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第二章 成長して花となる
止まらない感情
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美樹ちゃんと一緒に離れた所で落ち着いた。
まだ心がざわついてる。
「お兄さんの事やっぱり好きなんだね、家族としてじゃなくて」
「…そうみたい」
自分でも信じられなかった。でも納得もいった。あの約束を嬉しそうに待ち望んでるなんてまさにその通りだ。
お兄ちゃんの顔をまともに見られるかな…。
こんな時過去の事ばかり思い出される。恥ずかしすぎる。特に子供を作りたいって叫んでた時の事。
ああぁぁぁ。穴があったら入りたい。わたしは何で平気であんな事を。
でも恥ずかしいだけで勿論嫌なわけじゃない。でもお兄ちゃんから記憶を消し去りたい。
「あのね、私からはバレバレだったからね、陽菜ちゃんがお兄さんを好きな事なんて」
「え、でも、あの時は全然」
「ううん、お兄さんの事話してる陽菜ちゃんはずっと恋する乙女だったよ、嫉妬しちゃうね」
「嫉妬…」
わたしはあの女の人に嫉妬していた。誰なんだろう、同級生かな…。
「陽菜ちゃん、怖い顔してる、笑顔笑顔!」
「あ、ごめん…」
「考えても仕方ないし、詳しい事はお兄さんに聞こうよ」
「ええ、だって…」
「気になるなら私が代わりに聞いても良いよ」
「ううん、こういう事はちゃんと自分で聞くっ、ごめん、今日は帰るね!」
わたしは居ても立っても居られなくなり、急いで帰る。
そうだよ、少しくらいなら聞いても、家族なんだし…。
そして失敗した。私が先に帰ってもお兄ちゃんが帰ってなかったら意味無いよね。
お兄ちゃんが待ち遠しい。お兄ちゃん。
どれくらいそうしてたか分からない。
気付いたらドアを開ける音がする。
そしてお兄ちゃんが電気をつけて驚く。
「え、陽菜!?居たのか、なんで電気付けてないんだよ」
「お兄ちゃん、お帰りなさい…」
お兄ちゃんは慌ててわたしに駆け寄り心配そうにわたしを見る。
「何かあったのか?どうした?」
ああ、いつものお兄ちゃんだ。少し安心した。わたしはお兄ちゃんを困らせたいわけじゃない。
もし、お兄ちゃんに恋人が出来たら素直に祝福しよう…。
「…やだ」
「え、何が?」
「キスしちゃやだぁ、駄目なのっ!」
わたしはみっともなく泣いてしまった。心と身体がついていかない。
「陽菜、あ、あそこに居たのか」
「いたぁ、見てたの、女の人とキスしてたぁ…」
「待て待て、全部は見てないだろ、俺はキスなんてしてない」
「嘘だぁ…女の人と向かい合ってたもん、手握ったりしてたもん」
「あのなぁ、お兄ちゃんの言う事が信じられないのか?」
「クスン、、信じる…」
お兄ちゃんの言葉でなんとか安心出来た。また迷惑かけてしまった。こんなつもりじゃなかったのに。
「あれはただのクラスメイトだよ、鈴川さんって言うんだ、日頃、俺が課題を見せてるお礼に遊びに連れてってもらってたの」
「そうなんだ…」
お兄ちゃんからちゃんと説明してもらってやっと安心できる。
「大体俺にそういうの早いっていうの、彼女とかキスとかさ…」
「…それもやだ」
「え、ええ…」
わたしにはそういう事してほしいって思うのはワガママかな。あ、でも家族でキスをする事もあるし大丈夫だよね?
