐだけ。
外道ジジイもババアを煽りたてる。
が、所詮どちらも、うるさいだけの老害。本体にはなんの技能もない。
ババアはババアと似た老害と同調するのも、ババアの性質。
バサリッ、
ほっといても集まるので、効率よく、ひとまとめにさせてもらった。
針金を編み込んだ防護ネット。
本来は出荷品の傷や汚れを防ぐ、しなやかに靭い編み物カバーとしての用途。
トラックの荷台をまるまる覆うサイズもあり、広げるとかなりの範囲をカバーできる。
端のババアも、つまんで捨てて、蹴ってどかして、防護ネットカバー内にまるめる。
いわば大きい虫取り網に絡まれた老害共、
縛り上げた網を、ぎゅう、ぎゅう、長く細く捻じる。
よっこいしょ。
ハンマー投げの要領で、助走としての引き摺り回す段階から、徐々に遠心力が加わり、
縦横無尽に振り回すと、
なんということでしょう。広範囲をカバーできるフレイルになる。
妖怪フレイル、呪いの武器だな。
取り回しは少し重いものの、
鬱憤を晴らすための武器の重量、その手応えとしては納得がいく。
重量のあるフレイルを、
右になぎ、
左になぎ、
薙ぎ払う。
遠心力も回転力乗算として加わったフレイルは、強く速く暴走する。
何も出来ず絡まれた悔しさやら、恐怖やらでギャアギャアもギャラジャラ、
さらにうるさくなった。
謝罪らしき言葉を叫んでいるババアもいるようだが、誰が聞いてやるか。
かつてされたように、人間の扱いはしてやらぬ。
網の中、妖怪外道はミキサーになりながら、のたうち回っている。
いつかの私がそうだったように、涙、涎、鼻水で糞を流しながら、悶えている。
こういうババアジジイは、口撃を得意としている。
かといって、うるさいから黙れと言ったところで、黙れるものでもない。
ゴミ袋の中の生ゴミのような状態でもなお、うるさく、やかましい。
黙れるほどの理性もすでにない妖怪だ。
体や手足、頭もろくに動かないくせに、
口であれば、言葉であれば、それはそれは流暢に、いくらでも回し続けてきやがる。
私もかつて窮地に追い込まれた妖怪の口撃だ。
こういう奴らには声を出なくさせてやるのが、一番効く屈辱になるだろう。
声帯ごと、黙らせてやろう。
ビット。電動ドリルに使う、ネジられた小さめのドリルだ。
汚物の喉元めがけて、速射ギュルギュルギュルギュル、鋭く抉る。
部位破壊、声帯。
強制サイレント。
やっと静かになった。
この糞老害妖怪共め、ざまあみろ。
怯え、腰も抜けているか。
痛いだろう、恐いだろう、怒るだろう、恨むだろう、
かつて自分達が私に向けていた事と同じだと、気づいてはいるだろうか?
屈辱は感じられたか?
手先足先まで恐怖に満ち満ち足りた顔をしている。怯え、恐れ、慄く顔を、
妖怪団子のゴミ袋、見てられんほど醜いな。
声帯がなくても、なお汚い悲鳴がジョロジョロ漏れている。
屈辱も最高潮になったところで、トドメを、刺さない。
悶える屈辱を、いつまでも味わえ。
迷惑撒き散らすクソ老害め、
脳ミソ腐った妖怪外道が、一般人に四の五の言ってんじゃねぇ。
過去ごと消えろ。
妖怪フレイルをさらに振り回し、
硬いコンクリートに、ゴテゴテした壁に、叩きつける。
数いる妖怪個体を一々相手にするのも面倒だ。
まとめてくたばれ。
一際暴れん坊将軍だったキチガイも妖怪団子に丸く収まり、デュクシ。
お払い棒(大麻)代わりの防護フレイル、浄化されよ呪霊退散、デュクシ。
妖怪団子の中で、勝手にポキポキ折れといてくれ、根腐れヒョロ枝、デュクシ。
女王様気分は堪能できたか、絵の具口唇、デュクシ。
他雑兵妖怪もまとめて、デュクシ。
一撃。
◯ 脳梗塞ジジイと倅
老害は老害の近くから死体が動くように湧いて出る。
ゾンビ老害の分裂か。気色悪い。
傍らには倅も加わる同身体のよう。
手元にあるは妖怪外道を畳んだ、防護ネットフレイル。
暴走した脳梗塞ジジイを止めるは、同じ老害同士でちちくりあってろ、
ゾンビを処理する鉄球のごとし。
倅は脳梗塞が動力源の機械。元を断てば止まる。
どちらにしろ、
グシャッ、
慣性のまま叩きつける。グチャッと潰れる範囲重量。
グロテスクな汚物を一旦遮る、粉袋を撒き、砂溜めブラインド。
一撃。
◯ 外道ジジイ
しぶとい。
老害ゴミ袋の隙間からコソコソと、外道め、1人だけ脱せたか。
長く永く、悶える屈辱を、外道細胞全部消滅するまで味あわせてやりたいが、
後もつかえてる。
近くにある鈍器という鈍器を、毅然たる殺意のもと、これでもかと突き刺す。
両目ダンダン、鼻ダンダン、歯舌口腔ダダダダダダダン、ダダンダダン、性器もダン。
もう二度と、汚ったねぇ口は利けねえだろう。
バカは消滅しないと治らない。
一撃。
◯ 運吸い
そうだ。あの目。
一定離れた棚の裏からのコソコソと見ていた目線。
ピンポン玉のように目をまん丸に見開き、視界の挙動を何も残さず、凝視している。
なるほど、運を吸うのは目から吸収していたのか。
裏に隠れてネチネチと、他人から運を掠め盗る奴のしそうなことだ。
運だけで生きていた奴は、運を剥がされれば、脆い。
絨毯マットをブワリと仰ぎ、篭る塵気をなびいてやれば、
埃り、砂砂利が、ベッタリと目球の膜に張り付く。
律儀半端に育ちの良い家庭出身もあり、人間同士の出し抜きはスムーズなものだ。
反面、獣の反射的行動には、対処が遅れる。
たいした目が見えなくなった気分はどうだ?
方向感も失われれば、時間感覚もわからなくなるだろう。
チビデブだけど動体視力はムダにあるからな、
目が空いてればこんなテレフォンパンチ、当たらないんだろうな。
ズドン、
両目は飛び出し、鼻は沈む。
正道正拳突き、ドストレート。顔面へ、深々と突き刺さる。
一撃。
◯ 美形詐欺屋
詐欺屋『ジョークだろぉよぉ昔の話だろぉ笑い話にすりゃいいじゃねぇ』
詐欺屋『そんな貴方に新商品、貴方も潤い、派閥の皆さんも皆んなハッピー』
詐欺屋『君が買って、君が売る、するとお友達も買って、お友達も売る』
詐欺屋『君の分とお友達の分、ほら大事な収入に、こ~んなに』
詐欺屋『お友達もお友達の分が収入に、お友達が増えればさらに増えてステキ』
詐欺屋『普通に働いてては絶対入らない金額巨額』
詐欺屋『つーかこれも普通の働き、なんだけどネ』
美形2人で説得力を増す、誘わし、言いくるめるタッグ。
お金ハッピー話で私が止まると思ったか?
以前まともに詐欺を受けていたときにあったら、その甘言巧みに狼狽えるだけだったかもしれない。
今はお生憎さま、商談を悠長に聞いていられる状況でもない、
話を聞いてもらえない詐欺屋は、一転逆上し、金切り声をあげ泣き出す。
セジス『黙れ言うとるのが解らんのか』
気迫、失神、
御託を黙らせる、ゴシックな一言。
そういえば、詐欺屋に連絡していた売人正体を聞き出すのを忘れていた。
といっても、先生も運吸いもノびてるからな、このどちらかだろう。
口だけに特化した、ヒョロヒョロの素体。
チカチカ気絶オチしてないだけで、フラフラになっている。
もう放っておくか、
そよ風でもあれば、ハタリと倒れるだろうが、
高価そうな服を無造作にジュッと掴み、ポイポイッと投げる。
一撃。
◯ 太鼓持ち ゴマ刷り 内弁慶 傀儡 他派閥
傀儡『気デモフレタカ、ヤメナサイ』
俺らが主力だと言いたそうに、肩を怒らせるのは例の界隈だ。
太鼓持ちとゴマ擦り、内弁慶他の中ボス候補、いつもの脇を固めるメンバー
チンピラ、ヤンキー、グループ。
要塞。
傀儡もくっつく荷物、腰巾着かと後ろを憑いて来ている。
複数人で走り回り囲みこむ算段だな、
いつか考えていた特攻ソロ復讐では、まさしくこの状況になるのを危惧していた。
多勢に無勢は、やはり変わらない。
目地ブロック。コンクリートを固めただけの痛々しいブロック塊。
たくさんある。
身をクルリと返し、掴んで投げる。轟と飛ぶ。身をクルっ半返し、掴み投げ、轟と飛ぶ。
クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、
ターンとリズムが交わり、テンポ良い。
水平に落下してくる隕石の威力。
ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、
要塞の壁を貫通する、城割り隕石。
一心不乱。
隕石ブロックで討ちもらした数人、
やはりチンピラ崩れ、
代名詞鉄パイプをメインと持ち構え、せっせとヤンキースタイル。
あいにくゲームじゃないんだ。お前らとチャンバラを楽しむ気はない。
受け流し、刺突。
丸カン。
片手剣の長さほどある杭だ。不良ナイフより太く長く、はるかに貫通する杭だ。
ザクリ、
常人なら動けない大ダメージだろう。
一撃。
◯ 大食漢
大食漢『偉らなったのう』
大食漢『そこに直れえや』
贔屓を束ねてた自称偉い奴、デブが脂肪を揺らしながら、ブヨブヨしている。
また贔屓パワーで私を封じられるつもりか?
