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【アルフレッドの家出】
54.アルフレッドの家出⑫
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時間的に昼食時だったから、トルセン夫妻と食事をしながら話を聞くことになった。
トルセンの奥さんに会うのは実は初めて。
幼な妻っていうのか?結構年下っぽい可愛らしい奥さんだ。
戦いで疲れてたトルセンが癒しを求めたのがよくわかる。
「アルフレッド様!お会いできて光栄ですわ」
花開くように可愛らしく笑ったトルセンの奥さんはマリアンヌという名前らしく、トルセンからはマリーと呼ばれていた。
「マリー。こっちがアルフレッドで、そちらがアルフレッドの夫のセドリック王子だ」
「まあ!貴方が噂のアルフレッド様を溺愛されているという王子様ですね!熱烈にアルフレッド様を愛されているからなかなか紹介できないんだって夫が言うので、是非その思いの丈をお聞かせしてほしかったんです!」
(…………テンションたっか!)
如何にも若い女の子って感じで場にいるだけで華やぐなぁとは思ったけど、俺の苦手なタイプだ。
まだ姫くらいの方がいい。
でもセドの方は違ったらしく、どちらかというと新鮮って顔をしてた。
確かにセドに対してこんな風に明るく元気に話してくる相手ってなかなかいないもんな。
だからなのかなんなのか、珍しくセドがにこやかに惚気話をし始めた。
それをマリアンヌは嬉しそうに笑いながら聞いてるんだけど────。
(…………なんだろう。もやもやする)
セドの惚気も嫌だったけど、それよりも何よりもマリアンヌと楽しげに話している姿に何となく疎外感を覚えて、なんだか急に剣が振りたくなった。
(さっさと食べて無心で剣振りたい……)
「…………えっと、惚気はその辺にして、姫についての相談がしたいんだけど…」
こうなったらさっさと話を聞くだけ聞いて離脱だ!
そうだそうしようとばかりに話を振ると、マリアンヌは親切に色々教えてくれて、セドも興味津々で話を聞いていた。
妊娠中のしていいこととダメなこと。
このあたりは奥さんも子供ができたら気をつけようと思ってることばかりだから実経験じゃなくて申し訳ないけれどと言われたが、参考になることばかりだった。
そしてお勧めの土産物。
王族なら宝飾品は沢山持っているだろうし、お土産として買うなら貝殻を使って飾り付けられた宝石箱などはどうかと勧められた。
種類も豊富で可愛いものが多いからきっと気に入ってもらえると思うと笑顔で言われたので、セドもいいんじゃないかと俺に言ってきた。
確かにこれなら姫も喜んでくれるかもしれない。
そういった話を聞くのは実に有意義な時間であるはずなのに────どうしてだろう?
(うぅぅ…なんだこれ、なんだこれ……)
別におかしなことは何もないのに、何故か時間が過ぎれば過ぎるほどもやもやが増していくような気がする。
俺、何か悪いものでも食べたっけ?
特に胸焼けするようなものはなかったと思うんだけど…。
「アルフレッド、どうかしたか?」
ちらちらとセドの方を見ていたからか、流石に気になったのか向こうの方からそんな風に訊いてきた。
でも俺にだって原因がわからないからどうしようもない。
「いや。ちょっと剣振りたいな~って」
だからそれだけ言ったのに、セドの方は何か勘違いしたのか殺気を飛ばしてきた。
「そんなにオーガストと早く打ち合いたいのか?」
「え?違うけど」
オーガストと打ち合いたいのは打ち合いたいけど、今はそんなこと全く頭になかった。
どちらかというと別のことで頭が混乱中って感じ?
セドは和気藹々と楽しそうにしてるのに、何故か俺だけおかしいなっていう、ただそれだけのことで……。
「アル…?」
滅茶苦茶睨まれて余計に居心地が悪くなってしまった。
(俺、本当に何がしたいんだろう?)
