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第二章 成長して花となる
純情可憐
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今日は休みで四人で勉強する日。
親友の美樹ちゃんにお願いして援護射撃をしてもらう事に。
わたしの目的はひとつ!ライバルである鈴川さんの素性調査!
勿論勉強もする。この四人の中じゃきっとわたしが一番勉強が出来ないに違いない…。
お兄ちゃん一緒に待ち合わせ場所で待つ。先に美樹ちゃんがやってきた。
「陽菜ちゃん、おはよー、お兄さん、お久しぶりっす!」
「美樹ちゃん、今日はよろしくね、て言っても勉強内容違うかもしれないけど」
「いえいえ、私は勉強大好きなんで大丈夫っす、逆に教えちゃいますよ」
「それは頼もしいな」
お兄ちゃんと美樹ちゃんが話してる間も考えがグルグルしてるのがわかる。
鈴川さん、どんな人なんだろう。とっても気になる。
考え事をしてたら美樹ちゃんが隣に来て囁いた。
「例の人、まだだね、今日は私も何とかしてあげるから頑張ってね」
「う、うん、ありがとう」
美樹ちゃんがいると心強い。今日は頑張る。
「お待たせ、佐倉君」
「今ちょうど集まったところだよ鈴川さん」
いつの間にか来てた…。ゆっくり顔をあげる。うう、やっぱりとっても綺麗だ。
「えっと、こっちが妹の陽菜で、そっちは陽菜の妹の美樹ちゃん」
「えっと、彩峰 美樹っす、よろしくお願います」
「美樹ちゃんね、可愛いなぁ、あ、、あたしは鈴川 優奈だよ、よろしく」
美樹ちゃんと鈴川さんが挨拶してる、わ、わたしもやらなきゃ…。
俯いてた顔をあげ、目線を合わせられないまま挨拶をする。
「ひ、陽菜です…よろしく」
緊張して声が上擦る。うー、駄目だ、もっと大人な対応をしたい。
「えー、佐倉君の妹さん超可愛いじゃん、良いなぁ、あたしも妹が欲しいな、よろしくね、陽菜ちゃん」
「あ、あの、鈴川さんも、お綺麗で…」
「優奈で良いよ、陽菜ちゃん」
「あ、優奈さん…」
優奈さんはうんうんと頷いて周りを見回す。そしてニヤニヤとしながらお兄ちゃんに話しかけた。
「ハーレムだねぇ、佐倉君」
「ハ、、いや何言ってるんだ、俺達は勉強をする為に!」
「はいはい、じゃあ早く行こっか、あたしの家で良いよね、今日誰も居ないし」
あのお兄ちゃんが軽くあしらわれてる…。初めてみちゃった。これが大人の女性!
わたしも見習わなきゃ。
優奈さんの家に着く。とても大きい家だった…。もしかして優奈さんお金持ち?
お兄ちゃんを見ると固まってる。しまった、お兄ちゃんは欲しいものに家が欲しいとか言ってた人だ。
まさか家が目的で優奈さんに!?ってそんな訳ないか…。
「あの、鈴川さんの家凄く大きいんだね」
「あー、そうみたいだね、あたしには関係ないけどね」
お兄ちゃんが家に食いついてる。わたしもたくさんお金稼いで大きい家買わなきゃ。
そのまま中に案内され、優奈さんの自室に入る。広い…。
「よし、じゃあ早速勉強しようか」
お兄ちゃんが荷物を下ろして準備を始める。家は褒めてたのに部屋は褒めないのね。
「あ、飲み物とかお菓子買ってくるっす、あの、お兄さんついてきてもらえませんか?」
「ん?ああ、良いよ、それくらいは必要か」
美樹ちゃんが私にウィンクをする、よし、優奈さんと話して色々聞かなきゃ。
「じゃあ、あたしは陽菜ちゃんと親睦を深める為にお話してるね」
「は、はい、お願いします」
向こうから来てくれるなんて願ったり叶ったりだ。
「そっか、美樹ちゃん行こうか、鈴川さん、陽菜の事よろしくね」
「任せてよ」
お兄ちゃんと美樹ちゃんが部屋から出る。すると優奈さんがわたしに向き座りなおした。
「陽菜ちゃん、あたしに言いたい事あるでしょ?」
「え、あの…」
「だってあたしの事ずっと見てるんだもん、気になっちゃって」
うー、全部バレてる。さすが大人の女性…。
「あの、お兄ちゃんの事どう思ってるんですか?」
どうせ下手な小細工は出来ないので直球で聞いてみた。
「うん、好きだよ」
優奈さんがさっきまでの凛とした態度とは違い、頬を赤らめる。それはまさに恋する乙女だった。
「でも振られちゃったけどね」
「え、そうなんですか?」
「付き合うとかは本気で好きな人とじゃないとだめだーって、最初は佐倉君の事気になってただけで興味本位程度だったから」
