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プロローグ又は共通ルート
目覚め
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パチリ、と目を開けた。あちらこちらに染みの付いた、あまり真新しいとは言えない天井が視界に広がっている。隅には蜘蛛の巣。どう考えても私の部屋の天井ではないし、かといって衛生面から考えれば病院であるとも思えない。ここはいったいどこなのだろう。考え込む私の顔を、誰かが覗き込んだ。
「起きてくれたの?」
それは、とんでもない美少女だった。太陽の光を閉じ込めたような金の髪。濃い桃色の瞳は憂うような睫毛に囲まれ、いっそ芸術品だと言われた方がしっくりくる。つん、と高い鼻が彫りの深さを伝え、潤った果実を合わせたような唇から紡がれる声は可憐で、この声が自分への愛を並べてさえくれるなら、どれだけの財を失っても気にも留めないだろうと思わせた。
「は、はい、って、……っ!?」
思わず敬語で答えた自分の声は、目の前の少女と全く同じであった。
それに驚き、起き上がった私は気づく。少女の姿が、半透明であることに。
「ふふ、良かったあ……」
私の様子が見えていないのか、少女は光をこぼすように微笑んだ。美しい。私は見惚れた。
「あのね、あのね。私があなたを呼んだの」
少女が言った。その言葉に、私は正気を取り返す。
「そうだ、ここはどこですか!? 私確か池に落ちて……というか、なんで私、声が変わって。それにあの、あなた透けて……!」
「っご、ごめんなさい……!」
少女が叫んだ。思わずぴたりと動きを止める私。
「ごめ、ごめんなさい。殴らないで……いたいの、いや、私は悪い子です、やめて、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
明らかに異常な様子で怯える少女。……言葉から察するに、虐待を受けていたのだろうか。顔や手足と言った見える範囲に傷はないが、もしかしたら、服の下に。
「落ち着いて、私はそんなことしません。ほら、手だって布団の中です」
私は言うが、なおも少女はいや、いやと頭を振っている。どうしようか。私は悩んだ。……もしかすると、さらに悪化する可能性はあるが……ええい、ままよ!
ふわり、と私は少女を抱きしめる。少女が安心できるよう顔を私の体で覆い、ゆっくりと背中を撫でる。そして声を低めて囁く。
「……怖がらないで……私はあなたの味方です。急に大きい声で話されて、怖かったですね。辛い思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。大丈夫……私に任せて……」
一言いうたびに、少女の動きが収まって来るのを感じた。かわりに、ぐずるような呼吸が聞こえてくる。
「うん……うん。ううっ、ふ、う、こわかっ、たっ!」
「ええ、ええ、ごめんなさい。もう、大丈夫ですからね。怖いものなんてもういませんからね」
「今まで……っずっと、辛くて、痛くて、」
「はい……頑張りましたね。ずっとずっと……偉かったですね」
胸の中で泣く少女を、私は守りたいと思った。事情は分からない。私はまだ何も知らない。でも、こんなまだ成人もしていないような少女が震えて泣いている。理由なんて、それで十分だった。
「起きてくれたの?」
それは、とんでもない美少女だった。太陽の光を閉じ込めたような金の髪。濃い桃色の瞳は憂うような睫毛に囲まれ、いっそ芸術品だと言われた方がしっくりくる。つん、と高い鼻が彫りの深さを伝え、潤った果実を合わせたような唇から紡がれる声は可憐で、この声が自分への愛を並べてさえくれるなら、どれだけの財を失っても気にも留めないだろうと思わせた。
「は、はい、って、……っ!?」
思わず敬語で答えた自分の声は、目の前の少女と全く同じであった。
それに驚き、起き上がった私は気づく。少女の姿が、半透明であることに。
「ふふ、良かったあ……」
私の様子が見えていないのか、少女は光をこぼすように微笑んだ。美しい。私は見惚れた。
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「そうだ、ここはどこですか!? 私確か池に落ちて……というか、なんで私、声が変わって。それにあの、あなた透けて……!」
「っご、ごめんなさい……!」
少女が叫んだ。思わずぴたりと動きを止める私。
「ごめ、ごめんなさい。殴らないで……いたいの、いや、私は悪い子です、やめて、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
明らかに異常な様子で怯える少女。……言葉から察するに、虐待を受けていたのだろうか。顔や手足と言った見える範囲に傷はないが、もしかしたら、服の下に。
「落ち着いて、私はそんなことしません。ほら、手だって布団の中です」
私は言うが、なおも少女はいや、いやと頭を振っている。どうしようか。私は悩んだ。……もしかすると、さらに悪化する可能性はあるが……ええい、ままよ!
ふわり、と私は少女を抱きしめる。少女が安心できるよう顔を私の体で覆い、ゆっくりと背中を撫でる。そして声を低めて囁く。
「……怖がらないで……私はあなたの味方です。急に大きい声で話されて、怖かったですね。辛い思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。大丈夫……私に任せて……」
一言いうたびに、少女の動きが収まって来るのを感じた。かわりに、ぐずるような呼吸が聞こえてくる。
「うん……うん。ううっ、ふ、う、こわかっ、たっ!」
「ええ、ええ、ごめんなさい。もう、大丈夫ですからね。怖いものなんてもういませんからね」
「今まで……っずっと、辛くて、痛くて、」
「はい……頑張りましたね。ずっとずっと……偉かったですね」
胸の中で泣く少女を、私は守りたいと思った。事情は分からない。私はまだ何も知らない。でも、こんなまだ成人もしていないような少女が震えて泣いている。理由なんて、それで十分だった。
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