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第2の目的も…クリアできそうです。

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さぁ!早速井戸端会議開始です!

私は、集まったみんなに声をかける。

「皆さん。今日は集まっていただいてありがとうございます。アンおばさんから聞いていると思いますが、今日は病気にならないために、気をつけて欲しいことをお伝えします。」

「なかなか普段の家事が忙しいと思いますが、1つでも取り入れていただけると幸いです」

私の話す声に、賑やかだった広場が静寂に包まれていく。

突然、手が上がったかと思うと…

『あのー、あなたは疫神を祓えるって聞いたんですけど、本当ですか?もしそうなら、なぜ札を配ってくれないんですか?』

まだ若い18歳くらいの子からの質問でした。

あー…やっぱ聞かれると思った。そうだよね、いきなり集まれって招集された挙句、最近突然現れた不審者だよね。

側から見たらさ…。

「すみません自己紹介がまだだったですね。私はニナと言います。遠い国から来たんです。そこでは、病を治す手伝いをしていました。」


「わたしの世界では、病を治すことができましたが、それは道具が良いからです。わたし個人の力じゃないんです。わたしは今回札ではなく、わたしの国の道具でミリィちゃんを治しました。でも、それには数に限りがあり、扱いも簡単ではありません。」

わたしは続けて話す。

「病にかからないように普段から気をつけること、それが一番大切なんです。これをやることで、病にかかりにくくなるし、かかった場合も、治りやすくなります。皆さんの家族を病から守って欲しい、そのためにこれからその方法をお話しします。」

『病にかからないようにできるなんてすごいわね!』
人混みに紛れていたハンナさんが声を上げる。


アンおばさん…仕込みましたね。また。

わたしは気を取り直して、今回説明する3点を説明し始めた。

手を洗うこと…水は生水ではなく、一度沸かすこと。そして浄水器の作り方だ。


結果として井戸端会議はみんなとても真剣に参加してくれた。

これで、各家庭から少しずつ変化が起き始まるだろう。

1回目としては良いのではないだろうか。

さて、
主婦が集まれば、必ず困ったこと、苦労したことの話が出てくるのは世界が違えどやはり同じなようだ。

みんなが手洗いの方法をおさらいしている中…ルト村の様々な問題について、情報が飛び出した。


そう、実はこれが第二の目的だった。
村の現状把握のための、情報収集タイムだ‼︎

わたし一人で村を見て回るのは大変だ…いずれ見て回る気だが、それでは時間がかかりすぎる。

優先順位が高いものから着手しなければならないなかで、わたしはこの世界の生活状況に対するデータが少なすぎる。

だから…皆さんの知恵!情報!お借りします‼︎



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