【完結】王子の本命~姫の護衛騎士は逃げ出したい~

オレンジペコ

文字の大きさ
105 / 215
【国際会議】

96.※国際会議㉞ Side.セドリック

しおりを挟む
ロキ陛下とカリン王子の結婚式に参列するためにアルフレッドと共にガヴァム王国へとやってきた。

ここ数ヶ月、ロキとは何度か手紙のやり取りをして随分親しくなった。
だから勝手に心の中では呼び捨てにしている。
あれはなかなかどうして使える男で、発想が面白い。
画像を録画する機器の話を試しにしたら、その画像をなんとか紙に写し取れないかと言ってきたのだ。
本人はカリン王子の絵を持ち歩きたいだけで言い出したようだが、正直それをするにあたってきちんとこちらの利点についても手紙に書いてきていた。
曰く、記録時間が安定しなくても、一瞬の画像を紙に印刷できるなら証拠に使えるのではいうものだ。
確かにそれならここぞという時にボタンを押せばいいだけなので証拠を確実に抑えやすい。
だからこそすぐさまそれを開発させていた技術士に指示を出し、機器の改良をさせた。
ロキの結婚祝いにするから絶対に手を抜くなと言っておいただけあって、四苦八苦しながらもなんとか形にしてきたのでそれを祝いの品として贈った。

顔を合わせてすぐロキはそれの礼を述べ、とても満足していると言ってくる。
しかも今ミラルカとレトロンと三か国で進めている事業でもすごく使えそうだから、追加で購入させてほしいとも言ってきた。
生産ラインが整うのに時間がかかるのなら協力してもいいとも言ってきたので、それに関してももう少し詳しく話したいと思った。
上手くやればブルーグレイにとっても大きな利益に繋がるだろう。

そんな話をしていると、アルフレッドがチラチラとカリン王子に視線を送っていることに気が付いた。
恐らく俺に怯えて小さくなっているカリン王子を不憫に思って見ているだけなのだろうが、それはやめておくべきだ。
案の定ロキの目が剣呑な色を孕み、アルフレッドに向けられてしまう。
本当にロキはこのあたりは全くぶれない。
俺が牽制しようとも思わないほどの徹底ぶりだ。
本来なら庇ってやるべきなのかもしれないが、これは明らかにアルフレッドが悪い。
俺だって逆の立場なら相手を睨むだろう。

そして話はそこで打ち切る事となり、ロキ達に見送られながら部屋に戻ることに。
だがその際にロキの口からお勧めの場所を教えてもらうことができ、更に夕食後その自慢の湯殿へと案内してもらえたのは大きかった。
広々とした温泉が湧く素晴らしい湯殿はまさに開放感あふれる空間で、ここでアルフレッドとするのがたったの一度と言うのは勿体ないとさえ思わせる素晴らしさ。
思わずアルフレッドに数日滞在しようと口にしてしまったほどだ。
アルフレッドもここの素晴らしさには感動したようだが、ここで抱かれるのは嫌だったらしく可愛く抵抗してきた。
まあそんなもの聞いてやる気はないが。

「アルフレッド…そろそろいいと言え」
「はぁ…あぅ…んっんっ…!」
「アル?」
「あ…それダメだったら…っ!あっ、イイッ!イイッ!」
「そうか。いいか。言質は取ったぞ?」
「ひあっ!それ、違っ…!ん────ッ!!」

数日滞在するなら今日はこの辺で切り上げてやると言って口づけ、そのまま突き上げてやると泣きながら甘い声で達してしまった。

「はぁ…。ここは逆上せにくい造りになっているのもいいな」

熱くなった体に適度な風が気持ちよくてついつい長居してしまう。

「アルフレッド。疲れた身体に温泉はとてもいいらしいぞ?」

そう言いながら俺はアルフレッドを抱き上げ手近な湯につかり、ゆっくりと二人で温泉を堪能した。


***


翌日、ゆっくり休んで疲れも取れたので普通に結婚式に参加してロキを祝ってやろうとパーティーにやってきたのだが、そこで思いがけずアンシャンテの新王に挨拶をされた。
シャイナーという名の俺と年の近い王だ。
前王に比べると多少はマシと言ったそこそこ切れ者の男だと聞いてはいる。
まあそんな男だからこそ、父王が退位した要因を突き止めることができたのだろう。
思い切り『お前のせいで父が退位する羽目になった』と言わんばかりの目を向けてこられた。
けれどここまであからさまだといっそわかりやすくていい。

