虹の騎士団物語

舞子坂のぼる

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第10章 旅立ちの塔

第252話 作戦会議 その2

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第252話 作戦会議 その2
**********
ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
**********


鳥人族とドワーフ、2つの種族の長が少女たちの前に降り立ちました。

ホーク「まったく……ハァ、ハァ……このジジイは、ハァ……なぜこんなに重いんだ……」

ボルカノ「何を言っておるんじゃ、情けないのぅ。鉄製の工具一式持ってるくらいで根を上げおって」

ホーク「下ろせよそれ!要らんだろ!」

マリン「あー、あの、ごめんなさいね、親交を深めてるところ」

ホーク「……大きな溝が深まったところだ」

ブラド「ねー!時間ないんだから、いい加減機嫌直してよ!キャッツをけしかけるよ」

ホーク「ぐっ……!」

キャッツ「犬みたいに言わないでよ」

ジャンヌ「えっと、で、どうでした?ボルカノさん。天蓋は、壊せそうでしたか?」

ボルカノ「ああ、それだがな、残念な知らせじゃ」

サリー「む、無理ってことですか?」

ボルカノ「……うむ……すまんな、力になれなくて……」

キャッツ「そ、そんな……」

ローズ「壊せる場所がないってことですか?」

ボルカノ「いや、違うんじゃ。そもそも、あの天蓋とかいうやつが、壊せるものじゃないってことがわかってしまってな……」

キャッツ「な、なんですか、それ?どういうこと?」

ボルカノ「うむ、あの天蓋は、元々塔のてっぺんだった場所を、覆うように生まれたところじゃな?」

ジャンヌ「ええ、そうです」

ボルカノ「当然、そんな技術は、我々ドワーフの里にも存在しないものじゃ」

マリン「まぁ、確かにね。世界中回っても、あんなことができる技術なんて、聞いたことないわ」

マリア「つ、つまり、あれは、私たちの技術とはかけ離れたものでできてるものだから、壊すめどがまったく立たないってことですか?」

ボルカノ「……うむ。できる限りのことを調べてみたが、あの素材がどういうものでできているのか、まったくわからんのだ……」

リーフ「じゃあ!周りの壁は?天蓋じゃないから、ロックスさんが壊してくれたみたいに……」

ホーク「おいおい、このジジイが、天蓋が駄目だとわかったからってそのままここに来ると思うのか?」

フィスト「どういう意味よ?」

ホーク「周りの壁も調べたに決まってるだろう。各階層を区切っていた床は、どこにでもある鉱石で作られていた。だが、やはり、星から星へ旅するこの塔の外壁は、そういうわけにいかないのだろうな」

ブラド「え……てことは、この塔からは出られへんってこと?」

ボルカノ「……」

ホーク「……このジジイのことが信用できないなら、試してみな。そこらへんの壁をジャンヌの剣ででも斬りつけてみるといい。傷ひとつつけられずに終わるだけだ」

ジャンヌ「し、信用しないなんて……そんなこと、ないけど」

『射出エネルギー充填、100パーセント』

キャッツ「!?や、やばいよ!」

『これより射出への最終調整を始めます。これには数分かかる場合があります。乗組員は各自、ポッドに入るなど安全を確保してください。』

サリー「よ、よかった!まだ数分かかる場合があるって!」

フィスト「いい加減ね……なんなのよ、数分かかる場合がある、って」

リーフ「ま、まぁまぁ!何にしてもさ、余裕はできたわけじゃん!」

キャッツ「余裕できたって言ってもねぇ……この塔の最下層じゃ……」

ビフロンス「こらこら、最下層のせいにするんじゃない。ここにいる俺たちはどうなるんだ」

キャッツ「い、いや、してないですよ!してないですけど!」

ジャンヌ「……待って!落ち着いて考えてよ!今余裕ができた数分は、『安全確保のため』なんでしょ?」

マリン「うん、そうよね」

ジャンヌ「てことはさ……」

ローズ「今安全確保をしとかないと、発射したときにめちゃくちゃ危ないってことだよね」

グシオン「……一度諦めて安全確保をしてみるか、危険を承知でまだ方法を探すか、だな……」
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