多分セドが一緒に来てなかったら普通にトルセンやマリアンヌと話だけして何の問題もなく終わったと思う。
だから……多分このもやもやはセドがここにいるからこそなのだろう。
でもその原因がわからない。
「はぁ…なんだこれ」
(知恵熱出そう…)
「セド…………今日は一人寝していいか?」
ちょっとちゃんと考えたいなって思ってそんなことを口走ったら、更なる殺気が飛んできたけど今の俺には逆効果。
(あ~セドの殺気好きだな、やっぱ)
ちょっとだけもやもや解消できたかも~とか思ってたら、慌てたように横からトルセンの待ったが入った。
「待て待て待て!いきなりここで夫婦喧嘩をするな!」
「え?してないけど?」
「どこからどう見てもしてるだろ?!王子が滅茶苦茶キレてるじゃないか!お前の目は節穴か!」
「え?セドのこれは愛情表現だから、気にしなくていいって」
何を今更ときょとんとして言ってやったらトルセンがテーブルに突っ伏して撃沈していた。
どうも俺の感覚がおかしいらしく、これにはマリアンヌの方も困惑顔だ。
でもこの奥さん、やけに強いな。
セドの殺気を間近で感じても全く顔色変えてないし。
そこだけは本気で凄いって思った。
姫だったらきっと気を失ってるレベルだぞ?
メンタル強いところが流石トルセンの嫁って感じ?
「ああ、わかりましたわ!アルフレッド様ったら、本当にセドリック王子にべた惚れなんですね。微笑ましいです」
しかも不意にそんなことをにっこり笑いながら言うものだからたまらない。
「何を…」
「まあまあ。隠さなくてもよろしいのに。先程から王子が私と話すたびにちらちらと所在なさげに王子をご覧になっていたでしょう?嫉妬してらしたんですよね?食事もほぼ終わりましたし、ちょうどそろそろ切り上げた方がいいのかと思っていたところでしたのよ?」
王子の気を惹きたくて一人寝なんて言い出したのでしょう?とコロコロと笑われてなんだか物凄く居た堪れない気持ちに襲われてしまう。
「ふふふっ。王子には誤解されてしまったようですけど、私にはちゃんとわかっていますわ。アルフレッド様。恋のお悩みができましたら、是非私にお手紙下さいませね。夫よりも的確なお答えをお送りいたしますわ」
実に楽し気にされたけど、そんなんじゃないから!!
勝手に顔が熱くなるのも、見当違いのことを言われて恥ずかしくなっただけだから!!
そう思って勢いよく席を立ったら、殺気を引っ込めたセドにまで揶揄われた。
「アルフレッド…可愛いな。トルセンに引き続き、奥方にまで嫉妬してくれたのか?」
「ち、違うから!俺は、そう!オーガストと早く剣を合わせたかっただけだからっ…!」
「ククッ…この状況で言っても言い訳にしか聞こえないな。剣なら俺が相手をしてやるから、好きなだけ打ち込んでこい」
そして、行こうかって言いながら俺の腰を抱いてトルセン夫婦に笑顔で礼を言ってからその場から離脱してしまった。
(くそっ…なんだこの敗北感……!)
こんな気持ちになったのは初めてだ!
俺らしくない、俺らしくないぞ!
そんな気持ちに襲われながら、それでもセドと剣を合わせて、次いでオーガストとも剣を合わせて調子を取り戻しその日を終えた。
その日の夜は何故か物凄く濃厚に甘く愛されたけど、もやもやするのを誤魔化すようにちょっと積極的に口でしてみたり、いつも以上にセドを求めてしまったりとかしてしまった気がするから記憶から消去してしまいたい気持ちでいっぱいだ。
嬉しそうなセドには悪いけど、俺はそんなキャラじゃない!
