たった五分のお仕事です?

オレンジペコ

文字の大きさ
43 / 43
Ⅳ.アレファンドラ生活

39.新しい生活

しおりを挟む
※お待たせしました。R-18に設定し直してこちらはのんびり新章スタートです。
よろしくお願いしますm(_ _)m

****************

「本当に魔法だわ!」

週末。またしてもお土産を沢山買い込んだラフィとエマーリンさんと一緒に、俺はアレファンドラへと戻ることに。
そう。もう俺が帰る場所はここではなく、あっちになってしまったのだ。

「気をつけてね」
「また月曜にな」

そう言って足元に広がる魔法陣に驚きながらも俺の部屋で見送ってくれる家族達。
有難いけどちょっと寂しい複雑な心境。
でもまた会えるんだし、ここで泣くわけにはいかない。

「宿題、ちゃんと向こうでもやるのよ?」
「わかってるよ!」

ちゃんとマジックバッグにそれだけは忘れずに入れておいたし、大丈夫なのに…!
そうして俺は最後までいつも通りだった家族に別れを告げて、アレファンドラへと戻ってきた。
これからは三日ごとにエマーリンさんのところに行って、魔法で自宅に送ってもらう生活が始まる。
まあこっちでは5分しか過ぎないし、慣れるまで時間はかかるだろうけど何とかしていきたいと思う。

それはいい。それはいいんだ。
ただ、本格的にこっちに住むことになったから前に与えられていた部屋から実は大きく場所を移動することになったんだ。
しかも場所はラフィの部屋の真横。
ここって普通お嫁さんの部屋じゃないの?!
え?付き合ってるんだから別に普通?
そんな軽いノリでいいのかな?
でもまあラフィの部屋と中からも繋がってるから、色々楽ではある。
簡易キッチンはついてないけど、今度改装もしてくれるらしい。
そんなのありなのかな?
なんだかダメな気がしてしょうがないんだけど、ラフィが『改装なんてすぐだから大丈夫だって』と言って笑うから、疑いつつもお願いすることに。

ラフィ的には俺の料理をいつでも食べたいんだって。
まあ俺も厨房までわざわざ行って迷惑かけながらコソコソ料理をするより、部屋で調理できる方がありがたいと言えばありがたい。

「あ、ユウジ。今日は一緒のベッドで寝ないか?ほら、ユウジの家で布団を並べて喋りながら寝たら楽しかったからさ」

そしてラフィは思いついたというように笑顔でそんなことを言ってくる。

「別にいいけど、狭くないかな?」
「大丈夫じゃないか?幅的には問題ないと思う」

そう言ってラフィに連れてこられた寝室のベッドは確かに巨大なサイズだった。
これってキングサイズとかいうやつなのかな?
よく知らないけど、余裕で二人、いや四人くらい寝れそうだなって思った。
これなら寝返りを打っても落っこちそうにないし、大丈夫な気がする。

「じゃあここで寝ようかな」
「ああ。ユウジの世界のこと、もっといっぱい教えてほしいな」

好奇心で目をキラキラ輝かせながらそう言ってくるラフィが可愛らしい。
そしてその日はいっぱい色んな話をして、さあ寝ようとなったところで突然ラフィから照れ臭そうに言われた。

「ユウジ。俺達の付き合い記念にキスしていいか?」

そんなラフィの言葉にこっちまで思わず照れてしまったものの、俺は思い切って「いいけど」と返した。
だって恥ずかしいのは俺だけじゃないし、いいかなって思ったんだ。
そしたら物凄く嬉しそうにチュッて軽くキスされた。
え?俺とのキス、そんなに嬉しいのかな?
なんだか凄く照れ臭い。

「ユウジ…もう一回」

そうしてチュッチュッと何度も軽く唇を重ねてくるラフィに、小鳥みたいと思いながら俺はクスリと笑みが零れ落ちてしまう。
照れ臭かったのは最初だけで、俺はあっという間にラフィとのキスに慣れてしまった。

「おやすみ。ラフィ」
「おやすみ。ユウジ」

そう言って今度はちょっと長めに唇を重ねてから眠りについた。

ちなみにその翌朝、おはようのキスもサラッとされて、「ユウジのお陰で元気出た!仕事は嫌だけど、今日も一日頑張るから!」ってすっごくいい笑顔で言われたから、それ以降おやすみのキスとおはようのキスは日課になった。

(ん?あれ?おかしいな?)

でもラフィのキスって『全然下心なんてありません』って感じだから警戒心が働かないんだよな。
不思議。

(まあ付き合ってるんだし、別におかしくはない…のかな?)

で。ここが肝心なんだけど、俺と一緒にラフィもあっちに行くようになって、格段にラフィに余裕ができたんだ。
あっちに仕事を持ち込んでいるからなんだけど、やってるのも俺が学校に行っている間だからマイペースに片付ければいいだけ。
しかもこっちではたった五分しか経っていない。

「こっちだとたった五分で仕事が片付いてることになるし、本当に楽。あっちでも好きなだけ寛げるし、ユウジとも一緒に居られるし、まさに天国だな」

そんな感じでラフィは常時ご機嫌だ。
今では大臣達は三日に一度ドサッと仕事を持ち込み、それ以外の日は仕事もあって無きが如しなほど少なめに。
つまりラフィは俺と遊び放題。
これに関してラフィの兄の第一王子(今更だけど、シュナイデルという名前らしい)は文句を言いまくっているのだとか。
ラフィばかり楽してズルいと。

(いや。仕事はちゃんとしてるから!)

『楽している』なんてラフィからすれば心外な言葉だと思う。
だってラフィはこれまでシュナイデル王子の仕事も多々引き受けていたんだから。

「さあユウジ。宿題は終わったか?」
「え?ああ、うん。終わった」
「そうか。じゃあ今日は王宮探検に行こう!」

ここ最近外に出ることも多かったし、たまにはこういうのも楽しいだろう?って茶目っ気たっぷりに誘ってくれる。
そんな言葉に笑顔で頷いて、俺はラフィの手を取り王宮探検へと出掛けたのだった。


しおりを挟む
感想 13

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(13件)

うさうさ
2021.11.02 うさうさ

わーい \(^o^)/ 新章開始!

ラフィのそれ作戦だから!
(_≧Д≦)ノ彡☆ばんばん
ってなっちゃう!笑笑

(ΦωΦ)フフフ…チョロいん…

2021.11.03 オレンジペコ

ありがとうございます♪
ゆっくり更新ですがお付き合いしてもらえたら嬉しいです(^^)
ラフィは相変わらずの確信犯(笑)
ユウジがそれに気づく日は来るんでしょうか(´艸`*)ふふふ

解除
うさうさ
2021.10.30 うさうさ

\(^o^)/ハッピーハロウィン!ありがとー!

こうしてイタズラは年々エロくなっていくんですね。( ´艸`)ムププ 今はまだR15ですが…美味しいイベントをラフィが続けない筈がない!
(ΦωΦ)フフフ…

2021.10.30 オレンジペコ

リクエストありがとうございました♪
年々エロくなるのはしょうがないですよね。
ラフィは本当に確信犯ですから(´艸`*)

解除
うさうさ
2021.09.12 うさうさ
ネタバレ含む
2021.09.12 オレンジペコ

ありがとうございます♪
多分続きもエレンドスと第一王子が引っ掻き回す事でしょう(´艸`*)
次の目標はR展開ですね〜。
ラフィとユウジのラブラブ展開、また考えて書いてみますね(*´꒳`*)

解除

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

悪役令息の兄って需要ありますか?

焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。 その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。 これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。