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Ⅲ.サード・コンタクト
38.お試し交際の始まり
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今日から五日間、また実家暮らしが始まったわけだけど、俺はこれまで通り自室にエマーリンさんを追いやって、客間でラフィと向き合っていた。
「あ、あのさ…ラフィ」
「ん?」
あくまでもいつもと変わらないラフィ。
その表情はとっても柔らかだ。
「その…さ。えっと…」
どう切り出したらいいのかわからなくて一生懸命言葉を探す俺を、ラフィは急かすことなく辛抱強く待ってくれる。
「お、俺のこと、どう思ってる?す、好き…?」
取り敢えず気持ちを確認しようと思ってそう尋ねてみたんだけど、そう口にした途端パッと顔が輝かせて、飛び切りの笑顔で思いきり肯定された。
「うん、好き!愛してる!」
(…………あ、そうなんだ)
もうその言葉だけで、ラフィが友情からじゃなく恋愛的意味合いで俺を好きなんだってわかってしまった。
だって普通友達に『愛してる』とは言わないから。
でも俺…ラフィのこと恋愛的に好きなのかどうかわかってないんだけど、いいのかな?
「えっと…ラフィ。気持ちは嬉しいんだけど…」
恐る恐るそう口にしたらどこか不安そうな顔で『迷惑だったか?』って言われた。
うぅ…なんだか物凄く申し訳ない気持ちになってくる。
例えるなら捨て犬を見捨てるような気分?
でもここはちゃんと自分の気持ちは伝えるべきで…。
「その…俺、ラフィのことは大好きだし、一緒にいて凄く楽しいしずっと一緒に居たいとは思ってるんだけど」
「うん」
「その…俺、恥ずかしい話、誰とも付き合ったこともないし、恋愛とかそういうのがよくわかってないって言うか…」
そう言ったらラフィはちょっと考えてから聞いてきた。
「俺と触れ合うのは嫌じゃないか?」
嫌ではない。
寧ろ心地いいから逆にソワソワして困る。
だから素直にそう言った。
「嫌とかそういうのは全然ないんだけど、なんだか落ち着かなくてソワソワするから凄く困る」
「そっか」
そうして本当に嬉しそうに笑いながら、「じゃあお試しでいいから結婚を前提に俺と付き合ってほしい」って軽い口調で言ってきた。
お試し?
お試しでお付き合いって、そういうのありなんだっけ?
ちょっと首を傾げたけど、そう言えばいつだったかクラスの女子が誰かに告白されたって話を教室でキャイキャイ話してて、「嫌じゃなかったらお試しで付き合っちゃいなよ。悪い奴じゃないし、案外上手くいくかもよ?」「そうそう。ダメだったら別れればいいんだし、思い切って付き合っちゃいな!」とか言ってたような…?
そう考えるとラフィからのこの提案は悪くはない気はする。
どうせこれから向こうで暮らすことになるんだし、毎日ラフィと一緒にいるのに変わりはない。
俺のイメージで『お付き合い』って言うのは、相手と楽しい時間を共有して、たまにキスして、手を繋いでデートとかする感じだから────うん。多分大丈夫。
ラフィもダメ元でって感じで軽く言ってるっぽいし、重く受け止めなくても良さそうな雰囲気だ。
そう思ったから思い切って頷いてみることに。
「えっと…俺でよかったら、その、よろしく?」
「やった!」
俺がOKを伝えたらラフィは満面の笑みでやったやったと大はしゃぎして抱きついてきた。
なんだか可愛い。
城では大人っぽい顔も見せるラフィだけど、こうしてみると俺と一つしか違わないんだよな。
そう思ったら変に肩に入っていた力もフッと抜けてしまった。
「じゃあ俺、これからもっとユウジに好きになってもらえるように頑張るから」
そう言ってきたラフィの眩しい笑顔に『既に骨抜きにされそうです』とはとても言えなかった。
***
【Side.ラフィンシア】
「ご機嫌ですね」
ユウジにお試し交際を持ち掛けてOKをもらった日の翌朝、エマーリンが笑顔で話しかけてきた。
ちなみにユウジやカンジ父さん、コウは既にそれぞれ学校や会社に行っていて、ユリエ母さんは買い物に出掛けている。
だから今、この家にはエマーリンと二人きりだ。
「ユウジが俺と結婚を前提に付き合ってくれるって言ってくれたからな」
「流石、段取りがお上手ですね」
皮肉を利かせてくるが好きに言え。
俺はユウジを逃がす気はこれっぽっちもないんだから。
「まあ得てして先に惚れた者の負けって言いますし、いいんじゃないですか?」
「ふふっ」
ちょっとアクシデントはあったけど、このままきっちり手に入れて結婚まで持っていきたい。
俺の癒しは誰にも譲る気はない!