頼むからサッサと寝て忘れてほしい。
ついでにセドから明後日の朝には帰るから、やり残したことがあったら明日やっておくようにと言われた。
それならそれでオーガストと本気で打ち合いたいななんて思いながら、俺はすやすやとセドの腕の中で眠りに落ちたのだった。
トルセンの奥さんに会うのは実は初めて。
幼な妻っていうのか?結構年下っぽい可愛らしい奥さんだ。
戦いで疲れてたトルセンが癒しを求めたのがよくわかる。
「アルフレッド様!お会いできて光栄ですわ」
花開くように可愛らしく笑ったトルセンの奥さんはマリアンヌという名前らしく、トルセンからはマリーと呼ばれていた。
「マリー。こっちがアルフレッドで、そちらがアルフレッドの夫のセドリック王子だ」
「まあ!貴方が噂のアルフレッド様を溺愛されているという王子様ですね!熱烈にアルフレッド様を愛されているからなかなか紹介できないんだって夫が言うので、是非その思いの丈をお聞かせしてほしかったんです!」
(…………テンションたっか!)
如何にも若い女の子って感じで場にいるだけで華やぐなぁとは思ったけど、俺の苦手なタイプだ。
まだ姫くらいの方がいい。
でもセドの方は違ったらしく、どちらかというと新鮮って顔をしてた。
確かにセドに対してこんな風に明るく元気に話してくる相手ってなかなかいないもんな。
だからなのかなんなのか、珍しくセドがにこやかに惚気話をし始めた。
それをマリアンヌは嬉しそうに笑いながら聞いてるんだけど────。
(…………なんだろう。もやもやする)
セドの惚気も嫌だったけど、それよりも何よりもマリアンヌと楽しげに話している姿に何となく疎外感を覚えて、なんだか急に剣が振りたくなった。
(さっさと食べて無心で剣振りたい……)
「…………えっと、惚気はその辺にして、姫についての相談がしたいんだけど…」
こうなったらさっさと話を聞くだけ聞いて離脱だ!
そうだそうしようとばかりに話を振ると、マリアンヌは親切に色々教えてくれて、セドも興味津々で話を聞いていた。
妊娠中のしていいこととダメなこと。
このあたりは奥さんも子供ができたら気をつけようと思ってることばかりだから実経験じゃなくて申し訳ないけれどと言われたが、参考になることばかりだった。
そしてお勧めの土産物。
王族なら宝飾品は沢山持っているだろうし、お土産として買うなら貝殻を使って飾り付けられた宝石箱などはどうかと勧められた。
種類も豊富で可愛いものが多いからきっと気に入ってもらえると思うと笑顔で言われたので、セドもいいんじゃないかと俺に言ってきた。
確かにこれなら姫も喜んでくれるかもしれない。
そういった話を聞くのは実に有意義な時間であるはずなのに────どうしてだろう?
(うぅぅ…なんだこれ、なんだこれ……)
別におかしなことは何もないのに、何故か時間が過ぎれば過ぎるほどもやもやが増していくような気がする。
俺、何か悪いものでも食べたっけ?
特に胸焼けするようなものはなかったと思うんだけど…。
「アルフレッド、どうかしたか?」
ちらちらとセドの方を見ていたからか、流石に気になったのか向こうの方からそんな風に訊いてきた。
でも俺にだって原因がわからないからどうしようもない。
「いや。ちょっと剣振りたいな~って」
だからそれだけ言ったのに、セドの方は何か勘違いしたのか殺気を飛ばしてきた。
「そんなにオーガストと早く打ち合いたいのか?」
「え?違うけど」
オーガストと打ち合いたいのは打ち合いたいけど、今はそんなこと全く頭になかった。
どちらかというと別のことで頭が混乱中って感じ?
セドは和気藹々と楽しそうにしてるのに、何故か俺だけおかしいなっていう、ただそれだけのことで……。
「アル…?」
滅茶苦茶睨まれて余計に居心地が悪くなってしまった。
(俺、本当に何がしたいんだろう?)