こいつは食い気が止まらない、呼吸こそ捕食、捕食こそ呼吸の奴だ。
大食いが駄々こねる場合、口に物詰めてやれば、黙る。
もう一生食っておけ、ギトギトホールかという口腔へ目掛けて、
土嚢ブチ込み。
ベヂョリ、
腹風船を満たす、十分の量だろう。ドブだのドロだのの調味料もたっぷり、美味しいなあ。
満足だろう。腹一杯喰えて。
考えてみると、
先生はデブ、エラ張りデブ、脳梗塞の倅もデブで、塗装屋の棟梁デブ、運吸いチビデブ、
筋肉はデブじゃないけどデブ、この食いしん坊デブに、派閥の数名デブ、
そして黒社はボスデブ。
私は160cm、人間としては小さめなのに、
どうしてデカいのとばっかり遭たるの?
どうしていつもデカいのと張り合ってるの?
まあいいや、とりあえず、
一撃。
◯ 子持ち様&ガキ
ガキ『ピビピビイイィィィギギギヤヤアアあああああ』
ガキ『ピビピビイイィィギギギヤヤアピビギギギギギヤヤアアあああアあああアああアああアあアあアああああピィギャピィギャピィギャピィギャピィィィギヤアアアァァ』
同じ派閥のツレが劣勢なのを感じ取っているのか、音波兵器は順調だ。
なんとなくわかってたけど、あの子持ち様も、黒社派閥、いわば私が部屋にいるときの監視役だったのか。
いくら防音、ノイズキャンセリングシールドを張ったところで、無音にはできない。
一度漏れ始めた音波兵器は、例え小音になったとしても、騒音の煩わしさは残る。
ガキのわめきは聴かされれば聴かされるだけ、いいようにペースを崩される。
鬱陶しい音波兵器など、発声源の元から完全停止させてやらないと。
音には音か。
本物のサウンドでハネ返す。
タイミングよく息を吸い込み、
セジス『 』
((((( 雄叫び )))))
ガラスは空中をキラキラと舞い、中心のセジスを見栄える。
山焼き会場まで届いたのではないかという、超広範囲衝撃波。
女は泡吹き倒れている。
ガキは、めくれたシーツの隙間から、人間の型に黒く渦巻く物体だった。
音波兵器の正体は、亢龍の属性、亢龍の穢れ、「膿」丸出しの存在。
亢龍にとって、黒社の次の憑代として品定めしていたのだろうか。
一旦、子持ち様&ガキは停止した。
一撃。
◯ 別の意味の祭り
山焼き会場とは別の意味の祭りが、催されていた。
「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」
vs
「セジス」
無双祭り。
ソバット、正拳、正道正拳、防護ネットフレイル、ビット、丸カン、隕石ブロック、
木槌スロー、角材ばら撒き、刺突ストライク、砂かけ、一蹴、雄叫び、
事ある毎に蹴っ飛ばす、足癖ワルいセジス。
台車ターンを交え、フロークロス引き、パレットフリスビー。
大勢多数、対、1人だとしても、対等以上に対応できてしまう、この状況。
「はっ、はあっ、は、はっ」
さすがに、
興奮と、息切れ、Fatigue Factor疲労物質が溜まる。
できることなら今すぐ消したいダルい疲労感、これも「膿」のひとつ。
1人、2人と、死体蹴りの在庫が、
3人、4人と、積み重なり、
5人、6人と、順に、祭りの出し物が済み、
お集まりの方々、多勢の賑やかさは、
催しが鎮まる中、
配下がバタバタ在庫になる中、
手伝おうともせず、
むしろ下々が踊ってみせる殺陣舞台、都合のいい余興、酒のツマミ。
ふんぞってるのが1名。
◯ 黒社
これで派閥の皆さんは全滅。
散々苛めに苛められていた、弱者として弄ばれていた、かつての片乙。
セジスとなった同一人物に、便利な派閥の取り巻き面々を、すべてノされた。
我こそが権力だと当たり前にふんぞり返り、鎮座する仁王像。
大仏のように仏頂面だった黒社も、
重い図体を、順に稼働し始め、例によってビリビリ空気を締める気配。
黒社『ヨエーお前ら』
黒社『あーーーめんどくせ、仕方ねェナ』
うるせーデブ、もう一度顔面キックだなと思った矢先、走る悪寒の直感。
仁王像の体躯が膨張、
肌は赤黒く滲みこんで、黒々とした刺青が浮き出る変質。
他者を踏み潰してでも己を肥えさせるという、権気をあらわしているようだ。
眼には血流が集まり赤く染まる。
身の丈も肥大化しさらにデカくなりやがった、このデブ。
丈は3mくらいになっただろうか。
黒社の脅威感、威圧感が最大限に膨れあがった姿のようだ。
私が片乙の頃であれば畏怖に怯み、竦んで、なにもできなかっただろう。
今思うこと? そうだな。このクソデブめ、くらいかな。
黒社、その太く伸びる剛腕はクレーンを彷彿する。
ゴオッ、と空気を割りながら、
梁の長さと重さで振り下ろされる、鉄槌。
さすがに受け止めきれない、ひらりと身を交わすセジス。
◯ 柔剛
剛を柔で往なす戦闘が繰り広げられる。
巨躯黒社は、例えるなら制御を失った暴走重機。
その重い一振り一振りに、場の空気さえも砕け散る。
取り巻きとして寄生していた派閥面々も、巻き添えにならぬよう身を小さく縮こまる。
圧倒的、脅威威圧感。
ボディに当たれは人身事故級の大衝突。
アームの振揮るえばプレス機の圧力、握捕まれば、身動きひとつできず潰れる。
レッグは二双の支柱、穿たれれば地層ごと深く抉る。
凪ぎ和ぎ捌くは、セジスの身こなし。
工場のガラクタも撒き散らしながら、脅威威圧の重機。
受け流し、長い腕脚をくぐり抜け、重機のネジひとつから外し、細かく分解する様子。
繊細に的確に反撃する。
かつて感じていた怖れは、もうない。
復讐の迷いもない。
その動きには、美しさも備えた、キレがあった。
が、鉄を筆で撫でたところで、ダメージは入らない。
ただ撫でていたわけではない。
この工場内の構造内、最も高さがとれる一角地点、吹き抜けへと誘導していた。
ワイヤーの反動も用い、高所へ飛び上がる。
天井裏の梁などには木材などに紛れて見えにくい死角も交差する、その中には、案外無造作に、バールなんかも雑に収納されていたりする。
バールだ。大剣くらいある。
限りの高所から、落下速度も乗算した、上空からの急降下、
回転、フロントフリップを重ね、回転を重ね重ね重ねる、
クルクルクル、グルグルグル、キリキリキリ、
両手でしっかり握るバール、
振り、被る、
セジス『たあああ!』
ドギギンッ、
点、線、面の複合角度、脳髄に混合衝撃を伝える。
バールは頭型、大仏パーマに添ってベッコリと曲がり、手応えと威力を伝える。
頭頂部へ、会心の一撃。
効いただろうか。
バール会心の一撃のあと、さすがに一筋の血は流れている。
一応、血は赤いようだ。
仁王像の体躯そのままに、仁王立ちしている黒社。
やがて眼が紅く光り、やがては輝くほどの眼光となる。
亢龍だ。
◯ 亢龍顕現
半屍となっている派閥連中をぐったりそのままに、
塵芥に紛れた半屍、廃材に埋まった半屍、防護ネット処理した半屍、
蠢動と揺らぎ集い、
個々、各首として供物かと生贄かと担てる。
黒社を中核本体とし、
派閥取り巻きの個々人は、各首の1本1本に、ズモズモ延びて媚びる。
多頭の頭と蠢き繋がる首、首、首、
亢龍の属性は、視認できるほどに濃く黒い鱗を纏い、中核の黒社。
それは派閥、集団心理の具現化として、相応しい姿をしている。
災厄の存在、伝説の怪物、多頭の獣、ヤマタノオロチにも姿が重被なる。
亢龍の属性が形成する、実態を孕むほどの幻体。