なんて思っちゃうけど、以前のわたしならきっと何でもなく受け入れてたと思うけど。
異性として見ちゃったらもう無理だ。絶対に意識する。
「今は受験の事と陽菜の事で頭がいっぱいだから、そういうのは良いんだって」
わたしの事で頭がいっぱいって言う言葉にドキッとする。でもお兄ちゃんは絶対わたしを妹以上には見てない。
大事にされてる自覚はあるし、わたしもお兄ちゃんを大事に思ってる。でも今はそれ以上を求めてしまってる。
「ほんと?」
「ああ、信じてくれ、あ、それと、その鈴川さんが勉強教えて欲しいって言うからたまに遅くなると思う」
「…わたしもそこに行く」
「え、でも」
「わたしもそこに行って一緒に勉強する!」
「いや、良いけど、まぁ、そっちの方が安心か、そうしよう」
とことんワガママの限りを尽くしてるのにお兄ちゃんは一切拒否しない。
わたしもうお兄ちゃんが居ないと本当に生きていけないかもしれない。
その日の夜もわたしはお兄ちゃんと一緒に寝た。異性である事を意識してる癖に妹という特権をフルに使った。
ずるくてごめん。でも、一度溢れたらもう自分ではどうしようも出来なくて…。
わたしは隣の寝てるお兄ちゃんの唇を意識しすぎて殆ど眠れなかった。
朝久しぶりにお兄ちゃんによって起こされる。
「そろそろ起きろー」
「ううん、後ちょっと…」
「だーめーだ、遅刻するぞ」
ハッとして勢いよく飛び起きる。
昨日は眠れなくて遅くまで起きてしまった。
「うう、眠い…」
「なんだ?眠れなかったのか」
「うん…」
「眠れない時はお兄ちゃんを叩き起してもいいんだぞ、いつかの誕生日の時も夜中に叩き起されたしな」
「…誕生日」
その瞬間わたしの顔が一気に赤くなる。やめて、思い出させないで。
「なんだ、顔が赤いな。熱でもあるのか?」
お兄ちゃんがいつもの感じでわたしの額に手を当てる。
「うーん、熱は無いみたいだ」
わたしは固まって俯いてしまい、なすがままだった。
「だ、大丈夫だから、お兄ちゃんも早く準備して」
わたしは一気に目が覚めて準備を始める。
そして途中までお兄ちゃんと一緒に歩いた。
いつものように何気なく手を繋いでくるお兄ちゃんの手に意識がずっと向いていた。
教室に着くと一目散に美樹ちゃんの所に行く。
「おはよ、美樹ちゃん!わたしどうしよ」
「え、おはよ、どしたのん?」
「お兄ちゃんが好き過ぎて生きてけない」
「は、はぁ、そうですか…」
美樹ちゃんが呆れた顔でわたしを見る。
「一緒に寝てる時もドキドキして寝れないし、今日だっておでこ触られただけで固まっちゃって動けなかったの」
「え、一緒に寝てるの…?」
「うん、何か問題かな?」
「あ、いや、、陽菜ちゃん一度認めちゃったら凄いんだね、そっちの方が好感持てるけど」
「だって、好きって気付いちゃったんだもん」
美樹ちゃんが優しい顔でわたしを見る。
「うんうん、可愛い顔してるねぇ、私も恋したいなぁ」
「もう、聞いてよぉ、どうしたらいいの!」
「告白しちゃえば?」
「で、出来ないよ、わたし絶対ただの妹だって思われてるし…」
「でも血は繋がってないんだよね?大丈夫、陽菜ちゃんなら」
「そ、そんな事言われてもぉ」
「まぁ私に出来る事があるなら手伝うからね、何でも言ってよ」
「じゃあ、今度お兄ちゃん達とやる勉強会についてきて!」
「え、ええぇ」
美樹ちゃんの呆れも最高潮に達したのか、溜息を吐く。ごめんね美樹ちゃん。
「仕方ない、親友の為に人肌脱ぎますかぁ」
「美樹ちゃーん!」
美樹ちゃんの目がお兄ちゃんがわたしを見るような目になってる。わたしまたワガママ言っちゃった。
こんなんじゃお兄ちゃんのとの約束守れないかも…。
まだ心がざわついてる。
「お兄さんの事やっぱり好きなんだね、家族としてじゃなくて」
「…そうみたい」
自分でも信じられなかった。でも納得もいった。あの約束を嬉しそうに待ち望んでるなんてまさにその通りだ。
お兄ちゃんの顔をまともに見られるかな…。
こんな時過去の事ばかり思い出される。恥ずかしすぎる。特に子供を作りたいって叫んでた時の事。
ああぁぁぁ。穴があったら入りたい。わたしは何で平気であんな事を。
でも恥ずかしいだけで勿論嫌なわけじゃない。でもお兄ちゃんから記憶を消し去りたい。
「あのね、私からはバレバレだったからね、陽菜ちゃんがお兄さんを好きな事なんて」
「え、でも、あの時は全然」
「ううん、お兄さんの事話してる陽菜ちゃんはずっと恋する乙女だったよ、嫉妬しちゃうね」
「嫉妬…」
わたしはあの女の人に嫉妬していた。誰なんだろう、同級生かな…。
「陽菜ちゃん、怖い顔してる、笑顔笑顔!」
「あ、ごめん…」
「考えても仕方ないし、詳しい事はお兄さんに聞こうよ」
「ええ、だって…」
「気になるなら私が代わりに聞いても良いよ」
「ううん、こういう事はちゃんと自分で聞くっ、ごめん、今日は帰るね!」
わたしは居ても立っても居られなくなり、急いで帰る。
そうだよ、少しくらいなら聞いても、家族なんだし…。
そして失敗した。私が先に帰ってもお兄ちゃんが帰ってなかったら意味無いよね。
お兄ちゃんが待ち遠しい。お兄ちゃん。
どれくらいそうしてたか分からない。
気付いたらドアを開ける音がする。
そしてお兄ちゃんが電気をつけて驚く。
「え、陽菜!?居たのか、なんで電気付けてないんだよ」
「お兄ちゃん、お帰りなさい…」
お兄ちゃんは慌ててわたしに駆け寄り心配そうにわたしを見る。
「何かあったのか?どうした?」
ああ、いつものお兄ちゃんだ。少し安心した。わたしはお兄ちゃんを困らせたいわけじゃない。
もし、お兄ちゃんに恋人が出来たら素直に祝福しよう…。
「…やだ」
「え、何が?」
「キスしちゃやだぁ、駄目なのっ!」
わたしはみっともなく泣いてしまった。心と身体がついていかない。
「陽菜、あ、あそこに居たのか」
「いたぁ、見てたの、女の人とキスしてたぁ…」
「待て待て、全部は見てないだろ、俺はキスなんてしてない」
「嘘だぁ…女の人と向かい合ってたもん、手握ったりしてたもん」
「あのなぁ、お兄ちゃんの言う事が信じられないのか?」
「クスン、、信じる…」
お兄ちゃんの言葉でなんとか安心出来た。また迷惑かけてしまった。こんなつもりじゃなかったのに。
「あれはただのクラスメイトだよ、鈴川さんって言うんだ、日頃、俺が課題を見せてるお礼に遊びに連れてってもらってたの」
「そうなんだ…」
お兄ちゃんからちゃんと説明してもらってやっと安心できる。
「大体俺にそういうの早いっていうの、彼女とかキスとかさ…」
「…それもやだ」
「え、ええ…」
わたしにはそういう事してほしいって思うのはワガママかな。あ、でも家族でキスをする事もあるし大丈夫だよね?