お兄ちゃんなら言いそうだ。軽い気持ちじゃなくて最後まで責任持てるようになりたいんだよね。
「でも、陽菜ちゃんがそれを聞きたいって事は陽菜ちゃんも好きなんだよね?お兄ちゃんの事」
「…はい」
「でも、二人は兄妹なんだよね?」
「あの…本当の兄妹ではないんです…。わたしとお兄ちゃんは、施設で一緒になって…」
余計な事言いすぎたかな…。でも優奈さんなんか凄く良い人そうでつい口が出ちゃった。
すると、突然優奈さんに抱きしめられる。
「そっかぁ、大変だったねなんて軽々しく言えないけど、あたしともこうして知り合えたんだし、あたしも二人の助けになるからさ、何かあったら絶対言ってよね」
そう言って強く抱きしめられる、ああ、これは勝てないなぁ…。わたしと違って凄く頼りになるもん。
「そっかぁ、こんな可愛い子と兄妹みたいに育って、そりゃシスコンになっちゃうよね、これは勝てないなぁ」
「…え?」
「ううん、何でもないの、それより、お互いライバルだけど、手は抜かないからね」
「こ、こっちこそ、負けたくないです」
「うん、頑張ろ、陽菜ちゃんのお兄ちゃん攻略するの凄く難しそうだけどね」
確かに難しいね、恋愛なんて早いって言ってたし。わたしが大事って言っても妹としてだし。
でもそれは逆に今急がなくても良いって事だよね。わたしが急がなくても大丈夫。
優奈さんも良い人だし、もしお兄ちゃんと付き合う事になっても、凄く悲しいけど祝福は出来ると思う。
わたしはわたしなりに、ゆっくり行こう。
「という事で、陽菜ちゃん、あたしは学校での事教える代わりに、陽菜ちゃんにも色々と教えて欲しい事とかあるんだけど、ここはひとつ、共同戦線といかない?」
「ええ、いいですよ、優奈さん」
優奈さんをライバルだなんてとんでもないよ、凄く良い人で安心しちゃった。
「ただいま、うわ、何二人で抱き合ってるんだ」
戻ってきたお兄ちゃんがわたしたちを見て、驚く。
「おかえり、琉弥、あたし喉乾いちゃったから早く持ってきてよ」
「え?」
突然名前を言われて驚くお兄ちゃん、そしていたずらっ子の様にわたしにウィンクする優奈さん。
やっぱり安心出来ない!優奈さんはライバルだ!
親友の美樹ちゃんにお願いして援護射撃をしてもらう事に。
わたしの目的はひとつ!ライバルである鈴川さんの素性調査!
勿論勉強もする。この四人の中じゃきっとわたしが一番勉強が出来ないに違いない…。
お兄ちゃん一緒に待ち合わせ場所で待つ。先に美樹ちゃんがやってきた。
「陽菜ちゃん、おはよー、お兄さん、お久しぶりっす!」
「美樹ちゃん、今日はよろしくね、て言っても勉強内容違うかもしれないけど」
「いえいえ、私は勉強大好きなんで大丈夫っす、逆に教えちゃいますよ」
「それは頼もしいな」
お兄ちゃんと美樹ちゃんが話してる間も考えがグルグルしてるのがわかる。
鈴川さん、どんな人なんだろう。とっても気になる。
考え事をしてたら美樹ちゃんが隣に来て囁いた。
「例の人、まだだね、今日は私も何とかしてあげるから頑張ってね」
「う、うん、ありがとう」
美樹ちゃんがいると心強い。今日は頑張る。
「お待たせ、佐倉君」
「今ちょうど集まったところだよ鈴川さん」
いつの間にか来てた…。ゆっくり顔をあげる。うう、やっぱりとっても綺麗だ。
「えっと、こっちが妹の陽菜で、そっちは陽菜の妹の美樹ちゃん」
「えっと、彩峰 美樹っす、よろしくお願います」
「美樹ちゃんね、可愛いなぁ、あ、、あたしは鈴川 優奈だよ、よろしく」
美樹ちゃんと鈴川さんが挨拶してる、わ、わたしもやらなきゃ…。
俯いてた顔をあげ、目線を合わせられないまま挨拶をする。
「ひ、陽菜です…よろしく」
緊張して声が上擦る。うー、駄目だ、もっと大人な対応をしたい。
「えー、佐倉君の妹さん超可愛いじゃん、良いなぁ、あたしも妹が欲しいな、よろしくね、陽菜ちゃん」
「あ、あの、鈴川さんも、お綺麗で…」
「優奈で良いよ、陽菜ちゃん」
「あ、優奈さん…」
優奈さんはうんうんと頷いて周りを見回す。そしてニヤニヤとしながらお兄ちゃんに話しかけた。
「ハーレムだねぇ、佐倉君」
「ハ、、いや何言ってるんだ、俺達は勉強をする為に!」
「はいはい、じゃあ早く行こっか、あたしの家で良いよね、今日誰も居ないし」
あのお兄ちゃんが軽くあしらわれてる…。初めてみちゃった。これが大人の女性!