亢龍の正体のひとつの姿だった。
黒社ノオロチはとてつもない覇気を放つ。
他々をすべて踏み潰す、他々を蹴堕とす、他々なぞつまんで捨てる。
服従の他々は消耗品。
我が強さを以て、他々を強制支配する絶対者こそが放つ、覇気。
セジスに覇気はない。
あるのは、ただひたむきに己が活動を営む、活気。
掲げる手。
手元に活気が集約され、四神のサポートもあり、形成される属性。
四神に由来してきた、秘伝の宝刀。
クサナギ之剣。
◯ 黒社ノオロチ
ヤマタノオロチとなった黒社と相対する。
苛められた恨み、何も無かった憤り、四神の威光。
これらを雄叫びとして、放つ。
覇気に呑まれぬよう、防具として放つ活気。
黒社ノオロチは、私を苛めるオモチャではなく、敵対者として排除しにかかってくる。
黒社ノオロチ。
我が頂。我がため。他者は犠報。自覚もなく当たり前。我が最強。
「膿」が肥大化した亢龍の宿る存在。
これが黒社の、派閥の、亢龍の、最終形態。
対するは、
在戻のセジス。
最弱に仕立てられた人。当然のように苛められていた人。
最強の対極の存在。
本来の力を取り戻した人。
◯ ラストバトル
壮大なBGMが再生されているけど、とりあえず落ち着け。
まずはまあ、多頭の首が八方十六方からウネウネウネウネと、邪魔だな。
哀れな半屍派閥を斬り落とすか、
全面を尽くし覆う大暴れする、黒社ノオロチ。
バキバキ落下してくる倒木、ジャンジャン鳴り止まぬ喧騒、ゴロゴロ濁流と流れる津波、
ズタズタ雑に壊れる物資、ベキベキ別れる地盤、ギャリギャリ鉄骨が乱れ飛ぶ、
ドザドザ飲み込む土砂崩れ、バラバラ吹き荒ぶ気流、ガラガラ倒壊する建物、
青竜、朱雀、白虎、玄武が、いよいよ亢龍を防ぐ。
災害を顕現させるほど猛烈に荒れ狂う、黒社ノオロチの猛烈な攻撃。
青く凪め、朱く染め、白く収め、翠く止める。
往なし、交わし、斬撃と交差するセジス。
剣を持つ実戦は初めてだけど、初めての気がしない。
何度でも扱い慣れている馴染みがあった。
まるで、
それはゲームで視ていた、想像していた、彼ら。
何度もイメージした。へっぴり腰になったとしても、何度も真似した。
英雄達の動きそのもの。
セジスも、できていた。
カッコいい、鋭い、猛々と続き繰り放たれる攻撃、
袈裟斬り、逆袈裟斬り、打ち斬り、斬り払い、薙ぎ払い、兜割り、斬り打ち上げ、双斬り、連斬り、回転斬り、滅多斬り、滅多斬り、
永く、瞬く、繰り出される無数の斬撃。クサナギ之斬撃。
霧散する亢龍属性。
亢龍の属性自体、この空間から薄くなっていく。
ヘドロのように重く微睡んでいたオロチの「膿」は、
いつしか灰のように軽く、弱々しく散ろうとしていた。
派閥としていた者達が担てていた、
数々あった黒社ノオロチの首用派閥は、もはや捥がれている。
オロチの首ごと斬断され、
半屍だった派閥は、死屍累々。
遺ったのは、
黒社。
◯ キック
黒社は図体こそでかいものの、両の手平を地に、両の膝を地に、
乞う弱者の姿。おそらく初めて味わう感覚なのだろう。
弱々しい怒りを湛え、頭を垂れ、四つん這いで小刻みに震えている。
セジス『立てやデブ』
復讐を仕上げる最後の一撃を放つ。四肢を幅広げ踏ん張り、力を込める。
義足を軸に、遠心力を瞬間に集約した、
蹴り。
脚は弧を描き、つま先は喉を顋を杭打ち削ぎ、甲は顎をバチンと爆ぜる。
思いっきり。蹴り飛ばす。
吹き飛ぶ、跳ね飛ぶ、黒社。
3mの巨体が、工場の乱雑した空間の角角にぶつかり、
蹴りが捉えた首回りは、首を中心に、下顎、胸骨、鎖骨、ごっそり削ぎ削りながら、
その衝撃力を伝える。
吹き飛ぶ慣性は収まらない。
剥き出し鉄骨の骨組みの角角、鉄骨の梁の角角、鉄の重機の角角、積まれた大小の角角、
床壁部区の突起の角角、
各角角角、各角角角に激突、衝突、
建物が崩壊する轟く激衝突を鳴らしながら、無尽に跳ね吹き飛んでいく。
やがて慣性が収束した先は、瓦礫となった焼却炉の残骸。
人体の急所がクズと化した黒社が転がっている。
その蹴り一撃は、別世界の威力だった。
私は復讐を果たす事ができた。
黒社を討つことに成功した。
ボロボロになった工場内の残骸。埃はゆっくりと降り鎮まり、
静寂が雰囲気を洗い流す。
気を静め、
ほっとしているセジスも佇む。
こういう黒社のような存在は、世界中にいるのだろうなと、
自然と悟っている自分もいた。
この戦いのあと、亢龍は、
人間界と動物界を縫うように、またその狭間にいる穢れの存在として、
再び身を隠し、逃げていった。
◯ 収束
これからどうする。
亢龍の捕獲クエストの件、霧散した亢龍属性は、完全に消滅したのか、それともどこかに逃げていったとしたら、私達に行き先はわからない。
四神達の依頼は、納得してもらった形で果たせた。
私の復讐も果たせた。
うん。燃やそう。
消してしまおうと思った。
「膿」を孕む犠牲者を祀り、代わる代わり苛め、無念の逝去を繰り返させる。
閉じられた「輪」の風習。
少なくとも黒社派閥が形成していた「輪」に属する各地。
黒社の派閥だった各地を、遺伝も細胞も後継も残さず、完全に消滅させてやろう。
もう余計な「膿」が発生しないよう、また誰かが犠牲にならないよう、
「輪」の風習ごと、不要な「膿」を燃やそう。
しかし、各地各地が、遠いな。
◯ 火之粉
あちらの祭りもフィナーレの頃だ。
山が空へと燃え上り、降りてくる火之粉は、冬の風、雪の隙間をひらりゆらりと漂う。
火之粉はひらりゆらりと流れて飛ふ。
ひらり ゆらり ひらり ゆらり
近くへ、遠くへ。
「・・・・・」
火之粉が勝手に飛んでいって火が付いたんじゃあ、不可抗力だよな。
四神の「ちょっかい」だと思うけど。
フフフ、ちょっと悪い顔になるセジス。
火之粉は空を漂い、各地へ降臨する。各地へ。各地へ。
底から込み上げる炎、炭も焼き消す炎が昇る。
青き炎、朱す炎、白え炎、翠の炎、 彩る炎。
これまで辿ってきた各地各地に、炎が行き届き、昇り猛っている様子がわかる。
ひょっとしたらまだ燻っている亢龍の属性も、
各々様々に炎で照らされ、灰も残さず消え逝く。
50 ー あとがき ー
まぁ~~~ すごかったね。
作者自己評価ながら、傑作だ。
2時間映画にすると、前半1時間は片乙が頑張る、転職逃走劇。鬱展開だろう。
後半30分のガラリと展開が変わる動物界の休養をはさんで、セジス登場。
残り30分のアツい晴れ舞台、魅せ場担当の復讐大立ち回り。
あまりロスタイムにフィナーレだ。
連載漫画はともかく、映画やゲームにする場合、分作にはできない。
第1部、第2部、みたいな分作にはできない。
分作を想定すると、第1部では鬱展開だけになる。それはまずい。
1本1作で一気に通すしかない。
引き延ばすと3時間4時間とかにも、平気でなるだろう。
休憩入れながら上映する?
◇ 募集
一応、聞いとこうか。
この原作に絵描いてくれる作家、いますか?
◇ 補完
冒頭で作者は、絵とする漫画が描けないと述べた。
セジスは描ける。
シーンに必要な建物など、大変だけど描ける。
片乙、大事な主人公がボロボロになる姿は辛いけど、一応、描ける。
黒社派閥連中は、描けない。
大変だから。面倒だから。怠いから。嫌いだから。描く気になれないから。
「敵」となるキャラクターが描けない、嫌いすぎる理由、わかってもらえたかな?
