サヨと不思議みち

もちもち

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光のほうへ

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空の暗いところもドンドン広がって、もうほとんど真っ暗です。


クロイモヤとシロイモヤも、あちらこちらからモワモワわき上がって、すごいいきおいで増えています。そして、増えるクロイモヤとシロイモヤのせいで、少しずつ道の先が見えなくなっていきました。



「どうしよう。どっちから来たんだっけ?」

そんなまわりの様子に気をとられていたら、とうとうサヨは来た道がわからなくなってしまいました。





「えっと…あっちから来たんだから、大きな広場はあっちで‥‥あれこっちだっけ…?あれ?どうしよう、どうしよう…」



サヨはあわてます。
でも。


『道がわからなくなったら『光ってるトビラ』に入りなさいね☆』


キツネさんに言われたことを思い出しました。




「そうだ…『光ってるトビラ』を探そう!」

サヨが、そう思ってまわりを見回すと、遠くのほうで、一つのトビラが光ってることに気がつきました。



「あっ!あれだ!キツネさんの言ってたトビラ!チョウチョさん!走るからしっかりつかまっててね!」




光ってるトビラに向かって、サヨは走り出しました。



たったったったったったったったったった

たったったったったったった…


「はあっ、はあっ、もう少し……!」





すると。


カラァン!!



広場の大時計のカネがなり始めてしまいました。

「どうしよう…カネがなり始めちゃった!」







カラァン!!










カラァン!!










カラァン!!









カラァン!!



たったったったったったったったったった


「はあっ、はあっ…」
後一回でなり終わっちゃう!…そう思ったとき、ようやくサヨはトビラにたどりつきました。


バアン!!

力いっぱい、サヨはトビラをおし開けて、中に飛び込みました。
ほぼ同時に。

カラァン!!


最後の一回がなりひびきました。
そのカネの音にサヨがふりむくと、トビラの向こうから、クロイモヤが追いかけてきているのが見えました。


「ぎゃあああ!」



サヨは必死に光のほうへ走り続けました。
もう振り返りません。

光のほうだけを見て、必死に、必死に走ります。
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