だからユウジがあっちに住むなら邪魔者からもしっかり守らないと。
取り敢えずあっちに戻ったら早々に兄とエレンドスには誓約書でも書かせて、ユウジには手出しできないようにしておくつもりだ。
父と母にも話は通して、後は大臣達も味方につけておかないと。
後は何かしておくことはあるかな?
ユウジとの関係は正直焦るつもりはないんだ。
まずは周囲をしっかり固めて、ユウジには俺といたら楽しいって思ってもらえたらそれでいい。
お試し交際なんて言ったのもその一環だ。
ユウジは俺との恋愛が初めてって言ってたし、ちょっとずつ慣らして俺だけを見てくれるように持っていくつもりだ。
最終的に体の関係になるのは初夜でもいいから、ゆっくり距離を縮めよう。
「まあ…おはようとおやすみのキスだけは譲れないけどな」
俺のラブラブ新婚生活に向けて、計画的にユウジを囲い込もう。
「さて、取り敢えず暫くはユウジの家族にも認めてもらえるように頑張らないとな」
「本当、ラフィ王子は腹黒なんだから」
「うるさい!俺は欲しいものはきっちり手に入れる主義なんだ!」
「はいはい。頑張ってください」
エマーリンに『全く。まだまだ子供ですね』なんて言われたけど、俺はそんなに子供じゃないからな?!
こうして俺とユウジの新しい関係はスタートした。
俺の未来は明るいぞ!
****************
※二人のお試し交際が決定となりましたので、一先ずこのお話もここで一区切りです。
連日お付き合いくださった皆様ありがとうございました(^^)
二人の交際中エピソードもまた落ち着いてから書けたらいいなとは思ってるんですが(寧ろそこからが本題?)、そう言えばこのお話、短編&R-15設定にしてたなと思ったので一応ここで切っておきます。
再開する際はR設定を変えてるかもしれませんが、その際はその旨記載の上で書こうと思いますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
「あ、あのさ…ラフィ」
「ん?」
あくまでもいつもと変わらないラフィ。
その表情はとっても柔らかだ。
「その…さ。えっと…」
どう切り出したらいいのかわからなくて一生懸命言葉を探す俺を、ラフィは急かすことなく辛抱強く待ってくれる。
「お、俺のこと、どう思ってる?す、好き…?」
取り敢えず気持ちを確認しようと思ってそう尋ねてみたんだけど、そう口にした途端パッと顔が輝かせて、飛び切りの笑顔で思いきり肯定された。
「うん、好き!愛してる!」
(…………あ、そうなんだ)
もうその言葉だけで、ラフィが友情からじゃなく恋愛的意味合いで俺を好きなんだってわかってしまった。
だって普通友達に『愛してる』とは言わないから。
でも俺…ラフィのこと恋愛的に好きなのかどうかわかってないんだけど、いいのかな?
「えっと…ラフィ。気持ちは嬉しいんだけど…」
恐る恐るそう口にしたらどこか不安そうな顔で『迷惑だったか?』って言われた。
うぅ…なんだか物凄く申し訳ない気持ちになってくる。
例えるなら捨て犬を見捨てるような気分?
でもここはちゃんと自分の気持ちは伝えるべきで…。
「その…俺、ラフィのことは大好きだし、一緒にいて凄く楽しいしずっと一緒に居たいとは思ってるんだけど」
「うん」
「その…俺、恥ずかしい話、誰とも付き合ったこともないし、恋愛とかそういうのがよくわかってないって言うか…」
そう言ったらラフィはちょっと考えてから聞いてきた。
「俺と触れ合うのは嫌じゃないか?」
嫌ではない。
寧ろ心地いいから逆にソワソワして困る。
だから素直にそう言った。
「嫌とかそういうのは全然ないんだけど、なんだか落ち着かなくてソワソワするから凄く困る」
「そっか」
そうして本当に嬉しそうに笑いながら、「じゃあお試しでいいから結婚を前提に俺と付き合ってほしい」って軽い口調で言ってきた。
お試し?