愛される「敵」、憎たらしい「敵」、敵っぽくない「敵」
「敵」も大事。
創作無数にあるシナリオ、シナリオにおいて、「敵」も大事。
クリエイターがデザインする「敵」モデル絵にも、こだわりは込められている。
◇ プレイヤー
セジスは最終的に、48歳とかなんですよね。
片乙の凄惨な海捨て事件が、38歳。
リハビリに10年くらいはかかるかなと。
なんなら0歳からの前提含めて、48歳までの生涯を辿っている。
キャラメイクも高校くらいの少年、成年、壮年と、3種類くらい要る。
ゲームを始めると、最初に少年と成年のキャラメイクをする。
この開始時点で、ん?ん? と思ってもらう。
弐部の途中、セジスと名前変えるくらいで、サプライズ演出。
壮年。3回目のキャラメイクタイミングが発生する。
そして名前も、もっと良い名前をつけてくださいとガイドしつつ、
任意でかな?
変えられるようにする。
キャラメイクゲームだから、名前も片乙とセジスじゃなく、
プレイヤーの好きな名前にすると良い。
◇ 挨拶
手元でご覧になっている読者へ。
視えた場面はあっただろうか?
ありがとうございました。
◯ 語り
さあ、次は社会の、世界の、黒社派閥を蹴り飛ばしに行こうかな。
おや~? ビビってるお前は~ 黒社みたいな奴~
なんてね。
世界というと、大きすぎてよくわからない。
社会といっても、大きくてよくわからない。
そうだな。
学生の同級生全員。あるいは近々隣々住民全員としようか。
◯ 前者
この者たち全員のために会社に勤め、身を捧げ働いたとしよう。
世間に貢献する、素晴らしい功績だ。
立派な生活もできる。収入も上々だ。
毎月給料30万近くもあれば、十分な収入だろう。
立派な成人。それが10人いれば、効果も10倍だ。
◯ 後者
誰のためにもならなかったとしよう。
誰のためにもならない、自分のためだけの用事にもならないような用事を日々詰め込み、
繰り返す。毎月の収入は、あったとしても、1万にもならない。
◯ どちらを選ぶ?
ほとんどは前者を選ぶだろうか。
後者を選ぶのは?
少数も少数、1000人に1人もいるだろうか。
最初から後者を選ばなかったとしても、やがてそうなった者も含めれば、
100人に1人くらいに、なるだろうか。
世界の人々全員が、前者になれるといいな。
もし本当にそうなったら、それはそれでちょっと窮屈になるかな?
じゃあ全員後者? イヤいやイヤいや無理ムリ無理ムリ。
全員後者だと、米も作れない。カップラーメンが店に無い。製本もできない。
前者は低すぎる、後者は高すぎる、逆もまた然り。
譲歩したい。届けたい。
言葉が、答えが、意識が、まだ世界に足りていない。
なんとか今ある言葉でいうと、
柔軟になれるといいかな~~
今度こそ 本当の
ー「 完 」
ーThank you for Reading
2024年12月24日 初版発行
原案
Art tectuer
著者・出版
Art tectuer
協力・監修
Pages
Word
Kindle Previewer
アルファポリス
商標登録
Registered Trademark
壱部
「四辺ノ町」 「冷寒ノ地」 「弛温ノ領」
弐部
「秘境」
参部
参部
「祭」
◯ 祭り
沼地の淀んだ河川の流れる地、一般人の伝統的祭事イベントが執り行われる日。
穢れを祓う祭事が開催されている。
山焼き。
季節は年初め頃の冬。
寒々しいながらも澄んだ暗色の夜空、斬り裂く炎は山ごと抱き立ち昇る。
橙色、赤色、紅色、黄色、朱色、緋色に、照らされる。
御膝元で彩るはビームのようなスポットライト。
屋根電柱屋台の高所高所、芝の裾野広がり地表地表、至り巡りつくす発射口。
天々点々と焚かれ、照らし踊る。
昼と夜が混在する世界観を創造している。
昼と夜を混ぜ返すは、色鮮やかな花火も誇らしく鳴り響く。
ドーーン ドーーン ドーーン 、バタタタタタ、、ーー
ド ーーー ーー ー ー ン
◯ 巣食う「膿」
穢れを祓うテーマの祭りということで、亢龍を宿す黒社にとって、祭り会場の中心近くは、
どこか空気を吸いにくく、窮屈に感じるのだろう。居心地が悪いのだろう。
それでも山焼きは、弛温ノ領の一大イベント。
亢龍を宿す黒社は祭り会場から離れた建屋、
黒社派閥は、まさに侶布工場を拠点として、祭りを愉しむ。
派閥が顔合わせ集会の意味もあり、年々この日に集まっていた。
派閥『迷える子羊から巻き上げてキマッしったぁー』
派閥『おーーナイスッっスーー』
派閥『えっッグうぅぅえっゲツないスねえぇ』
派閥『苛めプン回しできんのがいるとぉ毎日ストレスフリーチョーーカイテキっスよお』
派閥『どんだけ苛め回して勝手に死んだところでぇなぁぁぁんもオトガメなっしぃ』
派閥『ツミの欠片も降りてこぉなぁいぃ』
派閥『むしろ警察様もごいっしょにぃぃなって苛めてるでしょおぅん』
黒社『どんだけカンじてんだ、はしゃぎ過ギ』
派閥『次の新作おもちゃあお待ちしてますうぅぅ』
派閥『また誰だっけアレ、長くタノシめるとイイんスけどねえぇぇ』
相変わらずだよな。
ヤクザくずれのチンピラくずれ。下品で貧相なことしか言えない連中だ。
次代のオモチャとなっている人物は、どんな人か知らない。
ひょっとしたら次のオモチャは、若人や引抜か?
願わくば、妖怪化外道化もせず、オモチャにも、されていなければいいが、
黒社派閥が生かさず殺さず、苛めの加減をしているか、
次代が自殺してしまったか、
次代が逃げて、また次代が来て、逃げての、代わる代わるか、あの前世のように。
とにかく、
混沌とした次代のタライ回しはあったかもしれないが、それも今日で終わりだ。
◯ 開幕
先駆けの一撃くらい死角から叩き込めばよかったかとも思うが、まあいいか。
道場破りならぬ、派閥破りセジス。らしく正面から歩いてバッタリと。
細かい砂利を噛んだ敷居レールをスライド、ガラリ、扉を開く。
派閥の人数は揃っている。
これ以上の参加者はいないはず。予期せず、何者かが現れた不信感。
誰だ。
名乗ることもあるまい。お前らがよく知っている人物だ。
仄かな月あかり、逆光を照らす。
派閥の顔は屋台のお面かとたくさん並び、
久しそうな顔をしている奴、また苛めれると算用してニヤニヤしている奴、睨み効かせているつもりの顔の奴、何をしに来たのかと怪訝な顔の奴。
派閥大集合の面々から大注目を浴びるセジス。
濃い静電気が空気にも緊張を促す。
言葉はいらない。お前らの結末はひとつだ。
ドンッ
開幕を告げる踏切り音。
義足がおもいきり、踏み、地床蹴る。
アスファルトが跳ね返るほどの強烈な一歩から踏み切る。
細かく散る粒子も演出のひとつ。
粒子が輝き、ある種の晴れ舞台のようにステージを彩る。
鋭く放たれる、
飛び蹴り。
黒社強の肥え太った顔面をガッチリと捉え、めり込む。
ブーツの外側でも踵を顳顬に捉え、土踏まずは眼輪筋を塞ぎ、母趾球を鼻筋鼻根筋を歪ませる。
よろめくデブ。
「膿」により、本来の能力を封じられてもいた、片乙。
「膿」を紐解き、真名を授かり、能力を解放した反動は、
セジスに人間離れした潜在能力を宿すに至った。
私はこいつらの知っている片乙と同一人物、でありながら、
以前であればあっさりと取り囲まれ、派閥のいいような見せ物、壊される人形ショー。
オモチャとなる状況。
別人のような動きをしているセジスに、戸惑いを隠せない。
隣から常に何時何時も黒社に張り付いていた太鼓持ちも、目を見開きつつも目が泳ぎ、
驚いたような顔をしている。
なにが起きているのか、わからないような顔をしている。
滑稽な顔をするようになったな、太鼓持ち。
苛められっ子の弱者が、派閥達が信ずる絶対強者、その顔面を歪めさせている。
来たるべき時が来た。その場の派閥全員が一瞬で状況を察する。
この瞬間。
黒社は己への顔面キック、とくに意に介さず。淡々と派閥への高慢なアゴ使い。
同時に、