多分セドが一緒に来てなかったら普通にトルセンやマリアンヌと話だけして何の問題もなく終わったと思う。
だから……多分このもやもやはセドがここにいるからこそなのだろう。
でもその原因がわからない。
「はぁ…なんだこれ」
(知恵熱出そう…)
「セド…………今日は一人寝していいか?」
ちょっとちゃんと考えたいなって思ってそんなことを口走ったら、更なる殺気が飛んできたけど今の俺には逆効果。
(あ~セドの殺気好きだな、やっぱ)
ちょっとだけもやもや解消できたかも~とか思ってたら、慌てたように横からトルセンの待ったが入った。
「待て待て待て!いきなりここで夫婦喧嘩をするな!」
「え?してないけど?」
「どこからどう見てもしてるだろ?!王子が滅茶苦茶キレてるじゃないか!お前の目は節穴か!」
「え?セドのこれは愛情表現だから、気にしなくていいって」
何を今更ときょとんとして言ってやったらトルセンがテーブルに突っ伏して撃沈していた。
どうも俺の感覚がおかしいらしく、これにはマリアンヌの方も困惑顔だ。
でもこの奥さん、やけに強いな。
セドの殺気を間近で感じても全く顔色変えてないし。
そこだけは本気で凄いって思った。
姫だったらきっと気を失ってるレベルだぞ?
メンタル強いところが流石トルセンの嫁って感じ?
「ああ、わかりましたわ!アルフレッド様ったら、本当にセドリック王子にべた惚れなんですね。微笑ましいです」
しかも不意にそんなことをにっこり笑いながら言うものだからたまらない。
「何を…」
「まあまあ。隠さなくてもよろしいのに。先程から王子が私と話すたびにちらちらと所在なさげに王子をご覧になっていたでしょう?嫉妬してらしたんですよね?食事もほぼ終わりましたし、ちょうどそろそろ切り上げた方がいいのかと思っていたところでしたのよ?」
王子の気を惹きたくて一人寝なんて言い出したのでしょう?とコロコロと笑われてなんだか物凄く居た堪れない気持ちに襲われてしまう。
「ふふふっ。王子には誤解されてしまったようですけど、私にはちゃんとわかっていますわ。アルフレッド様。恋のお悩みができましたら、是非私にお手紙下さいませね。夫よりも的確なお答えをお送りいたしますわ」
実に楽し気にされたけど、そんなんじゃないから!!
勝手に顔が熱くなるのも、見当違いのことを言われて恥ずかしくなっただけだから!!
そう思って勢いよく席を立ったら、殺気を引っ込めたセドにまで揶揄われた。
「アルフレッド…可愛いな。トルセンに引き続き、奥方にまで嫉妬してくれたのか?」
「ち、違うから!俺は、そう!オーガストと早く剣を合わせたかっただけだからっ…!」
「ククッ…この状況で言っても言い訳にしか聞こえないな。剣なら俺が相手をしてやるから、好きなだけ打ち込んでこい」
そして、行こうかって言いながら俺の腰を抱いてトルセン夫婦に笑顔で礼を言ってからその場から離脱してしまった。
(くそっ…なんだこの敗北感……!)
こんな気持ちになったのは初めてだ!
俺らしくない、俺らしくないぞ!
そんな気持ちに襲われながら、それでもセドと剣を合わせて、次いでオーガストとも剣を合わせて調子を取り戻しその日を終えた。
その日の夜は何故か物凄く濃厚に甘く愛されたけど、もやもやするのを誤魔化すようにちょっと積極的に口でしてみたり、いつも以上にセドを求めてしまったりとかしてしまった気がするから記憶から消去してしまいたい気持ちでいっぱいだ。
嬉しそうなセドには悪いけど、俺はそんなキャラじゃない!
頼むからサッサと寝て忘れてほしい。
ついでにセドから明後日の朝には帰るから、やり残したことがあったら明日やっておくようにと言われた。
それならそれでオーガストと本気で打ち合いたいななんて思いながら、俺はすやすやとセドの腕の中で眠りに落ちたのだった。
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