なんて思っちゃうけど、以前のわたしならきっと何でもなく受け入れてたと思うけど。
異性として見ちゃったらもう無理だ。絶対に意識する。
「今は受験の事と陽菜の事で頭がいっぱいだから、そういうのは良いんだって」
わたしの事で頭がいっぱいって言う言葉にドキッとする。でもお兄ちゃんは絶対わたしを妹以上には見てない。
大事にされてる自覚はあるし、わたしもお兄ちゃんを大事に思ってる。でも今はそれ以上を求めてしまってる。
「ほんと?」
「ああ、信じてくれ、あ、それと、その鈴川さんが勉強教えて欲しいって言うからたまに遅くなると思う」
「…わたしもそこに行く」
「え、でも」
「わたしもそこに行って一緒に勉強する!」
「いや、良いけど、まぁ、そっちの方が安心か、そうしよう」
とことんワガママの限りを尽くしてるのにお兄ちゃんは一切拒否しない。
わたしもうお兄ちゃんが居ないと本当に生きていけないかもしれない。
その日の夜もわたしはお兄ちゃんと一緒に寝た。異性である事を意識してる癖に妹という特権をフルに使った。
ずるくてごめん。でも、一度溢れたらもう自分ではどうしようも出来なくて…。
わたしは隣の寝てるお兄ちゃんの唇を意識しすぎて殆ど眠れなかった。
朝久しぶりにお兄ちゃんによって起こされる。
「そろそろ起きろー」
「ううん、後ちょっと…」
「だーめーだ、遅刻するぞ」
ハッとして勢いよく飛び起きる。
昨日は眠れなくて遅くまで起きてしまった。
「うう、眠い…」
「なんだ?眠れなかったのか」
「うん…」
「眠れない時はお兄ちゃんを叩き起してもいいんだぞ、いつかの誕生日の時も夜中に叩き起されたしな」
「…誕生日」
その瞬間わたしの顔が一気に赤くなる。やめて、思い出させないで。
「なんだ、顔が赤いな。熱でもあるのか?」
お兄ちゃんがいつもの感じでわたしの額に手を当てる。
「うーん、熱は無いみたいだ」
わたしは固まって俯いてしまい、なすがままだった。
「だ、大丈夫だから、お兄ちゃんも早く準備して」
わたしは一気に目が覚めて準備を始める。
そして途中までお兄ちゃんと一緒に歩いた。
いつものように何気なく手を繋いでくるお兄ちゃんの手に意識がずっと向いていた。
教室に着くと一目散に美樹ちゃんの所に行く。
「おはよ、美樹ちゃん!わたしどうしよ」
「え、おはよ、どしたのん?」
「お兄ちゃんが好き過ぎて生きてけない」
「は、はぁ、そうですか…」
美樹ちゃんが呆れた顔でわたしを見る。
「一緒に寝てる時もドキドキして寝れないし、今日だっておでこ触られただけで固まっちゃって動けなかったの」
「え、一緒に寝てるの…?」
「うん、何か問題かな?」
「あ、いや、、陽菜ちゃん一度認めちゃったら凄いんだね、そっちの方が好感持てるけど」
「だって、好きって気付いちゃったんだもん」
美樹ちゃんが優しい顔でわたしを見る。
「うんうん、可愛い顔してるねぇ、私も恋したいなぁ」
「もう、聞いてよぉ、どうしたらいいの!」
「告白しちゃえば?」
「で、出来ないよ、わたし絶対ただの妹だって思われてるし…」
「でも血は繋がってないんだよね?大丈夫、陽菜ちゃんなら」
「そ、そんな事言われてもぉ」
「まぁ私に出来る事があるなら手伝うからね、何でも言ってよ」
「じゃあ、今度お兄ちゃん達とやる勉強会についてきて!」
「え、ええぇ」
美樹ちゃんの呆れも最高潮に達したのか、溜息を吐く。ごめんね美樹ちゃん。
「仕方ない、親友の為に人肌脱ぎますかぁ」
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