主人といえる黒社に足跡が型いた途端、一気に臨戦体制となる。
数圧。
数で有利な派閥は、私1人に負けるわけがないと思っているから、以前のように、
囲んで摘んで千切り、排除するつもりだろう。
派閥『あーーーオメーーーー』
派閥『俺が敵か。お前の?、偉ぅなったのお』
派閥『なんでキたン』
派閥『テメェ如きになぁぁぁんにができるウゥぅぅ』
派閥『いよいよ死ににきたのかあぁ、ああ』
派閥『オレらを地獄送りんしてみるかぁあぁできるわけねーけど』
「たかが地獄ごときで、済むと思ってんのか」
◯ 八つ当たり
整理整頓がない、
乱雑しかない工場には、逆に乱雑はいくらでもある。
遠慮なく大暴れする以上、使える資材はたくさんある。
台車をスケートボードのように乗り扱い、
まずは多勢を分散、
フォークリフト、社用車もついでに暴走させ、
資材をばら撒き、
テリトリー展開。
◯ 筋肉
真っ先に、流石はフィジカル。フォークリフト、社用車を一息に飛び越えるフィジカル、
得意としているローキックにて動きを止めに掛かってくる。
以前は鳶塗装屋にて、手も足も出なかった筋肉のフィジカル、
筋肉『カモン、サンドバック』
筋肉『殺しそこねたからな、今度はきっちり死ねやああ』
どんな方法であっても筋肉を阻止できる、落ち着いて対処できる私の姿勢があった。
今では足を振りかぶり、得意のローキックモーション動作に入っいる筋の流れも見えるようになった。
筋肉のローキックに対して、
交差する、ソバット。
カウンターもついでに威力の上乗せになって、足応えに伝わる。
バキッ、
顳顬の急所に踵が捩じ込まれた。
一撃。
◯ 警察
筋肉とほぼ同時、ホルダーから構えて向かう警察。
警察『治安を乱す凶悪な犯罪者め、とっ捕まえてやる』
警察『怨恨でとち狂い1人2人を暴力で傷つけたところで、社会になんの意味もない』
警察『暴行罪、殺人罪、警察の目の前で犯行を犯した愚かな犯罪者になるだけだ』
警察『ましてここにいる全員が証人だ』
警察『この人数にあっけなく拘束され、身柄拘束だ』
警察『お前の主張を弁護する者も、誰1人いない』
警察『罪はどこまでも大きくなる一生拘置所に入れクズーーーーー』
初顔ではあるがネズミ取りの誰かだろうか、
ここに居るということは、黒社派閥の1人と仮説、と直感が結びつく感覚が確かにある。
廃コンテナの現場にも、居たんだろうな。
警告文句は、一切触れていないな。
黒社が派閥と、私の手足を捥いだ暴行犯罪の件は。
犯罪者として祀りやすい私を一方的に煽り、
自身の立場にも関わる黒社達のことは、
最初からすべて揉み消されることになるから、言わなかったよな。
やはり闇警察の存在があり、黒社派閥の一端を担っていた。
警察本部に連絡はしているだろうか?
闇警察の自覚があり、連絡自体控えているか、
あるいは警察本部もこんな廃れ工場、ハナから相手にする気もないかもな。
ホルダーから拳銃を取り出し、構えて、射つ。
やむなく行使される警察権力の正当防衛ということだろう。
だがこの場では、人間の法律憲法権利も介入の余地はない、あるのは私の復讐。
拳銃から発射される弾丸の通過ラインが見える。
人混みを避ける要領でラインを避けて進む。
当たらない弾丸に焦りの色、脂汗が滲んで、空気を吸いながら、
警察『・っ・・ひえっ』
の拍子、言ったか言わないかで、弾丸の速度と交差するカウンター。
木槌。犠牲となった罰金の重さも込めた、ロング木槌。
車の速度で、真っ直ぐ、
槌口のスイング。鳩尾の芯を捉え、槌口は面で鳩尾に、深々と突き刺さる。
ベッコン、
槌車に轢かれた衝撃力。
その一撃は、セジスの思った以上にめり込んだため、反射的に若干やりすぎたかなと思ったりもする。
アバラの骨など粉になっているだろう。
黒社派閥、脱落の2人目が、国家権力様の警察様。弱っ。
どうした?
大勢民々の味方の警察様が、機能不全になったぞ? お手上げか? 無能共。
一撃。
◯ 先生
黒社と同じ太めの人型だが、半端に太した図体。ただの型落ち。筋肉と比べても型落ち。
もう相手にならない。
太めに達磨か丸々とした上半身を支えるには頼りない、痩せた細木のような下半身、
台車の下段スロー、脛断ちからの、
角材アタック。
そういえば、
いつかの約束を果たせなかった原因は、テメェの八百長だったな。
高校時代、代表を選ぶテストのとき、私と後輩1人、2人だけのテスト比べ。
テストスコアは、私が高かった。
先生『片乙にできるわけない』
先生のこの一言で、テストをもう一度することになった。
二度めのテストで負けた私は代表を譲り、「イベントで再会する約束」を守れなかった。
そして、
先生は私に、最初の「負け癖」を植え付けた張本人。
少年片乙の無念も込めた、角材ストライク。
ズギャッ、
一撃。
◯ エラ張り
類はなんとやら、か、相手にならない以下同文。
ベシッ、
一撃。
◯ 妖怪ババア外道ジジイ
妖怪『やヤやヤやヤや』『めメめメめメめ』『らラらラらラら』『れレれレれレれ』
以前はこの一言一言で枷がかかり、途端に身動きを封じられていた。
今、私はコイツらを殺しに来ている。一々応じてやる理由はない。
ババアは己が裁量も省みず、我先にと前に出る性質がある。
前に出たところで実際出来ることは、ギャアギャアけたゝましく騒ぐだけ。
外道ジジイもババアを煽りたてる。
が、所詮どちらも、うるさいだけの老害。本体にはなんの技能もない。
ババアはババアと似た老害と同調するのも、ババアの性質。
バサリッ、
ほっといても集まるので、効率よく、ひとまとめにさせてもらった。
針金を編み込んだ防護ネット。
本来は出荷品の傷や汚れを防ぐ、しなやかに靭い編み物カバーとしての用途。
トラックの荷台をまるまる覆うサイズもあり、広げるとかなりの範囲をカバーできる。
端のババアも、つまんで捨てて、蹴ってどかして、防護ネットカバー内にまるめる。
いわば大きい虫取り網に絡まれた老害共、
縛り上げた網を、ぎゅう、ぎゅう、長く細く捻じる。
よっこいしょ。
ハンマー投げの要領で、助走としての引き摺り回す段階から、徐々に遠心力が加わり、
縦横無尽に振り回すと、
なんということでしょう。広範囲をカバーできるフレイルになる。
妖怪フレイル、呪いの武器だな。
取り回しは少し重いものの、
鬱憤を晴らすための武器の重量、その手応えとしては納得がいく。
重量のあるフレイルを、
右になぎ、
左になぎ、
薙ぎ払う。
遠心力も回転力乗算として加わったフレイルは、強く速く暴走する。
何も出来ず絡まれた悔しさやら、恐怖やらでギャアギャアもギャラジャラ、
さらにうるさくなった。
謝罪らしき言葉を叫んでいるババアもいるようだが、誰が聞いてやるか。
かつてされたように、人間の扱いはしてやらぬ。
網の中、妖怪外道はミキサーになりながら、のたうち回っている。
いつかの私がそうだったように、涙、涎、鼻水で糞を流しながら、悶えている。
こういうババアジジイは、口撃を得意としている。
かといって、うるさいから黙れと言ったところで、黙れるものでもない。
ゴミ袋の中の生ゴミのような状態でもなお、うるさく、やかましい。
黙れるほどの理性もすでにない妖怪だ。
体や手足、頭もろくに動かないくせに、
口であれば、言葉であれば、それはそれは流暢に、いくらでも回し続けてきやがる。
私もかつて窮地に追い込まれた妖怪の口撃だ。
こういう奴らには声を出なくさせてやるのが、一番効く屈辱になるだろう。
声帯ごと、黙らせてやろう。
ビット。電動ドリルに使う、ネジられた小さめのドリルだ。
汚物の喉元めがけて、速射ギュルギュルギュルギュル、鋭く抉る。
部位破壊、声帯。
強制サイレント。
やっと静かになった。
この糞老害妖怪共め、ざまあみろ。
怯え、腰も抜けているか。
痛いだろう、恐いだろう、怒るだろう、恨むだろう、
かつて自分達が私に向けていた事と同じだと、気づいてはいるだろうか?
屈辱は感じられたか?