お試しでお付き合いって、そういうのありなんだっけ?
ちょっと首を傾げたけど、そう言えばいつだったかクラスの女子が誰かに告白されたって話を教室でキャイキャイ話してて、「嫌じゃなかったらお試しで付き合っちゃいなよ。悪い奴じゃないし、案外上手くいくかもよ?」「そうそう。ダメだったら別れればいいんだし、思い切って付き合っちゃいな!」とか言ってたような…?
そう考えるとラフィからのこの提案は悪くはない気はする。
どうせこれから向こうで暮らすことになるんだし、毎日ラフィと一緒にいるのに変わりはない。
俺のイメージで『お付き合い』って言うのは、相手と楽しい時間を共有して、たまにキスして、手を繋いでデートとかする感じだから────うん。多分大丈夫。
ラフィもダメ元でって感じで軽く言ってるっぽいし、重く受け止めなくても良さそうな雰囲気だ。
そう思ったから思い切って頷いてみることに。
「えっと…俺でよかったら、その、よろしく?」
「やった!」
俺がOKを伝えたらラフィは満面の笑みでやったやったと大はしゃぎして抱きついてきた。
なんだか可愛い。
城では大人っぽい顔も見せるラフィだけど、こうしてみると俺と一つしか違わないんだよな。
そう思ったら変に肩に入っていた力もフッと抜けてしまった。
「じゃあ俺、これからもっとユウジに好きになってもらえるように頑張るから」
そう言ってきたラフィの眩しい笑顔に『既に骨抜きにされそうです』とはとても言えなかった。
***
【Side.ラフィンシア】
「ご機嫌ですね」
ユウジにお試し交際を持ち掛けてOKをもらった日の翌朝、エマーリンが笑顔で話しかけてきた。
ちなみにユウジやカンジ父さん、コウは既にそれぞれ学校や会社に行っていて、ユリエ母さんは買い物に出掛けている。
だから今、この家にはエマーリンと二人きりだ。
「ユウジが俺と結婚を前提に付き合ってくれるって言ってくれたからな」
「流石、段取りがお上手ですね」
皮肉を利かせてくるが好きに言え。
俺はユウジを逃がす気はこれっぽっちもないんだから。
「まあ得てして先に惚れた者の負けって言いますし、いいんじゃないですか?」
「ふふっ」
ちょっとアクシデントはあったけど、このままきっちり手に入れて結婚まで持っていきたい。
俺の癒しは誰にも譲る気はない!
だからユウジがあっちに住むなら邪魔者からもしっかり守らないと。
取り敢えずあっちに戻ったら早々に兄とエレンドスには誓約書でも書かせて、ユウジには手出しできないようにしておくつもりだ。
父と母にも話は通して、後は大臣達も味方につけておかないと。
後は何かしておくことはあるかな?
ユウジとの関係は正直焦るつもりはないんだ。
まずは周囲をしっかり固めて、ユウジには俺といたら楽しいって思ってもらえたらそれでいい。
お試し交際なんて言ったのもその一環だ。
ユウジは俺との恋愛が初めてって言ってたし、ちょっとずつ慣らして俺だけを見てくれるように持っていくつもりだ。
最終的に体の関係になるのは初夜でもいいから、ゆっくり距離を縮めよう。
「まあ…おはようとおやすみのキスだけは譲れないけどな」
俺のラブラブ新婚生活に向けて、計画的にユウジを囲い込もう。
「さて、取り敢えず暫くはユウジの家族にも認めてもらえるように頑張らないとな」
「本当、ラフィ王子は腹黒なんだから」
「うるさい!俺は欲しいものはきっちり手に入れる主義なんだ!」
「はいはい。頑張ってください」
エマーリンに『全く。まだまだ子供ですね』なんて言われたけど、俺はそんなに子供じゃないからな?!
こうして俺とユウジの新しい関係はスタートした。
俺の未来は明るいぞ!
****************
※二人のお試し交際が決定となりましたので、一先ずこのお話もここで一区切りです。
連日お付き合いくださった皆様ありがとうございました(^^)
二人の交際中エピソードもまた落ち着いてから書けたらいいなとは思ってるんですが(寧ろそこからが本題?)、そう言えばこのお話、短編&R-15設定にしてたなと思ったので一応ここで切っておきます。
再開する際はR設定を変えてるかもしれませんが、その際はその旨記載の上で書こうと思いますので、よろしくお願いしますm(_ _)m
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