わたしも見習わなきゃ。
優奈さんの家に着く。とても大きい家だった…。もしかして優奈さんお金持ち?
お兄ちゃんを見ると固まってる。しまった、お兄ちゃんは欲しいものに家が欲しいとか言ってた人だ。
まさか家が目的で優奈さんに!?ってそんな訳ないか…。
「あの、鈴川さんの家凄く大きいんだね」
「あー、そうみたいだね、あたしには関係ないけどね」
お兄ちゃんが家に食いついてる。わたしもたくさんお金稼いで大きい家買わなきゃ。
そのまま中に案内され、優奈さんの自室に入る。広い…。
「よし、じゃあ早速勉強しようか」
お兄ちゃんが荷物を下ろして準備を始める。家は褒めてたのに部屋は褒めないのね。
「あ、飲み物とかお菓子買ってくるっす、あの、お兄さんついてきてもらえませんか?」
「ん?ああ、良いよ、それくらいは必要か」
美樹ちゃんが私にウィンクをする、よし、優奈さんと話して色々聞かなきゃ。
「じゃあ、あたしは陽菜ちゃんと親睦を深める為にお話してるね」
「は、はい、お願いします」
向こうから来てくれるなんて願ったり叶ったりだ。
「そっか、美樹ちゃん行こうか、鈴川さん、陽菜の事よろしくね」
「任せてよ」
お兄ちゃんと美樹ちゃんが部屋から出る。すると優奈さんがわたしに向き座りなおした。
「陽菜ちゃん、あたしに言いたい事あるでしょ?」
「え、あの…」
「だってあたしの事ずっと見てるんだもん、気になっちゃって」
うー、全部バレてる。さすが大人の女性…。
「あの、お兄ちゃんの事どう思ってるんですか?」
どうせ下手な小細工は出来ないので直球で聞いてみた。
「うん、好きだよ」
優奈さんがさっきまでの凛とした態度とは違い、頬を赤らめる。それはまさに恋する乙女だった。
「でも振られちゃったけどね」
「え、そうなんですか?」
「付き合うとかは本気で好きな人とじゃないとだめだーって、最初は佐倉君の事気になってただけで興味本位程度だったから」
お兄ちゃんなら言いそうだ。軽い気持ちじゃなくて最後まで責任持てるようになりたいんだよね。
「でも、陽菜ちゃんがそれを聞きたいって事は陽菜ちゃんも好きなんだよね?お兄ちゃんの事」
「…はい」
「でも、二人は兄妹なんだよね?」
「あの…本当の兄妹ではないんです…。わたしとお兄ちゃんは、施設で一緒になって…」
余計な事言いすぎたかな…。でも優奈さんなんか凄く良い人そうでつい口が出ちゃった。
すると、突然優奈さんに抱きしめられる。
「そっかぁ、大変だったねなんて軽々しく言えないけど、あたしともこうして知り合えたんだし、あたしも二人の助けになるからさ、何かあったら絶対言ってよね」
そう言って強く抱きしめられる、ああ、これは勝てないなぁ…。わたしと違って凄く頼りになるもん。
「そっかぁ、こんな可愛い子と兄妹みたいに育って、そりゃシスコンになっちゃうよね、これは勝てないなぁ」
「…え?」
「ううん、何でもないの、それより、お互いライバルだけど、手は抜かないからね」
「こ、こっちこそ、負けたくないです」
「うん、頑張ろ、陽菜ちゃんのお兄ちゃん攻略するの凄く難しそうだけどね」
確かに難しいね、恋愛なんて早いって言ってたし。わたしが大事って言っても妹としてだし。
でもそれは逆に今急がなくても良いって事だよね。わたしが急がなくても大丈夫。
優奈さんも良い人だし、もしお兄ちゃんと付き合う事になっても、凄く悲しいけど祝福は出来ると思う。
わたしはわたしなりに、ゆっくり行こう。
「という事で、陽菜ちゃん、あたしは学校での事教える代わりに、陽菜ちゃんにも色々と教えて欲しい事とかあるんだけど、ここはひとつ、共同戦線といかない?」
「ええ、いいですよ、優奈さん」
優奈さんをライバルだなんてとんでもないよ、凄く良い人で安心しちゃった。
「ただいま、うわ、何二人で抱き合ってるんだ」
戻ってきたお兄ちゃんがわたしたちを見て、驚く。
「おかえり、琉弥、あたし喉乾いちゃったから早く持ってきてよ」
「え?」
突然名前を言われて驚くお兄ちゃん、そしていたずらっ子の様にわたしにウィンクする優奈さん。
やっぱり安心出来ない!優奈さんはライバルだ!
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