手先足先まで恐怖に満ち満ち足りた顔をしている。怯え、恐れ、慄く顔を、
妖怪団子のゴミ袋、見てられんほど醜いな。
声帯がなくても、なお汚い悲鳴がジョロジョロ漏れている。
屈辱も最高潮になったところで、トドメを、刺さない。
悶える屈辱を、いつまでも味わえ。
迷惑撒き散らすクソ老害め、
脳ミソ腐った妖怪外道が、一般人に四の五の言ってんじゃねぇ。
過去ごと消えろ。
妖怪フレイルをさらに振り回し、
硬いコンクリートに、ゴテゴテした壁に、叩きつける。
数いる妖怪個体を一々相手にするのも面倒だ。
まとめてくたばれ。
一際暴れん坊将軍だったキチガイも妖怪団子に丸く収まり、デュクシ。
お払い棒(大麻)代わりの防護フレイル、浄化されよ呪霊退散、デュクシ。
妖怪団子の中で、勝手にポキポキ折れといてくれ、根腐れヒョロ枝、デュクシ。
女王様気分は堪能できたか、絵の具口唇、デュクシ。
他雑兵妖怪もまとめて、デュクシ。
一撃。
◯ 脳梗塞ジジイと倅
老害は老害の近くから死体が動くように湧いて出る。
ゾンビ老害の分裂か。気色悪い。
傍らには倅も加わる同身体のよう。
手元にあるは妖怪外道を畳んだ、防護ネットフレイル。
暴走した脳梗塞ジジイを止めるは、同じ老害同士でちちくりあってろ、
ゾンビを処理する鉄球のごとし。
倅は脳梗塞が動力源の機械。元を断てば止まる。
どちらにしろ、
グシャッ、
慣性のまま叩きつける。グチャッと潰れる範囲重量。
グロテスクな汚物を一旦遮る、粉袋を撒き、砂溜めブラインド。
一撃。
◯ 外道ジジイ
しぶとい。
老害ゴミ袋の隙間からコソコソと、外道め、1人だけ脱せたか。
長く永く、悶える屈辱を、外道細胞全部消滅するまで味あわせてやりたいが、
後もつかえてる。
近くにある鈍器という鈍器を、毅然たる殺意のもと、これでもかと突き刺す。
両目ダンダン、鼻ダンダン、歯舌口腔ダダダダダダダン、ダダンダダン、性器もダン。
もう二度と、汚ったねぇ口は利けねえだろう。
バカは消滅しないと治らない。
一撃。
◯ 運吸い
そうだ。あの目。
一定離れた棚の裏からのコソコソと見ていた目線。
ピンポン玉のように目をまん丸に見開き、視界の挙動を何も残さず、凝視している。
なるほど、運を吸うのは目から吸収していたのか。
裏に隠れてネチネチと、他人から運を掠め盗る奴のしそうなことだ。
運だけで生きていた奴は、運を剥がされれば、脆い。
絨毯マットをブワリと仰ぎ、篭る塵気をなびいてやれば、
埃り、砂砂利が、ベッタリと目球の膜に張り付く。
律儀半端に育ちの良い家庭出身もあり、人間同士の出し抜きはスムーズなものだ。
反面、獣の反射的行動には、対処が遅れる。
たいした目が見えなくなった気分はどうだ?
方向感も失われれば、時間感覚もわからなくなるだろう。
チビデブだけど動体視力はムダにあるからな、
目が空いてればこんなテレフォンパンチ、当たらないんだろうな。
ズドン、
両目は飛び出し、鼻は沈む。
正道正拳突き、ドストレート。顔面へ、深々と突き刺さる。
一撃。
◯ 美形詐欺屋
詐欺屋『ジョークだろぉよぉ昔の話だろぉ笑い話にすりゃいいじゃねぇ』
詐欺屋『そんな貴方に新商品、貴方も潤い、派閥の皆さんも皆んなハッピー』
詐欺屋『君が買って、君が売る、するとお友達も買って、お友達も売る』
詐欺屋『君の分とお友達の分、ほら大事な収入に、こ~んなに』
詐欺屋『お友達もお友達の分が収入に、お友達が増えればさらに増えてステキ』
詐欺屋『普通に働いてては絶対入らない金額巨額』
詐欺屋『つーかこれも普通の働き、なんだけどネ』
美形2人で説得力を増す、誘わし、言いくるめるタッグ。
お金ハッピー話で私が止まると思ったか?
以前まともに詐欺を受けていたときにあったら、その甘言巧みに狼狽えるだけだったかもしれない。
今はお生憎さま、商談を悠長に聞いていられる状況でもない、
話を聞いてもらえない詐欺屋は、一転逆上し、金切り声をあげ泣き出す。
セジス『黙れ言うとるのが解らんのか』
気迫、失神、
御託を黙らせる、ゴシックな一言。
そういえば、詐欺屋に連絡していた売人正体を聞き出すのを忘れていた。
といっても、先生も運吸いもノびてるからな、このどちらかだろう。
口だけに特化した、ヒョロヒョロの素体。
チカチカ気絶オチしてないだけで、フラフラになっている。
もう放っておくか、
そよ風でもあれば、ハタリと倒れるだろうが、
高価そうな服を無造作にジュッと掴み、ポイポイッと投げる。
一撃。
◯ 太鼓持ち ゴマ刷り 内弁慶 傀儡 他派閥
傀儡『気デモフレタカ、ヤメナサイ』
俺らが主力だと言いたそうに、肩を怒らせるのは例の界隈だ。
太鼓持ちとゴマ擦り、内弁慶他の中ボス候補、いつもの脇を固めるメンバー
チンピラ、ヤンキー、グループ。
要塞。
傀儡もくっつく荷物、腰巾着かと後ろを憑いて来ている。
複数人で走り回り囲みこむ算段だな、
いつか考えていた特攻ソロ復讐では、まさしくこの状況になるのを危惧していた。
多勢に無勢は、やはり変わらない。
目地ブロック。コンクリートを固めただけの痛々しいブロック塊。
たくさんある。
身をクルリと返し、掴んで投げる。轟と飛ぶ。身をクルっ半返し、掴み投げ、轟と飛ぶ。
クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、クルっと轟、
ターンとリズムが交わり、テンポ良い。
水平に落下してくる隕石の威力。
ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、ガコン、ゴゴン、
要塞の壁を貫通する、城割り隕石。
一心不乱。
隕石ブロックで討ちもらした数人、
やはりチンピラ崩れ、
代名詞鉄パイプをメインと持ち構え、せっせとヤンキースタイル。
あいにくゲームじゃないんだ。お前らとチャンバラを楽しむ気はない。
受け流し、刺突。
丸カン。
片手剣の長さほどある杭だ。不良ナイフより太く長く、はるかに貫通する杭だ。
ザクリ、
常人なら動けない大ダメージだろう。
一撃。
◯ 大食漢
大食漢『偉らなったのう』
大食漢『そこに直れえや』
贔屓を束ねてた自称偉い奴、デブが脂肪を揺らしながら、ブヨブヨしている。
また贔屓パワーで私を封じられるつもりか?
こいつは食い気が止まらない、呼吸こそ捕食、捕食こそ呼吸の奴だ。
大食いが駄々こねる場合、口に物詰めてやれば、黙る。
もう一生食っておけ、ギトギトホールかという口腔へ目掛けて、
土嚢ブチ込み。
ベヂョリ、
腹風船を満たす、十分の量だろう。ドブだのドロだのの調味料もたっぷり、美味しいなあ。
満足だろう。腹一杯喰えて。
考えてみると、
先生はデブ、エラ張りデブ、脳梗塞の倅もデブで、塗装屋の棟梁デブ、運吸いチビデブ、
筋肉はデブじゃないけどデブ、この食いしん坊デブに、派閥の数名デブ、
そして黒社はボスデブ。
私は160cm、人間としては小さめなのに、
どうしてデカいのとばっかり遭たるの?
どうしていつもデカいのと張り合ってるの?