(可愛いものだな)

この程度ならあしらうのも容易だし、こちらに手を出してきたとしても一捻りしてやればおとなしくなるはずだ。
そう思って軽く相手をしてやっていたら挙式開始の宣誓が行われた。

「本日はお集まりいただきありがとうございます。これより挙式が始まりますので新郎新婦と立会人は教会へと入らせて頂きます。ご希望の方は見届け人としてお入り頂いても構いませんが、式はガヴァム式で執り行われますのでどうぞ自己責任ということをお忘れなきようお願い致します。どうぞ皆様方に置かれましては新郎新婦が結ばれてから祝辞を頂ければと思います」

どうやら見学は自由と言う話は本当だったらしい。
けれど思っていた以上に教会の中に入っていく者達の数が多かったせいで、何故かアルフレッドから疑いの眼差しを向けられてしまう。

(誤解だぞ?)

これは単純にガヴァムの者達が覗き趣味なだけであって、俺は何も嘘などはついていない。
けれどそれを言ったところでどうせアルフレッドは自分の目で見たものをこそ信じるのだろう。
俺への信用はほぼゼロに近いからそれは仕方のないことだ。
だがこれはこれで面白いと思い、疑うなら見に行こうと言って手を引き、中へと連れ込んでやった。
何故か俺達を追いかけるようにシャイナーまで来てしまったのは驚いたが、流石に結婚式で騒ぐほどの馬鹿ではなかったようでおとなしく式を見守っている。

厳かな空気が流れる中、新郎新婦が正面へと礼をとり、ゆっくりと服を脱ぎ始める。
カリン王子がロキの前へと跪き、そのままフェラが始まるのかと思いきや、チュッと軽くキスをしたところでロキの手がそちらへと差し伸べられた。
どうやら二人は略式で行うらしい。

(これはちょっと残念だな)

折角アルフレッドが恥ずかしがる姿が見られると思ったのにと小さく息を吐いていると、宰相はじめ他の貴族の者達からストップが入った。
曰く、王族は略式は認められないという主張だ。
しかもしっかり見せつけろとまで言われ、戸惑っているようだ。

(これは面白い)

そこにいるガヴァムの面々からは絶対に簡略化は認めないと言わんばかりの空気が流れていて、とてもではないが略式を強行できそうにない空気が流れていた。
もうこうなったらロキも諦めざるを得まい。
そう思って見守っていると、諦めたようにカリン王子へと了承をとり、おとなしく本来の流れへと戻した。
しかも短く済ませるという言葉通り短くは終わったが、蓋を開けてみればその内容は濃厚以外の何ものでもなく、非常に見応えがあった。
言葉責めと容赦ない責め立てが絶妙で、カリン王子は観賞中のこちらに一切気づく間もなくあっという間に快楽の波に連れ去られていく。
ロキはこちらに気づいていたようだから、敢えて兄の為にそうしてやったのだろうが、本当に面白くて益々気に入ってしまう。

(最高だな)

ついでに言うとアルフレッドの方もそのまぐわいに興奮しすぎて大変なことに。
これまで人の閨を見る機会がなかったからか、最初は手で顔を覆っていたくせに最後はガン見して顔を真っ赤にしながら前かがみになりつつ俺にしがみ付いていた。
そんなアルフレッドが可愛くて俺は悪戯をしてやりながら二人のまぐわいを鑑賞していたのだが、中イキだけでは性欲が解消できなかったのか、式が終わってからも真っ赤な顔で俺にしがみ付き、連れ出してくれと強請られた。
そんなことを言われてはこちらとしても黙っていられるはずがない。
きっちり美味しく据え膳は頂いておいた。
ロキが教会を出る前に手配しておいてくれたのか、最後に教会を出て行った者がこちらに小さく頷いてくれたのを目にして邪魔が入らないことを確信する。
教会の中は声も響くしアルフレッドの可愛い声を堪能するのにもうってつけで、俺は非常に楽しむことができたのだった。
しおりを挟む
感想 221

あなたにおすすめの小説

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。 あれこれめんどくさいです。 学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。 冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。 主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。 全てを知って後悔するのは…。 ☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです! ☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。 囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。 魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。

処理中です...