まあいいや、とりあえず、
一撃。
◯ 子持ち様&ガキ
ガキ『ピビピビイイィィィギギギヤヤアアあああああ』
ガキ『ピビピビイイィィギギギヤヤアピビギギギギギヤヤアアあああアあああアああアああアあアあアああああピィギャピィギャピィギャピィギャピィィィギヤアアアァァ』
同じ派閥のツレが劣勢なのを感じ取っているのか、音波兵器は順調だ。
なんとなくわかってたけど、あの子持ち様も、黒社派閥、いわば私が部屋にいるときの監視役だったのか。
いくら防音、ノイズキャンセリングシールドを張ったところで、無音にはできない。
一度漏れ始めた音波兵器は、例え小音になったとしても、騒音の煩わしさは残る。
ガキのわめきは聴かされれば聴かされるだけ、いいようにペースを崩される。
鬱陶しい音波兵器など、発声源の元から完全停止させてやらないと。
音には音か。
本物のサウンドでハネ返す。
タイミングよく息を吸い込み、
セジス『 』
((((( 雄叫び )))))
ガラスは空中をキラキラと舞い、中心のセジスを見栄える。
山焼き会場まで届いたのではないかという、超広範囲衝撃波。
女は泡吹き倒れている。
ガキは、めくれたシーツの隙間から、人間の型に黒く渦巻く物体だった。
音波兵器の正体は、亢龍の属性、亢龍の穢れ、「膿」丸出しの存在。
亢龍にとって、黒社の次の憑代として品定めしていたのだろうか。
一旦、子持ち様&ガキは停止した。
一撃。
◯ 別の意味の祭り
山焼き会場とは別の意味の祭りが、催されていた。
「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」「敵」
vs
「セジス」
無双祭り。
ソバット、正拳、正道正拳、防護ネットフレイル、ビット、丸カン、隕石ブロック、
木槌スロー、角材ばら撒き、刺突ストライク、砂かけ、一蹴、雄叫び、
事ある毎に蹴っ飛ばす、足癖ワルいセジス。
台車ターンを交え、フロークロス引き、パレットフリスビー。
大勢多数、対、1人だとしても、対等以上に対応できてしまう、この状況。
「はっ、はあっ、は、はっ」
さすがに、
興奮と、息切れ、Fatigue Factor疲労物質が溜まる。
できることなら今すぐ消したいダルい疲労感、これも「膿」のひとつ。
1人、2人と、死体蹴りの在庫が、
3人、4人と、積み重なり、
5人、6人と、順に、祭りの出し物が済み、
お集まりの方々、多勢の賑やかさは、
催しが鎮まる中、
配下がバタバタ在庫になる中、
手伝おうともせず、
むしろ下々が踊ってみせる殺陣舞台、都合のいい余興、酒のツマミ。
ふんぞってるのが1名。
◯ 黒社
これで派閥の皆さんは全滅。
散々苛めに苛められていた、弱者として弄ばれていた、かつての片乙。
セジスとなった同一人物に、便利な派閥の取り巻き面々を、すべてノされた。
我こそが権力だと当たり前にふんぞり返り、鎮座する仁王像。
大仏のように仏頂面だった黒社も、
重い図体を、順に稼働し始め、例によってビリビリ空気を締める気配。
黒社『ヨエーお前ら』
黒社『あーーーめんどくせ、仕方ねェナ』
うるせーデブ、もう一度顔面キックだなと思った矢先、走る悪寒の直感。
仁王像の体躯が膨張、
肌は赤黒く滲みこんで、黒々とした刺青が浮き出る変質。
他者を踏み潰してでも己を肥えさせるという、権気をあらわしているようだ。
眼には血流が集まり赤く染まる。
身の丈も肥大化しさらにデカくなりやがった、このデブ。
丈は3mくらいになっただろうか。
黒社の脅威感、威圧感が最大限に膨れあがった姿のようだ。
私が片乙の頃であれば畏怖に怯み、竦んで、なにもできなかっただろう。
今思うこと? そうだな。このクソデブめ、くらいかな。
黒社、その太く伸びる剛腕はクレーンを彷彿する。
ゴオッ、と空気を割りながら、
梁の長さと重さで振り下ろされる、鉄槌。
さすがに受け止めきれない、ひらりと身を交わすセジス。
◯ 柔剛
剛を柔で往なす戦闘が繰り広げられる。
巨躯黒社は、例えるなら制御を失った暴走重機。
その重い一振り一振りに、場の空気さえも砕け散る。
取り巻きとして寄生していた派閥面々も、巻き添えにならぬよう身を小さく縮こまる。
圧倒的、脅威威圧感。
ボディに当たれは人身事故級の大衝突。
アームの振揮るえばプレス機の圧力、握捕まれば、身動きひとつできず潰れる。
レッグは二双の支柱、穿たれれば地層ごと深く抉る。
凪ぎ和ぎ捌くは、セジスの身こなし。
工場のガラクタも撒き散らしながら、脅威威圧の重機。
受け流し、長い腕脚をくぐり抜け、重機のネジひとつから外し、細かく分解する様子。
繊細に的確に反撃する。
かつて感じていた怖れは、もうない。
復讐の迷いもない。
その動きには、美しさも備えた、キレがあった。
が、鉄を筆で撫でたところで、ダメージは入らない。
ただ撫でていたわけではない。
この工場内の構造内、最も高さがとれる一角地点、吹き抜けへと誘導していた。
ワイヤーの反動も用い、高所へ飛び上がる。
天井裏の梁などには木材などに紛れて見えにくい死角も交差する、その中には、案外無造作に、バールなんかも雑に収納されていたりする。
バールだ。大剣くらいある。
限りの高所から、落下速度も乗算した、上空からの急降下、
回転、フロントフリップを重ね、回転を重ね重ね重ねる、
クルクルクル、グルグルグル、キリキリキリ、
両手でしっかり握るバール、
振り、被る、
セジス『たあああ!』
ドギギンッ、
点、線、面の複合角度、脳髄に混合衝撃を伝える。
バールは頭型、大仏パーマに添ってベッコリと曲がり、手応えと威力を伝える。
頭頂部へ、会心の一撃。
効いただろうか。
バール会心の一撃のあと、さすがに一筋の血は流れている。
一応、血は赤いようだ。
仁王像の体躯そのままに、仁王立ちしている黒社。
やがて眼が紅く光り、やがては輝くほどの眼光となる。
亢龍だ。
◯ 亢龍顕現
半屍となっている派閥連中をぐったりそのままに、
塵芥に紛れた半屍、廃材に埋まった半屍、防護ネット処理した半屍、
蠢動と揺らぎ集い、
個々、各首として供物かと生贄かと担てる。
黒社を中核本体とし、
派閥取り巻きの個々人は、各首の1本1本に、ズモズモ延びて媚びる。
多頭の頭と蠢き繋がる首、首、首、
亢龍の属性は、視認できるほどに濃く黒い鱗を纏い、中核の黒社。
それは派閥、集団心理の具現化として、相応しい姿をしている。
災厄の存在、伝説の怪物、多頭の獣、ヤマタノオロチにも姿が重被なる。
亢龍の属性が形成する、実態を孕むほどの幻体。
亢龍の正体のひとつの姿だった。
黒社ノオロチはとてつもない覇気を放つ。
他々をすべて踏み潰す、他々を蹴堕とす、他々なぞつまんで捨てる。
服従の他々は消耗品。
我が強さを以て、他々を強制支配する絶対者こそが放つ、覇気。
セジスに覇気はない。
あるのは、ただひたむきに己が活動を営む、活気。
掲げる手。
手元に活気が集約され、四神のサポートもあり、形成される属性。
四神に由来してきた、秘伝の宝刀。
クサナギ之剣。
◯ 黒社ノオロチ
ヤマタノオロチとなった黒社と相対する。
苛められた恨み、何も無かった憤り、四神の威光。
これらを雄叫びとして、放つ。
覇気に呑まれぬよう、防具として放つ活気。
黒社ノオロチは、私を苛めるオモチャではなく、敵対者として排除しにかかってくる。
黒社ノオロチ。
我が頂。我がため。他者は犠報。自覚もなく当たり前。我が最強。
「膿」が肥大化した亢龍の宿る存在。
これが黒社の、派閥の、亢龍の、最終形態。
対するは、
在戻のセジス。
最弱に仕立てられた人。当然のように苛められていた人。
最強の対極の存在。
本来の力を取り戻した人。
◯ ラストバトル
壮大なBGMが再生されているけど、とりあえず落ち着け。
まずはまあ、多頭の首が八方十六方からウネウネウネウネと、邪魔だな。
哀れな半屍派閥を斬り落とすか、
全面を尽くし覆う大暴れする、黒社ノオロチ。
バキバキ落下してくる倒木、ジャンジャン鳴り止まぬ喧騒、ゴロゴロ濁流と流れる津波、
ズタズタ雑に壊れる物資、ベキベキ別れる地盤、ギャリギャリ鉄骨が乱れ飛ぶ、
ドザドザ飲み込む土砂崩れ、バラバラ吹き荒ぶ気流、ガラガラ倒壊する建物、
青竜、朱雀、白虎、玄武が、いよいよ亢龍を防ぐ。
災害を顕現させるほど猛烈に荒れ狂う、黒社ノオロチの猛烈な攻撃。
青く凪め、朱く染め、白く収め、翠く止める。
往なし、交わし、斬撃と交差するセジス。
剣を持つ実戦は初めてだけど、初めての気がしない。
何度でも扱い慣れている馴染みがあった。
まるで、
それはゲームで視ていた、想像していた、彼ら。
何度もイメージした。へっぴり腰になったとしても、何度も真似した。
英雄達の動きそのもの。
セジスも、できていた。
カッコいい、鋭い、猛々と続き繰り放たれる攻撃、
袈裟斬り、逆袈裟斬り、打ち斬り、斬り払い、薙ぎ払い、兜割り、斬り打ち上げ、双斬り、連斬り、回転斬り、滅多斬り、滅多斬り、
永く、瞬く、繰り出される無数の斬撃。クサナギ之斬撃。
霧散する亢龍属性。
亢龍の属性自体、この空間から薄くなっていく。
ヘドロのように重く微睡んでいたオロチの「膿」は、
いつしか灰のように軽く、弱々しく散ろうとしていた。
派閥としていた者達が担てていた、
数々あった黒社ノオロチの首用派閥は、もはや捥がれている。
オロチの首ごと斬断され、
半屍だった派閥は、死屍累々。
遺ったのは、
黒社。
◯ キック
黒社は図体こそでかいものの、両の手平を地に、両の膝を地に、
乞う弱者の姿。おそらく初めて味わう感覚なのだろう。
弱々しい怒りを湛え、頭を垂れ、四つん這いで小刻みに震えている。
セジス『立てやデブ』
復讐を仕上げる最後の一撃を放つ。四肢を幅広げ踏ん張り、力を込める。
義足を軸に、遠心力を瞬間に集約した、
蹴り。
脚は弧を描き、つま先は喉を顋を杭打ち削ぎ、甲は顎をバチンと爆ぜる。
思いっきり。蹴り飛ばす。
吹き飛ぶ、跳ね飛ぶ、黒社。
3mの巨体が、工場の乱雑した空間の角角にぶつかり、
蹴りが捉えた首回りは、首を中心に、下顎、胸骨、鎖骨、ごっそり削ぎ削りながら、
その衝撃力を伝える。
吹き飛ぶ慣性は収まらない。
剥き出し鉄骨の骨組みの角角、鉄骨の梁の角角、鉄の重機の角角、積まれた大小の角角、
床壁部区の突起の角角、
各角角角、各角角角に激突、衝突、
建物が崩壊する轟く激衝突を鳴らしながら、無尽に跳ね吹き飛んでいく。
やがて慣性が収束した先は、瓦礫となった焼却炉の残骸。
人体の急所がクズと化した黒社が転がっている。
その蹴り一撃は、別世界の威力だった。
私は復讐を果たす事ができた。
黒社を討つことに成功した。
ボロボロになった工場内の残骸。埃はゆっくりと降り鎮まり、
静寂が雰囲気を洗い流す。
気を静め、
ほっとしているセジスも佇む。
こういう黒社のような存在は、世界中にいるのだろうなと、
自然と悟っている自分もいた。
この戦いのあと、亢龍は、
人間界と動物界を縫うように、またその狭間にいる穢れの存在として、
再び身を隠し、逃げていった。
◯ 収束
これからどうする。
亢龍の捕獲クエストの件、霧散した亢龍属性は、完全に消滅したのか、それともどこかに逃げていったとしたら、私達に行き先はわからない。
四神達の依頼は、納得してもらった形で果たせた。
私の復讐も果たせた。
うん。燃やそう。
消してしまおうと思った。
「膿」を孕む犠牲者を祀り、代わる代わり苛め、無念の逝去を繰り返させる。
閉じられた「輪」の風習。
少なくとも黒社派閥が形成していた「輪」に属する各地。
黒社の派閥だった各地を、遺伝も細胞も後継も残さず、完全に消滅させてやろう。
もう余計な「膿」が発生しないよう、また誰かが犠牲にならないよう、
「輪」の風習ごと、不要な「膿」を燃やそう。
しかし、各地各地が、遠いな。
◯ 火之粉
あちらの祭りもフィナーレの頃だ。
山が空へと燃え上り、降りてくる火之粉は、冬の風、雪の隙間をひらりゆらりと漂う。
火之粉はひらりゆらりと流れて飛ふ。
ひらり ゆらり ひらり ゆらり
近くへ、遠くへ。
「・・・・・」
火之粉が勝手に飛んでいって火が付いたんじゃあ、不可抗力だよな。
四神の「ちょっかい」だと思うけど。
フフフ、ちょっと悪い顔になるセジス。
火之粉は空を漂い、各地へ降臨する。各地へ。各地へ。
底から込み上げる炎、炭も焼き消す炎が昇る。
青き炎、朱す炎、白え炎、翠の炎、 彩る炎。
これまで辿ってきた各地各地に、炎が行き届き、昇り猛っている様子がわかる。
ひょっとしたらまだ燻っている亢龍の属性も、
各々様々に炎で照らされ、灰も残さず消え逝く。
50 ー あとがき ー
まぁ~~~ すごかったね。
作者自己評価ながら、傑作だ。
2時間映画にすると、前半1時間は片乙が頑張る、転職逃走劇。鬱展開だろう。
後半30分のガラリと展開が変わる動物界の休養をはさんで、セジス登場。
残り30分のアツい晴れ舞台、魅せ場担当の復讐大立ち回り。
あまりロスタイムにフィナーレだ。
連載漫画はともかく、映画やゲームにする場合、分作にはできない。
第1部、第2部、みたいな分作にはできない。
分作を想定すると、第1部では鬱展開だけになる。それはまずい。
1本1作で一気に通すしかない。
引き延ばすと3時間4時間とかにも、平気でなるだろう。
休憩入れながら上映する?
◇ 募集
一応、聞いとこうか。
この原作に絵描いてくれる作家、いますか?
◇ 補完
冒頭で作者は、絵とする漫画が描けないと述べた。
セジスは描ける。
シーンに必要な建物など、大変だけど描ける。
片乙、大事な主人公がボロボロになる姿は辛いけど、一応、描ける。
黒社派閥連中は、描けない。
大変だから。面倒だから。怠いから。嫌いだから。描く気になれないから。
「敵」となるキャラクターが描けない、嫌いすぎる理由、わかってもらえたかな?
愛される「敵」、憎たらしい「敵」、敵っぽくない「敵」
「敵」も大事。
創作無数にあるシナリオ、シナリオにおいて、「敵」も大事。
クリエイターがデザインする「敵」モデル絵にも、こだわりは込められている。
◇ プレイヤー
セジスは最終的に、48歳とかなんですよね。
片乙の凄惨な海捨て事件が、38歳。
リハビリに10年くらいはかかるかなと。
なんなら0歳からの前提含めて、48歳までの生涯を辿っている。
キャラメイクも高校くらいの少年、成年、壮年と、3種類くらい要る。
ゲームを始めると、最初に少年と成年のキャラメイクをする。
この開始時点で、ん?ん? と思ってもらう。
弐部の途中、セジスと名前変えるくらいで、サプライズ演出。
壮年。3回目のキャラメイクタイミングが発生する。
そして名前も、もっと良い名前をつけてくださいとガイドしつつ、
任意でかな?
変えられるようにする。
キャラメイクゲームだから、名前も片乙とセジスじゃなく、
プレイヤーの好きな名前にすると良い。
◇ 挨拶
手元でご覧になっている読者へ。
視えた場面はあっただろうか?
ありがとうございました。
◯ 語り
さあ、次は社会の、世界の、黒社派閥を蹴り飛ばしに行こうかな。
おや~? ビビってるお前は~ 黒社みたいな奴~
なんてね。
世界というと、大きすぎてよくわからない。
社会といっても、大きくてよくわからない。
そうだな。
学生の同級生全員。あるいは近々隣々住民全員としようか。
◯ 前者
この者たち全員のために会社に勤め、身を捧げ働いたとしよう。
世間に貢献する、素晴らしい功績だ。
立派な生活もできる。収入も上々だ。
毎月給料30万近くもあれば、十分な収入だろう。
立派な成人。それが10人いれば、効果も10倍だ。
◯ 後者
誰のためにもならなかったとしよう。
誰のためにもならない、自分のためだけの用事にもならないような用事を日々詰め込み、
繰り返す。毎月の収入は、あったとしても、1万にもならない。
◯ どちらを選ぶ?
ほとんどは前者を選ぶだろうか。
後者を選ぶのは?
少数も少数、1000人に1人もいるだろうか。
最初から後者を選ばなかったとしても、やがてそうなった者も含めれば、
100人に1人くらいに、なるだろうか。
世界の人々全員が、前者になれるといいな。
もし本当にそうなったら、それはそれでちょっと窮屈になるかな?
じゃあ全員後者? イヤいやイヤいや無理ムリ無理ムリ。
全員後者だと、米も作れない。カップラーメンが店に無い。製本もできない。
前者は低すぎる、後者は高すぎる、逆もまた然り。
譲歩したい。届けたい。
言葉が、答えが、意識が、まだ世界に足りていない。
なんとか今ある言葉でいうと、
柔軟になれるといいかな~~
今度こそ 本当の
ー「 完 」
ーThank you for Reading
2024年12月24日 初版発行
原案
Art tectuer
著者・出版
Art tectuer
協力・監修
Pages
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